補聴器や人工内耳を使用していても障害年金はもらえます
「補聴器をつけているから、障害年金はもらえないのでは」――そんな誤解を持たれている方が、神戸・兵庫県にお住まいの方の中にも多くいらっしゃいます。
実は、補聴器や人工内耳を使用していても、障害年金を受給できる可能性は十分にあります。なぜなら、聴覚障害の認定では、補聴器や人工内耳を外した状態の聴力で判定するからです。
会議で相手の話が聞き取れない、電話対応が難しい、家族との会話もままならない。補聴器や人工内耳をつけていても、日常生活や仕事に大きな支障が出ている方は少なくありません。聞こえにくさは外から見えにくい障害のため、周囲から理解されにくく、孤立感を深めてしまうこともあります。
さらに、補聴器や人工内耳の購入費用、定期的な調整費用、電池代など、経済的な負担も重くのしかかります。仕事を続けることも難しくなり、収入が減少する不安を抱えている方も多いでしょう。
この記事では、補聴器や人工内耳を使用している方が障害年金を受給するために知っておくべき情報を、障害年金専門の社会保険労務士がわかりやすく解説します。具体的には、次のような内容をお伝えします。
- 聴覚障害でどのような場合に障害年金がもらえるのか
- 認定基準となるデシベル値と等級の関係
- 実際にもらえる金額の目安
- 診断書で注意すべきポイント
- 平衡機能障害(めまい)との併合認定
- 実際の受給事例
「自分は対象になるだろうか」と不安に思われている方は、まずは認定基準を確認してみることをおすすめします。神戸市須磨区の清水総合法務事務所では、聴覚障害の障害年金申請に関する無料相談を行っています。お気軽にお問い合わせください。
無料相談のお問い合わせはこちら
電話:050-7124-5884(平日9:00〜17:00)
聴覚障害で受給できる障害年金の種類
障害年金には、加入している年金制度によって「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。どちらの年金を受給できるかは、初診日にどの年金制度に加入していたかで決まります。
障害基礎年金と障害厚生年金の違い
障害基礎年金は、初診日に国民年金に加入していた方が対象となる年金です。具体的には、自営業者、フリーランス、学生、専業主婦(主夫)、無職の方などが該当します。また、20歳前に聴覚障害が発症した場合も、障害基礎年金の対象となります。
障害基礎年金は1級と2級の2段階しかなく、3級に該当する軽度の障害では受給できません。
障害厚生年金は、初診日に厚生年金に加入していた方が対象となる年金です。会社員や公務員の方が該当します。
障害厚生年金は1級、2級、3級の3段階があり、障害基礎年金よりも軽度の障害でも受給できる可能性があります。また、3級にも該当しない場合でも、一定の基準を満たせば「障害手当金」という一時金を受け取れる場合があります。
神戸・兵庫県内の企業にお勤めの方で、勤務中に聴力が悪化した場合は、障害厚生年金の対象となる可能性が高いでしょう。
障害年金の受給要件
障害年金を受給するためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。
1. 初診日要件
聴覚障害の原因となった傷病で初めて医師の診察を受けた日(初診日)に、公的年金に加入していることが必要です。ただし、20歳前に初診日がある場合は、年金に加入していなくても対象となります。
聴覚障害の場合、「いつから聞こえにくくなったか」ではなく、「いつ初めて耳鼻咽喉科を受診したか」が初診日となります。
2. 保険料納付要件
初診日の前日において、次のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金加入期間のうち、3分の2以上の期間で保険料を納付または免除されていること
- 初診日が令和8年4月1日前にあり、初診日において65歳未満であれば、初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと
3. 障害状態該当要件
障害認定日(原則として初診日から1年6か月経過した日)において、法令で定められた障害等級に該当する状態にあることが必要です。
聴覚障害の場合、聴力レベル(デシベル値)と語音明瞭度の検査結果によって、障害等級が判定されます。次の章で、具体的な認定基準について詳しく解説します。
聴覚障害の認定基準を詳しく解説
聴覚障害の障害年金は、検査数値によって等級が明確に決まるという特徴があります。これは、精神障害や内部障害などと比べて、認定基準がわかりやすいと言えます。
障害等級とデシベル値の対応表
聴覚障害の障害等級は、主に「純音聴力レベル値(デシベル値)」と「最良語音明瞭度」という2つの検査結果によって判定されます。
| 障害等級 | 認定基準 |
|---|---|
