突発性難聴の診断書|医師に伝えるべき5つの困難と具体例

特発性難聴の診断書|医師に伝えるべき5つの困難と具体例

「診断書を医師にどう依頼すればいいか分からない…」

神戸市内にお住まいの50代男性・田中さん(仮名)は、8ヶ月前に突発性難聴を発症し、右耳がほとんど聞こえなくなりました。インターネットで障害年金の制度を知り、「自分の聴力レベル(右耳90dB)なら受給できるかもしれない」と希望を持ちました。しかし、いざ診断書を医師に依頼しようとすると、不安が次々と湧いてきました。

「片耳だけの難聴でも本当に認定されるのだろうか」「医師は短い診察時間で、自分の困難を理解してくれるだろうか」「『働けているから大丈夫』と軽く見られないだろうか」――。

この不安、あなたも感じていませんか?

実は、突発性難聴で障害年金を申請する方の多くが、診断書作成の段階で躓いています。聴力検査の数値は基準を満たしているのに、日常生活の困難が診断書に反映されず、不支給になってしまうケースは少なくありません。逆に言えば、医師に何をどう伝えるかで、結果が大きく変わるのです。

この記事では、障害年金専門の社会保険労務士として数多くの聴覚障害の申請をサポートしてきた経験から、突発性難聴で診断書を依頼する際に「医師に伝えるべき5つの困難」を、具体例とともに徹底解説します。片耳難聴特有の困難、補聴器使用中の方への伝え方、職種別の支障を具体的にお伝えしますので、この記事を読めば、医師にどう説明すればよいか明確になります。

「諦めない障害年金」――それは、複雑な制度に不安を感じながらも、正しい知識と準備で一歩を踏み出すことから始まります。

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目次

なぜ診断書作成で失敗するのか?3つの理由

障害年金の審査において、診断書は最も重要な書類です。しかし、診断書作成の段階で「失敗」してしまい、本来受給できるはずの方が不支給になってしまうケースが後を絶ちません。

なぜ失敗するのでしょうか?その理由を理解することで、あなたは同じ失敗を避けることができます。ここでは、突発性難聴の診断書作成でよくある3つの失敗パターンと、その原因を解説します。

理由①聴力検査の数値だけを記載し、日常生活の困難が伝わらない

最も多い失敗パターンがこれです。医師は聴力検査の結果(「右耳90dB、左耳35dB」など)は正確に記載してくれますが、あなたの日常生活の具体的な困難までは把握していません

診察時間は限られており、医師は聴力検査の数値や耳の状態を確認することに集中しています。「電話対応ができない」「会議で右側の人の声が聞こえない」「音の方向が分からず車の運転が怖い」といった、あなたが日々感じている困難については、あなた自身が説明しない限り、医師は知る由もないのです。

その結果、診断書の「日常生活活動能力及び労働能力」という欄が空欄のまま、または「特になし」「補聴器で対応可能」といった簡潔な記載で終わってしまいます。審査では、この欄の記載内容が等級判定に大きく影響します。聴力レベルの数値が基準を満たしていても、日常生活の困難が伝わらなければ、「それほど支障はない」と判断されてしまう可能性があるのです。

理由②「補聴器で改善している」と判断され、軽く見られる

「補聴器を使っているから障害年金はもらえない」――これは大きな誤解です。補聴器を使用していても、障害年金は受給できます。

しかし問題は、医師に「補聴器を使用しています」とだけ伝えた場合、医師が「補聴器で対応できている」と診断書に記載してしまうケースがあることです。補聴器は聴力を完全に回復させる装置ではなく、特に片耳難聴の場合、その効果は限定的です。騒音下では聞き取れない、複数人の会話では役に立たない、長時間使用すると疲労するなど、多くの限界があります。

補聴器の「効果」だけでなく「限界」も医師に伝えなければ、「補聴器で改善しているなら問題ない」と判断されてしまうのです。実際には、補聴器を使用してもなお日常生活に大きな支障があるにもかかわらず、診断書にはその実態が反映されません。

理由③片耳難聴特有の困難(音の方向感覚の喪失)が伝わらない

「片耳は聞こえるから、それほど困らないだろう」――これは片耳難聴を経験したことがない人の誤解です。

人間は両耳で音を聞くことで、音の方向を判別しています。片耳が聞こえなくなると、この方向感覚が失われます。車が右側から近づいてきても気づかない、会議室で右側に座る人の声だけが聞こえない、駅のホームで右側から来る人にぶつかってしまう――こうした困難は、片耳難聴特有のものです。

しかし、医師に「片耳が聞こえません」とだけ伝えた場合、「もう片方の耳は聞こえるのだから、大きな問題はない」と思われてしまうことがあります。両耳で聞くことの重要性、方向感覚の喪失がもたらす日常生活や安全面への影響を、あなた自身が具体的に説明しなければ、診断書にその実態は反映されません。

失敗パターン 診断書の記載例 審査での判断
聴力検査の数値のみ記載 「右耳90dB、日常生活:特になし」 「数値は基準を満たすが、実生活への影響が不明」→等級が低い、または不支給
補聴器の効果のみ伝達 「補聴器装用にて対応可能」 「補聴器で改善しているなら支障なし」→不支給
片耳難聴の困難未説明 「左耳は正常範囲」 「片耳聞こえるなら問題ない」→3級または障害手当金も難しい

これら3つの失敗を避けるためには、あなた自身が医師に具体的な困難を伝えることが不可欠です。次の章では、具体的に何をどう伝えればよいのかを、詳しく解説していきます。

診断書で医師に伝えるべき5つの困難【具体例付き】

ここからが本記事の核心部分です。突発性難聴で診断書を医師に依頼する際、あなたが伝えるべき5つの困難を、具体例とともに解説します。

これらの具体例を参考に、あなた自身の状況をメモにまとめ、診察時に医師に伝えてください。「この記事に書いてあるような困難があります」と伝えるだけでも、医師の理解は大きく変わります。

困難①電話対応での支障

電話は、聴覚障害のある方にとって最も困難を感じる場面の一つです。特に営業職や事務職など、電話対応が業務の中心となる職種では、聴力低下が直接的に業績や評価に影響します。

【営業職の方の具体例】

「右耳で電話を取ると、相手の声がほとんど聞こえません。そのため、電話が鳴るたびに常に左耳側に持ち替える必要があります。しかし、オフィス内に騒音があると、左耳でも聞き取りにくく、何度も聞き返してしまいます。その結果、お客様から『ちゃんと聞いているのか』とクレームになったことがあります」

