脳出血後遺症と障害年金完全ガイド|等級・金額・申請方法を全解説

脳出血後遺症と 障害年金完全ガイド 等級・金額・申請方法を 社労士が全解説

脳出血の後遺症で日常生活に困難を抱えながら、「障害年金を受給できるのだろうか」と不安を感じていませんか?片麻痺で歩行が不安定になった、言葉が出にくくなった、以前のように仕事ができなくなった。そんな状況の中で、経済的な不安も重なり、将来への見通しが立たず悩んでいる方は少なくありません。

脳出血後遺症は、障害年金の対象となる可能性が十分にあります。しかし、「自分の症状では軽いのではないか」「申請が複雑で自分にはできない」「医師に診断書を頼みづらい」といった理由で、申請を諦めてしまう方が多いのが現実です。

この記事では、神戸で障害年金申請を専門に扱う社会保険労務士が、脳出血後遺症での障害年金受給について、次の内容を徹底的に解説します。

  • どの程度の後遺症なら障害年金を受給できるのか(等級判定の具体的基準)
  • 受給額はいくらになるのか(家族構成別のシミュレーション)
  • 申請に必要な書類と手順(初診日の証明から診断書作成まで)
  • 実際に受給できた3つの事例(片麻痺、高次脳機能障害、初診日不明のケース)
  • 申請を成功させるための5つのポイント
  • よくある疑問への回答(リハビリ中でも申請できる?働きながらでももらえる?など)

脳出血後遺症による障害年金は、片麻痺だけでなく、言語障害や高次脳機能障害も対象となります。また、脳血管障害には「症状固定の特例」があり、発症から6ヶ月経過後に申請できる場合もあります。一度不支給になった方でも、再申請で認定される可能性は十分にあります。

諦めないでください。適切な準備と専門的なサポートがあれば、受給できる可能性は大きく高まります。

この記事を最後までお読みいただければ、ご自身が障害年金を受給できるかどうかの判断材料が得られ、次に取るべき具体的な行動が明確になります。まずは基本的な知識から、一緒に確認していきましょう。

【ご相談について】
申請について不安な点やご不明な点があれば、神戸の障害年金専門社労士にお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。
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目次

脳出血後遺症とは?障害年金の対象となる症状

脳出血は、脳内の血管が破れて出血し、脳組織が損傷される疾患です。突然の頭痛や意識障害、麻痺などの症状で発症し、救急搬送されることがほとんどです。治療後も、さまざまな後遺症が残る可能性があり、これらの後遺症が日常生活や仕事に大きな影響を与える場合、障害年金の対象となります。

このセクションでは、脳出血の基礎知識と、障害年金の対象となる主な後遺症について詳しく解説します。

脳出血の基礎知識

脳出血は、脳血管障害(脳卒中)の一種で、脳内の血管が破れて出血する病気です。高血圧が主な原因とされ、50代から60代の発症が多いですが、若年層でも発症することがあります。

発症すると、多くの場合は救急車で病院に搬送され、緊急手術や集中治療が行われます。急性期の治療が終わると、リハビリテーション病院へ転院し、機能回復訓練を受けるのが一般的な経過です。

リハビリを続けても、残念ながら完全に元の状態に戻らず、何らかの後遺症が残ることが少なくありません。これらの後遺症が、一定の基準を満たす場合に、障害年金の受給対象となります。

障害年金の対象となる主な後遺症

脳出血の後遺症は人によってさまざまですが、障害年金の対象となる主な症状は以下の通りです。それぞれの後遺症について、具体的に見ていきましょう。

片麻痺(身体の麻痺)

脳出血の後遺症として最も多いのが、片麻痺(へんまひ・かたまひ)です。片麻痺とは、体の左右どちらか一方の上肢(腕・手)や下肢(脚・足)に麻痺が生じ、動かしにくくなる、または全く動かせなくなる状態を指します。

片麻痺による日常生活への影響は、麻痺の程度によって大きく異なります。

  • 重度の片麻痺:車椅子が必要、寝たきり状態、全面的な介助が必要
  • 中等度の片麻痺:杖や装具があれば歩行できるが不安定、食事や更衣に一部介助が必要
  • 軽度の片麻痺:歩行はできるが長距離は困難、細かい作業(ボタンかけ、字を書くなど)が難しい

障害年金では、麻痺の程度だけでなく、実際の日常生活動作(ADL)にどの程度の制限があるかが重要な判定基準となります。

言語機能の障害

脳出血の部位によっては、言葉に関する障害が残ることがあります。言語機能の障害には、主に以下の2種類があります。

構音障害(こうおんしょうがい)
舌や口、喉の筋肉がうまく動かず、呂律が回らない状態です。頭の中では言いたいことが分かっているのに、言葉として正しく発音できません。「ありがとう」が「あいあおう」のように聞こえるなど、会話が不明瞭になります。

失語症(しつごしょう)
言葉そのものの理解や表出が困難になる状態です。運動性失語(言いたいことが言葉にならない)、感覚性失語(相手の言葉が理解できない)など、いくつかのタイプがあります。

言語機能の障害は、日常会話や電話応対、仕事上のコミュニケーションに大きな支障をきたすため、障害年金の対象となります。

高次脳機能障害

高次脳機能障害は、外見からは分かりにくいですが、脳出血後に多く見られる重要な後遺症です。以下のような症状が含まれます。

  • 記憶障害:新しいことを覚えられない、約束を忘れる、同じことを何度も聞く
  • 注意障害:集中力が続かない、複数のことを同時にできない、ミスが多い
  • 遂行機能障害:計画を立てられない、優先順位がつけられない、段取りよく物事を進められない
  • 社会的行動障害:感情のコントロールができない、すぐに怒る、意欲が低下する

高次脳機能障害は、身体的な麻痺が軽度でも、仕事の継続が困難になったり、日常生活に大きな支障が出たりするため、障害年金の対象として認定される可能性があります。ただし、精神障害の診断書を使用して申請することになります。

その他の後遺症

上記以外にも、以下のような後遺症が障害年金の対象となる場合があります。

嚥下障害(えんげしょうがい)
飲み込む機能が低下し、食事が困難になる、むせやすくなる、誤嚥性肺炎のリスクが高まるなどの症状です。重度の場合は経管栄養が必要になることもあります。

視野障害・複視
視野の一部が欠ける(半盲)、物が二重に見える(複視)などの視覚障害が生じることがあります。

感覚障害
手足のしびれ、痛み、温度感覚の低下などが残ることがあります。これ単独では障害年金の対象になりにくいですが、他の障害と合わせて評価されます。

複数の後遺症がある場合の扱い

脳出血の後遺症は、一つだけでなく複数が同時に残ることが珍しくありません。例えば、「片麻痺 + 言語障害」や「片麻痺 + 高次脳機能障害」といった組み合わせです。

このような場合、障害年金の申請では以下の対応が必要になります。

複数の診断書が必要になるケース
後遺症の種類によって、使用する診断書の様式が異なります。例えば、片麻痺の場合は「肢体の障害用」、高次脳機能障害の場合は「精神の障害用」の診断書を使用します。両方の障害がある場合は、それぞれの診断書を提出する必要があります。

併合認定の可能性
複数の障害がある場合、それぞれの障害を総合的に評価して等級が決定されます。場合によっては、単独の障害よりも上位の等級に認定される可能性があります。ただし、脳血管障害による複数の障害については、併合(加重)認定は行わず、諸症状を総合的に判断して認定されることが一般的です。

【図表1】後遺症の種類と診断書様式の対応表

後遺症の種類 使用する診断書様式 主な症状例
片麻痺(肢体の障害) 肢体の障害用 上肢・下肢の麻痺、歩行困難、手指の巧緻性低下
言語機能の障害 聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく・嚥下機能、言語機能の障害用 構音障害、失語症
高次脳機能障害 精神の障害用 記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害
嚥下障害 聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく・嚥下機能、言語機能の障害用 飲み込み困難、むせ、経管栄養
視野障害・複視 眼の障害用 半盲、視野欠損、物が二重に見える

※複数の後遺症がある場合は、それぞれに対応する診断書を提出する必要があります。

脳出血の後遺症は、このように多岐にわたります。「自分の症状は軽いかもしれない」と思っても、実際には障害年金の基準を満たしている可能性があります。次のセクションでは、障害年金の基本的な仕組みと受給要件について解説します。

障害年金の基本|種類と受給要件を理解する

「障害年金という制度があることは知っているけれど、自分が対象になるのか分からない」「要件が複雑で、何から確認すればいいのか不安」という声をよく耳にします。確かに障害年金の制度は複雑に感じるかもしれませんが、基本を押さえれば、ご自身が受給できるかどうかの判断ができるようになります。

このセクションでは、障害年金の種類と、受給するために必ず満たさなければならない3つの要件について、分かりやすく解説します。

障害年金の2つの種類

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つの種類があります。どちらを受給できるかは、脳出血で初めて医療機関を受診した日(初診日)に、どの年金制度に加入していたかによって決まります。

障害基礎年金

障害基礎年金は、初診日に国民年金に加入していた方が対象となる年金です。

主な対象者:

  • 自営業者、フリーランス
  • 学生
  • 無職の方
  • 専業主婦・専業主夫(第3号被保険者)
  • 20歳前に発症した方(年金未加入期間でも対象)
  • 60歳以上65歳未満で年金未加入の方(日本国内在住の場合)

支給される等級:
障害基礎年金では、1級と2級のみが支給対象です。3級や障害手当金はありません。つまり、ある程度重い障害でないと受給できないということになります。

障害厚生年金

障害厚生年金は、初診日に厚生年金に加入していた方が対象となる年金です。

主な対象者:

  • 会社員(民間企業)
  • 公務員(共済組合加入者)

支給される等級:
障害厚生年金では、1級、2級、3級が支給対象となります。さらに、3級よりも軽度の障害でも「障害手当金」(一時金)が支給される場合があります。

重要なポイント:
障害厚生年金の1級または2級に該当する場合は、障害厚生年金に加えて障害基礎年金も同時に受給できます。つまり、厚生年金加入中に発症した方が、受給額も多く、等級の範囲も広いということになります。