| 1級 | 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの |
| 2級 | ・両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの ・両耳の聴力レベルが80デシベル以上で、かつ最良語音明瞭度が30%以下のもの |
| 3級 | ・両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの ・両耳の聴力レベルが50デシベル以上で、かつ最良語音明瞭度が50%以下のもの |
| 障害手当金 | 一耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの(片耳難聴) |
重要なポイントは、「両耳の聴力レベル」という表現です。これは、左耳と右耳のそれぞれが基準を満たす必要があるということを意味します。両耳の平均値ではありません。
たとえば、右耳が90デシベル、左耳が70デシベルの場合、平均すると80デシベルになりますが、左耳が90デシベル以上の基準を満たしていないため、2級には該当しません。この場合は3級に該当する可能性があります。
純音聴力レベルとは
純音聴力レベルとは、どのくらいの大きさの音が聞こえるかを示す数値です。単位はデシベル(dB)で表されます。
オージオメータという機器を使って、話し声の周波数帯である500Hz、1000Hz、2000Hzの3つの音に対する聴力を測定します。
計算式は次のとおりです:
平均純音聴力レベル値 = (a + 2b + c)÷ 4
(a = 500Hzのデシベル値、b = 1000Hzのデシベル値、c = 2000Hzのデシベル値)
計算結果が境界値に近い場合は、4000Hzの値も加えて6で割る補正計算を行うこともあります。
デシベル値の目安を示すと、次のようになります:
- 30dB:ささやき声、静かな図書館
- 60dB:普通の会話、静かな事務所
- 90dB:大声、騒々しい工場
- 100dB以上:電車が通るときのガード下、ほとんど聞こえない
聴力レベルが70デシベル以上になると、普通の会話を聞き取ることが難しくなり、日常生活に大きな支障が出てきます。
最良語音明瞭度とは
純音聴力レベルが「音の大きさが聞こえるか」を測るのに対し、最良語音明瞭度は「言葉として聞き取れるか」を測る検査です。
音は聞こえていても、それが何の言葉なのか理解できない場合があります。最良語音明瞭度は、このような「言葉の聞き取り能力」を評価します。
検査では、さまざまな大きさで発せられた単音や単語を聞き取り、その正答率をパーセンテージで示します。最も良い正答率が「最良語音明瞭度」です。
たとえば、最良語音明瞭度が30%以下の場合、相手の話を正確に聞き取ることがほとんどできず、筆談や読話(口の動きを見て理解すること)が必要な状態を意味します。
両耳それぞれが基準を満たす必要がある
先ほども述べましたが、非常に重要なポイントなので再度強調します。
認定基準の「両耳の聴力レベル」は、両耳の平均値ではなく、左右それぞれが基準以上である必要があります。
具体例で見てみましょう:
ケース1:2級に該当する例
- 右耳:95デシベル
- 左耳:90デシベル
- → 両耳とも90デシベル以上なので、2級に該当
ケース2:2級に該当しない例
- 右耳:100デシベル
- 左耳:85デシベル
- → 右耳は100デシベル以上ですが、左耳が90デシベル未満のため、2級には該当しません。ただし、左耳が80デシベル以上で語音明瞭度が30%以下であれば、2級の別基準に該当する可能性があります。
このように、片耳だけが基準を満たしていても、もう一方の耳が基準を満たしていなければ、その等級には認定されません。
補聴器・人工内耳を外した状態で測定する理由
ここが最も重要なポイントです。
聴覚障害の認定では、補聴器や人工内耳を使用しない状態で測定した聴力レベル値を用います。
これは、障害年金が「補助具を使わない状態での障害の程度」を評価する制度だからです。補聴器や人工内耳をつければ日常生活を送れている方でも、それを外した状態の聴力が認定基準を満たしていれば、障害年金を受給できる可能性があります。
神戸市在住の50代男性のケースでは、補聴器を使用して会社勤務を続けていましたが、補聴器を外した状態では右耳90デシベル、左耳100デシベルという測定結果が出ました。この方は障害厚生年金2級に認定され、年間約200万円の年金を受給できるようになりました。
「補聴器をつけて生活できているから対象外」というのは誤解です。補聴器や人工内耳を外した状態の聴力で判定されますので、ぜひ一度、耳鼻咽喉科で正確な聴力検査を受けることをおすすめします。
聴覚障害の障害年金でもらえる金額