「携帯電話を右耳側のポケットに入れていると、着信に気づかないことがあります。取引先からの重要な連絡を逃してしまい、商談が流れたことがありました」

「電話での商談中、相手の声が途切れ途切れにしか聞こえず、内容を正確に理解できません。聞き間違いによる発注ミスが発生し、上司から注意を受けました」

【事務職の方の具体例】

「オフィスで右側のデスクから内線電話がかかってきても、呼び出し音に気づかないことがあります。同僚から『なぜ出ないのか』と言われ、説明するのが辛いです」

「お客様からの問い合わせ電話を受ける際、聞き取れない部分を何度も聞き返すため、対応時間が通常の2倍かかります。業務効率が大幅に低下しています」

【医師への伝え方のポイント】

医師に伝える際は、以下のポイントを意識してください。

  • 頻度を明確に: 「週に3回以上」「ほぼ毎日」など、どのくらいの頻度で困難が発生するかを伝えます。
  • 業務への影響を具体的に: 「クレームになった」「商談が流れた」「ミスが発生した」など、実際に起きたトラブルを伝えます。
  • 補聴器の限界も伝える: 補聴器を使用している場合、「補聴器を使用しても電話の相手の声は聞き取りにくい」と明確に伝えます。

困難②会議・打ち合わせでの支障

会議や打ち合わせは、複数人が同時に話す環境であり、片耳難聴の方にとって最も困難を感じる場面です。音の方向感覚が失われているため、誰がどこで話しているのかが分からず、議論についていけません。

【具体例】

「会議室で右側に座っている人の発言が全く聞こえません。左側や正面の人の声は何とか聞き取れますが、右側からの発言は存在すら気づかないことがあります。その結果、議論の流れが理解できず、自分の意見を述べるタイミングを逃してしまいます」

「複数人が同時に話し始めると、誰が何を言っているのか判別できません。音が重なり合って、会話の内容が全く理解できなくなります」

「オンライン会議では、音声が歪んで聞こえることが多く、内容が理解できません。特に通信状況が悪い時は、重要な指示を聞き逃してしまいます」

「会議後、右側に座っていた上司から『先ほどの質問になぜ返事をしなかったのか』と注意されました。質問されたこと自体に気づいていなかったのですが、『聞いていなかった』と思われてしまい、評価に影響しました」

「取引先との打ち合わせで、右側に座った先方の担当者の発言が聞こえず、商談の重要なポイントを聞き逃してしまいました。後で同僚に内容を確認する必要があり、恥ずかしい思いをしました」

【医師への伝え方のポイント】

  • 座席位置による違いを説明: 「右側に座る人の声が聞こえない」など、方向による違いを具体的に伝えます。
  • 聞き逃しによる誤解やトラブル: 「質問に答えられず評価が下がった」「無視していると誤解された」など、実際に起きた問題を伝えます。
  • 複数人の会話の困難: 「誰が話しているか分からない」「音が重なると理解できない」という状況を説明します。

困難③音の方向感覚の喪失(安全面の問題)

片耳難聴の方が最も危険を感じるのが、音の方向感覚の喪失です。人間は両耳で音を聞くことで、音がどの方向から来ているかを判別しています。片耳が聞こえなくなると、この能力が失われ、日常生活や交通安全に深刻な影響が出ます。

【車の運転時の具体例】

「車の運転中、右側から近づく車やバイクの音が聞こえません。合流時や車線変更時に、右側の車に気づかず、危険を感じることがあります。実際にクラクションを鳴らされたことが何度もあります」

「バック駐車時、右側の障害物や歩行者に気づかず、ぶつけそうになったことがあります。家族からも『運転は控えた方がいい』と心配されています」

「救急車のサイレンが右側から聞こえてきても、どの方向から来ているのか分からず、適切に道を譲ることができません」

【歩行時・日常生活の具体例】

「駅のホームで右側から来る人にぶつかることが増えました。足音や気配に気づかず、相手を驚かせてしまい、申し訳ない気持ちになります」

「自転車で走行中、右側から来た自転車のベルが聞こえず、危うく衝突しそうになりました」

「歩道を歩いていると、右側から来た車に気づかず、危険な目に遭ったことがあります」

「階段を降りる時、右側の手すりが見えても、右側から近づく人の足音が聞こえないため、不安を感じます」

【医師への伝え方のポイント】

  • 「危険を感じた」具体的なエピソード: 「クラクションを鳴らされた」「ぶつかりそうになった」など、実際に起きた危険な場面を伝えます。
  • 家族からの心配の声: 「家族から運転を控えるよう言われている」など、周囲の評価も伝えます。
  • 安全保持の困難: 「危険を回避する能力が低下している」ことを明確に伝えます。

困難④家庭内コミュニケーションの支障

突発性難聴は、仕事だけでなく家庭生活にも深刻な影響を及ぼします。家族とのコミュニケーションがうまくいかず、孤立感や罪悪感を抱える方は少なくありません。

【具体例】

「夕食時、右側に座る妻の声が聞こえません。何度も聞き返してしまい、妻に申し訳ない気持ちでいっぱいです。最近では、妻も話しかける回数が減ってきたように感じます」

「子どもが後ろから話しかけても気づきません。無視していると思われて、子どもが悲しそうな顔をします。『お父さん、聞いてないでしょ』と言われることが増えました」

「家族が別の部屋から呼んでも全く聞こえず、気づかないことがあります。『何度呼んでも来ない』とトラブルになることがあります」

「テレビの音量を大きくしないと聞こえないため、家族から『うるさい』と苦情が出ます。家族と一緒にテレビを見ることができなくなりました」

「家族との会話がスムーズにいかず、家庭内で孤立しているように感じます。精神的にも辛く、気分が落ち込むことが増えました」

【医師への伝え方のポイント】

  • 家族関係への影響: 「妻との会話が減った」「子どもに悲しい思いをさせている」など、関係性の変化を伝えます。
  • 精神的なストレス: 「孤立感を感じる」「申し訳ない気持ちになる」「気分が落ち込む」など、心理面の影響も伝えます。
  • QOL(生活の質)の低下: 「家族と一緒にテレビを見られない」「楽しい時間が減った」など、生活の質の低下を説明します。

