前立腺がんの骨転移で、「この先どうなるのか」と不安を感じていませんか?
前立腺がんが骨に転移し、腰や骨盤の痛みに苦しみながら、「治療費や生活費はどうすればいいのか」「働けないまま、家族に負担をかけ続けるのか」と、将来への不安を抱えている方は少なくありません。骨転移による疼痛や歩行困難は、日常生活を大きく制限し、仕事を続けることも難しくなります。
実は、前立腺がんで骨転移がある場合、症状の程度によっては障害年金の対象となる可能性があります。障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出ている方を支援する公的な制度です。治療中であっても申請できますし、適切に手続きを進めれば、経済的な支えを得ることができます。
この記事では、前立腺がんの骨転移で障害年金を検討されている方に向けて、以下の内容を詳しく解説します。
- 骨転移があると障害年金の何級に該当するのか(1級・2級・3級の判定基準)
- 疼痛の程度やADL制限がどのように評価されるのか
- 治療中でも申請できるのか、いつ申請すべきか
- 初診日の考え方や診断書作成のポイント
- 実際の受給事例(等級別の具体例)
当事務所「清水総合法務事務所」は、神戸市須磨区を拠点に、兵庫県内で障害年金の申請サポートを専門に行っている社会保険労務士事務所です。「諦めない障害年金」をコンセプトに、複雑なケースや初診日の証明が難しい場合にも、粘り強く対応してきました。前立腺がんの骨転移による申請についても、多くの実績があります。
前立腺がんの骨転移で障害年金申請をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。神戸の障害年金専門社労士が、あなたの状況を丁寧にお伺いします。
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前立腺がんの骨転移とは?障害年金との関係
前立腺がんは、進行すると骨やリンパ節に転移しやすいがんです。特に骨転移は、去勢抵抗性前立腺がん(ホルモン療法が効きにくくなった状態)では85〜90%の方に認められるとされています。骨転移が起こると、疼痛や骨折、麻痺などの症状が現れ、日常生活に大きな影響を及ぼします。
前立腺がんに骨転移が多い理由
前立腺がんは、前立腺の周囲に骨盤や脊椎などの骨が存在しているため、早い段階から骨転移を起こしやすい特徴があります。がん細胞が血液を介して骨に運ばれ、そこで増殖することで骨組織を破壊します。
前立腺がんの骨転移は、脊椎(背骨)、骨盤、肋骨、大腿骨などに起こりやすく、これらの部位は体を支える重要な骨です。そのため、転移が起こると痛みだけでなく、歩行や立位、座位といった日常動作に支障が出やすくなります。
また、前立腺がんの骨転移は「造骨型」といって、骨が異常に作られるタイプの転移が多いことも特徴です。骨がもろくなるだけでなく、神経を圧迫することで痛みや麻痺を引き起こすこともあります。
骨転移によって起こる主な症状
骨転移が起こると、以下のような症状が現れることがあります。
疼痛(とうつう):骨転移の最も代表的な症状です。転移した部位に持続的な痛みが生じ、動作時にはさらに強くなります。腰椎や骨盤への転移では、腰痛や臀部痛として感じられることが多く、日常生活を大きく制限します。痛みのコントロールには鎮痛剤が使われ、症状が強い場合は医療用麻薬が必要になることもあります。
病的骨折:骨転移によって骨がもろくなると、わずかな衝撃で骨折が起こることがあります。脊椎に転移している場合は、圧迫骨折が起こりやすく、突然の激しい痛みや身長の短縮が見られます。大腿骨の骨折では、立つことも歩くこともできなくなります。
脊髄圧迫による麻痺:脊椎に転移したがんが脊髄を圧迫すると、下肢のしびれや麻痺、排尿・排便障害などが起こります。この場合、早急な治療が必要です。治療が遅れると、麻痺が永久に残ることもあります。
ADL(日常生活動作)の制限:疼痛や骨折、麻痺によって、歩行、階段の昇降、立ち上がり、入浴、トイレなどの日常動作が困難になります。杖や車椅子が必要になったり、家族の介助なしでは生活できなくなったりするケースもあります。
以下のチェックリストで、ご自身の状態を確認してみてください。
| 症状 | チェック |
|---|---|
| 腰や骨盤に持続的な痛みがある | □ |
| 鎮痛剤や医療用麻薬を使用している | □ |
| 杖や車椅子なしでは歩けない | □ |
| 長時間の立位や座位が困難 | □ |
