階段を上ると息が切れて立ち止まってしまう、平地を歩くだけでも息苦しい、咳や痰が続いて日常生活に支障が出ている。慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断され、このような症状に悩まされている方は少なくありません。
特に、在宅酸素療法を使いながらも仕事を続けている方、あるいは体力的に仕事を続けられるか不安を感じている方から、「障害年金がもらえると聞いたが、まだ働いているから対象外なのでは?」というご相談をよくいただきます。
結論から申し上げますと、慢性閉塞性肺疾患で働きながらでも障害年金を受給できる可能性があります。障害年金は、完全に働けなくなった方だけのものではありません。体力を要する仕事ができなくなった、勤務時間を短縮せざるを得なくなった、頻繁な休憩が必要になったなど、労働に一定の制限がある場合も対象となります。
この記事では、慢性閉塞性肺疾患で障害年金を受給するための条件について、社会保険労務士の立場から詳しく解説いたします。具体的には、以下の内容をお伝えします。
- 慢性閉塞性肺疾患が障害年金の対象となる理由
- 障害年金を受給するための3つの要件
- 障害等級1級・2級・3級の具体的な認定基準
- 働きながらでも受給できるケースの詳しい説明
- 在宅酸素療法と障害等級の関係
- 受給できる金額の目安
- 申請の具体的な流れと必要書類
- 診断書作成のポイントと医師への依頼方法
「自分のケースは該当するのだろうか」「申請は複雑そうで不安」「一度不認定になったことがある」――そのような方にこそ、この記事を最後までお読みいただきたいと思います。
慢性閉塞性肺疾患は進行性の疾患であり、症状と上手に付き合いながら生活していくことが求められます。障害年金は、そうした生活を経済的にサポートする制度です。諦めずに、まずは受給の可能性を確認してみてください。
申請について不安な点やご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。神戸の清水総合法務事務所では、慢性閉塞性肺疾患をはじめとする呼吸器疾患の障害年金申請を数多くサポートしております。
清水総合法務事務所
社会保険労務士 清水 良訓
電話:050-7124-5884
メール:mail@srkobe.com
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは?障害年金の対象になる理由
COPDの基本的な説明
慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とは、タバコの煙や有害物質を長期間吸い込むことによって、気道や肺に炎症が起こり、呼吸機能が徐々に低下していく病気です。
従来「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気の総称であり、一度発症すると完全に治すことが難しい進行性の疾患です。日本では約500万人以上がCOPDに罹患していると推計されていますが、実際に診断を受けている方はその一部に過ぎず、多くの方が「年のせいで息切れする」と見過ごしているケースも少なくありません。
COPDの主な原因は以下の通りです。
- 喫煙:最大の原因で、喫煙者の15〜20%がCOPDを発症するとされています
- 受動喫煙:家族や職場での長期的な受動喫煙
- 大気汚染:排気ガスや工場からの煙など
- 職業性曝露:粉塵や化学物質を扱う職場での長期間の曝露
典型的な症状としては、以下のようなものがあります。
- 息切れ:階段の昇降、坂道、平地の歩行時など、動作時の呼吸困難
- 慢性の咳:特に朝方に咳込むことが多い
- 痰:粘り気のある痰が続く
- 喘鳴(ぜんめい):ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音
COPDは進行すると、日常生活のあらゆる場面で息切れが起こるようになります。入浴、着替え、食事といった基本的な動作でも息が切れ、生活の質(QOL)が大きく低下します。さらに進行すると、在宅酸素療法が必要になり、常に酸素ボンベを携帯しなければ外出できなくなることもあります。
【重要】COPDの主な症状と日常生活への影響
| 症状 | 軽度の状態 | 中等度の状態 | 重度の状態 |
|---|---|---|---|
| 息切れ | 階段の昇降時に息切れ | 平地でも100m程度で息切れ、ゆっくりとしか歩けない | 着替えや洗顔でも息切れ、ほとんど動けない |
| 日常生活 | 家事は可能だが疲れやすい | 掃除機がけや入浴が困難、座ってできることのみ | 身の回りのことにも介助が必要 |
| 就労 | デスクワークは可能、体力を要する仕事は困難 | 短時間勤務や軽易な労働のみ可能 | 就労不可能 |
| 外出 | 短時間の外出は可能 | 酸素ボンベが必要、長時間の外出は困難 | ほぼ自宅内で過ごす |
※症状の程度は個人差があり、上記はあくまで一般的な目安です。
なぜ障害年金の対象になるのか
慢性閉塞性肺疾患が障害年金の対象となる理由は、主に以下の3点です。
①長期療養が必要な慢性疾患であること
COPDは一度発症すると完治が難しく、生涯にわたって治療と症状のコントロールが必要です。吸入薬や在宅酸素療法などの治療を継続しながら、病気と付き合っていく必要があります。障害年金は、こうした長期療養を必要とする病状を対象としています。
②日常生活に著しい制限が生じること
呼吸機能の低下は、歩行、入浴、家事、通勤など、日常生活のあらゆる場面に影響を及ぼします。特に息切れは、本人にしか分からない苦しさがあり、外見からは理解されにくい症状です。しかし、実際には「階段を上れない」「買い物に行けない」「家族に負担をかけている」といった深刻な生活上の困難を抱えています。
③労働能力に制限が生じること
COPDによる息切れや体力低下は、就労にも大きな影響を与えます。現場作業や立ち仕事ができなくなる、勤務時間を短縮せざるを得ない、頻繁に休憩が必要になるなど、労働に一定の制限が生じます。障害年金は、こうした労働能力の制限に対しても支給される制度です。
重要なのは、「完全に働けなくなった人だけが対象」ではないということです。デスクワークに配置転換された方、短時間勤務に切り替えた方、在宅酸素を使いながら仕事を続けている方なども、障害の程度によっては障害年金の対象となる可能性があります。
次のセクションでは、障害年金を受給するための具体的な要件について詳しく解説していきます。
慢性閉塞性肺疾患で障害年金を受給するための3つの要件
障害年金を受給するためには、①初診日要件、②保険料納付要件、③障害状態要件の3つの要件をすべて満たす必要があります。それぞれの要件について、慢性閉塞性肺疾患の場合に注意すべきポイントを含めて解説します。
初診日要件とは
初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。この初診日に、国民年金または厚生年金保険に加入していることが要件となります。
慢性閉塞性肺疾患の場合、初診日の考え方には注意が必要です。多くの方が以下のような経過をたどります。
- 会社の健康診断や人間ドックで「肺機能低下」「要精密検査」と指摘される
- 近所のクリニックや内科を受診する
- 専門の呼吸器内科や大学病院を紹介され、そこで「COPD」と正式診断される