困難⑤その他の日常生活での支障

上記以外にも、突発性難聴は日常生活の様々な場面で支障をきたします。以下のような困難がある場合は、遠慮せずに医師に伝えてください。

【具体例】

「玄関のチャイムが聞こえず、宅配便を受け取れないことが多いです。不在票が入っていて初めて気づきます」

「火災警報器の音が右側から鳴った場合、聞こえるか不安です。夜、寝ている時に火事になったらどうしようと不安で、よく眠れません」

「趣味だった音楽鑑賞ができなくなりました。片耳だけで聴くと音のバランスが崩れ、楽しめません。生きがいを失ったように感じます」

「友人との食事会で、賑やかな店内では会話が全く聞き取れません。話の輪に入れず、孤立してしまいます。最近では誘いを断ることが増えました」

「映画館や劇場に行っても、セリフが聞き取れず、内容が理解できません。娯楽を楽しむことができなくなりました」

「人混みの中で、後ろから声をかけられても気づきません。知人に会っても挨拶できず、失礼な人だと思われているかもしれません」

【医師への伝え方のポイント】

  • QOL(生活の質)の低下: 「趣味ができなくなった」「生きがいを失った」など、精神的な影響を伝えます。
  • 社会参加の制限: 「食事会を断るようになった」「友人との交流が減った」など、社会的孤立を説明します。
  • 安全面の不安: 「火災警報器が聞こえるか不安」など、生命に関わる不安も伝えます。
職種 困難の具体例(医師への伝え方)
営業職 ・電話で顧客の声が聞き取れず、週に○回以上聞き返してクレームになる
・商談中、相手の声が途切れ途切れにしか聞こえず、内容を正確に理解できない
・取引先との打ち合わせで、右側に座った相手の発言が聞こえず、重要な情報を聞き逃す
・車での営業中、右側から近づく車に気づかず危険を感じる
事務職 ・内線電話の呼び出し音に気づかず、同僚から注意される
・電話対応時、聞き取れない部分を何度も聞き返し、対応時間が通常の2倍かかる
・会議で複数人が同時に話すと、誰が何を言っているか判別できない
・後方から上司に話しかけられても気づかず、無視していると誤解される
製造業 ・工場内の騒音で、同僚の指示や機械の異音が聞こえず、作業ミスが発生する
・フォークリフトや台車が右側から近づいても気づかず、危険を感じる
・朝礼や安全講話で、話し手の声が聞き取れず、重要な情報を聞き逃す
・補聴器を使用すると機械音が増幅されて不快で、長時間装用できない
接客業 ・店舗内でお客様の声が聞き取れず、何度も聞き返してクレームになる
・賑やかな店内では、複数のお客様の声が重なり、誰が何を言っているか分からない
・レジで金額を伝える際、お客様の質問に気づかず、失礼な対応をしてしまう
・電話での予約受付時、相手の名前や電話番号を聞き間違える
医療・介護職 ・患者・利用者の訴えや呼びかけが聞こえず、対応が遅れる
・ナースコールや緊急時のアラーム音が聞こえず、重大な事故につながる危険がある
・カンファレンスで複数人が話すと、議論の内容が理解できない
・マスク着用時、相手の声がさらに聞き取りにくくなる
教育職 ・教室内で生徒の質問や発言が聞き取れず、授業進行に支障が出る
・複数の生徒が同時に話すと、誰が話しているか判別できない
・職員会議で右側に座る同僚の発言が聞こえず、議論についていけない
・体育館や屋外での活動時、音が反響して生徒の声が全く聞き取れない

使い方: 上記の中からあなたの職種に近いものを選び、自分の状況に当てはめて医師に伝えてください。複数の困難を組み合わせても構いません。

医師に渡す「困難リストのメモ」サンプル

以下のテンプレートをコピーして、あなたの状況に合わせて修正し、A4用紙1枚にまとめて医師に渡してください。

障害年金診断書作成のための日常生活の困難について

突発性難聴により、以下のような困難を日常的に感じています。
診断書作成の際、ご参考にしていただけますと幸いです。

1. 電話対応の困難

  • 右耳で電話を取ると相手の声がほとんど聞こえず、常に左耳に持ち替える
  • 騒音下では左耳でも聞き取りにくく、週に○回以上聞き返してクレームになる
  • 電話での商談中、内容を正確に理解できず、発注ミスが発生した

2. 会議での困難

  • 会議室で右側に座る人の発言が全く聞こえない
  • 複数人が同時に話すと、誰が何を言っているか判別できない
  • 質問されたことに気づかず、上司から注意を受けた

3. 音の方向感覚の喪失(安全面の問題)

  • 車の運転中、右側から近づく車に気づかず危険を感じる(クラクションを鳴らされた経験あり)
  • 駅のホームで右側から来る人にぶつかることが増えた

4. 家庭内コミュニケーションの困難

  • 右側に座る家族の声が聞こえず、何度も聞き返してしまう
  • 子どもが後ろから話しかけても気づかず、無視していると誤解される
  • テレビの音量を大きくしないと聞こえず、家族から苦情が出る

5. その他の日常生活での困難

  • 玄関のチャイムが聞こえず、宅配便を受け取れないことが多い
  • 火災警報器の音が聞こえるか不安で眠れない
  • 趣味の音楽鑑賞ができなくなり、生きがいを失った
  • 友人との食事会で会話が聞き取れず、孤立してしまう

補聴器について

  • 右耳に補聴器を装用しているが、騒音下では効果が限定的
  • 補聴器を使うと全ての音が大きくなり、必要な音だけを選択できない
  • 複数人の会話では役に立たず、長時間使用すると頭痛がする

以上、診断書作成の際にご考慮いただけますと幸いです。

令和○年○月○日 氏名:        

💡 ポイント: 上記はサンプルです。あなた自身の状況に合わせて、○の部分を具体的な数字に置き換え、該当しない項目は削除し、該当する項目を追加してください。

補聴器使用中の方へ|効果と限界の伝え方

「補聴器を使っているから障害年金はもらえない」――これは誤解です。補聴器を使用していても、障害年金は受給できます。

しかし、医師に「補聴器を使用しています」とだけ伝えると、「補聴器で対応できている」と診断書に記載されてしまう可能性があります。そうならないためには、補聴器の「効果」だけでなく「限界」も明確に伝えることが重要です。

「補聴器=問題解決」ではないことを明確に伝える

補聴器は、聴力を完全に回復させる装置ではありません。補聴器は音を増幅する装置ですが、音の質を改善するわけではありません。特に片耳難聴の場合、補聴器の効果は限定的です。

医師に伝えるべきポイントは、「補聴器を使用していますが、それでもなお以下のような困難があります」という形で、補聴器の限界を明確にすることです。

「補聴器を使用しています」だけでは不十分です。必ず「しかし、以下の困難が残っています」と続けて説明してください。

補聴器の限界を具体的に伝える

補聴器使用中の方が医師に伝えるべき内容を、以下に具体例として示します。これらはそのまま使える文例ですので、あなたの状況に当てはまるものを選んで、医師に伝えてください。

【補聴器の限界:具体的な伝え方】

「補聴器を使用すると、全ての音が大きくなります。しかし、必要な音(相手の声)だけを選択して聞くことはできません。周囲の雑音も一緒に増幅されるため、かえって聞き取りにくくなることがあります」