障害年金を受給できるとして、実際にいくらもらえるのか気になるところです。受給額は、障害等級と加入していた年金制度によって異なります。
障害基礎年金の金額(1級・2級)
障害基礎年金は、国民年金に加入していた方(自営業、フリーランス、専業主婦など)が受給できる年金です。2025年度の年間受給額は次のとおりです。
| 等級 | 年間受給額 | 月額換算 |
|---|---|---|
| 1級 | 約102万円 | 約8.5万円 |
| 2級 | 約82万円 | 約6.8万円 |
さらに、18歳到達年度末までの子どもがいる場合は、次の加算があります。
- 第1子・第2子:各約24万円/年
- 第3子以降:各約8万円/年
たとえば、2級で子ども2人(高校生以下)がいる場合、年間約130万円(約82万円+約24万円×2)を受給できます。
障害厚生年金の金額(1級・2級・3級)
障害厚生年金は、厚生年金に加入していた方(会社員、公務員)が受給できる年金です。
障害厚生年金は、障害基礎年金の金額に加えて、過去の報酬(給料)や加入期間に応じた「報酬比例部分」が上乗せされます。報酬比例部分は個人によって異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。
1級の場合
- 障害基礎年金1級:約102万円
- 報酬比例部分(1.25倍):約60万円〜100万円
- 合計:年間約160万円〜200万円
2級の場合
- 障害基礎年金2級:約82万円
- 報酬比例部分:約50万円〜80万円
- 合計:年間約130万円〜160万円
3級の場合
- 障害基礎年金:なし(3級は厚生年金のみ)
- 報酬比例部分:約60万円〜80万円
- 年間約60万円〜80万円(最低保障額約60万円)
さらに、1級または2級の場合、65歳未満の配偶者がいれば、配偶者加給年金として年間約24万円が加算されます。
神戸市内の企業にお勤めの方であれば、障害厚生年金の対象となる可能性が高く、障害基礎年金よりも多くの金額を受給できるでしょう。
障害手当金(片耳難聴の場合)
片耳だけの難聴(一耳の聴力レベルが80デシベル以上)の場合、障害年金の対象にはなりませんが、初診日に厚生年金に加入していれば「障害手当金」という一時金を受け取れる可能性があります。
障害手当金の金額は、報酬比例部分の2年分に相当する金額です。最低保障額は約120万円です。
片耳難聴で障害手当金を受給した神戸市内の40代女性のケースでは、約150万円の一時金を受け取ることができました。
聴覚障害の診断書で必要な検査
障害年金の申請には、医師が作成する診断書が必要です。診断書には、聴力検査の結果を正確に記載してもらう必要があります。
オージオメータ検査
オージオメータは、聴力レベル(デシベル値)を測定する機器です。ヘッドホンをつけて、さまざまな高さの音(周波数)に対して、どのくらいの大きさで聞こえるかを測定します。
聴覚障害の認定では、話し声の周波数帯である500Hz、1000Hz、2000Hzの3つの音に対する聴力が重要です。これらの値から、前述の計算式を使って平均純音聴力レベル値を算出します。
検査時の注意点:
- 補聴器や人工内耳を外した状態で測定する
- 静かな防音室で測定する
- 複数回測定している場合は、最も良い値を採用する
語音明瞭度検査
語音明瞭度検査は、言葉の聞き取り能力を測定する検査です。
検査では、さまざまな大きさで単音(「あ」「か」など)や単語を聞かせて、何と聞こえたかを答えてもらいます。各音量での正答率を測定し、最も良かった正答率が「最良語音明瞭度」となります。
語音明瞭度は、デシベル値だけではわからない「言葉としての理解度」を評価する重要な指標です。特に3級の認定では、デシベル値と合わせて語音明瞭度が判定基準となります。
聴性脳幹反応検査(1級申請時)
障害等級1級(両耳100デシベル以上)に該当する場合、オージオメータ検査に加えて、聴性脳幹反応検査(ABR)などの他覚的聴力検査を実施する必要があります。
聴性脳幹反応検査は、音刺激に対する脳の反応を脳波で測定する検査です。本人の意思に関係なく測定できるため、より客観的な聴力評価が可能です。
1級の申請では、この検査結果を診断書に記載し、検査データのコピーを添付する必要があります。
検査のタイミングと注意点
聴力検査は、障害認定日(初診日から1年6か月経過した日)以降に実施する必要があります。
また、聴力は日によって変動することがあるため、過去3か月以内に複数回測定している場合は、最も良い値を診断書に記載するというルールがあります。
診断書を依頼する際は、耳鼻咽喉科の医師に次の点を伝えることが大切です:
- 障害年金の診断書であること
- 補聴器・人工内耳を外した状態で測定してほしいこと
- オージオメータ検査と語音明瞭度検査の両方が必要であること
- 1級に該当する場合は聴性脳幹反応検査も必要であること