この場合、初診日は③の大学病院ではなく、②の近所のクリニックを受診した日となります。健康診断そのものは初診日とはなりませんが、その後に初めて医療機関を受診した日が初診日です。
【COPDの初診日でよくあるケース】
- 健康診断で異常を指摘され、その後クリニックを受診 → クリニック受診日が初診日
- 息切れや咳で内科を受診し、その後呼吸器専門病院へ紹介 → 最初の内科受診日が初診日
- 肺炎などで入院し、その際にCOPDも判明 → 肺炎での入院日が初診日(肺炎とCOPDの因果関係による)
初診日を証明するためには、「受診状況等証明書」という書類を初診の医療機関で取得します。この書類には、初診日、傷病名、診療内容などが記載されます。
【重要】初診の医療機関が閉院している場合
「長年前にクリニックを受診したが、そのクリニックはもう閉院している」というケースも少なくありません。この場合でも諦める必要はありません。以下の方法で初診日を証明できる可能性があります。
- 第三者証明:初診日頃の受診を知る第三者(家族、友人、職場の同僚など)からの証明
- 参考資料:診察券、お薬手帳、領収書、健康診断の結果票など
- 2番目の医療機関での証明:紹介先の病院に紹介元の情報が残っている場合
初診日の証明が困難なケースは、専門家である社会保険労務士にご相談いただくことをお勧めします。
保険料納付要件
初診日の前日において、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。
【原則】
初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること。
【特例】
初診日が令和8年3月31日以前にある場合、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと。
簡単に言えば、年金保険料をきちんと納めていた(または免除を受けていた)ことが条件です。多くの方は、直近1年間に未納がなければ特例の要件を満たします。
【自営業者の方へ】
自営業の方で国民年金に加入されている場合、「以前、経営が苦しくて保険料を払えなかった時期がある」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、直近1年間に未納がなければ特例の要件を満たすため、過去に未納期間があっても受給できる可能性があります。
また、学生時代の学生納付特例や、収入が少なかった時期の免除申請をしていた期間は、「免除期間」として納付要件を満たす期間に含まれます。
ご自身の納付状況が不安な方は、年金事務所で「被保険者記録照会」を行い、納付状況を確認することができます。
障害状態要件
初診日から1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)において、障害等級(1級・2級・3級)に該当する障害の状態にあることが要件です。
ただし、慢性閉塞性肺疾患の場合、以下の点に注意が必要です。
【在宅酸素療法を開始した場合】
常時(24時間)在宅酸素療法を開始した日が、初診日から1年6ヶ月以内であれば、在宅酸素療法を開始した日から障害年金の請求が可能です。つまり、1年6ヶ月を待たずに申請できる場合があります。
【障害の状態とは】
障害状態要件における「障害の状態」とは、具体的には以下のような検査数値や日常生活の状況で判断されます。
- 動脈血ガス分析値(動脈血O₂分圧、動脈血CO₂分圧)
- 予測肺活量1秒率
- 自覚症状(息切れ、咳、痰の程度)
- 他覚所見(呼吸音、チアノーゼなど)
- 一般状態区分(日常生活の制限度)
- 在宅酸素療法の有無と頻度
具体的にどの程度の状態であれば障害等級1級・2級・3級に該当するのかについては、次のセクションで詳しく解説します。
この3つの要件をすべて満たすことで、障害年金を受給できる可能性が生まれます。「自分の場合はどうだろう?」と不安な方は、まずは初診日と納付状況を確認することから始めてみてください。
慢性閉塞性肺疾患の障害年金認定基準を詳しく解説
障害年金の等級は、症状の重さに応じて1級、2級、3級の3段階に分かれています(障害基礎年金は1級と2級のみ)。慢性閉塞性肺疾患の場合、呼吸機能の検査数値、自覚症状、他覚所見、一般状態などを総合的に判断して等級が決定されます。
ここでは、各等級の認定基準について、具体的にどのような状態であれば該当するのかを詳しく解説します。
障害等級1級の基準
障害等級1級は、最も重度の状態であり、以下のような基準が設けられています。
【認定基準の文言】
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。
【具体的な状態】
- 身の回りのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない、または行ってはいけない状態
- 病院内の生活であれば、活動の範囲がベッド周辺に限られる
- 家庭内の生活であれば、活動の範囲が就床室内に限られる
- 終日就床を強いられ、常に介助が必要
【検査数値の目安】
- 動脈血O₂分圧:55Torr以下(高度異常)
- 動脈血CO₂分圧:60Torr以上(高度異常)
- 予測肺活量1秒率:20%以下(高度異常)
- 一般状態区分:オ(終日就床、常に介助が必要)
【日常生活の具体例】
トイレに行くのも困難、入浴は全介助が必要、食事も座って行うことが難しく、ほとんどの時間をベッドで過ごしている状態です。
障害等級2級の基準
障害等級2級は、日常生活が著しく制限される状態です。
【認定基準の文言】
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
【具体的な状態】
- 歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助が必要
- 軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している
- 家庭内の極めて温和な活動(軽い食事作り、下着程度の洗濯など)はできる
- それ以上の活動では著しく疲労や息切れが生じる
【検査数値の目安】
- 動脈血O₂分圧:56~60Torr(中等度~高度異常)
- 動脈血CO₂分圧:51~59Torr(中等度異常)
- 予測肺活量1秒率:21~30%(中等度異常)
- 一般状態区分:エ(日中の50%以上は就床、しばしば介助が必要)
【日常生活の具体例】
自宅内での移動は可能ですが、掃除機がけや風呂掃除などの家事は困難です。入浴は家族の見守りや一部介助が必要で、外出は短時間でも息切れが激しく、ほとんど自宅で過ごしています。買い物は家族に頼むか、ごく近所のコンビニに短時間行く程度です。
障害等級3級の基準
障害等級3級は、労働に制限を受ける状態です。ここが最も重要なポイントで、働きながらでも3級に該当する可能性があります。
【認定基準の文言】
労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
【具体的な状態】
- 歩行や身の回りのことはできる
- 軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している