「風の音や紙をめくる音、キーボードを打つ音などの雑音が増幅されて、会話の邪魔になります。特に屋外では風の音がうるさく、補聴器を外した方がマシなこともあります」

「補聴器を長時間使用すると、耳が疲れてきます。夕方になると頭痛がすることもあり、一日中装用し続けることはできません」

「補聴器を使用しても、複数人の会話では誰が話しているか判別できません。会議や食事会では、ほとんど役に立ちません」

「電話の相手の声は、補聴器を調整しても明瞭に聞き取ることができません。電話対応時は補聴器を外して、受話器を直接耳に当てています」

「騒音のある環境(工場、駅、繁華街など)では、補聴器を使用してもほとんど聞き取れません。かえって騒音だけが大きくなり、不快です」

「片耳だけの補聴器では、音の方向感覚は回復しません。右側から来る音が大きく聞こえるようになっても、それが右から来ているとは分からないのです」

【補聴器使用に関する重要な注意点】

障害年金の聴力検査は、補聴器を外した状態で測定します。つまり、補聴器を使用しているかどうかは、聴力レベルの数値(デシベル)には影響しません。

補聴器の使用状況は、診断書の別の欄に記載されます。そこで「補聴器装用時も日常生活に支障あり」と記載してもらうことが重要です。

診断書への記載例

医師に依頼する際は、診断書に以下のような内容を記載してもらえるよう、お願いしてください。

【診断書への記載例】

「補聴器装用中であるが、騒音下では効果が限定的であり、電話対応や会議での聞き取りは困難である」

「補聴器使用しても、複数人の会話や方向感覚の回復は得られず、日常生活に著しい支障がある」

「長時間の補聴器使用は疲労を伴い、継続的な装用は困難である」

「補聴器装用時も平均聴力○○dBであり、日常会話において著しい制限がある」

【内部リンクプレースホルダー】

補聴器や人工内耳を使用している方の障害年金申請については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
補聴器・人工内耳使用でも障害年金はもらえる!認定基準と申請ポイント

項目 医師への伝え方(そのまま使える文例)
補聴器の効果 ・補聴器を使用すると、音が大きく聞こえるようになります
・静かな環境では、ある程度会話ができます
・補聴器がないと、ほとんど音が聞こえません
補聴器の限界①
雑音の増幅
・補聴器を使用すると、全ての音が大きくなります。必要な音(相手の声)だけを選択して聞くことはできません
・風の音、紙をめくる音、キーボードを打つ音などの雑音も増幅されて、会話の邪魔になります
・騒音のある環境(工場、駅、繁華街など)では、雑音だけが大きくなり、かえって聞き取りにくくなります
補聴器の限界②
複数人の会話
・補聴器を使用しても、複数人の会話では誰が話しているか判別できません
・会議や食事会では、ほとんど役に立ちません
・音が重なり合うと、内容が全く理解できなくなります
補聴器の限界③
方向感覚
・片耳だけの補聴器では、音の方向感覚は回復しません
・右側から来る音が大きく聞こえるようになっても、それが右から来ているとは分かりません
・両耳に補聴器を装用しても、完全な方向感覚は得られません
補聴器の限界④
疲労
・補聴器を長時間使用すると、耳が疲れてきます
・夕方になると頭痛がすることもあり、一日中装用し続けることはできません
・帰宅後は疲れて、補聴器を外して休む必要があります
補聴器の限界⑤
電話対応
・電話の相手の声は、補聴器を調整しても明瞭に聞き取ることができません
・電話対応時は補聴器を外して、受話器を直接耳に当てています
・それでも聞き取りにくく、何度も聞き返してしまいます
診断書への
記載例
「補聴器装用中であるが、騒音下では効果が限定的であり、電話対応や会議での聞き取りは困難である」

「補聴器使用しても、複数人の会話や方向感覚の回復は得られず、日常生活に著しい支障がある」

「長時間の補聴器使用は疲労を伴い、継続的な装用は困難である」

使い方: 上記の文例の中から、あなたの状況に当てはまるものを選び、そのまま医師に伝えてください。複数の限界を組み合わせても構いません。

診断書依頼時に準備すべき3つのこと

診断書を医師に依頼する際、事前にしっかり準備しておくことで、実態を正確に反映した診断書を作成してもらえる確率が大幅に高まります。

ここでは、診断書依頼前に準備すべき3つのことを解説します。少し手間がかかりますが、この準備が受給の成否を分けると言っても過言ではありません。

準備①困難リストのメモを作成する

前述の「医師に伝えるべき5つの困難」を参考に、あなた自身の状況を整理したメモを作成してください。診察時に口頭で説明するだけでは、緊張して言い忘れることがあります。また、医師も忙しく、長々と説明を聞く時間がないかもしれません。

そこで、A4用紙1枚に困難をまとめたメモを作成し、医師に渡すことをお勧めします。

【メモ作成のポイント】

メモは以下のような構成で作成してください。


【障害年金診断書作成のための日常生活の困難について】

突発性難聴により、以下のような困難を日常的に感じています。診断書作成の際、ご参考にしていただけますと幸いです。

1. 電話対応の困難

  • 右耳で電話を取ると相手の声がほとんど聞こえず、常に左耳に持ち替える
  • 騒音下では左耳でも聞き取りにくく、週に3回以上聞き返してクレームになる
  • 電話での商談中、内容を正確に理解できず、発注ミスが発生した

2. 会議での困難

  • 会議室で右側に座る人の発言が全く聞こえない
  • 複数人が同時に話すと、誰が何を言っているか判別できない
  • 質問されたことに気づかず、上司から注意を受けた

3. 音の方向感覚の喪失

  • 車の運転中、右側から近づく車に気づかず危険を感じる
  • 駅のホームで右側から来る人にぶつかることが増えた

4. 家庭内コミュニケーション

  • 右側に座る妻の声が聞こえず、何度も聞き返してしまう
  • 子どもが後ろから話しかけても気づかない

5. その他の困難

  • 玄関のチャイムが聞こえず、宅配便を受け取れない
  • 火災警報器が聞こえるか不安で眠れない
  • 趣味の音楽鑑賞ができなくなり、生きがいを失った

補聴器について

  • 右耳に補聴器を装用しているが、騒音下では効果が限定的
  • 複数人の会話では役に立たず、長時間使用すると頭痛がする

以上、診断書作成の際にご考慮いただけますと幸いです。


このようなメモを作成し、診察時に医師に渡してください。医師はこのメモを参考に、診断書の「日常生活活動能力及び労働能力」欄に具体的な記載をしてくれる可能性が高まります。

準備②聴力検査・語音明瞭度検査を事前に受ける

診断書には、聴力検査の結果を記載する必要があります。もし最近の検査結果がない場合は、診断書作成前に改めて検査を受けましょう。

【聴力検査について】

聴力検査(純音聴力検査)は、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzの各周波数での聴力レベルを測定します。この平均値が、障害等級の判定基準となります。