| 階段の昇降ができない | □ |
| 入浴やトイレに介助が必要 | □ |
| 下肢にしびれや麻痺がある | □ |
| 仕事を休職または退職した | □ |
※上記に該当する項目がある方は、障害年金の受給可能性があります。
骨転移があっても障害年金の対象になります
前立腺がんで骨転移がある場合、障害年金の対象となる可能性があります。がん(悪性新生物)による障害は、厚生労働省が定める「障害認定基準」において、次の3つに区分されています。
①がんそのもの(原発巣、転移巣を含む)によって生じる局所の障害:骨転移による疼痛、骨折、脊髄圧迫による下肢麻痺などが該当します。これらは肢体の障害としても評価され、がんの診断書に加えて「肢体の障害」用の診断書を使用することもあります。
②がんそのもの(原発巣、転移巣を含む)による全身の衰弱または機能の障害:がんの進行によって体力が著しく低下し、日常生活が困難になっている状態です。ベッド上での生活が中心になったり、家事や外出ができなくなったりする場合が該当します。
③がんに対する治療の効果として起こる全身衰弱または機能の障害:ホルモン療法、抗がん剤治療、放射線治療などの副作用によって、倦怠感、食欲不振、免疫力の低下などが起こり、日常生活に支障が出ている状態です。
重要なのは、治療中であっても障害年金の申請は可能だということです。「治療が終わってから」「症状が固定してから」と考える必要はありません。むしろ、治療を続けながら経済的な支えを得ることで、治療に専念できる環境を整えることができます。
前立腺がんの骨転移で日常生活に支障が出ている方は、諦めずに障害年金の申請を検討してください。
前立腺がん骨転移の障害年金認定基準|何級に該当する?
障害年金には等級があり、障害の程度によって1級、2級、3級に分けられます。等級によって受け取れる年金額が異なるため、ご自身の状態がどの等級に該当するかを理解することが大切です。
障害年金の等級とは(1級・2級・3級)
障害年金の等級は、日常生活や労働能力への制限の程度によって判定されます。
1級:他人の介助を受けなければ、ほとんど日常生活を送ることができない程度の障害です。常に臥床(寝たきり)が必要で、食事、トイレ、入浴などの身の回りのことにも介助が必要な状態が該当します。生活の範囲がベッド周辺に限られているような状況です。
2級:必ずしも他人の介助を必要としませんが、日常生活が著しく困難で、労働によって収入を得ることができない程度の障害です。家庭内では介助が必要な動作があり、外出や就労はほぼ不可能な状態が該当します。
3級(厚生年金のみ):労働が著しい制限を受けるか、労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害です。軽労働であれば可能な場合もありますが、職種や労働時間に制限があり、職場からの配慮が必要な状態が該当します。
なお、国民年金の場合は1級と2級のみが支給対象で、厚生年金の場合は1級、2級、3級のいずれも対象となります。初診日にどちらの年金に加入していたかによって、受給できる等級が異なります。
| 等級 | 状態の目安 | 年金額目安(2025年度) |
|---|---|---|
| 1級 | 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度(常時介助必要) | 障害基礎年金:約104万円/年 障害厚生年金:報酬比例額×1.25+配偶者加給 |
| 2級 | 日常生活が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度 | 障害基礎年金:約83万円/年 障害厚生年金:報酬比例額+配偶者加給 |
| 3級 | 労働が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度 | 障害厚生年金のみ:報酬比例額(最低保障約62万円/年) |
※金額は加入期間・報酬月額等により異なります。目安としてご参照ください。
がんの認定に使われる「一般状態区分表」
がん(悪性新生物)による障害の等級判定では、「一般状態区分表」という基準が使われます。これは、日常生活の制限の程度を「ア」から「オ」までの5段階で評価するものです。
| 区分 | 状態 |
|---|---|
| ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
| イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの |
| ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
| エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
| オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
この一般状態区分表をもとに、おおよその等級が判定されます。
- 1級:「オ」に該当する状態
- 2級:「エ」または「ウ」に該当する状態
- 3級:「ウ」または「イ」に該当する状態
ただし、これはあくまで目安であり、実際の認定では総合的に判断されます。一般状態区分表だけで機械的に決まるわけではなく、疼痛の程度、ADL制限の具体的内容、治療の状況なども考慮されます。
骨転移特有の認定ポイント
前立腺がんの骨転移では、以下のポイントが等級判定で重視されます。
疼痛の程度:骨転移による痛みは、等級判定の重要な要素です。特に、鎮痛剤の種類と使用頻度が評価されます。非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)で痛みがコントロールできている場合と、医療用麻薬(モルヒネなど)が必要な場合では、障害の程度が大きく異なります。医療用麻薬を常用しなければ日常生活が送れない状態は、より重い等級に該当する可能性が高くなります。診断書には、使用している鎮痛剤の種類と量を詳細に記載してもらうことが重要です。
ADL(日常生活動作)の制限:歩行能力、立位・座位の持続時間、階段昇降の可否、入浴・トイレ・食事などの動作が自力でできるかどうかが詳しく評価されます。骨転移によって歩行が困難になり、杖や車椅子が必要な場合、あるいは家族の介助なしでは入浴やトイレができない場合は、2級以上に該当する可能性があります。診断書の「日常生活動作の障害の程度」欄には、具体的な制限内容を記載してもらう必要があります。
病的骨折・脊髄圧迫の有無:骨転移によって病的骨折が起こった場合、あるいは脊髄圧迫によって下肢に麻痺が生じている場合は、障害の程度が重いと判断されます。特に、脊椎の圧迫骨折で寝たきりに近い状態になっている場合や、脊髄圧迫で下肢の運動機能が著しく低下している場合は、1級または2級に該当する可能性が高くなります。
併合認定の可能性:骨転移による障害は、「がん(悪性新生物)による障害」だけでなく、「肢体の障害」としても評価されることがあります。たとえば、骨転移によって下肢の機能が著しく低下している場合、がんの診断書(血液・造血器・その他の障害用)に加えて、肢体の診断書を提出することで、併合認定によって上位の等級が認められる可能性があります。併合認定とは、2つ以上の障害を合わせて評価する仕組みで、それぞれ単独では3級でも、併合すると2級になることがあります。
診断書の種類:がんの場合、基本的には「血液・造血器・その他の障害」用の診断書(様式第120号の7)を使用します。しかし、骨転移によって肢体に明らかな障害(下肢の麻痺、関節の可動域制限など)がある場合は、「肢体の障害」用の診断書(様式第120号の3)も併せて提出することで、より正確に障害の状態を伝えることができます。
等級別の具体例
実際に、どのような状態が各等級に該当するのか、具体例を見てみましょう。
1級に該当する状態:脊椎の多発骨転移と病的骨折により、ほぼ寝たきりの状態。医療用麻薬を常用しても疼痛が強く、ベッドから起き上がることも困難。食事、トイレ、入浴のすべてに家族またはヘルパーの介助が必要。外出は不可能で、生活範囲がベッド周辺に限られている。
2級に該当する状態:腰椎・骨盤への骨転移により、歩行は車椅子または杖が必要。医療用麻薬で疼痛をコントロールしているが、長時間の座位や立位は困難。入浴は配偶者の介助が必要で、家事(掃除、買い物など)はほぼできない。外出は月に数回の通院のみで、就労は不可能。
3級に該当する状態:骨盤・肋骨への骨転移により、疼痛があるが鎮痛剤である程度コントロール可能。杖を使えば短距離の歩行は可能だが、階段昇降は困難。デスクワークであれば短時間(4〜5時間程度)の勤務は可能だが、通勤には配偶者の送迎が必要。職場では座位での軽作業に限定され、頻繁な休憩が必要。
これらはあくまで例示であり、実際の認定は個別の状況を総合的に判断して行われます。ご自身の状態がどの等級に該当しそうか、不安な場合は専門家にご相談ください。
前立腺がん骨転移で障害年金を申請するには