- デスクワークなどの軽易な労働は可能だが、それ以上の労働は制限される
- 立ち仕事、重いものを持つ仕事、階段の昇降を伴う仕事などは困難
【検査数値の目安】
- 動脈血O₂分圧:61~70Torr(軽度異常)
- 動脈血CO₂分圧:46~50Torr(軽度異常)
- 予測肺活量1秒率:31~40%(軽度異常)
- 一般状態区分:ウ(軽労働はできないが、日中の50%以上は起居)
【日常生活・就労の具体例】
【重要】働きながらでも3級に該当するケース
- 現場監督から事務職への配置転換を余儀なくされた
- 立ち仕事ができなくなり、座ってできる仕事のみに変更
- フルタイム勤務だが、頻繁に休憩が必要で業務効率が低下
- 通勤時に階段を避け、必ずエレベーターを使用
- 在宅酸素療法を使用しながら勤務している
- 勤務時間を短縮(フルタイムからパートタイムへ)
このように、完全に働けなくなっていなくても、労働に著しい制限がある場合は3級に該当する可能性があります。「働いているから無理」と諦める必要はありません。
【障害等級と認定基準の一覧表】
| 障害等級 | 障害の状態 | 動脈血O₂分圧 | 一般状態区分 | 就労の可否 |
|---|---|---|---|---|
| 1級 | 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度 | 55Torr以下 (高度異常) |
オ:終日就床、常に介助が必要 | 就労不可能 |
| 2級 | 日常生活が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度 | 56~60Torr (中等度~高度異常) |
エ:日中の50%以上は就床、しばしば介助が必要 | 就労困難 |
| 3級 | 労働が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度 | 61~70Torr (軽度異常) |
ウ:軽労働はできないが、日中の50%以上は起居 | 軽易な労働は可能 |
※動脈血ガス分析値は安静時の測定です。その他の検査成績、自覚症状、他覚所見なども含めて総合的に判定されます。
重要な検査数値の見方
障害年金の認定では、以下の検査数値が重要な判断材料となります。
【動脈血ガス分析値(A表)】
動脈血ガス分析とは、動脈血を採取して、血液中の酸素と二酸化炭素の濃度を測定する検査です。呼吸機能がどの程度低下しているかを客観的に示す重要な指標です。
| 検査項目 | 軽度異常 | 中等度異常 | 高度異常 |
|---|---|---|---|
| 動脈血O₂分圧 (PaO₂) |
70~61 Torr | 60~56 Torr | 55 Torr以下 |
| 動脈血CO₂分圧 (PaCO₂) |
46~50 Torr | 51~59 Torr | 60 Torr以上 |
※病状判定に際しては、動脈血O₂分圧値を重視します。
【予測肺活量1秒率(B表)】
予測肺活量1秒率とは、努力して息を吐き出した際に、最初の1秒間で吐き出せる空気の量を測定するもので、気道の閉塞の程度を示します。
| 検査項目 | 軽度異常 | 中等度異常 | 高度異常 |
|---|---|---|---|
| 予測肺活量1秒率 | 40~31% | 30~21% | 20%以下 |
【一般状態区分表】
一般状態区分は、日常生活の制限度を5段階で評価するものです。
| 区分 | 一般状態 |
|---|---|
| ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等にふるまえる |
| イ | 軽度の症状があり肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできる(軽い家事、事務など) |
| ウ | 歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助が必要で、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している |
| エ | 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能 |
| オ | 身の回りのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られる |
【重要】検査数値だけでは決まりません
障害年金の認定は、これらの検査数値だけで機械的に決まるわけではありません。自覚症状(息切れ、咳、痰)、他覚所見(呼吸音、チアノーゼ)、治療の経過、年齢、合併症の有無や程度、具体的な日常生活状況などを総合的に判断します。
たとえば、検査数値が軽度異常であっても、日常生活に著しい制限があり、頻繁に入退院を繰り返している場合は、より重い等級に認定される可能性があります。
在宅酸素療法と障害等級の関係
在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)について、よく「在宅酸素を使っていれば自動的に障害年金がもらえる」という誤解がありますが、正しくは以下の通りです。
【在宅酸素療法に関する認定の原則】
常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは3級と認定されます。
なお、臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級(2級または1級)に認定されます。
【重要なポイント】
- 24時間の在宅酸素療法が原則3級の目安
- 夜間のみの使用では3級の基準を満たさない可能性がある
- ただし、検査数値や日常生活の状況によっては認定される場合もある
- 在宅酸素療法を施行していなくても認定される可能性がある
- 動脈血ガス分析値が異常値を示している
- 予測肺活量1秒率が低下している
- 日常生活に著しい制限がある
- これらの条件を満たせば、在宅酸素なしでも3級以上に認定される可能性がある
- 在宅酸素療法開始のタイミングと申請
- 在宅酸素療法を開始した日が、初診日から1年6ヶ月以内であれば、開始日から申請可能
- 「酸素療法を始める前に申請すべきか、後にすべきか」は個別の状況による
- 検査数値が悪化している時期に診断書を作成してもらうことが重要
【在宅酸素療法に関するよくある誤解】
- ❌ 誤解:「在宅酸素を使っていれば自動的に障害年金がもらえる」
- ✅ 正解:「24時間使用で、かつ軽易な労働以外は困難な状態であれば3級の可能性がある」
- ❌ 誤解:「在宅酸素を使っていないから障害年金は無理」
- ✅ 正解:「検査数値や日常生活の状況によっては、在宅酸素なしでも認定される可能性がある」
このように、認定基準は複雑であり、個々の状況によって判断が異なります。ご自身のケースが該当するか不安な方は、専門家である社会保険労務士にご相談いただくことをお勧めします。
次のセクションでは、多くの方が疑問に思われる「働きながらでも障害年金を受給できるケース」について、さらに詳しく解説します。
【重要】働きながらでも障害年金を受給できるケース
「障害年金は、完全に働けなくなった人だけがもらえるもの」――このように思い込んで、申請を諦めている方が非常に多いのが現状です。しかし、これは大きな誤解です。