神戸・兵庫県内の耳鼻咽喉科で診断書を依頼する際に不安がある場合は、当事務所にご相談ください。診断書の依頼方法や、医師への説明の仕方についてもアドバイスいたします。
平衡機能障害との併合認定
聴覚障害のある方の中には、めまいや平衡感覚の障害を併せ持つ方も少なくありません。これは、内耳が聴覚と平衡感覚の両方を司っているためです。
めまいや平衡障害を伴う場合
メニエール病、内耳炎、聴神経腫瘍などの疾患では、難聴とともにめまいや平衡機能障害が現れることがあります。
平衡機能障害の認定基準は次のとおりです:
| 等級 | 認定基準 |
|---|---|
| 2級 | 平衡機能に著しい障害を有するもの (閉眼で起立・立位保持が不能、または開眼で直線10m歩行中に転倒・著しくよろめく程度) |
| 3級 | 中等度の平衡機能障害のため、労働能力が明らかに半減しているもの (閉眼で起立・立位保持が不安定、開眼で直線10m歩行中に多少転倒しそうになる程度) |
めまいがひどく、日常生活や仕事に支障がある場合は、平衡機能障害としても認定される可能性があります。
併合認定で等級が上がる可能性
併合認定とは、複数の障害を合わせて評価することで、それぞれ単独で認定するよりも上位の等級に認定される制度です。
たとえば、次のようなケースがあります:
ケース:併合認定で2級に認定された例
- 聴覚障害:単独では3級相当(両耳70デシベル)
- 平衡機能障害:単独では3級相当(中等度のめまい)
- 併合認定:2級に認定
このように、聴覚障害と平衡機能障害を併合することで、等級が上がる可能性があります。
神戸市在住の60代女性は、メニエール病により難聴とめまいの両方に悩まされていました。当初は聴覚障害のみで3級相当と考えていましたが、平衡機能障害も併せて申請することで、最終的に2級に認定されました。
診断書への記載が重要
併合認定を受けるためには、診断書に聴覚障害だけでなく、平衡機能障害についても記載してもらう必要があります。
診断書には「12 平衡機能障害」という記載欄があります。めまいや平衡障害がある場合は、医師にこの欄にも詳しく記載してもらうよう依頼しましょう。
具体的には、次のような内容を記載してもらいます:
- めまいの頻度と持続時間
- 平衡機能検査(閉眼起立検査、マン検査など)の結果
- 日常生活や就労への影響
併合認定のルールは複雑で、等級の組み合わせによっては併合されない場合もあります。聴覚障害とめまいの両方がある場合は、障害年金の専門家である社会保険労務士に相談することをおすすめします。
補聴器・人工内耳使用者の申請ポイント
補聴器や人工内耳を使用している方が障害年金を申請する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
診断書のチェックポイント
医師に診断書を作成してもらったら、提出前に必ず自分でもチェックしましょう。診断書の記載漏れや誤りがあると、本来受給できるはずの等級に認定されない可能性があります。
全等級共通のチェックポイント:
- オージオメータ検査の結果が記載されているか
- 「オージオグラム」の欄に、周波数ごとのデシベル値が記入されているか
- 右耳・左耳それぞれの値が記載されているか
- 平均純音聴力レベル値が計算されているか
- 500Hz、1000Hz、2000Hzの値から正しく計算されているか
3級または障害手当金を申請する場合:
- 語音明瞭度検査の結果が記載されているか
- 「語音明瞭度曲線」の欄に検査結果が記入されているか
- 最良語音明瞭度が%で記載されているか
1級を申請する場合:
- 聴性脳幹反応検査の結果が記載されているか
- 「他覚的聴力検査」の欄に検査方法と所見が記載されているか
- 検査データのコピーが添付されているか
平衡機能障害もある場合:
- 平衡機能障害の欄に記載があるか
- めまいの状況、平衡機能検査の結果が記載されているか
診断書のチェックに不安がある場合は、提出前に当事務所にご相談ください。神戸市須磨区の事務所では、診断書の記載内容を確認し、不足している箇所があれば医師に追記を依頼するサポートを行っています。
初診日の証明(長期通院なしの場合)
聴覚障害の場合、「聞こえにくさ」を自覚してから長期間、医療機関を受診していないケースがあります。
たとえば、次のようなケースです:
- 幼少期に難聴と診断されたが、その後30年間受診していない
- 若い頃から聞こえにくかったが、市販の補聴器で対処していた
- 徐々に悪化していたが、我慢して最近になって初めて受診した
このような場合、初診日の証明が難しくなることがあります。初診日を証明する「受診状況等証明書」は、通常、初診時に受診した医療機関に作成を依頼しますが、カルテの保存期間(5年)が経過していると、証明書を発行してもらえない可能性があります。