障害年金を受給するためには、一定の要件を満たす必要があります。要件を満たしていないと、症状が重くても受給できないことがあるため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
受給するための3つの要件
障害年金を受給するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
①初診日要件:障害の原因となった病気について、初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していることが必要です。初診日にどちらの年金に加入していたかによって、受給できる年金の種類(障害基礎年金または障害厚生年金)が決まります。
②保険料納付要件:初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あることが必要です。ただし、初診日が令和8年4月1日前にあり、初診日において65歳未満の場合は、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ要件を満たします。
③障害状態該当要件:障害認定日(初診日から1年6か月を経過した日、または1年6か月以内に症状が固定した日)において、障害等級表に定める1級、2級、3級(厚生年金の場合)のいずれかに該当していることが必要です。
この3つの要件のうち、特に重要なのが「初診日」です。初診日がいつかによって、受給できる年金の種類や保険料納付要件の判定が変わるため、正確に特定する必要があります。
初診日の考え方(重要ポイント)
初診日とは、「障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」のことです。前立腺がんの場合、がんと診断された日ではなく、がんにつながる症状で最初に医療機関を受診した日が初診日になります。
たとえば、腰痛で整形外科を受診し、その後、総合病院で検査を受けて前立腺がんと診断された場合、整形外科を受診した日が初診日になる可能性があります。これは、腰痛が前立腺がんの骨転移による症状だったと後から判明したためです。
初診日の証明には、「受診状況等証明書」という書類を、初診日の医療機関から取得する必要があります。しかし、初診から長期間が経過している場合、カルテが廃棄されていて証明書が取得できないこともあります。その場合は、受診当時の診察券、領収書、お薬手帳、健康保険の給付記録などを使って、初診日を推定することになります。
初診日の特定が難しいケースは、障害年金申請の中でも特に専門的な対応が必要な部分です。当事務所では、初診日の証明が困難な場合でも、さまざまな資料を駆使して初診日を立証するサポートを行っています。
申請の流れ(全体像)
障害年金の申請は、以下のような流れで進みます。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 初診日の確認 | 受診状況等証明書の取得、初診日の特定 |
| 2 | 診断書の依頼 | 主治医への依頼、障害の状態を正確に記載してもらう |
| 3 | 病歴・就労状況等申立書の作成 | 発症から現在までの経緯、日常生活の制限を詳細に記載 |
| 4 | 年金事務所への提出 | 必要書類を揃えて提出 |
| 5 | 審査・結果通知 | 約3〜4か月後に結果通知(認定または不支給) |
申請から結果が出るまでには、通常3〜4か月程度かかります。この間、追加の資料提出を求められることもあります。審査は日本年金機構の認定医によって行われ、提出された診断書や病歴就労状況等申立書の内容をもとに、障害の程度が判定されます。
複雑な手続きや書類作成に不安がある方は、障害年金の申請を専門に扱う社会保険労務士にご相談ください。当事務所では、書類の準備から提出、審査結果が出るまでのサポートを行っています。
当事務所のサポート内容
このような複雑なケースにも対応しています。
- 初診日が不明確なケースの調査・証明
- 医師との診断書作成に関する連携サポート
- 病歴・就労状況等申立書の作成代行
- 不支給決定後の再申請・審査請求
神戸・兵庫県で多数の申請サポート実績があります。詳しくはこちら
申請成功のカギ:診断書と病歴就労状況等申立書
障害年金の審査では、診断書と病歴就労状況等申立書の内容が非常に重要です。これらの書類に、ご自身の障害の状態が正確かつ詳細に記載されていないと、実際よりも軽く判断されてしまい、不支給や下位の等級になってしまうことがあります。