【図表2】障害基礎年金と障害厚生年金の違い

項目 障害基礎年金 障害厚生年金
対象者 初診日に国民年金加入者 初診日に厚生年金加入者
主な加入者 自営業、学生、専業主婦など 会社員、公務員
支給等級 1級・2級のみ 1級・2級・3級(+障害手当金)
年金額 定額(1級:約102万円、2級:約82万円) 報酬比例+障害基礎年金(1・2級の場合)
加算 子の加算 配偶者加算(1・2級)+子の加算

※金額は令和6年度(2024年度)の基準です。最新情報は日本年金機構でご確認ください。

受給のための3つの要件

障害年金を受給するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。「どれか一つでも欠けると受給できない」ため、それぞれをしっかり確認することが重要です。

要件1:初診日要件

初診日とは、障害の原因となった病気やケガで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。

脳出血の場合の初診日:
脳出血の場合、多くは突然発症して救急搬送されます。そのため、救急搬送された病院で初めて診察を受けた日が初診日となるのが一般的です。

例えば、勤務中や自宅で倒れて救急車で運ばれ、○○病院の救急外来で脳出血と診断された場合、その日が初診日になります。

重要な注意点:高血圧との関係
脳出血の原因として高血圧がある場合でも、障害年金の制度上、高血圧と脳出血の間に因果関係は認められません。したがって、以前から高血圧で通院していたとしても、その日が初診日になるわけではありません。初診日はあくまで脳出血で搬送された日となります。

ただし、脳梗塞を複数回発症している場合や、一過性脳虚血発作(TIA)から脳出血に至った場合など、判断が複雑なケースもあります。このような場合は専門家に相談することをお勧めします。

要件2:保険料納付要件

初診日の前日において、次のいずれかの条件を満たしている必要があります。

原則的な要件:
初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること。

特例的な要件(令和8年4月1日まで):
初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと。

実務上のポイント:

  • 会社員の方:給料から厚生年金保険料が天引きされているため、基本的にこの要件はクリアしています。
  • 自営業の方:国民年金保険料の納付状況を確認する必要があります。年金事務所で納付記録を照会できます。
  • 専業主婦・主夫の方:第3号被保険者として、保険料納付済期間として扱われます。
  • 学生の方:学生納付特例を受けていた期間は、納付要件の判定には含まれます(ただし年金額には反映されません)。

「保険料を払っていない期間があったから無理だ」と諦める前に、特例要件に該当するか、または免除期間として認められる期間がないかを確認してください。

要件3:障害状態要件

障害の状態が、障害認定基準で定められた等級(1級、2級、または3級)に該当する程度であることが必要です。

この基準については、次のセクション(H2-3)で詳しく解説しますが、重要なのは「障害の程度は、日常生活における動作の状態から総合的に判断される」という点です。

医学的な診断名や検査数値だけでなく、「実際の生活でどれだけ困っているか」が評価されます。

【図表3】受給要件チェックリスト

  • 初診日要件:脳出血で初めて医療機関を受診した日が明確ですか?
  • 初診日の年金加入:その日に国民年金または厚生年金に加入していましたか?
  • 保険料納付要件:初診日の前日時点で、保険料納付要件を満たしていますか?
  • 障害状態要件:現在の障害の状態が、障害認定基準に該当する程度ですか?

障害認定日とは|脳血管障害の特例を理解する

障害年金を申請できるのは、原則として「障害認定日」以降です。障害認定日とは、障害の状態を認定する基準日のことで、通常は初診日から1年6ヶ月を経過した日と定められています。

つまり、脳出血で倒れた日から1年6ヶ月経過しないと、原則として申請できないということになります。

脳血管障害の特例|6ヶ月で申請できる場合がある

しかし、脳出血を含む脳血管障害には、重要な特例があります。

初診日から6ヶ月を経過した日以降に、症状が固定したと認められる場合は、その症状固定日を障害認定日とすることができます。

これは、脳出血の後遺症は比較的早期に症状が固定することが多いという医学的な知見に基づいた特例です。この特例により、最短で発症から6ヶ月後に障害年金を申請できる可能性があります。

「症状固定」とは何か

症状固定とは、「医学的にこれ以上の機能回復がほとんど望めないと認められる状態」のことです。簡単に言えば、リハビリを続けても、これ以上後遺症が改善しない状態を指します。

症状固定の判断は主治医が行いますが、診断書に「症状固定」と記載されていても、年金機構の認定医が「まだ固定していない」と判断する場合もあります。

リハビリ中でも症状固定と認められるケース

「リハビリを続けているから、まだ症状固定していないのでは?」と心配される方が多いのですが、これは誤解です。

リハビリには大きく分けて2つの目的があります。

  • 機能回復を目的としたリハビリ:麻痺した手足の機能を回復させることを目指す訓練
  • 現状維持を目的としたリハビリ:これ以上悪化しないように、現在の機能を維持するための訓練

機能回復を目的としたリハビリを継続している場合は、症状固定とは認められにくい傾向があります。一方、現状維持を目的としたリハビリであれば、症状固定と認められる可能性があります。

診断書に「週2回リハビリ通院中」と記載されていても、それが現状維持のためであれば問題ありません。主治医に、リハビリの目的を診断書や意見書で明確にしてもらうことが重要です。

症状固定が認められない場合は?

症状固定が認められない、または症状固定の時期が不明確な場合でも、心配する必要はありません。その場合は、原則通り初診日から1年6ヶ月経過後に申請すれば問題ありません。

「6ヶ月で申請できる可能性がある」という特例であり、必ずしも6ヶ月で申請しなければならないわけではありません。ご自身の症状や主治医の判断に応じて、適切な時期を選択できます。

【ワンポイントアドバイス】
症状固定の判断は非常に専門的で、個別のケースによって異なります。「自分の場合はどうなのか」と迷われたら、障害年金の専門家である社会保険労務士に相談することをお勧めします。早めに相談することで、最適な申請時期を見極めることができます。

以上が、障害年金の基本的な仕組みと受給要件です。「自分は該当しそうだ」と感じた方は、次のセクションで、具体的な等級判定基準について詳しく見ていきましょう。

【最重要】脳出血後遺症の障害等級判定基準を徹底解説

「自分の症状では軽いのではないか」「杖があれば歩けるし、食事もできる。こんな状態で障害年金なんてもらえるのだろうか」——このような不安を抱えている方は非常に多くいらっしゃいます。

しかし、障害年金の判定は、「歩けるか歩けないか」という単純なものではありません。日常生活全体でどれだけの困難があるか、どの程度の援助が必要かを総合的に評価します。杖があれば歩けても、階段が上れない、長距離は無理、転倒の危険がある、といった状態であれば、十分に障害年金の対象となる可能性があります。

このセクションでは、脳出血後遺症における障害等級の判定基準を、後遺症の種類別に詳しく解説します。ご自身の状態と照らし合わせながら、お読みください。

障害等級の基本|1級・2級・3級とは

障害年金には、障害の程度に応じて1級から3級までの等級があります(障害基礎年金は1級・2級のみ)。等級が上がるほど障害が重く、受給額も多くなります。

まず、各等級の基本的な基準を確認しましょう。

1級の基準:
「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの」

簡単に言えば、他人の介助を受けなければ、ほとんど日常生活ができない状態です。食事、トイレ、入浴、移動など、生活のほとんどの場面で介助が必要な程度を指します。

2級の基準:
「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」

簡単に言えば、日常生活に大きな支障があり、必ずしも他人の介助を必要としないものの、自力での生活が極めて困難な状態です。「著しい制限」という言葉の具体的な意味が、判定の鍵となります。

3級の基準:(障害厚生年金のみ)
「労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」

簡単に言えば、日常生活はある程度自立しているが、仕事には大きな制限がある状態です。

【図表4】障害等級と受給額の目安

障害等級 障害の状態 障害基礎年金(年額) 障害厚生年金(年額)
1級 日常生活がほとんどできない
常時介助が必要
約102万円
(月額約8.5万円)
報酬比例×1.25倍
+障害基礎年金1級
+配偶者加算
2級 日常生活に著しい制限
一部介助が必要
約82万円
(月額約6.8万円)
報酬比例
+障害基礎年金2級
+配偶者加算
3級 労働に著しい制限
日常生活はほぼ自立
対象外 報酬比例
(最低保障:約62万円)

※金額は令和6年度(2024年度)の基準です。障害厚生年金の報酬比例部分は、加入期間や収入によって異なります。
※子の加算(18歳年度末までの子1人につき約23万円)が別途加算されます。
※最新情報は日本年金機構でご確認ください。

肢体の障害(片麻痺)の認定基準

脳出血の後遺症として最も多い片麻痺について、等級判定の基準を詳しく見ていきます。

脳血管障害による麻痺のように、上肢(腕・手)と下肢(脚・足)など広範囲にわたる障害の場合、個々の部位ごとではなく、「肢体の機能の障害」として総合的に認定されます。

1級に該当する状態

以下のような状態が1級の目安となります。

  • 常時車椅子を使用し、自力での移動がほとんどできない
  • ベッド上の生活が中心で、起き上がりにも介助が必要
  • 食事、トイレ、入浴、更衣のすべてに全面的な介助が必要
  • 施設や病院での生活を余儀なくされている
  • 家族の常時介護がなければ生活できない

具体例:
「右片麻痺(上下肢)が重度で、車椅子からベッドへの移乗にも介助が必要。食事は介助があれば可能だが、トイレは全面介助。入浴も全面介助。更衣は上半身・下半身ともに全介助。一人では何もできず、妻と介護サービスに頼って生活している。」