長期間受診していない場合の対策:
- 障害認定日の診断書を作成する医療機関が初診医療機関と同じ場合
- 診断書だけで初診日を証明できる場合があります
- 診断書の「初診日」の欄に記載してもらいましょう
- 身体障害者手帳を取得している場合
- 手帳の取得時期や等級から、初診日を推定できる場合があります
- 母子健康手帳や学校の健康診断記録がある場合
- 聴力異常の記録があれば、初診日の参考資料になります
- 第三者証明を活用する
- 家族や職場の同僚に、聴覚障害があることを証明してもらう方法もあります
神戸市内の60代男性のケースでは、初診から40年以上経過しており、初診医療機関のカルテが残っていませんでした。しかし、身体障害者手帳の取得時期や、職場の同僚による第三者証明を組み合わせることで、初診日を認めてもらうことができました。
初診日の証明は障害年金申請の中でも特に難しい部分です。長期間受診していない場合は、社会保険労務士などの専門家に相談することを強くおすすめします。
20歳前傷病での申請
20歳前から聴覚障害がある場合(先天性難聴、幼少期の発症など)は、「20歳前傷病による障害基礎年金」として申請できます。
20歳前傷病の特徴は次のとおりです:
メリット:
- 保険料納付要件が不要(年金を納めていなくても受給できる)
- 20歳に達した時点で障害等級に該当していれば受給できる
注意点:
- 所得制限がある(本人の所得が一定額を超えると減額または支給停止)
- 障害基礎年金のみ(3級はない)
神戸市内の30代女性は、生まれつき聴力が弱く、20歳時点で両耳90デシベル以上の難聴でした。長年、障害年金の制度を知らずにいましたが、当事務所に相談されたことをきっかけに20歳前傷病として申請し、障害基礎年金1級に認定されました。遡及請求も認められ、過去5年分の年金も受給できました。
事後重症請求と遡及請求
障害年金の請求方法には、「障害認定日請求」「事後重症請求」「遡及請求」の3種類があります。
障害認定日請求:
- 障害認定日(初診日から1年6か月後)の時点で障害等級に該当している場合
- 認定日まで遡って年金を受給できる
事後重症請求:
- 障害認定日には障害等級に該当していなかったが、その後悪化して該当するようになった場合
- 請求した月の翌月分から年金を受給できる(過去には遡れない)
遡及請求:
- 障害認定日には障害等級に該当していたが、請求が遅れた場合
- 最大5年前まで遡って年金を受給できる
聴覚障害は徐々に進行することが多いため、障害認定日の時点では軽度だったが、現在は障害等級に該当しているというケースがよくあります。この場合は事後重症請求を行います。
一方、障害認定日の時点ですでに障害等級に該当していたにもかかわらず、制度を知らずに請求が遅れた場合は、遡及請求が可能です。
兵庫県内にお住まいの50代男性は、10年前から両耳100デシベル以上の重度難聴でしたが、障害年金の存在を知りませんでした。当事務所に相談後、遡及請求を行い、過去5年分の障害年金約500万円を一括で受給することができました。
どの請求方法が適切かは、個々の状況によって異なります。請求方法の選択を誤ると、受給額が大きく減少してしまう可能性もあります。
こんな場合は専門家への相談をおすすめします
障害年金の申請は、書類の準備や制度の理解に多くの時間と労力がかかります。特に次のような場合は、障害年金の専門家である社会保険労務士に相談することをおすすめします。
診断書の記載に不安がある
- どの検査が必要かわからない
- 医師が障害年金の診断書に慣れていない
- 診断書の記載内容が正しいか確認したい
初診日の証明が難しい
- 初診から長期間経過している
- 初診医療機関のカルテが残っていない
- 複数の医療機関を受診しており、どれが初診か不明
平衡機能障害も併存している
- めまいや平衡感覚の問題もある
- 併合認定を受けたいが、方法がわからない
- 診断書にどう記載してもらえばよいかわからない
一人での申請に不安がある
- 仕事や家事で時間が取れない
- 制度が複雑でよくわからない
- 書類の準備が大変
- 確実に受給したい
他の事務所で断られた、または不支給になった
- 「難しい」と言われて断られた
- 一度申請したが不支給になった
- 再申請を検討している
神戸市須磨区の清水総合法務事務所では、これまで数多くの聴覚障害の障害年金申請をサポートしてきました。「諦めない障害年金」をコンセプトに、複雑なケースにも対応しています。
当事務所のサポート内容:
- 無料相談(電話・メール・訪問)
- 受給可能性の判定
- 診断書の依頼方法のアドバイス
- 診断書の記載内容チェック
- 初診日の証明方法のアドバイス
- 申立書の作成
- 書類の作成・提出代行
- 不支給になった場合の再申請・審査請求