診断書作成で重要なこと
診断書は、主治医に作成を依頼します。がんの場合、「血液・造血器・その他の障害」用の診断書(様式第120号の7)を使用するのが基本です。ただし、骨転移によって肢体に明らかな障害がある場合(下肢の麻痺、歩行困難など)は、「肢体の障害」用の診断書(様式第120号の3)も併せて提出することが推奨されます。
診断書を依頼する際には、以下のポイントを主治医に伝えることが大切です。
骨転移の部位と程度:どの骨に転移があるか、転移の範囲や個数を具体的に記載してもらいます。画像検査(CTやMRI、骨シンチグラフィ)の結果を参照してもらうとよいでしょう。
疼痛の程度:痛みの強さ、持続時間、痛みが出る動作などを詳しく記載してもらいます。特に、使用している鎮痛剤の種類(非ステロイド性消炎鎮痛剤、オピオイド系鎮痛剤など)と投与量、投与頻度を明記してもらうことが重要です。医療用麻薬を使用している場合は、その旨を必ず記載してもらってください。
ADL制限の具体的状況:診断書には「日常生活動作の障害の程度」を記載する欄があります。歩行、階段昇降、立ち上がり、入浴、トイレ、食事などの動作が、自力でできるか、補助具が必要か、介助が必要かを具体的に記載してもらいます。たとえば、「杖を使用すれば50メートル程度の歩行は可能だが、それ以上は困難」「入浴時は配偶者の介助が必要」といった具体的な記載が望ましいです。
一般状態区分:診断書には「一般状態区分表」のア〜オのどれに該当するかを記載する欄があります。前述の一般状態区分表を参考に、現在の状態に最も近いものを選んでもらいます。特に「ウ」「エ」「オ」に該当する場合は、2級以上の可能性が高くなるため、慎重に判断してもらう必要があります。
診断書の記載が不十分だと、実際よりも障害が軽く判断されてしまうことがあります。主治医は治療の専門家ですが、障害年金の診断書作成に慣れていないこともあります。診断書を依頼する際には、ご自身の日常生活の状況を詳しく伝え、それを診断書に反映してもらうようお願いすることが大切です。
病歴・就労状況等申立書の書き方
病歴・就労状況等申立書は、ご自身で作成する書類です。発症から現在までの経緯、日常生活や就労の状況を、時系列で詳しく記載します。この書類は、診断書だけでは伝わらない生活の実態を補足する重要な役割を果たします。
発症から現在までの経緯を時系列で:いつ、どのような症状が出て、どの医療機関を受診したか、どのような診断を受けたか、どのような治療を受けたかを、時系列で記載します。前立腺がんの場合、腰痛などの症状で整形外科を受診した後、総合病院でがんと診断されるケースが多いため、その経緯を詳しく書くことが重要です。
日常生活の具体的制限を詳細に:骨転移によって、どのような日常生活の制限が生じているかを具体的に記載します。たとえば、「朝起きる時、腰の痛みが強く、ベッドから起き上がるのに10分以上かかる」「階段の昇降ができないため、2階建ての自宅の1階でのみ生活している」「買い物は妻に頼んでおり、自分では行けない」といった具体的な記載が効果的です。
就労状況の変化:骨転移の診断前後で、仕事にどのような影響が出たかを記載します。休職した時期、退職した時期、その理由(疼痛、通勤困難、長時間の座位が不可能など)を詳しく書きます。現在も就労している場合は、職場からどのような配慮を受けているか(短時間勤務、軽作業への配置転換、頻繁な休憩など)を記載します。
家族の介助状況:配偶者や家族が、どのような介助を行っているかを具体的に記載します。入浴の介助、通院の送迎、家事の代行など、日常生活で受けている支援を詳しく書くことで、障害の程度が正確に伝わります。
病歴就労状況等申立書の作成は、多くの方にとって負担の大きい作業です。何を書けばよいか分からない、うまく文章にまとめられないという方は、社会保険労務士にご相談ください。当事務所では、申立書の作成を代行し、ご本人の状況を最も効果的に伝える内容に仕上げるサポートを行っています。
添付書類の準備
診断書と病歴就労状況等申立書のほかに、以下の書類も必要に応じて準備します。
受診状況等証明書:初診日の医療機関と、診断書を作成してもらった医療機関が異なる場合に必要です。初診日の医療機関で取得します。
画像検査の結果(任意):レントゲン、CT、MRI、骨シンチグラフィなどの画像検査の結果は、提出義務はありませんが、骨転移の範囲や程度を客観的に示す資料として有効です。特に、脊椎の圧迫骨折や脊柱管狭窄が見られる場合は、画像を添付することで審査に有利に働くことがあります。