特に障害等級3級は、「労働が著しい制限を受ける」状態が対象であり、「労働が全くできない」状態ではありません。デスクワークや軽易な作業であれば働ける方、勤務時間を短縮している方、配置転換を余儀なくされた方なども、障害年金を受給できる可能性があります。
このセクションでは、働きながらでも障害年金を受給できる具体的なケースについて、詳しく解説します。
障害年金と就労の関係
まず、障害年金と就労の関係について、正しく理解しておきましょう。
【基本的な考え方】
障害年金は、働いているかどうかではなく、障害の程度によって認定される制度です。つまり、就労の有無そのものが認定の可否を決めるわけではありません。
重要なのは、以下の点です。
- どの程度の労働能力があるか
- どのような仕事なら可能か
- どのような制限や配慮が必要か
- 日常生活にどの程度の支障があるか
【障害等級3級の対象】
障害厚生年金3級の認定基準は、「労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度」です。
これを慢性閉塞性肺疾患の場合に当てはめると、以下のような状態が該当します。
- 体力を要する仕事ができなくなった
- 立ち仕事や重いものを持つ仕事が困難
- 階段の昇降を伴う仕事ができない
- 勤務時間を短縮する必要がある
- 頻繁に休憩を取る必要がある
- 在宅酸素療法を使用しながらの勤務
- デスクワークなど座ってできる仕事のみ可能
このように、「働いている=障害年金は無理」ではありません。労働に一定の制限があれば、就労していても障害年金を受給できる可能性があります。
具体的にどのような就労状況なら該当するか
ここでは、実際に障害年金3級に該当する可能性がある、具体的な就労状況について解説します。
【ケース1:配置転換を余儀なくされた会社員】
【事例】Aさん(58歳・男性)の場合
建設会社で現場監督として28年間勤務。COPDと診断され、息切れが激しくなり、現場の見回りや階段の昇降が困難に。会社から事務職への配置転換を打診され、現在はデスクワーク中心の業務に従事。現場手当がなくなり、給与が月額約5万円減少。在宅酸素療法(夜間のみ)を使用中。
このケースでの該当性:
- ✅ 本来の業務(現場監督)ができなくなった
- ✅ 軽易な労働(デスクワーク)のみ可能
- ✅ 給与が減少(労働能力の低下を示す)
- ✅ 在宅酸素療法を使用
- → 障害厚生年金3級に該当する可能性が高い
【ケース2:勤務時間を短縮したパート勤務者】
【事例】Bさん(62歳・女性)の場合
スーパーのレジ係として週5日、1日7時間勤務していた。COPDの症状が悪化し、立ち仕事が困難に。勤務時間を週3日、1日4時間に短縮。休憩も頻繁に必要で、仕事以外の日はほとんど自宅で安静にしている。在宅酸素療法(24時間)を使用中。
このケースでの該当性:
- ✅ 勤務時間の大幅な短縮(週35時間→週12時間)
- ✅ 立ち仕事が困難(座って休憩が必要)
- ✅ 常時の在宅酸素療法
- ✅ 仕事以外は自宅で安静
- → 障害厚生年金3級、または2級に該当する可能性
【ケース3:自営業で業務内容を変更した方】
【事例】Cさん(45歳・男性)の場合
飲食店を経営。調理場での立ち仕事が息切れで困難になり、調理は妻に任せ、自身は会計や仕入れなど座ってできる業務のみに。営業時間も短縮(夜の営業を休止)し、売上は半減。在宅酸素療法(夜間と労作時)を使用中。
このケースでの該当性:
- ✅ 本来の業務(調理)ができなくなった
- ✅ 軽易な業務(会計、仕入れ)のみ可能
- ✅ 営業時間の短縮、売上の大幅減少
- ✅ 在宅酸素療法を使用
- → 障害厚生年金3級に該当する可能性がある
【ケース4:フルタイム勤務だが業務に制限がある方】
【事例】Dさん(50歳・男性)の場合
事務職として週5日、1日8時間勤務を継続。ただし、通勤時は階段を避け必ずエレベーターを使用。職場でも頻繁に休憩が必要で、業務効率が以前の60%程度に低下。残業は一切できず、重いものを持つことも困難。在宅酸素療法(夜間のみ)を使用中。
このケースでの該当性:
- ✅ 業務効率の著しい低下
- ✅ 残業不可能、重労働不可能
- ✅ 頻繁な休憩が必要
- ✅ 在宅酸素療法を使用
- → 障害厚生年金3級に該当する可能性がある(ただし、検査数値や日常生活の状況によって判断)
【働きながら受給できる可能性があるかチェックリスト】
以下の項目に該当する数が多いほど、障害年金を受給できる可能性が高まります。
- ☑ 配置転換を余儀なくされた(現場仕事→事務仕事など)
- ☑ 勤務時間を短縮した(フルタイム→パートタイムなど)
- ☑ 給与が減少した(手当の削減、時短による減収など)
- ☑ 立ち仕事や重いものを持つ仕事ができない
- ☑ 階段の昇降が困難で、エレベーターを常に使用
- ☑ 頻繁に休憩が必要(30分〜1時間に1回など)
- ☑ 残業ができない、または著しく制限される
- ☑ 通勤に著しい困難がある
- ☑ 在宅酸素療法を使用しながら勤務している
- ☑ 業務効率が以前の70%以下に低下している
- ☑ 仕事以外の日はほとんど自宅で安静にしている
- ☑ 家事や買い物など日常生活にも支障がある
3つ以上該当する場合は、障害年金を受給できる可能性がありますので、まずは専門家にご相談ください。
会社に知られずに申請できるか
就労中の方からよくいただく質問が、「会社に知られずに障害年金を申請できますか?」というものです。
【基本的には会社に知られることはありません】
障害年金の申請は、基本的に個人で行うものであり、以下の理由から会社に知られることは通常ありません。
- 診断書は医療機関が作成
- 診断書は主治医が作成するため、会社は関与しません
- 申請書類の提出先は年金事務所
- 年金事務所に直接提出するため、会社を経由しません
- 年金の振込先は個人の口座
- 障害年金は個人の銀行口座に直接振り込まれます
【ただし、一部の書類で会社の協力が必要な場合があります】
障害厚生年金を申請する場合、以下の書類で会社(事業主)の証明が必要になることがあります。
- 受診状況等証明書が添付できない申立書(初診日を証明する書類が取得できない場合)
- 初診日頃に厚生年金に加入していたことを事業主に証明してもらう必要がある場合
- 厚生年金保険の加入状況を確認する書類
- 年金事務所で加入記録を確認できるため、通常は不要
ただし、これらの書類が必要になるケースは限定的です。多くの場合、初診の医療機関で受診状況等証明書を取得できれば、会社に証明を依頼する必要はありません。
【会社への報告義務はありません】
障害年金を受給していることを会社に報告する法律上の義務はありません。ただし、以下の点には注意が必要です。
- 社内規定の確認
- 会社によっては、就業規則で「障害年金を受給する場合は届け出る」と定めている場合があります
- 規定がある場合は、それに従う必要があります
- 障害者雇用枠との関係
- 障害年金の受給と障害者雇用枠は別の制度です
- 障害年金を受給しているからといって、自動的に障害者として扱われるわけではありません
【不安な点があれば専門家にご相談を】
会社との関係や、申請方法について不安な点がある場合は、社会保険労務士にご相談いただくことをお勧めします。個別の状況に応じて、最適な申請方法をアドバイスさせていただきます。
【当事務所のサポート内容】