神戸市内はもちろん、明石市、西宮市、姫路市など兵庫県全域に対応しています。訪問相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
清水総合法務事務所
〒654-0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台6-8-3
電話:050-7124-5884
メール:mail@srkobe.com
HP:https://nenkin.srkobe.com/
補聴器・人工内耳使用者の障害年金受給事例
ここでは、実際に補聴器や人工内耳を使用している方が障害年金を受給できた事例を3つご紹介します。
※個人情報保護のため、内容を一部変更しています。
事例1:補聴器使用で会社勤務を続けていた50代男性(シンプルケース)
背景
神戸市在住の50代男性。40代前半から徐々に聞こえにくさを自覚するようになりました。当初は加齢によるものと考え、市販の補聴器で対処していました。
しかし、会議での聞き取りが難しくなり、電話対応にも支障が出てきたため、耳鼻咽喉科を受診。両側感音性難聴と診断され、医療機関で補聴器の調整を行いながら仕事を続けていました。
困難だった点
補聴器をつけても聞き取りにくい場面が増え、職場でのコミュニケーションに大きな支障が出ていました。特に複数人での会議や騒がしい環境では、ほとんど聞き取れない状態でした。
給与は家族の生活を支える大切な収入源であり、仕事を続けたいという思いは強かったものの、このままでは退職せざるを得ないのではないかという不安を抱えていました。
また、医療用補聴器は両耳で約80万円と高額で、定期的な調整費用や電池代も家計を圧迫していました。
サポート内容
当事務所にご相談いただいた際、まず聴力検査の結果を確認しました。補聴器を外した状態での測定で、右耳95デシベル、左耳90デシベルという結果でした。
これは障害厚生年金2級の基準(両耳90デシベル以上)を満たしていることを説明し、受給の可能性が高いことをお伝えしました。
診断書は現在通院中の耳鼻咽喉科で作成を依頼しました。医師には、障害年金の診断書であることと、必要な検査項目について説明し、記載漏れのないよう依頼しました。
診断書完成後、記載内容をチェックしたところ、語音明瞭度検査の結果が記載されていませんでした。2級の場合、デシベル値だけで認定されるため必須ではありませんが、より確実な認定のため、医師に追記を依頼しました。
結果
障害認定日請求で申請し、障害厚生年金2級に認定されました。年間約200万円(障害基礎年金+報酬比例部分+配偶者加給年金)の受給が決定し、過去1年分も遡及して受給できました。
ご本人の声
「補聴器をしているから障害年金はもらえないと思っていました。まさか年間200万円も受給できるとは思っていませんでした。これで経済的な不安が軽減され、補聴器の買い替えもできそうです。清水先生に相談して本当に良かったです」
事例2:人工内耳手術後も聴力改善せず、初診日証明に工夫が必要だった40代女性(複雑ケース)
背景
兵庫県内在住の40代女性。30代でがんを患い、抗がん剤治療と放射線治療を受けました。治療後、徐々に聴力が低下し、両側感音性難聴と診断されました。
当初は補聴器で対処していましたが、聴力の低下が進み、補聴器でも聞き取れなくなってきたため、右耳、続いて左耳の人工内耳手術を受けました。しかし、術後も聴力の大幅な改善は見られず、日常生活に大きな支障が残りました。
困難だった点
人工内耳手術を受けても聴力レベルは両耳とも100デシベル以上のままでした。音の方向が判別できず、家族との会話も困難な状態でした。
障害者雇用で事務職の仕事を続けていましたが、職場でのコミュニケーションは非常に困難で、筆談や読話に頼る日々でした。見た目では難聴とわからないため、周囲から理解されにくく、精神的にも辛い状況でした。
また、初診日の証明にも問題がありました。最初に聴力低下を感じて受診した耳鼻咽喉科は、がん治療を受けた病院とは別の医療機関でしたが、カルテの保存期間が経過しており、受診状況等証明書を発行してもらえませんでした。
サポート内容
当事務所では、まず初診日の証明方法について検討しました。初診医療機関のカルテは残っていませんでしたが、次の資料を組み合わせることで初診日を証明しました:
- がん治療を受けた病院のカルテ(抗がん剤治療の記録)
- その後受診した耳鼻咽喉科のカルテ(初回ではないが、早期の記録)
- 家族による第三者証明(いつ頃から聴力低下があったか)
また、聴力レベルが両耳とも100デシベル以上であるため、1級に該当すると判断しました。1級の申請には聴性脳幹反応検査が必要なため、医師に検査の実施と、診断書への記載、検査データの添付を依頼しました。
診断書作成後、記載内容を詳細にチェックし、人工内耳に関する情報や、日常生活の困難さについても十分に記載されていることを確認しました。