検査データ(任意):PSA値(前立腺特異抗原)などの検査データも、病状の推移を示す参考資料として提出できます。[要確認: PSA値と障害年金認定の直接的な関係については、認定基準に明記されていないため、専門家にご確認ください]
治療中でも障害年金は申請できます
「治療が終わってから申請すべき」と考える方もいらっしゃいますが、前立腺がんの骨転移の場合、治療を続けながらでも障害年金の申請は可能です。むしろ、治療中で経済的に苦しい時期だからこそ、障害年金を活用することで、治療に専念できる環境を整えることができます。
いつ申請すべき?ベストタイミング
障害年金の申請タイミングには、いくつかのパターンがあります。
障害認定日での申請:初診日から1年6か月を経過した日を「障害認定日」といいます。この日に障害等級に該当していれば、障害認定日から年金を受け取ることができます。仮に、障害認定日から申請までに時間が経過している場合は、障害認定日まで遡って年金を受け取ることができます(遡及請求)。たとえば、初診日から2年後に申請した場合、障害認定日(初診日から1年6か月後)から現在までの6か月分を遡って受給できる可能性があります。
事後重症での申請:障害認定日の時点では障害等級に該当していなかったが、その後症状が悪化して該当するようになった場合は、「事後重症」として申請します。この場合、年金は申請した月の翌月分から支給されます。
前立腺がんの骨転移は、治療の効果や病状の進行によって症状が変化することがあります。そのため、障害認定日の時点での状態と、現在の状態を比較し、どちらのタイミングで申請するのが有利かを判断する必要があります。専門家に相談すれば、最適な申請時期をアドバイスしてもらえます。
ホルモン療法と障害年金
前立腺がんの治療では、ホルモン療法が広く行われます。ホルモン療法には副作用があり、倦怠感、ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)、骨密度の低下、性機能障害などが起こることがあります。
これらの副作用も、障害年金の認定において評価の対象となります。特に、倦怠感が強く、日常生活に著しい支障が出ている場合や、骨密度の低下によって骨折リスクが高まっている場合は、一般状態区分表の「ウ」「エ」に該当する可能性があります。
ホルモン療法によって、がんの進行が抑えられ、骨転移による症状が一時的に軽減することもあります。しかし、その後、去勢抵抗性前立腺がんに進行し、再び症状が悪化することもあります。症状が変動する場合は、最も状態が悪い時期の状況を診断書に反映してもらうことが重要です。
不支給になった場合の対処法
障害年金の申請をしても、残念ながら不支給となることがあります。不支給の理由は、初診日が証明できなかった、保険料納付要件を満たしていなかった、障害の程度が等級に該当しないと判断されたなど、さまざまです。
不支給の決定に納得できない場合は、「審査請求」を行うことができます。審査請求は、決定通知を受け取った日の翌日から3か月以内に行う必要があります。審査請求では、新たな医証(診断書や検査結果など)を追加したり、障害の状態をより詳しく説明する書面を提出したりすることができます。
また、不支給となった後、症状が悪化した場合は、再度申請することも可能です。前立腺がんの骨転移は、病状が進行することで症状が悪化するケースが多いため、諦めずに再申請を検討してください。
不支給決定への対応は、専門的な知識と経験が必要です。当事務所では、不支給となったケースの審査請求や再申請のサポートも行っています。
前立腺がん骨転移での障害年金受給事例
実際に障害年金を受給された方の事例をご紹介します。以下の事例は、個人情報保護のため、内容を一部変更しています。
【事例1】腰椎・骨盤転移で歩行困難→障害厚生年金2級
背景:60歳の男性、会社員。3年前に前立腺がんと診断され、ホルモン療法を開始。1年半前に腰椎と骨盤への骨転移が判明し、症状が急速に悪化しました。腰痛と骨盤痛が強く、医療用麻薬を使用しても痛みのコントロールが難しい状態でした。歩行は車椅子が必要で、トイレや入浴には配偶者の介助が欠かせませんでした。会社は休職扱いとなり、その後退職されました。
困難だった点:初診日の証明に苦労しました。最初に腰痛で整形外科を受診したのは5年前でしたが、当時のカルテが既に廃棄されており、受診状況等証明書が取得できませんでした。また、診断書の作成にあたり、主治医がADL制限の状況を詳しく把握していなかったため、ご本人の日常生活の実態が十分に反映されていない内容になっていました。