検査を受ける際は、以下の点に注意してください。

  • 体調の良い日に受ける: 体調が悪いと、正確な聴力が測定できない可能性があります。
  • 正直に反応する: 「少しでも良く見せたい」と思って、聞こえていないのに聞こえたふりをすることは避けてください。逆に、「悪く見せたい」と思って、聞こえているのに反応しないことも不正確な結果につながります。ありのままの聴力を測定してもらうことが、適正な認定を受けるための第一歩です。

【語音明瞭度検査について】

語音明瞭度検査とは、言葉をどの程度正確に聞き取れるかを測定する検査です。ヘッドホンから流れる単語を聞き取り、復唱します。

この検査は、障害等級3級以上を申請する場合に必要です。また、聴力レベルが80dB台で2級に該当するかどうか微妙なラインにある場合、語音明瞭度の結果が認定に大きく影響することがあります。

診断書を依頼する際に、「語音明瞭度検査も受けて、結果を記載してください」と医師にお願いしましょう。

準備③家族と一緒に受診する

可能であれば、診断書を依頼する診察には家族と一緒に行くことをお勧めします。

あなた自身が気づいていない困難を、家族が客観的に医師に伝えることができます。また、医師も家族からの情報を重視する傾向があります。

【家族が伝えるべき内容の例】

「本人は『大丈夫』と言いますが、実際には家族との会話がスムーズにいかず、孤立しているように見えます」

「何度呼んでも気づかないことが多く、家族としても心配しています」

「車の運転時、右側の車に気づかないことがあり、同乗していて怖いと感じます」

「テレビの音量を大きくしないと聞こえないため、家族全員が困っています」

家族が同席できない場合は、家族からの「困難を伝える手紙」を用意し、医師に渡すという方法もあります。

診断書依頼前の準備チェックリスト

診断書を医師に依頼する前に、以下の3つの準備を完了させましょう。

準備項目 具体的な内容
準備①
困難リストのメモを作成
・「医師に伝えるべき5つの困難」を自分の状況に当てはめて箇条書き
・A4用紙1枚にまとめる
・具体的な頻度や影響を記載(「週に○回」「○○が発生した」など)
・職種、家族構成、生活状況も簡潔に記載
・補聴器使用中の場合は、効果と限界も記載
準備②
聴力検査・語音明瞭度検査を事前に受ける
・最近の検査結果がない場合は、診断書作成前に受ける
・純音聴力検査(500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hz)
・語音明瞭度検査(3級以上を申請する場合は必須)
・体調の良い日に受ける
・正直に反応する(聞こえるふり、聞こえないふりをしない)
準備③
家族と一緒に受診する
・可能であれば、家族(配偶者、親、子など)と一緒に診察を受ける
・家族から、客観的な困難を医師に伝えてもらう
・「本人は『大丈夫』と言うが、実際には○○で困っている」と説明
・家族が同席できない場合は、家族からの「困難を伝える手紙」を用意

💡 ポイント: この準備を怠ると、診断書に実態が反映されず、不支給になる可能性が高まります。時間をかけて丁寧に準備しましょう。

診断書を受け取った後の確認ポイント

医師から診断書を受け取ったら、必ず内容を確認してください。「医師が作成した書類だから間違いないだろう」と、そのまま年金事務所に提出することは避けてください。

診断書に不備や記載漏れがあると、年金機構から診断書が返却され、再提出を求められることがあります。最悪の場合、不備が原因で不支給になってしまう可能性もあります。

ここでは、診断書を受け取った後に必ずチェックすべき7つのポイントを解説します。

必ずチェックすべき7つのポイント

診断書を受け取ったら、以下の7つのポイントを確認してください。

【チェックポイント①聴力レベルの数値が正確に記載されているか】

診断書の「聴力」の欄に、右耳・左耳それぞれの聴力レベル(デシベル)と、平均純音聴力レベル値が記載されています。

  • 数値が検査結果と一致しているか確認してください。
  • 計算ミスがないかも確認します(平均値の計算が正しいか)。
  • もし数値が間違っている場合、認定基準を満たさなくなる可能性があります。

【チェックポイント②語音明瞭度検査の結果が記載されているか】

障害等級3級以上を申請する場合、語音明瞭度検査の結果も必要です。

  • 診断書の「語音明瞭度曲線」の欄に記載があるか確認してください。
  • もし空欄になっている場合は、医師に追記を依頼します。

【チェックポイント③補聴器の使用状況と効果・限界が記載されているか】

補聴器を使用している場合、その使用状況と効果・限界が記載されているべきです。

  • 「補聴器装用中」という記載があるか確認します。
  • さらに、「補聴器使用しても騒音下では効果が限定的」「日常生活に支障あり」などの記載があるか確認します。
  • もし「補聴器で対応可能」とだけ記載されている場合は、限界についても追記してもらうよう依頼します。

【チェックポイント④「日常生活活動能力及び労働能力」欄に具体的な記載があるか】

これは最も重要なチェックポイントです。

  • この欄が空欄、または「特になし」となっていないか確認してください。
  • 理想的には、「電話対応困難」「会議での聞き取り困難」「音の方向感覚喪失により安全保持に支障」など、具体的な困難が記載されているべきです。
  • もし記載が不十分な場合は、医師に追記を依頼します。

【チェックポイント⑤初診日が正確に記載されているか】

診断書の「初めて医師の診療を受けた日」の欄に、初診日が記載されています。

  • この日付が正確かどうか確認してください。
  • 初診日は障害年金の受給要件に関わる重要な日付ですので、間違いがあると受給できなくなる可能性があります。

【チェックポイント⑥現症時の日付が正しいか】

診断書には「障害の状態」の「現症時」の日付が記載されています。

  • この日付は、診断書作成日(診察日)から1ヶ月以内である必要があります。
  • もし古い日付になっている場合は、訂正が必要です。

【チェックポイント⑦医師の署名・捺印があるか】

診断書の最後に、医師の署名と捺印が必要です。

  • 署名・捺印がない診断書は無効ですので、必ず確認してください。

診断書受取後の確認チェックリスト

診断書を受け取ったら、必ず以下の7つのポイントを確認してください。

確認項目 確認内容
①聴力レベルの数値 ・右耳・左耳それぞれの聴力レベル(dB)が正確か
・平均純音聴力レベル値の計算が正しいか
・検査結果と一致しているか
②語音明瞭度検査の結果 ・「語音明瞭度曲線」の欄に記載があるか
・3級以上を申請する場合は必須
・空欄の場合は医師に追記を依頼
③補聴器の使用状況と効果・限界 ・「補聴器装用中」という記載があるか
・補聴器の効果だけでなく「限界」も記載されているか
・「補聴器で対応可能」だけの場合は追記を依頼
④「日常生活活動能力及び労働能力」欄 最重要!この欄が空欄または「特になし」でないか
・具体的な困難(電話対応困難、会議での聞き取り困難、方向感覚喪失など)が記載されているか
・記載が不十分な場合は医師に追記を依頼
⑤初診日 ・「初めて医師の診療を受けた日」の日付が正確か
・初診日は受給要件に関わる重要な日付
・間違いがある場合は必ず訂正を依頼
⑥現症時の日付 ・「現症時」の日付が診察日から1ヶ月以内か
・古い日付の場合は訂正が必要
・診断書作成日と大きくずれていないか
⑦医師の署名・捺印 ・診断書の最後に医師の署名があるか
・捺印(または電子署名)があるか
・署名・捺印がない診断書は無効