清水総合法務事務所では、就労中の方の障害年金申請を数多くサポートしております。「働きながら申請できるのか」「会社に知られないか」「どのように申請すればいいか」など、どのようなご相談でも丁寧にお答えいたします。
特に、慢性閉塞性肺疾患のような呼吸器疾患は、外見からは分かりにくい苦しさがあり、周囲の理解を得にくいこともあります。当事務所では、そうした状況を十分に理解し、お一人お一人の状況に寄り添ったサポートを心がけております。
まずは無料相談でお気軽にお問い合わせください。
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次のセクションでは、障害年金で実際にいくらもらえるのか、受給額について詳しく解説します。
慢性閉塞性肺疾患の障害年金でもらえる金額
障害年金を受給できる可能性があることは分かったけれど、「実際にいくらもらえるのか?」という点は、多くの方が最も気になるところでしょう。
障害年金の金額は、①障害基礎年金か障害厚生年金か、②障害等級(1級・2級・3級)、③加算対象の家族がいるかによって異なります。ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。
障害基礎年金の金額
障害基礎年金は、国民年金加入中に初診日がある場合、または20歳前に初診日がある場合に支給されます。自営業の方、学生、無職の方などが対象です。
【令和6年度の障害基礎年金額】
1級:年額 1,020,000円(月額約85,000円)
日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度の障害状態にある方が対象です。
2級:年額 816,000円(月額68,000円)
日常生活が著しい制限を受ける、または著しい制限を加えることを必要とする程度の障害状態にある方が対象です。
※障害基礎年金に3級はありません。
【子の加算】
障害基礎年金を受給している方に、18歳到達年度の末日までの子(障害のある子は20歳未満)がいる場合、以下の加算があります。
- 第1子・第2子:各 234,800円/年
- 第3子以降:各 78,300円/年
【具体例】
障害基礎年金2級を受給し、18歳未満の子が2人いる場合:
816,000円 + 234,800円 × 2人 = 年額 1,285,600円(月額約107,000円)
障害厚生年金の金額
障害厚生年金は、厚生年金保険加入中に初診日がある場合に支給されます。会社員や公務員(共済年金)の方が対象です。
障害厚生年金の金額は、過去の給与や加入期間に応じて計算される「報酬比例」で決まるため、個人によって異なります。ただし、3級には最低保証額が設けられています。
【障害厚生年金の基本的な考え方】
- 3級:障害厚生年金のみ(最低保証額 596,300円/年)
- 2級:障害厚生年金 + 障害基礎年金(816,000円)
- 1級:障害厚生年金 × 1.25倍 + 障害基礎年金(1,020,000円)
【障害厚生年金3級の場合】
障害厚生年金3級は、過去の給与や加入期間に基づいて計算されますが、最低保証額が年額 596,300円(月額約49,700円)と定められています。
一般的な会社員の場合、報酬比例で計算すると年額60〜80万円程度になることが多いです。
【障害厚生年金2級の場合】
障害厚生年金2級は、障害基礎年金2級(816,000円)に、障害厚生年金(報酬比例部分)が上乗せされます。
具体例:
障害基礎年金2級:816,000円
障害厚生年金(報酬比例):600,000円
合計:年額 1,416,000円(月額約118,000円)
さらに、65歳未満の配偶者がいる場合は、配偶者加給年金(年額 234,800円)が加算されます。
【障害厚生年金1級の場合】
障害厚生年金1級は、障害基礎年金1級(1,020,000円)に、障害厚生年金(報酬比例部分×1.25倍)が上乗せされます。
具体例:
障害基礎年金1級:1,020,000円
障害厚生年金(報酬比例):600,000円 × 1.25 = 750,000円
合計:年額 1,770,000円(月額約147,500円)
配偶者加給年金も加算されます。
【障害等級別の年金額一覧表】
| 障害等級 | 障害基礎年金 | 障害厚生年金(3級のみ) | 障害厚生年金(2級・1級) | 目安の合計額 |
|---|---|---|---|---|
| 1級 | 年額 1,020,000円 (月額約85,000円) |
― | 基礎年金1,020,000円 + 厚生年金(報酬比例×1.25) |
年額 150〜200万円程度 (報酬比例による) |
| 2級 | 年額 816,000円 (月額68,000円) |
― | 基礎年金816,000円 + 厚生年金(報酬比例) |
年額 120〜150万円程度 (報酬比例による) |
| 3級 | 支給なし | 最低保証額 596,300円 (月額約49,700円) |
厚生年金のみ (報酬比例) |
年額 60〜80万円程度 (最低596,300円保証) |
※令和6年度の金額です。金額は年度ごとに改定されるため、最新情報は日本年金機構のホームページでご確認ください。
※障害厚生年金の報酬比例部分は、過去の給与や加入期間によって個人差があります。
受給期間はいつまで?
障害年金の受給期間について、「いつまでもらえるのか?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
【有期認定と永久認定】
障害年金には、有期認定と永久認定の2種類があります。
有期認定(更新がある)
障害の状態が変動する可能性がある場合、1〜5年ごとに更新の診断書を提出し、障害の状態を再確認します。更新時の診断書で、障害の程度が認定基準を満たしていれば、引き続き受給できます。
慢性閉塞性肺疾患の場合、多くは有期認定(1〜3年更新)となります。
永久認定(更新がない)
障害の状態が固定しており、今後改善する見込みがない場合、永久認定となり、更新の診断書提出は不要です。ただし、慢性閉塞性肺疾患で永久認定となるケースは少ないです。
【更新時の注意点】
有期認定の場合、指定された更新時期(1〜5年後)に診断書を提出する必要があります。この診断書の内容によって、以下のいずれかになります。
- 等級が維持される:現在と同じ等級で受給継続
- 等級が上がる:症状が悪化し、上位の等級に変更(受給額が増える)
- 等級が下がる:症状が改善し、下位の等級に変更(受給額が減る)
- 支給停止:障害の状態が認定基準を満たさなくなった場合
【COPDは進行性の疾患】
慢性閉塞性肺疾患は進行性の疾患であり、一般的に症状が改善することは少なく、むしろ悪化する傾向にあります。そのため、更新時に支給停止となる可能性は低く、多くの場合、等級が維持されるか、または上位等級に変更されるケースが多いです。
ただし、禁煙や適切な治療により症状が安定している場合は、等級が維持される形で受給を継続することになります。
【受給は原則として65歳まで継続】
障害年金は、65歳になるまで受給できます。65歳以降は、老齢年金との選択になりますが、多くの場合、障害年金の方が有利です(特に障害厚生年金2級以上の場合)。
次のセクションでは、実際に障害年金を申請する際の具体的な流れと必要書類について解説します。
慢性閉塞性肺疾患の障害年金申請の流れと必要書類