サポート内容:当事務所では、まず初診日の証明に取り組みました。整形外科のカルテは廃棄されていましたが、当時の診察券と健康保険の給付記録が残っていたため、それらを参考資料として提出し、初診日を立証しました。また、診断書については、主治医に再度面談を依頼し、ご本人とご家族から聞き取った日常生活の詳細な状況を主治医に伝え、診断書に追記してもらいました。病歴就労状況等申立書では、骨転移の診断後、急速に症状が悪化した経緯、車椅子が必要になった時期、退職に至った理由などを時系列で詳しく記載しました。
結果:障害厚生年金2級に認定されました。年金額は、報酬比例部分と配偶者加給年金を合わせて、月額約13万円(年額約160万円)となりました。遡及請求により、障害認定日まで遡って約1年分の年金も受け取ることができました。
ご本人の声:「最初は、『働けなくなったら終わりだ』と絶望していました。でも、障害年金を受給できたことで、治療費の心配が少し軽くなり、気持ちに余裕が生まれました。諦めないで相談してよかったです。」
【事例2】脊椎転移で下肢麻痺→障害厚生年金1級(遡及)
背景:58歳の男性、自営業。4年前に前立腺がんと診断され、手術とホルモン療法を受けましたが、2年前に脊椎への多発骨転移が判明しました。転移が脊髄を圧迫し、下肢に麻痺が生じ、歩行が完全に不可能になりました。ベッド上での生活が中心で、食事、トイレ、入浴のすべてに配偶者の全面的な介助が必要な状態でした。
困難だった点:症状が急激に悪化したため、病歴就労状況等申立書に記載する内容が非常に多く、整理が難しい状況でした。また、骨転移による肢体障害(下肢麻痺)と、がんによる全身状態の両方を適切に評価してもらう必要がありました。
サポート内容:当事務所では、がんの診断書(血液・造血器・その他の障害用)に加えて、肢体の診断書も取得し、併合認定を主張しました。病歴就労状況等申立書では、症状が急変した時期、下肢麻痺が発生した経緯、現在の日常生活の詳細な状況を、時系列で分かりやすく整理しました。また、自営業を廃業せざるを得なかった経緯についても詳しく記載しました。
結果:障害認定日(初診日から1年6か月後)の時点では障害厚生年金2級、申請日(現在)の時点では1級に認定されました。遡及請求により、障害認定日から申請日までの約1年分の年金を一括で受け取ることができました。1級の年金額は、月額約17万円(年額約200万円)となりました。
ご本人の声:「急に歩けなくなって、これからどうしようかと途方に暮れていました。障害年金のことは知っていましたが、手続きが複雑そうで諦めかけていました。専門家に任せることで、スムーズに手続きが進み、本当に助かりました。」
【事例3】疼痛管理で就労困難→障害厚生年金3級
背景:55歳の男性、会社員(デスクワーク)。2年前に前立腺がんと診断され、1年前に骨盤と肋骨への骨転移が判明しました。疼痛が強く、鎮痛剤を服用していますが、医療用麻薬までは使用していません。デスクワークであれば短時間の勤務は可能ですが、長時間の座位は困難で、頻繁に休憩が必要です。通勤は配偶者の車での送迎が必要で、自力での通勤は不可能です。
困難だった点:就労を継続していたため、「働いているなら障害年金はもらえないのでは」という不安がありました。また、等級判定が微妙なライン(2級と3級の境界)にあり、どの程度の制限を診断書に記載してもらうかが課題でした。
サポート内容:就労継続中でも、労働に著しい制限がある場合は3級に該当する可能性があることをご説明しました。診断書には、勤務時間の制限(フルタイムは不可能、1日4〜5時間が限界)、職場での配慮(軽作業への配置転換、頻繁な休憩の許可)、通勤の困難さ(配偶者の送迎が必須)などを詳しく記載してもらいました。また、鎮痛剤の使用状況(種類、服用回数)も明記してもらいました。
結果:障害厚生年金3級に認定されました。年金額は、報酬比例部分のみで、最低保障額の約62万円(年額)となりました。月額に換算すると約5万円ですが、治療費の一部に充てることができ、経済的な負担が軽減されました。
ご本人の声:「働いているから無理だと思っていましたが、3級で認定されて驚きました。金額は多くありませんが、治療費の足しになり、気持ちが楽になりました。諦めずに相談してよかったです。」
※個人情報保護のため、内容を一部変更しています。
前立腺がん骨転移の障害年金 よくあるご質問
Q1. 骨転移があれば必ず障害年金を受給できますか?