結果
初診日の証明方法が認められ、障害基礎年金1級に認定されました。年間約120万円の受給が決定し、遡及請求も認められて過去3年分も受給できることになりました。
ご本人の声
「人工内耳手術を受けても聞こえが改善せず、絶望的な気持ちでした。障害年金をもらえるとは思っていませんでしたが、清水先生が初診日の証明方法を工夫してくださり、無事に認定されました。経済的な支えができて、前を向いて生きていけそうです。諦めなくて良かったです」
事例3:診断書の記載不備で一度不支給、再申請で成功した60代男性(不支給→再申請成功)
背景
神戸市内在住の60代男性。若い頃から難聴がありましたが、我慢して生活していました。60代になって聴力がさらに悪化し、補聴器を使用するようになりました。
障害年金のことを知り、自分で申請しましたが、不支給という結果になってしまいました。理由は「診断書の記載不備」でした。
困難だった点
自分で申請した際の診断書には、オージオメータ検査の結果は記載されていましたが、語音明瞭度検査の結果が記載されていませんでした。
また、平均純音聴力レベル値の計算が誤っており、実際には3級の基準を満たしていたにもかかわらず、基準を満たしていないと判断されてしまいました。
不支給通知を受け取った男性は、「もう無理なのか」と諦めかけていましたが、家族の勧めで当事務所に相談されました。
サポート内容
診断書の記載内容を確認したところ、次の問題点が見つかりました:
- 語音明瞭度検査の結果が未記載
- 平均純音聴力レベル値の計算誤り
- 日常生活や就労への影響の記載が不十分
当事務所では、医師に診断書の再作成を依頼しました。その際、必要な検査項目と記載内容について詳しく説明し、正確な診断書を作成していただきました。
再作成した診断書では、右耳75デシベル、左耳70デシベル、語音明瞭度45%という結果が正確に記載されました。これは障害厚生年金3級の基準(両耳70デシベル以上、または両耳50デシベル以上かつ語音明瞭度50%以下)を満たしています。
また、病歴・就労状況等申立書には、日常生活での具体的な困難さ(電話対応ができない、会議で聞き取れない、家族との会話も不自由など)を詳しく記載しました。
結果
再申請の結果、障害厚生年金3級に認定されました。年間約60万円の受給が決定しました。
ご本人の声
「一度不支給になって、もうダメだと思っていました。でも清水先生が『諦めないでください』と言ってくださり、診断書の問題点を見つけて再申請してくださいました。今では年間60万円の年金をもらえて、生活が楽になりました。本当に感謝しています」
補聴器・人工内耳と障害年金のよくある質問
Q1: 補聴器をつけて生活できていますが、障害年金はもらえますか?
A: はい、もらえる可能性があります。
聴覚障害の認定では、補聴器を外した状態の聴力で判定します。補聴器をつけて日常生活を送れていても、外した状態の聴力が認定基準を満たしていれば、障害年金を受給できます。
補聴器の使用の有無は受給資格に影響しませんので、まずは耳鼻咽喉科で補聴器を外した状態での聴力検査を受けることをおすすめします。
Q2: 人工内耳手術後も障害年金の対象になりますか?
A: はい、なります。
人工内耳手術を受けた後でも、人工内耳を外した状態の聴力が認定基準を満たしていれば、障害年金の対象となります。
人工内耳手術後に聴力が大幅に改善した場合は、障害等級が下がるか、または障害年金の対象外となる可能性がありますが、多くの場合、人工内耳を外した状態の聴力レベルは依然として高いため、障害年金を受給できることが多いです。
Q3: 片耳だけ聞こえない場合は障害年金をもらえますか?
A: 片耳難聴の場合、障害年金(1級〜3級)の対象にはなりませんが、一定の条件を満たせば「障害手当金」を受け取れる可能性があります。
障害手当金の条件は、初診日に厚生年金に加入しており、一耳の聴力レベルが80デシベル以上であることです。障害手当金は年金ではなく一時金で、報酬比例部分の2年分に相当する金額(最低約120万円)が支給されます。
両耳とも難聴がある場合は、それぞれの耳が認定基準を満たしていれば、障害年金の対象となります。
Q4: 身体障害者手帳の等級と障害年金の等級は同じですか?
A: いいえ、異なります。
身体障害者手帳と障害年金は、認定基準が異なるため、等級が一致するとは限りません。
一般的な対応関係は次のとおりです:
- 身体障害者手帳2級 ≒ 障害年金1級
- 身体障害者手帳3級 ≒ 障害年金2級
- 身体障害者手帳4級 ≒ 障害年金3級
ただし、検査時期や測定結果によって異なる場合があります。身体障害者手帳を持っていても、障害年金を受給できるとは限りませんし、逆に、身体障害者手帳がなくても障害年金を受給できる場合もあります。
Q5: 診断書はどこの病院で書いてもらえばいいですか?