2級に該当する状態

以下のような状態が2級の目安となります。多くの脳出血後遺症の方が、この2級に該当する可能性があります。

  • 杖や装具があれば歩行できるが、不安定で転倒の危険がある
  • 階段の昇降が困難、または手すりと介助が必要
  • 食事は自分でできるが、時間がかかる、こぼす
  • 更衣は上衣のボタンや靴下の着脱が困難
  • 入浴は見守りや一部介助が必要
  • 家事(調理、掃除、洗濯)がほとんどできない
  • 外出は付き添いがあればできるが、一人では不安
  • 仕事の継続が不可能、または大幅な制限がある

具体例:
「左片麻痺で杖歩行はできるが、不安定で長距離は無理。階段は手すりがあっても時間がかかる。食事は右手でなんとかできるが、汁物はこぼしやすい。ボタンかけや靴下を履くのが困難で妻に手伝ってもらう。入浴は妻の見守りが必要。家事はほとんど妻任せ。建設現場監督の仕事は到底できず、休職が続いている。」

重要なポイント:
「歩けるから軽度」ではありません。杖があれば歩けても、階段が上れない、長時間立っていられない、転倒の危険がある、といった状態であれば、2級に該当する可能性は十分にあります。

3級に該当する状態

以下のような状態が3級の目安となります(障害厚生年金のみ)。

  • 歩行はできるが、長距離や速歩は困難
  • 細かい作業(ボタンかけ、字を書くなど)に時間がかかる
  • 日常生活はほぼ自立しているが、重労働や立ち仕事は困難
  • 職種によっては就労継続が可能だが、制限がある

ADL(日常生活動作)評価の具体的内容

障害年金の肢体障害用の診断書には、「日常生活における動作の障害の程度」を評価する項目があり、これが等級判定の最も重要な要素となります。

18項目の動作について、「できる」「おおむねできるが援助が必要」「できない」の3段階で評価されます。

【図表5】ADL評価18項目と等級判定への影響

動作項目 評価のポイント 等級判定への影響
1. つまむ(新聞を持つ) 親指と人差し指で物をつまめるか 上肢の巧緻性評価
2. 握る(茶碗を持つ) 手のひら全体で物を握れるか 上肢の握力評価
3. タオルを絞る(水平) 両手でタオルを絞る動作ができるか 両上肢の協調運動
4. ひもを結ぶ 靴紐などを結べるか 細かい手指の動作
5. さじで食事をする スプーンを使って食事ができるか 日常生活の基本動作
6. 片足で立つ 5秒間片足で立てるか バランス能力
7. 歩く(屋内) 補助具なしで屋内歩行できるか 最重要項目
8. 歩く(屋外) 補助具なしで屋外歩行できるか 最重要項目
9. 立ち上がる 椅子から立ち上がれるか 下肢の筋力評価
10. 階段を上る 手すりなしで階段を上れるか 重要項目
11. 階段を下りる 手すりなしで階段を下りれるか 重要項目
12. 座る(正座・横座り・あぐら) 床に座る動作ができるか 関節可動域評価
13. 座る(椅子に深く) 椅子に座位保持できるか 体幹バランス
14. しゃがむ しゃがんで物を拾えるか 下肢の可動域
15. 屋外での移動 公共交通機関を利用できるか 社会生活への参加
16. 衣服の着脱 上着・ズボンの着脱ができるか 重要項目
17. 座って行う作業 座位での軽作業が可能か 就労可能性評価
18. 立って行う作業 立位での作業が可能か 就労可能性評価

※評価は「補助具を使わない状態」が原則です。杖を使えば歩けても、杖なしでは歩けない場合は「できない」または「援助が必要」と評価されます。

等級判定の目安

これらの18項目の評価を総合して、等級が判定されます。明確な基準はありませんが、実務上の目安は以下の通りです。

  • 1級の目安:ほとんどの項目が「できない」、または「援助が必要」が大半
  • 2級の目安:「できない」または「援助が必要」が半数以上、特に歩行・階段・更衣に制限
  • 3級の目安:「できる」が半数以上だが、就労に関わる項目に制限

重要な注意点:
評価は「良い日の状態」ではなく、「平均的な日の状態」で行います。また、「頑張ればできる」ではなく、「安全に、通常の速度で、疲れずにできるか」が基準です。無理をすれば歩けても、転倒の危険があったり、すぐに疲れてしまったりする場合は、「できる」とは評価されません。

「日常生活に著しい制限」の具体例

2級の基準である「日常生活に著しい制限」とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。多くの方が迷う部分ですので、詳しく解説します。

該当する具体例

  • 移動面:屋内は杖で歩けるが、屋外は車椅子が必要。階段の昇降ができず、エレベーターのない場所には行けない。
  • 食事面:箸が使えず、スプーンやフォークを使用。食べこぼしが多く、食事に時間がかかる(30分以上)。
  • 排泄面:トイレでの立ち座りに手すりが必須。衣服の上げ下ろしに時間がかかり、失敗することがある。
  • 入浴面:浴槽をまたげない、洗体が片手でできない、転倒の危険があるため一人では入浴できない。
  • 更衣面:ボタンかけ、ファスナーの開閉、靴下や靴の着脱が困難。着替えに15分以上かかる。
  • 家事面:料理ができない(包丁が使えない、鍋を持てない)、掃除機をかけられない、洗濯物を干せない。
  • 外出面:一人での外出は不安。公共交通機関の利用が困難。買い物に付き添いが必要。
  • 就労面:以前の仕事に復帰できない。座り仕事でも長時間の集中が困難。通勤ができない。

「著しい制限」と判断されやすいポイント

  1. 複数の動作に制限がある:一つだけでなく、移動・食事・更衣など複数の場面で困難がある
  2. 介助者が必要:家族や介護サービスの支援を日常的に受けている
  3. 時間がかかる:自分でできても、通常の2倍以上の時間がかかる
  4. 危険がある:転倒、やけど、怪我などのリスクがある
  5. 疲労が激しい:動作後に著しい疲労があり、休息が必要

「自分で歩けるから」「食事はできるから」と、できることだけに注目するのではなく、「どれだけ制限があるか」「どれだけ援助が必要か」という視点で考えることが重要です。

言語機能の障害の認定基準

構音障害や失語症などの言語機能の障害も、障害年金の対象となります。

1級の基準

音声又は言語機能の喪失。ほとんど会話ができない状態。筆談も困難な場合。

2級の基準

音声又は言語機能に著しい障害を残すもの。日常会話が不自由な状態。

具体例:

  • 発音が不明瞭で、家族以外には通じない
  • 電話での会話が困難
  • 言いたいことが言葉にならず、コミュニケーションに大きな支障

3級の基準

音声又は言語機能に相当程度の障害を残すもの。職場での会話に支障がある状態。

重要なポイント:
言語機能の障害は、肢体の障害と併せて評価されることが多くあります。片麻痺と構音障害がある場合は、両方を総合的に判断して等級が決定されます。

高次脳機能障害の認定基準

高次脳機能障害は、外見からは分かりにくいため、「障害と認識されにくい」という問題があります。しかし、適切に診断書が作成されれば、障害年金の対象として認定されます。

高次脳機能障害は、精神障害として認定されます。診断書も「精神の障害用」を使用します。

1級の基準

高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの。

具体例:

  • 記憶障害が重度で、数分前のことも覚えていない
  • 判断力が著しく低下し、危険な行動をとる
  • 感情のコントロールができず、常に見守りが必要
  • 金銭管理、服薬管理が全くできない

2級の基準

認知障害、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しく制限を受けるもの。

具体例:

  • 新しいことが覚えられず、約束を忘れる
  • 注意散漫で、仕事や家事ができない
  • 計画を立てられず、段取りよく物事を進められない
  • 感情の起伏が激しく、対人関係に問題
  • 就労が不可能

3級の基準

認知障害のため、労働が著しい制限を受けるもの。

具体例:

  • 記憶障害があるが、メモを取れば対応できる
  • 複雑な作業は困難だが、単純作業なら可能
  • 職種や労働時間に制限があれば就労可能

重要な注意点:
高次脳機能障害の認定には、神経心理学的検査の結果(WAIS、WMS、TMTなど)が重要な参考資料となります。診断書にこれらの検査結果が記載されているか確認してください。

【社労士からのアドバイス】
「自分の症状は軽いのでは」と思っても、諦めないでください。特に高次脳機能障害は、周囲からも本人からも「障害」と認識されにくい傾向があります。しかし、実際には仕事ができない、日常生活に大きな支障がある、という状態であれば、2級に該当する可能性は十分にあります。まずは専門家に相談し、客観的な評価を受けることをお勧めします。

次のセクションでは、実際に障害年金を受給できた3つの事例をご紹介します。「自分と似たケース」を見つけることで、受給の可能性をより具体的にイメージしていただけます。

脳出血後遺症で障害年金を受給した3つの事例

「理屈では分かったけれど、実際に受給できた人の話を聞きたい」「自分と似た状況の人はどうだったのだろう」——そう思われる方も多いでしょう。

ここでは、実際に脳出血後遺症で障害年金を受給できた3つの事例をご紹介します。すべて当事務所がサポートさせていただいた、神戸・兵庫県内にお住まいの方々の実例です(個人情報保護のため、一部内容を変更しています)。

それぞれ異なる課題を抱えながらも、諦めずに申請を進めた結果、無事に受給できました。あなたと似た状況の事例があれば、きっと希望を持っていただけると思います。

【事例1】片麻痺で障害厚生年金2級を受給したAさん(50代男性・神戸市須磨区在住)

発症前の生活

Aさん(58歳)は、神戸市内の建設会社で現場監督として働いていました。妻(55歳)はパート勤務、長男(28歳)はすでに独立しており、夫婦二人での生活を送っていました。住宅ローンの残債が約800万円あり、月7万円の返済を続けていました。

「体が資本の仕事だから、健康には気を付けていたつもりでした。まさか自分が倒れるなんて思ってもいませんでした」とAさんは振り返ります。

突然の発症

2024年3月15日、いつものように建設現場で作業の指示をしていたとき、突然激しい頭痛に襲われました。「頭をハンマーで殴られたような痛み」だったと言います。そのまま意識を失い、救急車で神戸市内の総合病院へ搬送されました。