骨転移があるだけで自動的に障害年金が受給できるわけではありません。受給するためには、初診日要件、保険料納付要件、障害状態該当要件の3つをすべて満たす必要があります。特に、障害状態該当要件では、骨転移による疼痛やADL制限が、日常生活や労働にどの程度影響を及ぼしているかが重要です。一般状態区分表の「ウ」「エ」「オ」に該当する程度の制限があれば、受給できる可能性が高くなります。
Q2. 治療中でも申請できますか?
はい、治療中でも申請できます。前立腺がんの骨転移の場合、ホルモン療法や放射線治療を続けながら申請するケースが多くあります。治療の副作用による倦怠感や全身衰弱も、障害年金の認定では評価の対象となります。「治療が終わってから」と待つ必要はありませんので、症状が重い時期に申請を検討してください。
Q3. 働きながらでも受給できますか?
就労していても、労働に著しい制限がある場合は、障害厚生年金3級を受給できる可能性があります。たとえば、短時間勤務しかできない、軽作業に限定されている、職場から頻繁な配慮を受けているといった場合は、3級に該当することがあります。ただし、フルタイムで健常者と同様に働けている場合は、受給が難しくなります。就労状況を詳しく診断書や申立書に記載することが重要です。
Q4. 初診日が曖昧な場合はどうすればいいですか?
初診日が曖昧な場合でも、諦める必要はありません。受診状況等証明書が取得できない場合は、診察券、領収書、お薬手帳、健康保険の給付記録などを使って初診日を推定します。また、ご本人やご家族の記憶、過去の手帳の記載なども参考資料として提出できます。初診日の証明は専門的な対応が必要なため、社会保険労務士にご相談されることをおすすめします。
Q5. 審査にはどれくらい時間がかかりますか?
申請から結果が出るまでには、通常3〜4か月程度かかります。ただし、追加の資料提出を求められた場合や、審査が混み合っている時期には、さらに時間がかかることがあります。審査期間中は、年金事務所から連絡があった場合には速やかに対応することが大切です。
Q6. 不支給になった場合、再申請はできますか?
はい、できます。不支給の決定に納得できない場合は、決定通知を受け取った日の翌日から3か月以内に「審査請求」を行うことができます。また、不支給となった後、症状が悪化した場合は、再度申請することも可能です。前立腺がんの骨転移は進行性の病気であるため、時間の経過とともに症状が悪化し、再申請で認定されるケースもあります。
まとめ:前立腺がん骨転移でも諦めないでください
前立腺がんの骨転移によって、疼痛や歩行困難、日常生活の制限が生じている場合、障害年金の対象となる可能性があります。この記事でお伝えした重要なポイントを、改めてまとめます。
骨転移は障害年金の対象です:疼痛の程度、ADL制限、病的骨折や脊髄圧迫の有無などが評価され、1級、2級、3級のいずれかに該当すれば受給できます。
治療中でも申請可能です:ホルモン療法や放射線治療を続けながらでも申請できます。治療の副作用も評価の対象となります。
初診日の特定が重要です:腰痛で整形外科を受診した日が初診日になるケースもあります。証明が難しい場合は専門家にご相談ください。
診断書と申立書が審査の鍵です:主治医に障害の状態を正確に記載してもらい、病歴就労状況等申立書で日常生活の実態を詳しく伝えることが重要です。
併合認定の可能性があります:骨転移による肢体障害と、がんによる全身状態を併合して評価してもらうことで、上位の等級が認められることがあります。
障害年金の申請は、書類の準備から提出、審査まで、専門的な知識と経験が必要な手続きです。ご自身だけで進めるのは大変ですし、記載内容が不十分だと不支給になってしまうこともあります。
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