⚠️ 重要: 記載が不十分な場合は、そのまま提出せず、医師に追記・訂正を依頼してください。「お忙しいところ恐縮ですが、○○の部分について、もう少し詳しく記載していただけますでしょうか」と丁寧にお願いしましょう。

💡 ポイント: 診断書の不備は、後から訂正するのが困難です。受け取った時点で必ず全項目を確認しましょう。

記載が不十分な場合の対処法

診断書の内容を確認して、記載が不十分だと感じた場合は、医師に訂正・追記を依頼することができます。

【依頼時の言い方の例】

医師に依頼する際は、以下のような言い方で丁寧にお願いしましょう。

「先生、診断書をありがとうございました。確認させていただいたのですが、日常生活の困難について、もう少し具体的に記載していただくことは可能でしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです」

「補聴器の効果について記載いただいているのですが、限界についても追記していただけないでしょうか。実際には、補聴器を使用しても電話や会議では聞き取りが困難な状況です」

このように、丁寧に、しかし具体的に依頼することが大切です。

【追記が難しい場合の対処法】

もし医師が追記を拒否したり、「これ以上は書けない」と言われた場合は、無理に依頼する必要はありません。

その場合は、「病歴・就労状況等申立書」という、あなた自身が作成する書類で補足することができます。この申立書に、診断書に書かれていない日常生活の困難を詳しく記載すれば、審査の際に考慮されます。

また、どうしても診断書の内容に不安がある場合は、障害年金専門の社会保険労務士に相談することをお勧めします。専門家が診断書の内容を確認し、追記が必要な箇所をアドバイスすることができます。

突発性難聴で障害年金を受給された3つの事例

ここでは、実際に突発性難聴で障害年金を受給された方の事例を3つご紹介します。これらはすべて架空の事例ですが、当事務所で実際にサポートしたケースをもとに作成しています。

※個人情報保護のため、内容を一部変更しています。

事例1: 片耳難聴(3級)のシンプルなケース

【背景】

神戸市在住の52歳男性・Aさん(仮名)は、製造業の営業課長として働いていました。8ヶ月前、朝起きたら突然右耳が聞こえなくなり、近所の耳鼻科を受診したところ、突発性難聴と診断されました。

ステロイド治療を受けましたが、聴力は回復せず、右耳90dB、左耳55dBという状態で固定しました。右耳に補聴器を装用していますが、騒音下では効果が限定的でした。

【困難だった点】

Aさんは営業職のため、電話対応や取引先との打ち合わせが業務の中心です。しかし、右耳がほとんど聞こえないため、以下のような困難を抱えていました。

  • 電話を右耳で取ることができず、常に左耳に持ち替える必要がある
  • 会議で右側に座る人の発言が全く聞こえず、商談の内容を聞き逃すことがある
  • 音の方向が分からず、車の運転時に右側から来る車に気づかないことがある
  • 家族との夕食時、右側に座る妻の声が聞こえず、何度も聞き返してしまう

「片耳だけの難聴で障害年金はもらえないだろう」と思っていましたが、インターネットで調べたところ、片耳90dB以上であれば3級または障害手当金の対象になることを知り、申請を決意されました。

【当事務所のサポート内容】

Aさんから相談を受けた当事務所では、以下のサポートを行いました。

まず、Aさんの聴力レベル(右耳90dB、左耳55dB)を確認したところ、障害厚生年金3級の認定基準(一側耳90dB以上、他側耳50dB以上)を満たしていることが分かりました。そのため、障害厚生年金3級での認定を目指すこととしました。

診断書作成前に、Aさんと一緒に「医師に伝えるべき困難リスト」を作成しました。電話対応の困難、会議での支障、運転時の危険、家庭内コミュニケーションの問題などを具体的に箇条書きにし、A4用紙1枚にまとめました。

診察時、Aさんはこのメモを医師に渡し、「診断書作成の際にご参考にしていただけますと幸いです」とお願いしました。医師は快く受け取ってくださり、診断書の「日常生活活動能力及び労働能力」欄に、具体的な困難を記載してくださいました。

診断書を受け取った後、当事務所で内容を確認したところ、聴力レベルの数値、補聴器の使用状況、日常生活の困難などがしっかり記載されており、問題ないと判断しました。

【結果】

申請から約4ヶ月後、障害厚生年金3級の認定通知が届きました。年金額は年額約78万円(月額約6.5万円)でした。

Aさんは「片耳だけの難聴でも受給できるとは思っていませんでした。諦めなくてよかったです。月6万円でも、住宅ローンの返済や子どもの学費の一部に充てることができ、経済的な不安が軽減されました」と喜んでおられました。

【ご本人の声】

「障害年金の制度を知らず、『片耳だけだから無理だろう』と諦めかけていました。しかし、清水先生に相談したところ、『受給できる可能性があります』と言っていただき、希望が持てました。診断書作成時の医師への伝え方も丁寧にアドバイスしていただき、スムーズに申請できました。おかげさまで無事に受給でき、家族の生活を守ることができます。本当にありがとうございました」

事例2: 両耳難聴(2級)で初診日証明が困難だったケース

【背景】

兵庫県明石市在住の46歳女性・Bさん(仮名)は、12年前に突発性難聴を発症し、両耳の聴力が徐々に低下しました。現在は両耳とも95dBという高度難聴の状態です。

Bさんは事務職として働いていましたが、電話対応や同僚とのコミュニケーションが困難になり、休職を余儀なくされました。経済的な不安から障害年金の申請を考えましたが、大きな問題がありました。

【困難だった点】

Bさんの最大の困難は、初診日の証明が難しいことでした。

12年前に最初に受診した耳鼻科が、5年前に閉院してしまっていました。カルテも破棄されており、「受診状況等証明書」を取得することができません。

また、初診から現在まで複数の医療機関を転々としており、いつどこで初めて受診したのか、記憶も曖昧でした。

「初診日が証明できないと、障害年金は受給できない」と他の社労士事務所で言われ、諦めかけていたところ、当事務所のことを知り、相談に来られました。

【当事務所のサポート内容】

当事務所では、初診日の証明に全力で取り組みました。

まず、Bさんの自宅に保管されていた古い診察券、お薬手帳、医療費の領収書などを探していただきました。幸い、初診から数ヶ月後の診察券が見つかり、そこには「○○耳鼻科」という病院名と日付が記載されていました。