診断は「脳出血(左被殻出血)」。緊急手術が行われ、一命は取り留めたものの、右半身に麻痺が残りました。

リハビリと現実

急性期治療を終えた後、リハビリテーション病院へ転院。3ヶ月間の集中的なリハビリを受けましたが、右片麻痺(上下肢)は残りました。

退院時の状態:

  • 歩行:杖があれば可能だが、不安定で転倒の危険がある
  • 階段:手すりにつかまっても昇降に時間がかかる
  • 食事:左手でスプーンを使えば可能だが、箸は使えない
  • 更衣:ボタンかけ、靴下の着脱が困難で妻の介助が必要
  • 入浴:浴槽をまたげず、妻の見守りが必須
  • 仕事:現場監督という職務の遂行は不可能

「リハビリの先生からは『これ以上の回復は難しい』と言われました。建設現場を歩き回る仕事は、もうできない。それが現実でした」

経済的な不安

健康保険からは傷病手当金が支給されていましたが、あと4ヶ月で終了する予定でした。月約20万円の傷病手当金と妻のパート収入(月8万円)だけでは、住宅ローン返済と生活費で精一杯。傷病手当金が切れた後の生活に、強い不安を感じていました。

「息子に頼ることだけは避けたかった。でも、このままでは妻にも大きな負担をかけてしまう」

障害年金との出会い

リハビリ病院のソーシャルワーカーから「障害年金という制度がある」と教えられたAさん。スマートフォンで検索してみましたが、「初診日」「保険料納付要件」など難しい言葉が並び、理解できませんでした。

「自分の症状で本当にもらえるのか?歩けるのに?」という疑問も湧きました。

専門家への相談

妻がインターネットで当事務所を見つけ、Aさんに相談を勧めました。2024年9月、発症から約6ヶ月後のことでした。

初回相談で、社労士から以下の説明を受けました:

  • 「杖歩行でも、階段昇降や更衣に介助が必要なら、2級の可能性は十分にある」
  • 「脳血管障害には症状固定の特例があり、6ヶ月経過後に申請できる」
  • 「初診日は救急搬送された日で明確。保険料納付も問題なし」
  • 「障害厚生年金2級なら、年間約160万円+配偶者加算が見込める」

「先生の『諦めないでください』という言葉に、救われた気持ちになりました」とAさん。

申請のプロセス

当事務所のサポート内容:

  1. 主治医との調整:症状固定の判断と診断書作成を依頼。ADL評価を正確に記載してもらうため、Aさんの日常生活の詳細を主治医に伝えました。
  2. 病歴・就労状況等申立書の作成:発症から現在までの経過、日常生活での具体的な困難(ボタンがかけられない、階段が怖い、など)をエピソード形式で記載。
  3. 必要書類の取得サポート:受診状況等証明書、住民票、戸籍謄本などの取得をアドバイス。

診断書には、18項目のADL評価が詳細に記載されました。特に「歩く(屋外)」「階段昇降」「更衣」が「援助が必要」と評価されたことが、認定の決め手となりました。

受給決定

2024年11月、申請から約2ヶ月半で年金証書が届きました。

認定結果:

  • 等級:障害厚生年金2級
  • 年金額:約166万円/年(障害基礎年金約82万円+障害厚生年金約60万円+配偶者加算約24万円)
  • 月額:約13.8万円
  • 遡及:障害認定日(症状固定日)からの支給のため、過去分として約28万円(2ヶ月分)も受給

「妻と二人、涙が出ました。これで住宅ローンの返済も続けられる。生活の見通しが立ちました」

Aさんからのメッセージ

「『歩けるから無理だろう』と思っていましたが、専門家に相談して本当によかった。同じように悩んでいる方がいたら、諦めずに相談してほしいと思います。一人で抱え込まないで」


【事例2】高次脳機能障害で障害基礎年金2級を受給したBさん(30代男性・明石市在住)|一度の不支給を乗り越えて

若くして襲った脳出血

Bさん(35歳)は、IT企業でシステムエンジニアとして活躍していました。独身で一人暮らし。仕事にやりがいを感じ、将来を楽しみにしていた矢先の出来事でした。

2023年6月、深夜の残業中に激しい頭痛と吐き気に襲われ、同僚が救急車を呼びました。診断は「脳出血(くも膜下出血)」。開頭手術を受け、一命は取り留めました。

見えない障害の苦しみ

幸いなことに、身体的な麻痺はほとんど残りませんでした。「よかった、元通りになれる」——本人も家族もそう思いました。

しかし、退院後、仕事に復帰してから異変に気づきました。

高次脳機能障害の症状:

  • 記憶障害:会議の内容を覚えていない。メモを取っても、メモを取ったこと自体を忘れる
  • 注意障害:プログラミング中に集中が続かない。ケアレスミスが激増
  • 遂行機能障害:複数のタスクの優先順位がつけられない。計画的に仕事を進められない
  • 易疲労性:午後になると極度の疲労で仕事にならない

「頭では分かっているのに、できない。『怠けている』『やる気がない』と思われているんじゃないかと苦しかったです」

上司からは「もう少し頑張れないか」と言われ、自分を責める日々。結局、発症から6ヶ月後に退職せざるを得ませんでした。

初めての申請と不支給

失業保険を受給しながら、インターネットで障害年金のことを知ったBさん。「身体的な麻痺はないけれど、働けない。これも障害年金の対象になるかもしれない」と思い、自分で申請書類を準備しました。

しかし、診断書の内容が不十分でした。主治医は「身体的には問題ない」という認識で、高次脳機能障害の詳細を診断書に記載していなかったのです。神経心理学的検査も実施されていませんでした。

結果は「不支給」

「やっぱり無理だったんだ。自分は甘えているだけなのかもしれない」——深い絶望に沈みました。

諦めない再挑戦

それでも、失業保険の期限が迫る中、経済的な不安は増すばかり。インターネットで「障害年金 不支給 再申請」と検索し、当事務所のサイトにたどり着きました。

「『一度不支給でも諦めない』という言葉を見て、相談してみようと思いました」

2024年8月、初回相談。社労士から以下のアドバイスを受けました:

  • 「高次脳機能障害は、適切な診断書があれば認定される」
  • 「神経心理学的検査(WAIS、WMSなど)の結果が重要」
  • 「精神の診断書を使用し、日常生活での具体的な困難を詳述する必要がある」
  • 「不支給から3ヶ月以内なら審査請求、それ以降なら事後重症請求で再挑戦できる」

専門医の受診と再申請

当事務所のサポートで、高次脳機能障害に詳しい専門医を紹介してもらい、改めて診察を受けました。そこで神経心理学的検査を実施し、明確な検査結果(記憶指数、注意指数などが平均を大きく下回る)が得られました。

新しい診断書には、検査結果と具体的な日常生活の困難(約束を忘れる、料理の段取りができない、外出先で迷う、など)が詳細に記載されました。

病歴・就労状況等申立書も、発症前と発症後の変化を具体的なエピソードで記述しました。

再申請で認定

2024年10月、事後重症請求として再申請。12月に年金証書が届きました。

認定結果:

  • 等級:障害基礎年金2級
  • 年金額:約82万円/年(月額約6.8万円)
  • 支給開始:申請月の翌月から

「一度は諦めかけましたが、専門家の力を借りて、再挑戦してよかった。高次脳機能障害は見えない障害だからこそ、しっかり伝えることが大切だと分かりました」

Bさんからのメッセージ

「不支給になっても、諦めないでください。私も一度は不支給でしたが、適切な診断書と申立書で認定されました。特に高次脳機能障害の方は、『見た目は元気』だからこそ、理解されにくい。でも、それは確かに障害です。一人で悩まず、専門家に相談してください」


【事例3】初診日が不明でも遡及請求に成功したCさん(60代女性・神戸市東灘区在住)

2年前の発症

Cさん(68歳)は、2022年11月に自宅で脳梗塞を発症しました。一人暮らしのCさんは、たまたま訪ねてきた友人に発見され、救急搬送されました。

左上肢の麻痺と軽度の失語症(言葉が出にくい)が残りましたが、リハビリを経て、なんとか日常生活は送れるようになりました。

「一人で生活できるなら大丈夫」と思い、特に福祉制度などは調べていませんでした。老齢基礎年金(月約6.5万円)だけで、質素ながらも生活していました。

障害年金を知ったのは2年後

2024年10月、友人との会話の中で、「脳梗塞の後遺症があるなら、障害年金がもらえるかもしれない」と聞きました。

「えっ、そんな制度があるの?でも、もう2年も経っているし、今さら無理よね」と思いながらも、インターネットで検索してみました。

初診日の証明という壁

障害年金には「初診日の証明」が必要だと知り、発症時に救急搬送された病院に連絡しました。しかし、「カルテの保存期間は5年ですが、2年前のカルテは別の倉庫に移管されており、すぐには出せません。受診状況等証明書の発行には時間がかかります」と言われました。

さらに、その病院は急性期治療のみで、リハビリは別の病院に転院していました。「初診日の証明が取れなかったら、申請できないのでは」と不安になり、当事務所に相談されました。

初診日証明の取得サポート

当事務所で状況を確認したところ、以下の対応が可能と判断しました:

  1. 救急隊の記録を取得:神戸市消防局に救急搬送の記録が残っていないか照会
  2. 転院先の病院で「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成:初診の病院でカルテがすぐに出ない場合、転院先の病院で代替の証明を取得
  3. 第三者証明:発見した友人に、発症当時の状況を証明する書類を作成してもらう

これらの書類を組み合わせることで、初診日を証明する方針を立てました。

遡及請求の可能性

さらに、重要なポイントがありました。Cさんの場合、障害認定日(発症から1年6ヶ月後の2024年5月)の時点で、すでに障害の状態が固定していたため、遡及請求(障害認定日請求)が可能でした。

遡及請求が認められれば、障害認定日(2024年5月)から申請月(2024年11月)までの過去分(約6ヶ月分)もまとめて受給できます。

申請と認定

当事務所のサポートで、以下の書類を準備しました:

  • 救急搬送記録(神戸市消防局から取得)
  • 転院先の病院の「受診状況等証明書が添付できない申立書」
  • 友人による第三者証明
  • 障害認定日(2024年5月)と申請時(2024年11月)の2枚の診断書
  • 病歴・就労状況等申立書

2025年1月、申請から約2ヶ月で年金証書が届きました。

認定結果:

  • 等級:障害厚生年金3級(Cさんは過去に会社員として厚生年金に加入していた期間があったため)
  • 年金額:約62万円/年(月額約5.2万円)
  • 遡及分:障害認定日(2024年5月)から申請月(2024年11月)までの6ヶ月分、約31万円を一括受給

「初診日が証明できないと思って諦めかけていましたが、専門家に相談して本当によかった。過去の分も受け取れて、生活が楽になりました」

Cさんからのメッセージ

「発症から時間が経っていても、諦めないでください。初診日の証明も、専門家なら方法を知っています。一人で悩まず、まず相談することが大切だと思いました」


3つの事例から学ぶポイント

これら3つの事例から、以下の重要なポイントが見えてきます。

1. 「歩けるから無理」ではない(事例1)
杖で歩行できても、階段昇降や更衣に介助が必要なら、2級に認定される可能性は十分にあります。

2. 一度の不支給で諦めない(事例2)
診断書の内容が不十分で不支給になっても、適切な診断書を作成すれば再申請で認定される可能性があります。特に高次脳機能障害は、神経心理学的検査が重要です。

3. 初診日の証明は複数の方法がある(事例3)
カルテが残っていなくても、救急搬送記録、第三者証明、転院時の書類などで証明できる場合があります。

4. 遡及請求で過去分も受給できる(事例1、事例3)
障害認定日から申請までの期間分(最大5年)をまとめて受給できます。

5. 専門家のサポートが成功率を高める
3つの事例すべてで、専門家(社労士)のサポートが認定の鍵となりました。

【図表6】受給事例の比較表

項目 事例1(Aさん) 事例2(Bさん) 事例3(Cさん)
年齢・性別 50代男性 30代男性 60代女性
居住地 神戸市須磨区 明石市 神戸市東灘区
疾患 脳出血(左被殻出血) くも膜下出血 脳梗塞
主な後遺症 右片麻痺(上下肢) 高次脳機能障害 左上肢麻痺、軽度失語症
初診日 2024年3月(明確) 2023年6月(明確) 2022年11月(証明に課題)
申請の課題 「歩けるから軽度では?」という不安 一度不支給になった 初診日の証明、2年経過
解決方法 ADL評価を詳細に記載した診断書 神経心理学的検査、専門医の診断書 救急搬送記録、第三者証明
認定結果 障害厚生年金2級 障害基礎年金2級 障害厚生年金3級
年金額 約166万円/年(配偶者加算含む) 約82万円/年 約62万円/年
遡及分 約28万円(2ヶ月分) なし(事後重症請求) 約31万円(6ヶ月分)
申請から決定まで 約2ヶ月半 約2ヶ月 約2ヶ月

【当事務所からのメッセージ】
これらの事例は、すべて当事務所(清水総合法務事務所)がサポートさせていただいた、神戸・兵庫県内にお住まいの方々の実例です。それぞれ異なる課題を抱えていましたが、諦めずに申請を進めた結果、無事に受給できました。

「自分も同じような状況だ」と感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたに合った最適な申請方法をご提案します。初回相談は無料です。

次のセクションでは、障害年金の受給額について、家族構成別の具体的なシミュレーションとともに詳しく解説します。

脳出血後遺症の障害年金|受給額はいくら?家族構成別シミュレーション

「障害年金を受給できるとして、実際にいくらもらえるのだろうか?」——これは誰もが気になる重要な問題です。生活設計を立てるためにも、具体的な金額を知っておくことは非常に大切です。

このセクションでは、障害年金の受給額について、計算方法から家族構成別の具体的なシミュレーションまで、詳しく解説します。ご自身の状況に近いケースを見つけて、受給額の目安を把握してください。

障害基礎年金の受給額

障害基礎年金は、等級によって金額が決まっています(定額制)。

令和6年度(2024年度)の年金額

  • 1級:1,020,000円(月額約85,000円)
  • 2級:816,000円(月額約68,000円)

※最新の金額は、日本年金機構の公式サイトでご確認ください。年度ごとに物価や賃金の変動に応じて改定されます。

子の加算

18歳年度末までの子(または20歳未満で障害等級1級・2級の子)がいる場合、以下の加算があります。

  • 第1子・第2子:各234,800円/年
  • 第3子以降:各78,300円/年

注意点:
「18歳年度末」とは、18歳になった年度の3月31日までを指します。つまり、高校3年生の3月末までです。子が19歳になると加算はなくなります。

計算例

ケース1:障害基礎年金2級、子ども2人(15歳と12歳)の場合

  • 本体:816,000円
  • 子の加算:234,800円 × 2人 = 469,600円
  • 合計:1,285,600円/年(月額約107,000円)

ケース2:障害基礎年金1級、子ども1人(10歳)の場合

  • 本体:1,020,000円
  • 子の加算:234,800円
  • 合計:1,254,800円/年(月額約104,500円)

障害厚生年金の受給額

障害厚生年金の金額は、報酬比例部分で計算されます。つまり、過去の給料と厚生年金の加入期間によって金額が変わります。

基本的な計算式

障害厚生年金の年金額 = 報酬比例部分 × 等級による倍率

等級による倍率:

  • 1級:報酬比例部分 × 1.25倍
  • 2級:報酬比例部分 × 1.0倍(そのまま)
  • 3級:報酬比例部分 × 1.0倍(そのまま)

報酬比例部分の計算方法(概算)

報酬比例部分は、以下の計算式で算出されます(簡略版):

平均標準報酬月額 × 5.481/1000 × 加入月数

  • 平均標準報酬月額:過去の給料の平均(ボーナスを含む年収を12で割った金額に近い)
  • 加入月数:厚生年金に加入していた月数(300月未満の場合は300月として計算)

※実際の計算はさらに複雑で、加入時期や報酬額によって係数が異なります。正確な金額は年金事務所で試算してもらえます。

簡易計算の目安

概算として、以下の目安があります(あくまで目安です):

  • 平均年収300万円で20年加入:報酬比例部分は約30万円/年
  • 平均年収400万円で20年加入:報酬比例部分は約40万円/年
  • 平均年収500万円で20年加入:報酬比例部分は約50万円/年

3級の最低保障額

障害厚生年金3級には、最低保障額が設定されています。報酬比例部分が低くても、最低保障額は受給できます。

令和6年度:612,000円/年(月額約51,000円)

配偶者加算

障害厚生年金1級・2級に該当し、65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加算があります。

令和6年度:234,800円/年

注意点:

  • 配偶者の年収が850万円以上(所得655.5万円以上)の場合は加算されません
  • 配偶者が65歳になると加算はなくなります
  • 3級には配偶者加算はありません

1級・2級は障害基礎年金も同時に受給

障害厚生年金の1級・2級に該当する場合、障害基礎年金も同時に受給できます。つまり、以下の合計額になります。

障害厚生年金1級の場合:
報酬比例部分 × 1.25倍 + 障害基礎年金1級(102万円)+ 配偶者加算 + 子の加算

障害厚生年金2級の場合:
報酬比例部分 + 障害基礎年金2級(81.6万円)+ 配偶者加算 + 子の加算

障害厚生年金3級の場合:
報酬比例部分のみ(最低保障:61.2万円)

家族構成別シミュレーション【7パターン】

ここでは、よくある家族構成別に、受給額をシミュレーションします。ご自身に近いパターンを参考にしてください。

【図表7】家族構成別シミュレーション一覧

パターン 家族構成 等級 年金の種類 年間受給額 月額
独身、会社員 2級 障害厚生年金 約122万円 約10.2万円
配偶者あり、会社員 2級 障害厚生年金 約145万円 約12.1万円
配偶者、子2人、会社員 2級 障害厚生年金 約192万円 約16.0万円
配偶者、子2人、会社員 1級 障害厚生年金 約222万円 約18.5万円
独身、自営業 2級 障害基礎年金 約82万円 約6.8万円
配偶者、子2人、自営業 2級 障害基礎年金 約129万円 約10.7万円
独身、会社員 3級 障害厚生年金 約61万円 約5.1万円

※会社員の報酬比例部分は平均年収400万円・20年加入を想定(約40万円/年)
※子は18歳年度末までの2人を想定
※最新の金額は日本年金機構でご確認ください

【パターン①】独身、会社員、2級

前提:50代男性、独身、会社員として20年勤務、平均年収400万円

計算:

  • 障害基礎年金2級:816,000円
  • 障害厚生年金2級(報酬比例):約400,000円
  • 配偶者加算:なし
  • 子の加算:なし

合計:約1,216,000円/年(月額約101,300円)

【パターン②】配偶者あり、会社員、2級

前提:50代男性、配偶者あり(55歳、パート勤務)、会社員として20年勤務、平均年収400万円

計算:

  • 障害基礎年金2級:816,000円
  • 障害厚生年金2級(報酬比例):約400,000円
  • 配偶者加算:234,800円
  • 子の加算:なし

合計:約1,450,800円/年(月額約120,900円)

※これは事例1のAさんに近いケースです。

【パターン③】配偶者、子2人あり、会社員、2級

前提:40代男性、配偶者あり、子ども2人(15歳・12歳)、会社員として15年勤務、平均年収400万円

計算:

  • 障害基礎年金2級:816,000円
  • 障害厚生年金2級(報酬比例):約400,000円
  • 配偶者加算:234,800円
  • 子の加算:234,800円 × 2人 = 469,600円

合計:約1,920,400円/年(月額約160,000円)

【パターン④】配偶者、子2人あり、会社員、1級

前提:40代男性、配偶者あり、子ども2人(15歳・12歳)、会社員として15年勤務、平均年収400万円、重度の障害で1級認定

計算:

  • 障害基礎年金1級:1,020,000円
  • 障害厚生年金1級(報酬比例 × 1.25倍):約400,000円 × 1.25 = 500,000円
  • 配偶者加算:234,800円
  • 子の加算:234,800円 × 2人 = 469,600円

合計:約2,224,400円/年(月額約185,400円)

【パターン⑤】独身、自営業、2級

前提:30代男性、独身、自営業(国民年金のみ加入)

計算:

  • 障害基礎年金2級:816,000円
  • 子の加算:なし

合計:約816,000円/年(月額約68,000円)

※これは事例2のBさんに近いケースです(Bさんは会社員でしたが退職後の申請のため基礎年金のみ)。

【パターン⑥】配偶者、子2人あり、自営業、2級

前提:40代男性、配偶者あり、子ども2人(10歳・8歳)、自営業(国民年金のみ加入)

計算:

  • 障害基礎年金2級:816,000円
  • 子の加算:234,800円 × 2人 = 469,600円

合計:約1,285,600円/年(月額約107,100円)

※障害基礎年金には配偶者加算はありません。

【パターン⑦】独身、会社員、3級

前提:40代女性、独身、会社員として10年勤務、平均年収300万円、比較的軽度の障害で3級認定

計算:

  • 障害厚生年金3級(報酬比例):約300,000円
  • ただし最低保障額:612,000円

合計:612,000円/年(月額約51,000円)

※報酬比例部分が最低保障額を下回るため、最低保障額が適用されます。
※3級は障害基礎年金は支給されません。
※これは事例3のCさんに近いケースです。

遡及請求で過去分も受け取れる

「障害認定日請求(遡及請求)」が認められた場合、障害認定日から申請月までの過去分をまとめて受け取ることができます。

遡及請求の計算例

ケース:障害厚生年金2級、年額約140万円、障害認定日から2年後に申請した場合

計算:

  • 過去2年分:140万円 × 2年 = 280万円
  • 初回振込:約280万円(過去分)+ 約28万円(直近2ヶ月分)= 約308万円

このように、遡及請求が認められると、数十万円から数百万円の過去分を一括で受け取ることができます。

遡及請求の最大期間:
過去5年分まで遡れます。ただし、5年前まで遡るには、障害認定日から5年以上経過してから申請する必要があり、その間の時効消滅のリスクがあります。できるだけ早く申請することが重要です。

受給額を最大化するための3つのポイント

ポイント1:遡及請求を目指す

事後重症請求(申請月の翌月から支給)よりも、障害認定日請求(障害認定日から支給)の方が、過去分を受け取れるため、総受給額が大きくなります。

「障害認定日時点の診断書が取れないから無理」と諦めず、まずは主治医に相談してください。カルテが残っていれば、遡った日付の診断書を作成してもらえる可能性があります。

ポイント2:複数の障害を漏れなく申請

片麻痺だけでなく、言語障害や高次脳機能障害もある場合は、それぞれの診断書を提出してください。総合的に評価されることで、より上位の等級に認定される可能性があります。

ポイント3:子の加算のタイミングを逃さない

子どもが18歳年度末(高校卒業)を過ぎると、子の加算はなくなります。子どもがまだ小さいうちに認定されれば、子の加算を長期間受け取ることができます。早めの申請が重要です。

【当事務所からのメッセージ】
清水総合法務事務所では、障害年金申請を専門に扱う社会保険労務士が、あなたの申請を全力でサポートします。

私たちの使命は、あなたが受け取るべき障害年金を、確実に、最大額で受け取れるようにすることです。

遡及請求の可能性、複数障害の併合認定、子の加算の活用など、受給額を最大化するための戦略を、一人ひとりのケースに応じてご提案します。

神戸・兵庫県内の方はもちろん、遠方の方もオンライン面談で対応可能です。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

あなたは一人で戦う必要はありません。私たちが、あなたの味方です。

📞 電話:050-7124-5884(平日9:00〜17:00)
📧 メール:mail@srkobe.com
🌐 お問い合わせフォーム:https://nenkin.srkobe.com/contact/

次のセクションでは、障害年金申請の具体的な流れと必要書類について、7つのステップで詳しく解説します。

障害年金申請の流れ|必要書類と手順を完全ガイド

「障害年金を申請したい。でも、何から始めればいいのか分からない」——そんな不安を抱えているあなたへ。

大丈夫です。あなたは一人ではありません。この道を歩んできた多くの方々がいます。そして、その多くの方が、無事に受給できています。

障害年金の申請は、確かに複雑です。必要な書類も多く、初めての方には難しく感じるかもしれません。しかし、一つ一つのステップを確実に進めていけば、必ず受給にたどり着けます。焦る必要はありません。大切なのは、正しい順序で、確実に進めることです。

このセクションでは、申請の流れを7つのステップに分けて、どこよりも詳しく、分かりやすく解説します。あなたが今日から何をすればいいのか、明確になります。そして、もし途中で分からなくなったら、いつでも専門家を頼ってください。私たちは、あなたの味方です。

障害年金申請の7ステップ|全体の流れを把握する

まず、申請の全体像を確認しましょう。以下の7つのステップを順番に進めていきます。

【図表8】障害年金申請の流れ(7ステップ)

  1. STEP 1:受給要件の確認
    → 初診日の特定、保険料納付状況の確認
  2. STEP 2:申請方法の選択
    → 障害認定日請求(遡及)or 事後重症請求の判断
  3. STEP 3:初診日を証明する書類の取得
    → 受診状況等証明書を初診の病院で取得
  4. STEP 4:診断書の作成依頼
    → 主治医に障害年金用の診断書作成を依頼
  5. STEP 5:申請書類の作成
    → 病歴・就労状況等申立書、年金請求書などを作成
  6. STEP 6:年金事務所へ提出
    → すべての書類を揃えて、年金事務所に提出
  7. STEP 7:審査・決定
    → 約3〜4ヶ月後、年金証書または不支給決定通知が届く

この7ステップを、一つずつ、確実にクリアしていきましょう。どのステップも重要です。焦らず、丁寧に進めることが、認定への近道です。

STEP 1:受給要件の確認|あなたは対象者か?

まず最初に確認すべきは、「自分が障害年金の対象になるか」です。

初診日の特定

脳出血の場合、救急搬送された日が初診日となるのが一般的です。

「いつ、どこの病院に搬送されたか」を確認してください。多くの場合、ご本人は意識を失っているため、ご家族に聞く、または搬送先の病院の診察券や領収書で確認します。

重要:複数の病院を転院している場合でも、初診日は「最初に診察を受けた病院」です。リハビリ病院ではなく、救急搬送された病院が初診日となります。

保険料納付状況の確認

初診日に年金に加入していたか、保険料を納めていたかを確認します。

確認方法:
最寄りの年金事務所で「保険料納付記録」を照会できます。基礎年金番号またはマイナンバーを持参してください。電話でも確認できます。

会社員の方:給料から厚生年金保険料が天引きされているため、基本的に問題ありません。
自営業の方:国民年金保険料の納付状況を確認してください。未納期間があっても、直近1年間に未納がなければ特例要件を満たす可能性があります。

「未納があったから無理だ」と諦めないでください。免除期間や学生納付特例期間も、納付要件の判定には含まれます。まずは確認することが大切です。

STEP 2:申請方法の選択|遡及か、事後重症か

障害年金の申請方法には、主に2つあります。

障害認定日請求(遡及請求)

障害認定日(初診日から1年6ヶ月後、または症状固定日)の時点で、すでに障害の状態にあった場合、その日まで遡って請求できます。

メリット:過去分をまとめて受給できる(最大5年分)
必要書類:障害認定日時点の診断書が必要

事後重症請求

障害認定日の時点では軽度だったが、その後悪化して等級に該当するようになった場合、または障害認定日時点の診断書が取得できない場合に使用します。

メリット:現在の診断書だけで申請できる
デメリット:過去分は受給できない(申請月の翌月から支給開始)

どちらを選ぶべきか

原則として、遡及請求を目指してください。過去分を受け取れるか、受け取れないかは、経済的に大きな違いを生みます。

ただし、障害認定日時点の診断書が取得できない場合や、その時点では軽度だった場合は、事後重症請求となります。

迷ったら、専門家に相談してください。どちらが有利かは、個別の状況によって異なります。私たちは、あなたにとって最も有利な方法を提案します。

STEP 3:初診日を証明する書類の取得|最初の関門

初診日の証明は、障害年金申請の最初の、そして最も重要な関門です。

受診状況等証明書の取得

初診の病院(脳出血で搬送された病院)で、「受診状況等証明書」を取得します。

取得方法:

  1. 初診の病院の医事課または受付に連絡
  2. 「障害年金の申請に必要な受診状況等証明書を発行してほしい」と伝える
  3. 必要な書類(診察券、身分証明書など)を準備
  4. 手数料(病院によって異なるが、3,000円〜5,000円程度)を支払う
  5. 発行まで1〜2週間程度かかる場合が多い

重要な注意点:
カルテの保存期間は5年です。発症から5年以上経過している場合、カルテが廃棄されている可能性があります。できるだけ早く取得してください。

初診日の証明ができない場合の対応

カルテが残っていない、病院が閉院している、などの理由で、受診状況等証明書が取得できない場合があります。しかし、諦めないでください。他の方法があります。

代替方法:

  • 救急搬送記録:消防署(神戸市の場合は神戸市消防局)に照会して、救急搬送の記録を取得
  • 第三者証明:発症時に一緒にいた家族、同僚などに証明してもらう
  • 転院時の紹介状:リハビリ病院への転院時の紹介状に初診日が記載されている場合がある
  • 「受診状況等証明書が添付できない申立書」:年金事務所の様式を使用して、理由を説明