A: 原則として、現在通院している耳鼻咽喉科で診断書を作成してもらいます。
診断書は、障害認定日(初診日から1年6か月後)以降の状態を記載する必要があるため、その時点での状態を把握している医師に依頼します。
もし、初診医療機関と現在通院中の医療機関が異なる場合は、現在通院中の医療機関で診断書を作成してもらい、初診医療機関には「受診状況等証明書」を作成してもらいます。
神戸・兵庫県内には、障害年金の診断書作成に協力的な耳鼻咽喉科が多数あります。診断書の依頼方法に不安がある場合は、当事務所にご相談ください。
Q6: 申請から受給までどのくらいかかりますか?
A: 一般的に、申請から結果が出るまで約3〜4か月かかります。
年金事務所または年金機構での審査に約3か月、結果通知から初回振込までに約1〜2か月かかるため、申請から実際に年金を受け取るまでには4〜6か月程度を見込んでおく必要があります。
ただし、書類に不備があった場合や、追加の照会があった場合は、さらに時間がかかることがあります。
Q7: 神戸・兵庫県内で申請サポートを受けられますか?
A: はい、当事務所が神戸・兵庫県全域でサポートしています。
清水総合法務事務所は、神戸市須磨区を拠点に、神戸市内はもちろん、明石市、西宮市、姫路市など兵庫県全域で障害年金申請のサポートを行っています。
訪問相談も可能ですので、ご自宅や近くのカフェなど、ご都合の良い場所でのご相談も承ります。まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ:補聴器・人工内耳使用者も障害年金受給の可能性があります
ここまで、補聴器や人工内耳を使用している方の障害年金について詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
1. 補聴器・人工内耳使用でも受給可能
補聴器や人工内耳を使用していても、それらを外した状態の聴力が認定基準を満たしていれば、障害年金を受給できます。「補聴器をしているから無理」というのは誤解です。
2. 認定基準はデシベル値で明確
聴覚障害の認定基準は、純音聴力レベル値(デシベル値)と最良語音明瞭度によって明確に定められています。
- 1級:両耳100デシベル以上
- 2級:両耳90デシベル以上、または両耳80デシベル以上かつ語音明瞭度30%以下
- 3級:両耳70デシベル以上、または両耳50デシベル以上かつ語音明瞭度50%以下
3. 両耳それぞれが基準を満たす必要がある
「両耳の聴力レベル」は、両耳の平均値ではなく、左右それぞれが基準を満たす必要があります。片耳だけ基準を満たしていても、もう一方の耳が基準を満たしていなければ、その等級には認定されません。
4. 診断書の正確性が決め手
障害年金の可否は、診断書の内容で決まります。必要な検査が実施され、正確に記載されているかを確認することが重要です。特に次の点をチェックしましょう:
- オージオメータ検査の結果が記載されているか
- 語音明瞭度検査の結果が記載されているか(3級申請時)
- 聴性脳幹反応検査の結果が記載されているか(1級申請時)
- 平衡機能障害の記載があるか(めまいがある場合)
5. 平衡機能障害との併合で等級が上がる可能性
めまいや平衡感覚の障害を伴う場合、併合認定によって上位の等級に認定される可能性があります。診断書に平衡機能障害についても記載してもらいましょう。
6. 初診日の証明が難しい場合は専門家に相談
長期間受診していない場合など、初診日の証明が難しいケースでは、社会保険労務士などの専門家に相談することで、適切な証明方法を見つけられる可能性があります。
7. 受給額は等級と年金制度によって異なる
- 障害基礎年金1級:年間約102万円
- 障害基礎年金2級:年間約82万円
- 障害厚生年金は報酬比例部分が上乗せされ、年間約130万円〜200万円
配偶者や子どもがいる場合は、さらに加算があります。
神戸・兵庫県にお住まいで、補聴器や人工内耳を使用しながら聴覚障害でお悩みの方は、ぜひ一度、障害年金の受給可能性を確認してみてください。
清水総合法務事務所では、「諦めない障害年金」をコンセプトに、複雑なケースにも対応しています。聴覚障害の障害年金申請に関する無料相談を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
神戸市須磨区の事務所から、神戸市内はもちろん、明石市、西宮市、姫路市など兵庫県全域に対応しています。訪問相談も可能です。
今すぐ無料相談のお問い合わせを
清水総合法務事務所
社会保険労務士 清水 良訓
〒654-0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台6-8-3
電話:050-7124-5884(平日9:00〜17:00)
メール:mail@srkobe.com
HP:https://nenkin.srkobe.com/
あなたの「諦めない」を、私たちが全力でサポートいたします。