ここからは、実際に障害年金を申請する際の具体的な流れと、準備すべき書類について詳しく解説します。申請は複雑に感じられるかもしれませんが、一つひとつのステップを順番に進めていけば、必ず完了できます。
申請の全体的な流れ
障害年金の申請は、以下の8つのステップで進めます。
【申請の流れ】
| STEP 1 | 初診日の確認 いつ、どこの医療機関でCOPDの診療を初めて受けたかを確認します。 |
| ↓ | |
| STEP 2 | 受診状況等証明書の取得 初診の医療機関で、初診日を証明する書類を取得します。 (所要時間:1〜2週間) |
| ↓ | |
| STEP 3 | 診断書の作成依頼 現在通院中の医療機関で、障害年金用の診断書を作成してもらいます。 (所要時間:2週間〜1ヶ月) |
| ↓ | |
| STEP 4 | 病歴・就労状況等申立書の作成 発病から現在までの経過と日常生活の状況を、ご自身で記入します。 (所要時間:数日〜1週間) |
| ↓ | |
| STEP 5 | その他必要書類の準備 戸籍謄本、住民票、預金通帳のコピーなどを準備します。 (所要時間:数日) |
| ↓ | |
| STEP 6 | 年金事務所または年金センターへ提出 すべての書類を揃えて、窓口に提出します。郵送も可能です。 |
| ↓ | |
| STEP 7 | 審査 日本年金機構で審査が行われます。 (所要時間:3〜4ヶ月) |
| ↓ | |
| STEP 8 | 認定・支給決定 認定されれば、年金証書が送付され、翌月または翌々月から支給開始です。 |
【申請から受給までの期間】
申請準備に1〜2ヶ月、審査に3〜4ヶ月かかるため、申請開始から受給開始まで、合計4〜6ヶ月程度を見込んでおくとよいでしょう。
認定されれば、障害認定日または請求日の翌月分から支給されます(遡及請求の場合は、障害認定日まで遡って受給できます)。
初診日の証明方法
障害年金の申請において、初診日の証明は最も重要なステップです。初診日を証明できないと、そもそも申請ができません。
【受診状況等証明書の取得】
初診日を証明するためには、初診の医療機関で「受診状況等証明書」を取得します。この書類には、以下の内容が記載されます。
- 初診日(いつ初めて受診したか)
- 傷病名(どのような病名で受診したか)
- 診療内容(どのような診療を受けたか)
- 他の医療機関への紹介の有無
取得方法は、初診の医療機関の窓口または医事課で「障害年金の申請に使う受診状況等証明書が必要です」と伝えれば、用紙を渡してもらえます。記入してもらうまでに1〜2週間かかることが多いです。
【初診の医療機関が閉院している場合の対処法】
「初診のクリニックがもう閉院してしまって、受診状況等証明書が取れない」――このようなケースは決して珍しくありません。しかし、諦める必要はありません。以下の方法で初診日を証明できる可能性があります。
①第三者証明
初診日頃の受診状況を知る第三者(家族、友人、職場の同僚など)から、証明書を書いてもらう方法です。複数の第三者(できれば3名以上)からの証明があると、より有効です。
第三者証明には、以下のような内容を記載してもらいます。
- いつ頃、どのような症状で医療機関を受診したか知っているか
- 医療機関の名称や場所を覚えているか
- 受診に同行したか、または受診について話を聞いたか
②参考資料の提出
初診日を推定できる資料があれば、それを参考資料として提出します。
- 診察券:初診の医療機関の診察券(日付が記載されていることがある)
- お薬手帳:初診時に処方された薬の記録
- 健康診断の結果票:「肺機能低下」「要精密検査」などの記載
- 領収書:初診時の医療費の領収書
- 病院の紹介状:初診の医療機関から次の医療機関への紹介状のコピー
③2番目の医療機関での証明
初診の医療機関から紹介された2番目の医療機関に、紹介元(初診の医療機関)の情報が残っている場合があります。カルテや診療情報提供書(紹介状)に記載されている可能性があるため、2番目の医療機関に確認してみましょう。
【健康診断での指摘と初診日】
会社の健康診断で「肺機能低下」「要精密検査」と指摘され、その後クリニックを受診した場合、クリニックを受診した日が初診日となります。健康診断そのものは初診日とはなりませんが、健康診断の結果票は初診日を推定する重要な参考資料になります。必ず保管しておきましょう。
診断書作成のポイント
診断書は、障害年金の認定において最も重要な書類です。この診断書の内容によって、認定の可否や等級が決まると言っても過言ではありません。
【呼吸器疾患用の診断書】
慢性閉塞性肺疾患の場合、「呼吸器疾患の障害用」の診断書様式を使用します。この診断書には、以下のような項目があります。
- 傷病名と発病年月日
- 初診日
- 症状の経過と現在の状態
- 動脈血ガス分析値(PaO₂、PaCO₂)
- 予測肺活量1秒率
- 在宅酸素療法の有無と使用時間
- 日常生活の制限の程度
- 予後(今後の見通し)
【診断書を作成してもらう際の注意点】
診断書は主治医に作成を依頼しますが、以下の点に注意してください。
- 検査数値が重要
- 動脈血ガス分析は、診断書作成の3ヶ月以内に実施したものが必要です
- 検査数値が日によって変動する場合、症状が悪い時期の数値を記載してもらうことが重要です
- 「調子が良い日に検査を受けてしまい、数値が良すぎた」というケースがあるため、注意が必要です
- 日常生活の制限を具体的に記載してもらう
- 「階段が上れない」「入浴が困難」「家事ができない」など、具体的な制限を記載してもらいましょう
- 医師は検査数値を重視しがちですが、日常生活の具体的な困難さも認定の重要な要素です
- 在宅酸素療法の使用状況を正確に
- 24時間使用している場合は、その旨を明確に記載してもらいます
- 夜間のみ、労作時のみの場合も、正確に記載してもらいましょう
【医師への診断書依頼の具体的な伝え方】
「先生に診断書を頼むのが気まずい」「どう切り出せばいいか分からない」という方も多いでしょう。以下のように伝えてみてください。
【診断書依頼の例】
「先生、障害年金の申請を考えているのですが、診断書を書いていただけますでしょうか。息切れがひどくて、以前のように仕事ができなくなってしまい、経済的にも困っています。階段が上れない、入浴も大変、家事もほとんどできないという状況です。特に最近は症状が悪化していると感じています。診断書には、日常生活でどれだけ困っているかも書いていただけると助かります。」
ポイント:
- 経済的に困っていることを伝える
- 日常生活の具体的な困難を伝える
- 症状の悪化を伝える
- 「日常生活の困難さも記載してほしい」と具体的に依頼する
多くの医師は、患者さんの生活を支援したいと考えていますので、誠実に状況を伝えれば、協力してくれるはずです。
病歴・就労状況等申立書の書き方
病歴・就労状況等申立書は、発病から現在までの経過と、日常生活・就労状況を、ご自身の言葉で記載する書類です。診断書と並んで、認定の重要な判断材料となります。
【記載すべき内容】
- 発病から初診までの経過
- いつ頃から、どのような症状が出始めたか
- なぜその医療機関を受診したか(健康診断での指摘、症状の悪化など)
- 初診から現在までの治療経過
- どのような治療を受けてきたか(吸入薬、在宅酸素療法など)
- 症状の変化(悪化、安定など)