この診察券をもとに、初診日を推定しました。また、健康保険の給付記録(レセプト情報)も年金事務所に照会し、初診時期を特定する補助資料としました。

さらに、Bさんのご主人に「第三者証明」を作成していただきました。これは、「妻が12年前に突然耳が聞こえなくなり、○○耳鼻科を受診したことを覚えています」という内容の証明書です。

これらの資料を「受診状況等証明書が添付できない申立書」とともに提出し、初診日を推定する根拠を詳しく説明しました。

診断書については、現在通院中の病院で作成していただきました。両耳95dBという聴力レベルは、明らかに障害厚生年金2級の基準(両耳90dB以上)を満たしています。

診断書の「日常生活活動能力及び労働能力」欄には、「電話対応不可」「会議での聞き取り困難により休職中」「補聴器使用しても日常会話に著しい支障」などの記載をしていただきました。

【結果】

申請から約6ヶ月後、無事に障害厚生年金2級の認定通知が届きました。年金額は年額約120万円(月額約10万円)でした。

さらに、障害認定日まで遡及して受給できることになり、過去2年分の年金約240万円が一括で振り込まれました。

Bさんは「初診日が証明できないと諦めていましたが、清水先生が様々な方法で証明してくださり、本当に感謝しています。月10万円の年金があれば、休職中でも生活できます。治療に専念できるようになりました」と涙を流して喜んでおられました。

【ご本人の声】

「他の社労士事務所で『初診日が証明できないから無理』と言われ、絶望していました。しかし、清水先生は諦めずに、診察券やお薬手帳、家族の証言など、あらゆる方法で初診日を証明してくださいました。専門家のサポートがなければ、絶対に受給できませんでした。『諦めない障害年金』という言葉通り、最後まで諦めずにサポートしていただき、心から感謝しています」

【内部リンクプレースホルダー】

初診日の証明が困難な場合の対処法については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
突発性難聴の初診日が証明できない時の4つの解決策|諦めない方法

事例3: 補聴器使用中でも2級認定されたケース

【背景】

神戸市西区在住の62歳男性・Cさん(仮名)は、自営業(小売店経営)を営んでいました。5年前に突発性難聴を発症し、両耳とも90dBという高度難聴になりました。

Cさんは両耳に補聴器を装用しており、補聴器を使えば何とか日常生活を送ることができていました。そのため、「補聴器を使っているから、障害年金はもらえないだろう」と思い込んでいました。

しかし、店舗での接客時に、お客様の声が聞き取れずにトラブルになることが増え、経営に支障が出始めました。知人から「補聴器を使っていても障害年金はもらえるかもしれない」と聞き、当事務所に相談に来られました。

【困難だった点】

Cさんは補聴器を使用していることで、「障害年金は無理だ」と思い込んでいました。実際、インターネットで調べると、「補聴器を使っていると不利」「補聴器で対応できていると判断される」といった情報が出てきて、不安が増していました。

また、自営業のため「働いているから無理」という思い込みもありました。

【当事務所のサポート内容】

当事務所では、まずCさんの誤解を解くことから始めました。

「補聴器を使用していても、障害年金は受給できます。重要なのは、補聴器を使用してもなお、日常生活に著しい支障があることを診断書に記載してもらうことです」と説明しました。

Cさんの聴力レベル(両耳90dB)は、障害基礎年金2級の基準(両耳90dB以上)を満たしています。自営業のため国民年金加入者であり、受給できるのは障害基礎年金となります。

診断書作成前に、Cさんと一緒に「補聴器の限界」をリストアップしました。

  • 補聴器を使用しても、店舗内の騒音(商品を並べる音、他のお客様の声)があると、目の前のお客様の声が聞き取れない
  • 補聴器を使うと全ての音が大きくなり、必要な音だけを選択できない
  • 長時間補聴器を使用すると、耳が疲れて頭痛がする
  • 電話の相手の声は、補聴器を使用しても明瞭に聞き取れない

これらの内容をA4用紙にまとめ、診察時に医師に渡しました。

医師は、「補聴器を使用しているが、効果は限定的であり、日常生活に著しい支障がある」と診断書に明確に記載してくださいました。

【結果】

申請から約3ヶ月後、障害基礎年金2級の認定通知が届きました。年金額は年額約82万円(月額約6.8万円)でした。

Cさんは「補聴器を使っていても受給できると知り、希望が持てました。月約7万円の年金があれば、店舗の経営が苦しい時でも生活できます。本当にありがとうございました」と喜んでおられました。

【ご本人の声】

「『補聴器を使っているから無理』と完全に諦めていました。しかし、清水先生から『補聴器使用中でも受給できます』と言っていただき、目から鱗が落ちました。補聴器の限界を医師にしっかり伝える方法を教えていただき、無事に受給できました。同じように『補聴器だから無理』と思っている方に、『諦めないで』と伝えたいです」

神戸・兵庫県で突発性難聴の障害年金申請をお考えの方へ

これら3つの事例のように、適切な準備と専門家のサポートがあれば、突発性難聴でも障害年金を受給できる可能性があります。

清水総合法務事務所では、神戸市内はもちろん、明石・西宮・姫路など兵庫県全域の方の障害年金申請をサポートしています。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

▶ 無料相談はこちら
📞 050-7124-5884(平日9:00〜18:00)

よくある質問(Q&A)

突発性難聴の診断書作成について、よくいただく質問とその回答をまとめました。

Q1: 医師が障害年金に詳しくない場合、どうすればいいですか?

A: 医師の中には、障害年金の制度に詳しくない方もいらっしゃいます。その場合は、以下の方法をお試しください。

まず、日本年金機構のホームページから、障害年金用の診断書の様式と記載要領をダウンロードし、医師に渡してください。「この様式で診断書を作成していただけますでしょうか」と依頼します。

また、「日常生活の困難をまとめたメモ」を一緒に渡すことで、医師が診断書に何を記載すべきか理解しやすくなります。

当事務所にご依頼いただいた場合は、医師への説明文書を作成し、診断書作成の依頼をスムーズに進めるサポートをいたします。

Q2: 診断書作成を拒否された場合はどうすればいいですか?

A: 医師が診断書作成を拒否することは、医師法上問題がある可能性があります。

まず、拒否の理由を確認してください。「診断書を書くだけの情報がない」という理由であれば、定期的に通院を続けることで解決する場合があります。

「障害年金には否定的」という理由であれば、障害年金が社会復帰の妨げになるわけではなく、経済的支援により治療に専念できることを説明してください。

それでも拒否される場合は、転院を検討することも一つの方法です。ただし、転院先の病院が診断書を作成してくれるか、事前に確認することをお勧めします。

診断書作成で困った場合は、障害年金専門の社会保険労務士にご相談ください。専門家が医師への説明をサポートしたり、転院のアドバイスを行ったりすることができます。

Q3: 診断書の作成費用はどのくらいですか?