神戸市消防局への照会方法:
神戸市消防局救急課に電話で照会できます。本人確認書類が必要です。電話番号等の詳細は、神戸市消防局の公式サイトをご確認ください。

初診日の証明は、専門的な知識が必要な場合があります。困難なケースでも、社労士なら解決策を知っています。諦める前に、ぜひご相談ください。

STEP 4:診断書の作成依頼|認定の命運を分ける

診断書は、障害年金申請の心臓部です。診断書の内容が、認定されるか、されないかを左右します。

使用する診断書の種類

後遺症の種類によって、使用する診断書が異なります。

  • 片麻痺(肢体の障害):「肢体の障害用」診断書
  • 言語障害:「聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく・嚥下機能、言語機能の障害用」診断書
  • 高次脳機能障害:「精神の障害用」診断書

複数の後遺症がある場合は、それぞれの診断書を取得します。

主治医への依頼の仕方

診断書の作成を主治医に依頼する際、以下のポイントを押さえてください。

依頼時の伝え方:

  1. 「障害年金を申請したいので、診断書をお願いしたいのですが」と切り出す
  2. 使用する診断書の種類を伝える(病院によっては用紙を持参する必要がある)
  3. 遡及請求の場合は、「障害認定日時点(○年○月)の診断書」と「現在の診断書」の2枚が必要と伝える
  4. 日常生活の困難を具体的に伝える(「階段が怖い」「ボタンがかけられない」など)

診断書作成のポイント(主治医に理解してもらうべきこと):

  • ADL評価は「良い日」ではなく「平均的な日」の状態で記載してもらう
  • 「できる」の基準は「安全に、通常の速度で、疲れずにできるか」
  • 補助具(杖、装具など)を使わない状態で評価するのが原則
  • 日常生活での具体的な困難を、診断書の所見欄に記載してもらう

診断書作成を断られた場合

残念ながら、医師が障害年金の診断書作成を断るケースがあります。「あなたの症状は軽い」「障害年金は無理」などと言われることがあります。

しかし、諦めないでください。医師が障害年金の認定基準を正しく理解していない場合があります。

対応方法:

  • 障害年金の認定基準を印刷して、医師に見せる
  • 病院のソーシャルワーカーや医療相談員に相談する
  • 社労士から医師に説明してもらう(当事務所では、必要に応じて医師への説明文書を作成します)
  • それでも難しければ、セカンドオピニオンとして他の医師に相談することも検討

あなたには、診断書を取得する権利があります。医師の判断だけで諦める必要はありません。

STEP 5:申請書類の作成|あなたの人生を伝える

診断書以外にも、いくつかの書類を作成する必要があります。

病歴・就労状況等申立書

これは、あなた自身が作成する、最も重要な書類です。発症から現在までの経過、日常生活の困難、就労状況などを、あなた自身の言葉で記載します。

記載のポイント:

  • 時系列で記載:発症日、入院期間、転院、リハビリ、現在までの流れ
  • 具体的なエピソード:「歩けない」ではなく、「杖を使っても10分歩くと疲れて休憩が必要。階段は手すりを使っても怖くて降りられない」
  • 日常生活の困難:食事、入浴、更衣、家事など、具体的に何ができないのか
  • 家族の介助内容:妻が見守り、子どもが手伝ってくれているなど
  • 仕事への影響:休職、退職、復職の試みと挫折など
  • 精神的な苦痛:不安、焦り、自分を責める気持ちなど

「できないこと」を羅列するだけでは不十分です。「なぜできないのか」「どう困っているのか」を、あなたの言葉で、あなたの人生のストーリーとして伝えてください。

この申立書が、審査官の心を動かします。あなたの苦しみ、あなたの必死の努力、そして家族の支えを、しっかり伝えてください。

年金請求書

年金事務所の窓口で用紙をもらうか、日本年金機構のウェブサイトからダウンロードできます。

基本的な個人情報、銀行口座、配偶者や子どもの情報などを記入します。記入方法が分からない場合は、年金事務所の窓口で教えてもらえます。

その他の必要書類

  • 住民票(世帯全員のもの)
  • 戸籍謄本(配偶者や子がいる場合)
  • 年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 預金通帳のコピー(年金受取口座)
  • 医師の診断書(STEP 4で取得)
  • 受診状況等証明書(STEP 3で取得)

【図表9】必要書類チェックリスト

  • ☑ 受診状況等証明書(初診の病院で取得)
  • ☑ 診断書(障害認定日時点+現在、の2枚の場合あり)
  • ☑ 病歴・就労状況等申立書(自分で作成)
  • ☑ 年金請求書(年金事務所またはウェブサイトから入手)
  • ☑ 住民票(世帯全員、発行から6ヶ月以内)
  • ☑ 戸籍謄本(配偶者・子がいる場合、発行から6ヶ月以内)
  • ☑ 年金手帳または基礎年金番号通知書
  • ☑ 預金通帳のコピー(本人名義)
  • ☑ (該当者のみ)所得証明書、課税証明書など

STEP 6:年金事務所へ提出|神戸・兵庫県の窓口情報

すべての書類が揃ったら、年金事務所に提出します。

提出先

原則として、住所地を管轄する年金事務所に提出します。郵送でも受け付けていますが、初めての場合は窓口に持参することをお勧めします。窓口で書類を確認してもらえるため、不備があればその場で指摘してもらえます。

窓口での提出

年金事務所の窓口に行く際は、事前予約をお勧めします。予約なしでも受け付けてもらえますが、待ち時間が長くなる可能性があります。

窓口では、書類の不備がないかチェックしてもらえます。不足があれば、その場で教えてもらえるので、後日追加で提出できます。

STEP 7:審査・決定|待つ間にできること

書類を提出したら、審査結果を待ちます。

審査期間

通常、3〜4ヶ月程度かかります。ただし、書類に不備があったり、追加の照会があったりすると、さらに時間がかかる場合があります。

「なかなか結果が来ない」と不安になるかもしれませんが、これは普通のことです。審査には時間がかかるものだと理解してください。

審査中の照会

審査機関から、追加の書類提出や、診断書の内容についての照会が来る場合があります。これは「不支給になる」という意味ではありません。より正確に判定するための確認です。

照会があった場合は、速やかに対応してください。放置すると審査が遅れます。

結果の通知

審査が終わると、以下のいずれかが郵送されます。

  • 年金証書:認定された場合。等級、年金額、支給開始日が記載されています。
  • 不支給決定通知書:認定されなかった場合。理由が記載されています。

年金証書が届いたら、初回の振込は約1〜2ヶ月後です。年金は偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の15日に、前2ヶ月分がまとめて振り込まれます。

申請をスムーズに進めるために|専門家のサポート

ここまでお読みいただき、「自分にできるだろうか」と不安に思われたかもしれません。

正直に言います。障害年金の申請は、簡単ではありません。必要な書類が多く、記入方法も複雑です。特に、病歴・就労状況等申立書は、何をどう書けばいいのか分からず、多くの方が悩まれます。

さらに、診断書の内容が適切でなければ、本来受給できるはずの方が不支給になってしまうこともあります。

しかし、専門家のサポートがあれば、話は変わります。

社労士に依頼するメリット

  • 書類作成の負担がゼロに:病歴・就労状況等申立書などは、すべて社労士が作成します。あなたは面談で状況を話すだけ。
  • 診断書の内容をチェック:医師が記載した診断書が適切かどうか、専門家の目でチェックします。不十分な場合は、医師に追記や修正を依頼します。
  • 初診日証明の困難ケースも対応:カルテがない、病院が閉院しているなど、困難なケースでも、代替方法を駆使して証明します。
  • 遡及請求を最大化:できる限り過去に遡って請求し、受給額を最大化します。
  • 不支給のリスクを最小化:長年の経験と実績に基づき、認定されやすい申請を行います。
  • 精神的な負担の軽減:「これで大丈夫だろうか」という不安から解放されます。

【当事務所からのメッセージ】
清水総合法務事務所では、障害年金申請を専門に扱う社会保険労務士が、あなたの申請を全力でサポートします。

私たちの使命は、あなたが受け取るべき障害年金を、確実に、最大額で受け取れるようにすることです。

神戸・兵庫県内の方はもちろん、遠方の方もオンライン面談で対応可能です。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

あなたは一人で戦う必要はありません。私たちが、あなたの味方です。

📞 電話:050-7124-5884(平日9:00〜17:00)
📧 メール:mail@srkobe.com
🌐 お問い合わせフォーム:https://nenkin.srkobe.com/contact/

次のセクションでは、申請を成功させるための5つの実務的なポイントを、社労士の視点から解説します。

申請を成功させる5つのポイント|社労士が教える実務のコツ

ここまで、障害年金の基本から申請の流れまで、詳しく解説してきました。しかし、知識があるだけでは不十分です。実際の申請では、細かなポイントの積み重ねが、認定と不支給を分けます。

私は、神戸で障害年金の申請サポートを専門に行う社会保険労務士として、数多くのケースに携わってきました。その中で、「ここを押さえていれば認定された」「ここでつまずいて不支給になった」という事例を、数え切れないほど見てきました。

あなたの人生がかかった申請です。小さなミスが、大きな結果の違いを生みます。しかし同時に、正しいポイントを押さえれば、必ず道は開けます。

このセクションでは、長年の実務経験から導き出した、申請成功のための5つの重要ポイントをお伝えします。これらは、教科書には載っていない、現場でしか分からない、生きた知識です。あなたの成功のために、私の経験のすべてをここに注ぎます。

ポイント1:診断書の内容が最重要|過小評価を防ぐ

何度でも言います。診断書が、すべてを決めます。

どんなに重い障害があっても、診断書に適切に記載されていなければ、審査官には伝わりません。逆に、診断書が正確であれば、あなたの困難が正しく評価されます。

よくある失敗:「良い日」の状態で評価される

診断書を作成する日、あなたは病院に行きます。その日は、たまたま体調が良い日かもしれません。医師は、その日のあなたを見て、「歩けていますね」「食事も自分でできていますね」と評価します。