- 入退院の経緯
- 日常生活の状況
- 具体的にどのような動作が困難か(階段、入浴、家事、買い物など)
- 家族の援助を受けているか
- 外出の頻度と困難さ
- 就労状況
- 働いている場合:職種、勤務時間、業務内容、制限の有無
- 配置転換や勤務時間短縮の経緯
- 働いていない場合:退職の経緯、退職時期
【認定基準を意識した記載が重要】
ただ単に経過を時系列で書くのではなく、認定基準を意識して、日常生活や就労にどれだけ制限があるかを具体的に書くことが重要です。
【書き方の具体例】
悪い例:
「令和2年4月に在宅酸素療法を開始しました。」良い例:
「令和2年4月、息切れが激しくなり、平地を50mも歩けなくなったため、在宅酸素療法を開始しました。それ以降、外出時は常に酸素ボンベを携帯しなければならず、買い物や通院も家族に付き添ってもらう必要があります。階段は一切上れず、自宅は2階建てですが、1階のみで生活しています。」
このように、「なぜその治療が必要になったか」「日常生活にどのような影響があるか」を具体的に書くことで、審査する側に状況が伝わりやすくなります。
【働きながら申請する場合の記載例】
「令和3年10月、息切れが激しくなり、現場での階段の昇降や重い資材を運ぶ作業ができなくなりました。会社から事務職への配置転換を打診され、現在はデスクワーク中心の業務に従事しています。ただし、通勤時は駅の階段が上れないため、必ず遠回りしてエレベーターを使用しています。職場でも1時間に1回程度は休憩が必要で、業務効率は以前の60%程度に低下しています。帰宅後は疲労が激しく、夕食後はすぐに横になる生活です。家事はほとんど妻に任せており、休日も自宅で安静にしていることが多いです。」
このように、働いていても、労働に著しい制限があることを具体的に書くことが重要です。
その他の必要書類
診断書と病歴・就労状況等申立書以外にも、以下の書類が必要です。
- 年金請求書(障害基礎年金用または障害厚生年金用)
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 戸籍謄本(受給権発生日以降に交付されたもの)
- 住民票(世帯全員分、マイナンバー記載のもの)
- 預金通帳のコピー(振込先の口座情報)
- 所得証明書(20歳前障害の場合のみ)
- 配偶者の年金手帳(配偶者加給年金を受ける場合)
- 子の在学証明書(高校生以上の子がいる場合)
これらの書類は、市区町村役場や年金事務所で取得できます。
自分で申請する?社労士に依頼する?
障害年金の申請は、ご自身で行うこともできますし、社会保険労務士に依頼することもできます。それぞれのメリット・デメリットを理解して、ご自身に合った方法を選びましょう。
【自分で申請する場合】
メリット:
- 費用がかからない(診断書の文書料のみ)
- 自分のペースで進められる
デメリット:
- 書類の準備や記入に時間と労力がかかる
- 認定基準を理解するのが難しい
- 診断書の記載内容をチェックできない
- 病歴申立書の書き方が分からない
- 不認定になった場合、理由が分からない
【社労士に依頼する場合】
メリット:
- 専門家のサポートで、認定の可能性が高まる
- 診断書の記載内容をチェックしてもらえる(不足があれば医師に追記依頼)
- 病歴申立書を一緒に作成してもらえる
- 初診日の証明が困難な場合の対処法を提案してもらえる
- 手続きの負担が大幅に軽減される
- 不認定の場合、不服申立ても対応してもらえる
デメリット:
- 報酬が必要(多くは成功報酬制)
【特に社労士への依頼をお勧めするケース】
- 初診日の証明が困難(閉院、カルテ廃棄など)
- 働きながらの申請で、認定されるか不安
- 一度不認定になったことがある
- 複雑な就労状況(配置転換、勤務時間短縮など)
- 症状が重く、自分で手続きをする体力がない
- 確実に認定を受けたい
【当事務所のサポート内容】
清水総合法務事務所では、慢性閉塞性肺疾患をはじめとする呼吸器疾患の障害年金申請を数多くサポートしております。
- 初診日の証明が困難なケースへの対応
- 診断書の記載内容のチェックと、必要に応じた追記依頼
- 病歴・就労状況等申立書の作成サポート
- 就労中の方の申請サポート
- 不認定の場合の不服申立て(審査請求・再審査請求)
「諦めない障害年金」をコンセプトに、お一人お一人の状況に寄り添ったサポートを行っております。まずはお気軽にご相談ください。
次のセクションでは、よくある質問にお答えします。
よくある質問(FAQ)
慢性閉塞性肺疾患で障害年金を申請する際に、多くの方からいただく質問をまとめました。
Q1. 喫煙が原因のCOPDでも障害年金はもらえますか?
A. はい、もらえます。障害年金は、障害の原因を問いません。
喫煙が原因であっても、交通事故や労災であっても、生まれつきの病気であっても、障害の状態が認定基準を満たしていれば障害年金を受給できます。「自己責任だから」という理由で受給できないということはありません。
慢性閉塞性肺疾患の主な原因は喫煙ですが、受動喫煙や職業性の粉塵曝露が原因の方もいらっしゃいます。いずれの場合も、呼吸機能の低下により日常生活や就労に支障が出ているという障害の状態そのものが審査の対象となります。
原因について気にされる必要はありません。まずは、ご自身の症状が認定基準を満たしているかを確認してください。
Q2. 在宅酸素療法を始めたばかりですが、すぐ申請できますか?
A. 初診日から1年6ヶ月経過していれば申請できます。1年6ヶ月以内であれば、在宅酸素療法開始日から申請できる場合があります。
障害年金は、原則として初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)から申請できます。ただし、在宅酸素療法を開始した場合は、初診日から1年6ヶ月以内であっても、在宅酸素療法を開始した日から申請できる場合があります。
例えば、以下のようなケースです。
- 初診日:令和3年4月1日
- 在宅酸素療法開始日:令和4年6月1日(初診日から1年2ヶ月後)
- → 令和4年6月1日から申請可能
在宅酸素療法を始めたばかりの方は、まず初診日がいつかを確認し、年金事務所または社会保険労務士にご相談ください。
Q3. 一度不認定になりましたが、再申請はできますか?
A. はい、再申請は可能です。症状が悪化している、新たな検査結果があるなど、状況が変わっていれば認定される可能性があります。
一度不認定になった場合でも、以下のような状況であれば、再申請を検討する価値があります。
- 症状が悪化している:前回申請時よりも息切れが激しくなった、在宅酸素療法を開始したなど
- 新たな検査結果がある:動脈血ガス分析値が悪化している、予測肺活量1秒率が低下しているなど
- 日常生活の制限が増えた:以前は自分でできていた家事や買い物ができなくなった、入退院を繰り返すようになったなど
- 就労状況が変わった:働いていたが退職した、配置転換になった、勤務時間を短縮したなど
また、前回の申請時に診断書の記載内容が不十分だった、病歴申立書の書き方が適切でなかったという可能性もあります。専門家である社会保険労務士に相談することで、認定される可能性が高まります。
不認定になっても諦めずに、状況が変わった時点で再度チャレンジしてください。
Q4. 肺気腫と慢性気管支炎、どちらで申請すればいいですか?