A: 診断書の作成費用は、医療機関によって異なりますが、一般的に5,000円〜10,000円程度です。

障害年金用の診断書は保険適用外のため、全額自己負担となります。また、病院によっては、診断書作成に数週間かかることもありますので、早めに依頼することをお勧めします。

障害認定日請求(遡及請求)を行う場合は、診断書が2枚必要になるため、費用は2倍になります。

Q4: 診断書は何枚必要ですか?

A: 診断書の必要枚数は、申請の種類によって異なります。

事後重症請求の場合: 1枚(現在の状態を記載した診断書)

障害認定日請求(遡及請求)の場合: 2枚

  • 1枚目:障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)の状態を記載した診断書
  • 2枚目:現在の状態を記載した診断書

障害認定日から時間が経過している場合、認定日時点の診断書を作成することが難しいことがあります。その場合は、当時のカルテをもとに、医師に可能な範囲で記載していただくことになります。

Q5: 診断書作成にどのくらい時間がかかりますか?

A: 医療機関によって異なりますが、通常2週間〜1ヶ月程度かかります。

大学病院や総合病院など、患者数の多い医療機関では、1ヶ月以上かかることもあります。また、年末年始やゴールデンウィークなどの長期休暇を挟む場合は、さらに時間がかかる可能性があります。

診断書の提出期限がある場合(障害認定日請求など)は、余裕を持って早めに依頼することをお勧めします。

依頼時に、「いつ頃できあがりますか?」と確認しておくとよいでしょう。

Q6: 働きながらでも障害年金は受給できますか?

A: はい、働きながらでも障害年金は受給できます

障害年金には収入制限がありません。年収が300万円でも500万円でも、障害の状態が認定基準を満たしていれば受給できます。

ただし、就労状況は総合的に評価の参考にされます。「どのような制限や配慮を受けながら働いているか」を診断書や病歴・就労状況等申立書に記載することが重要です。

例えば、以下のような状況であれば、働いていても受給できる可能性があります。

  • 電話対応を免除してもらっている
  • 会議では筆談や要約筆記のサポートを受けている
  • 短時間勤務に変更してもらっている
  • 障害者雇用枠で働いている
  • 職種を変更してもらった(営業職→事務職など)

これらの配慮を受けていることを、診断書に記載してもらいましょう。

Q7: 社労士に依頼するメリットは何ですか?

A: 障害年金専門の社会保険労務士に依頼するメリットは、以下の通りです。

  • 診断書の記載内容の確認: 診断書を受け取った後、専門家が内容を確認し、不備や記載漏れがないかチェックします。必要に応じて、医師への追記依頼もサポートします。
  • 医師への伝え方のアドバイス: 「医師に何をどう伝えればよいか」を具体的にアドバイスします。困難リストの作成もサポートします。
  • 書類作成代行: 病歴・就労状況等申立書など、本人が作成する書類を代行します。審査で有利になるような書き方を熟知しています。
  • 初診日証明のサポート: 初診日の証明が困難な場合でも、様々な方法で証明します。
  • 認定率の向上: 専門家のサポートにより、適切な等級で認定される可能性が高まります。
  • 複雑なケースへの対応: 初診日が不明、転医が多い、他の障害との併合など、複雑なケースほど専門家のサポートが有効です。

当事務所では、初回相談は無料です。「自分のケースで受給できるか」「診断書の内容は適切か」など、まずはお気軽にご相談ください。

【内部リンクプレースホルダー】

不支給になる理由と対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
突発性難聴で障害年金不支給になる5つの理由と逆転の対策

まとめ

ここまで、突発性難聴で障害年金の診断書を医師に依頼する際に「伝えるべき5つの困難」と、その具体的な伝え方について詳しく解説してきました。

最後に、この記事の要点をまとめます。

【診断書作成で失敗する3つの理由】

  1. 聴力検査の数値だけを記載し、日常生活の困難が伝わらない
  2. 「補聴器で改善している」と判断され、軽く見られる
  3. 片耳難聴特有の困難(音の方向感覚の喪失)が伝わらない

【医師に伝えるべき5つの困難】

  1. 電話対応での支障
  2. 会議・打ち合わせでの支障
  3. 音の方向感覚の喪失(安全面の問題)
  4. 家庭内コミュニケーションの支障
  5. その他の日常生活での支障

【事前準備と受取後の確認の重要性】

診断書依頼前に「困難リストのメモ」を作成し、聴力検査・語音明瞭度検査を受け、可能であれば家族と一緒に受診することで、実態を反映した診断書を作成してもらえる可能性が高まります。

診断書を受け取った後は、7つのポイント(聴力レベル、語音明瞭度、補聴器の記載、日常生活の困難、初診日、現症時の日付、署名・捺印)を必ず確認してください。


「諦めない障害年金」――それは、正しい知識と準備で実現できる

突発性難聴で聴力を失ったあなたは、すでに多くの困難を乗り越えてきました。電話対応ができず、会議で聞き取れず、音の方向が分からず、家族とのコミュニケーションがうまくいかない――こうした日々の困難は、あなた自身が一番よく知っています。

しかし、その困難を「医師に伝える」というステップで、多くの方が躓いてしまいます。診断書は、障害年金申請の最重要書類です。ここで失敗すると、本来受給できるはずの方が不支給になってしまいます。

この記事を読んだあなたは、もう大丈夫です。医師に何をどう伝えればよいか、具体的に理解できたはずです。あとは行動あるのみです。

一人で不安を抱えず、専門家に相談することも選択肢の一つです。障害年金申請は複雑ですが、適切なサポートがあれば、必ず道は開けます。


神戸・兵庫県の障害年金専門社労士として、あなたをサポートします

清水総合法務事務所は、「諦めない障害年金」をコンセプトに、神戸・兵庫県で障害年金申請のサポートを行っている社会保険労務士事務所です。

突発性難聴をはじめとする聴覚障害の申請実績が豊富にあり、診断書作成から書類作成、年金事務所への提出まで、トータルでサポートいたします。

初回相談は無料です。「自分のケースで受給できるか知りたい」「診断書の内容を確認してほしい」「医師にどう伝えればいいか分からない」など、どんな小さな疑問でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

神戸市内はもちろん、明石・西宮・姫路など兵庫県全域に対応しております。電話・メールでのご相談も可能です。

【お問い合わせ】

📞 電話: 050-7124-5884(平日9:00〜18:00)
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〒654-0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台6-8-3
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