A. 現在の診断名である「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」で申請するのが一般的です。診断書に主治医が記載する傷病名に従ってください。
肺気腫と慢性気管支炎は、以前は別々の病名として扱われていましたが、現在では「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」という総称でまとめられています。
診断書を作成する際、主治医が傷病名を記載しますので、その内容に従えば問題ありません。多くの場合、「慢性閉塞性肺疾患」または「COPD」と記載されます。医師によっては「肺気腫」「慢性気管支炎」と記載することもありますが、いずれも呼吸器疾患として同じ認定基準で審査されますので、ご心配には及びません。
もし診断書に複数の病名が記載されている場合(例:「COPD、肺気腫」など)も、そのまま提出して大丈夫です。
Q5. 年金事務所はどこに行けばいいですか?
A. お住まいの住所を管轄する年金事務所に行く必要があります。
障害年金の申請は、住所地を管轄する年金事務所で行います。神戸市内にお住まいの方は、以下の年金事務所が管轄となります。
【神戸市内の年金事務所】
- 神戸東年金事務所:東灘区、灘区、中央区を管轄
- 神戸西年金事務所:兵庫区、長田区、須磨区、垂水区、北区、西区を管轄
年金事務所は予約制ではありませんが、事前に電話で相談の予約をすることをお勧めします。待ち時間が短縮でき、スムーズに相談できます。
また、体調が優れず外出が困難な場合は、郵送での申請も可能です。社会保険労務士に依頼すれば、代理で手続きを行ってもらうこともできます。
神戸市以外にお住まいの方は、日本年金機構のホームページで管轄の年金事務所を検索できます。
Q6. 申請から受給までどのくらいかかりますか?
A. 申請準備に1〜2ヶ月、審査に3〜4ヶ月かかるため、合計で4〜6ヶ月程度が目安です。
障害年金の申請から受給までの期間は、以下のように段階があります。
- 申請準備期間:1〜2ヶ月
- 受診状況等証明書の取得:1〜2週間
- 診断書の作成:2週間〜1ヶ月
- 病歴申立書の作成と必要書類の準備:数日〜1週間
- 審査期間:3〜4ヶ月
- 年金事務所から日本年金機構への書類送付
- 日本年金機構での審査
- 認定または不認定の決定
- 支給開始:認定後の翌月または翌々月
- 認定されれば年金証書が郵送される
- 初回の振込は、認定月の翌月または翌々月
【遡及請求の場合】
障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)に遡って請求する場合、認定されれば、障害認定日の翌月分から受給できます。ただし、時効の関係で、遡及できるのは最大5年分までです。
審査期間は、ケースによって前後することがあります。書類に不備があれば、追加書類の提出を求められ、さらに時間がかかることもあります。スムーズに進めるためには、最初から正確な書類を揃えることが重要です。
社会保険労務士に依頼すれば、書類の不備を防ぎ、申請をスムーズに進めることができます。
まとめ
この記事では、慢性閉塞性肺疾患で障害年金を受給するための条件について、詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。
【この記事の重要ポイント】
- 慢性閉塞性肺疾患は障害年金の対象です
呼吸機能の低下により、日常生活や就労に制限が生じる進行性の疾患であるため、障害年金の対象となります。原因が喫煙であっても受給できます。 - 働きながらでも障害年金を受給できます
「完全に働けなくなった人だけがもらえる」というのは誤解です。配置転換を余儀なくされた方、勤務時間を短縮した方、デスクワークのみ可能な方など、労働に著しい制限がある場合は、障害等級3級に該当する可能性があります。 - 在宅酸素療法の有無だけでは決まりません
常時(24時間)の在宅酸素療法を施行している場合、原則として3級と認定されますが、在宅酸素を使用していなくても、動脈血ガス分析値や日常生活の状況によっては認定される可能性があります。総合的に判断されます。 - 初診日の証明が重要です
初診日を証明できないと申請できません。初診の医療機関が閉院している場合でも、第三者証明や参考資料で証明できる可能性がありますので、諦めずに専門家にご相談ください。 - 診断書と病歴申立書が審査の核心です
診断書には検査数値だけでなく、日常生活の具体的な制限を記載してもらうことが重要です。病歴申立書では、認定基準を意識して、どれだけ生活に制限があるかを具体的に記載しましょう。
慢性閉塞性肺疾患は、息切れという外見からは分かりにくい苦しさがあり、周囲の理解を得にくい疾患です。「階段が上れない」「入浴が大変」「家事ができない」といった日常生活の困難さを抱えながらも、「まだ働いているから」「自分の責任だから」と、障害年金の申請を諦めてしまう方が多くいらっしゃいます。
しかし、障害年金は、そうした方々の生活を支えるための制度です。要件を満たしていれば、堂々と受給する権利があります。
「自分のケースは該当するのだろうか」「申請方法が分からない」「一度不認定になったことがある」――そのような不安や疑問をお持ちの方は、どうか諦めずに、まずは専門家にご相談ください。
清水総合法務事務所では、「諦めない障害年金」をコンセプトに、お一人お一人の状況に寄り添ったサポートを行っております。
特に、慢性閉塞性肺疾患のような呼吸器疾患は、以下のような複雑なケースが多く、専門的な知識と経験が必要です。
- 就労を継続しながらの申請
- 初診日の証明が困難(閉院、カルテ廃棄など)
- 検査数値が日によって変動する
- 在宅酸素療法の使用状況が複雑(夜間のみ、労作時のみなど)
- 一度不認定になった経験がある
当事務所では、こうした複雑なケースにも数多く対応してまいりました。神戸・兵庫県内の地域密着型の事務所として、地域の医療機関や年金事務所との連携も密に行っております。
まずは無料相談で、お気軽にお問い合わせください。電話、メール、お問い合わせフォームのいずれでも受け付けております。「こんなことを聞いていいのかな」という小さな疑問でも構いません。丁寧にお答えいたします。
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【お問い合わせ先】
清水総合法務事務所
社会保険労務士 清水 良訓
〒654-0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台6-8-3【お電話でのご相談】
TEL:050-7124-5884
「障害年金の相談です」とお伝えください。【メールでのご相談】
メール:mail@srkobe.com
件名に「障害年金相談」とご記入ください。【お問い合わせフォーム】
https://nenkin.srkobe.com/contact/
24時間受付しております。【ホームページ】
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慢性閉塞性肺疾患による息切れや体力低下は、日々の生活に大きな影響を与えます。しかし、適切なサポートを受けることで、経済的な不安を軽減し、治療に専念できる環境を整えることができます。
諦めずに、まずは一歩を踏み出してみてください。私たちが全力でサポートいたします。