これが最大の落とし穴です。

障害年金の評価は、「良い日」ではなく、「平均的な日」「悪い日」の状態で行うべきです。たまたま調子が良い日だけを見て、「できる」と評価されてしまうと、実態とかけ離れた診断書になってしまいます。

対策:医師に日常の実態を正確に伝える

診断書作成の前に、以下の準備をしてください。

  • 「できないこと」をメモにまとめる:階段が上れない、ボタンがかけられない、入浴が一人でできない、など具体的に
  • 「どう困っているか」を伝える:「食事はできますが、箸は使えず、スプーンでも30分以上かかり、こぼすことが多いです」
  • 家族に同席してもらう:本人は「できる」と言っても、実際には家族が手伝っている。家族から実態を伝えてもらう
  • 「頑張ればできる」は「できない」:無理をすれば歩けても、転倒の危険がある、疲労が激しい、という場合は「できない」と伝える

医師は、あなたの日常生活を知りません。診察室で見る数分間のあなたしか知らないのです。だからこそ、あなたが、家での実態を、正直に、具体的に伝える必要があります。

ADL評価の18項目を自己チェック

診断書作成前に、H2-3で紹介したADL評価18項目を、自分でチェックしてください。「できる」「援助があればできる」「できない」のどれに該当するか、一つ一つ確認します。

そして、そのチェック結果を医師に見せてください。「私の日常は、こうです」と、証拠を持って伝えるのです。

【社労士の実務経験から】
診断書の内容が不十分で不支給になったケースを、私は何度も見てきました。しかし、診断書を見直し、医師に追記を依頼したところ、再申請で認定されたケースも数多くあります。

診断書は、一度書いてもらったら終わりではありません。内容を確認し、不足があれば追記を依頼することが重要です。遠慮は不要です。あなたの権利を守るための、正当な依頼です。

ポイント2:病歴・就労状況等申立書は具体的に|あなたの人生を語る

病歴・就労状況等申立書は、あなた自身が書く、唯一の書類です。診断書は医師が書きますが、この申立書は、あなたの言葉で、あなたの苦しみを伝える場です。

ここに、あなたの魂を込めてください。

よくある失敗:抽象的な表現

「日常生活が困難です」「仕事ができません」——こうした抽象的な表現では、審査官の心には届きません。

審査官は、あなたに会ったことがありません。書類だけで判断します。だからこそ、具体的なエピソード、具体的な数字、具体的な場面を描く必要があります。

成功する申立書の書き方

❌ 悪い例:
「歩行が困難で、日常生活に支障があります。仕事もできません。」

✅ 良い例:
「右片麻痺のため、杖がなければ歩けません。杖を使っても、10分歩くと右脚が疲れて休憩が必要です。階段は、手すりにつかまっても、一段ずつしか上れず、降りるときは転倒が怖くて手すりと妻の手を両方借りないと降りられません。スーパーへの買い物(自宅から徒歩5分)も、一人では不安で、妻に付き添ってもらっています。

建設現場監督の仕事は、一日中現場を歩き回る必要があり、到底続けられません。会社からは休職扱いですが、復職の見通しは立っていません。傷病手当金があと4ヶ月で切れるため、経済的な不安が大きいです。」

違いが分かりますか?良い例は、読んだ人が「この人の苦しみ」を、まるで映像を見るように理解できます。

具体的に書くためのコツ

  • 数字を使う:「10分歩くと休憩が必要」「食事に30分以上かかる」「一人で入浴したら3回転倒した」
  • 場面を描く:「朝、起きてトイレに行こうとすると、ベッドから立ち上がるのに手すりが必要です」
  • 感情を書く:「ボタンがかけられず、妻に手伝ってもらうたび、情けなくて涙が出ます」
  • 家族の負担を書く:「妻は、私の介護のためにパートの時間を減らしました。申し訳ない気持ちでいっぱいです」
  • 失敗したエピソード:「一人で入浴を試みましたが、浴槽から出られず、妻に助けを求めました」

あなたの人生のストーリーを、審査官に伝えてください。そのストーリーが、審査官の心を動かし、認定につながります。

ポイント3:初診日の証明は早めに|時間との戦い

初診日の証明は、時間との戦いです。

カルテの保存期間は5年。発症から5年が経過すると、カルテが廃棄され、証明が困難になります。1日でも早く、受診状況等証明書を取得してください。

「まだ時間がある」は危険

「まだ発症から2年しか経っていないから大丈夫」——そう思っていると、あっという間に時間は過ぎます。

さらに、病院によっては、カルテの取り出しに時間がかかる、医師のスケジュールが合わない、などの理由で、証明書の発行に数ヶ月かかることもあります。

今すぐ動いてください。初診日の証明は、申請の土台です。土台が崩れれば、すべてが崩れます。

証明が困難な場合の対応

H2-6でも触れましたが、カルテがない場合でも、諦める必要はありません。

  • 救急搬送記録:神戸市消防局に照会
  • 健康保険の給付記録:協会けんぽや健康保険組合に照会
  • 第三者証明:発症時に一緒にいた家族、同僚などの証明
  • お薬手帳:初診日前後の処方記録
  • 診察券、領収書:古い診察券や医療費の領収書

これらを組み合わせれば、証明できる可能性があります。初診日の証明は、社労士の腕の見せ所です。困難なケースでも、諦めずにご相談ください。

ポイント4:複数の後遺症がある場合は併合認定を狙う

脳出血の後遺症は、一つだけとは限りません。片麻痺に加えて、言語障害がある、高次脳機能障害がある、というケースは珍しくありません。

複数の障害がある場合、それぞれを適切に評価してもらうことが重要です。

診断書は障害ごとに取得

例えば、「片麻痺 + 高次脳機能障害」がある場合:

  • 肢体の障害用の診断書:片麻痺の状態を記載
  • 精神の障害用の診断書:高次脳機能障害の状態を記載

両方の診断書を提出することで、総合的に評価してもらえます。

よくある失敗:片方の障害だけを申請

「麻痺があるから、肢体の診断書だけでいいだろう」と思って、高次脳機能障害を申請しないケース。これは非常にもったいないです。

特に、麻痺が軽度でも、高次脳機能障害が重度であれば、精神の診断書で2級に認定される可能性があります。両方を申請することで、認定の可能性が高まります。

注意点:脳血管障害の場合は併合(加重)認定は行わない

障害年金の制度では、通常、複数の障害がある場合は「併合認定」といって、等級が上がることがあります。しかし、脳血管障害による複数の障害の場合は、併合(加重)認定は行わず、諸症状を総合的に判断します。

つまり、「片麻痺で3級 + 高次脳機能障害で3級 = 2級」というような単純な計算にはなりません。しかし、複数の障害を総合的に評価してもらうことで、より正確な等級判定が得られます。

ポイント5:不支給でも諦めない|再挑戦の道はある

もし、不支給になったとしても、それで終わりではありません。

障害年金の審査は、書類だけで行われます。そして、書類の書き方、診断書の内容によって、結果が変わることがあります。つまり、不支給になった理由を分析し、改善すれば、再申請で認定される可能性があります。

不服申立ての方法

不支給決定に納得できない場合、以下の手続きがあります。

  1. 審査請求:不支給決定から3ヶ月以内に、社会保険審査官に請求
  2. 再審査請求:審査請求の決定から2ヶ月以内に、社会保険審査会に請求

これらの期限は厳格です。不支給通知が届いたら、すぐに専門家に相談してください。

事後重症請求での再挑戦

審査請求の期限を過ぎてしまった場合でも、事後重症請求という形で再申請できます。

前回の申請で診断書の内容が不十分だった場合、改めて適切な診断書を取得し、再度申請します。H2-4の事例2(Bさん)がまさにこのケースでした。一度不支給でも、再申請で認定されました。

不支給の理由を分析する

不支給決定通知書には、理由が記載されています。その理由を正確に読み解き、「何が足りなかったのか」を分析することが重要です。

  • 診断書の内容が不十分だったのか
  • 日常生活の困難が伝わっていなかったのか
  • 初診日の証明に問題があったのか
  • 等級に該当しないと判断されたのか

原因が分かれば、対策が立てられます。そして、再挑戦で成功できます。

【絶対に諦めないでください】
私がこれまで関わった中で、一度不支給になったが、再申請で認定されたケースは数多くあります。

不支給は、「あなたが障害年金を受け取る資格がない」という意味ではありません。「今回の申請内容では、基準を満たしていると判断できなかった」というだけです。

正しい方法で、正しい内容で申請すれば、結果は変わります。

不支給通知が届いて、絶望している方。どうか諦めないでください。私たちに相談してください。あなたの権利を、一緒に勝ち取りましょう。諦めなければ、必ず道は開けます。

成功への最短ルート|専門家の力を借りる

ここまで、5つのポイントを解説してきました。しかし、正直に言います。これらのポイントを、すべて完璧に押さえるのは、簡単ではありません。

診断書の内容をチェックする専門知識、申立書を効果的に書くノウハウ、初診日証明の困難ケースへの対応——すべてに、経験と知識が必要です。

だからこそ、専門家の力を借りてください。

当事務所では、これまで数多くの脳出血後遺症の方の申請をサポートしてきました。その経験から、「どう申請すれば認定されるか」を熟知しています。

  • 診断書の内容が適切か、プロの目でチェックします
  • 病歴・就労状況等申立書は、あなたの話を聞いて、私たちが代わりに作成します
  • 初診日の証明が困難なケースでも、あらゆる手段を尽くします
  • 複数の障害を漏れなく申請し、受給額を最大化します
  • 不支給になった場合も、再挑戦をサポートします

あなたの人生がかかった申請を、一人で抱え込まないでください。私たちは、あなたの味方です。一緒に戦いましょう。

次のセクションでは、よくある質問にQ&A形式でお答えします。あなたの疑問も、きっと解消されるはずです。

よくある質問|脳出血後遺症の障害年金Q&A

障害年金について、多くの方が同じような疑問を抱えています。「自分のケースは特殊なのではないか」「こんなこと聞いていいのだろうか」——そう思って、相談をためらっている方もいらっしゃるでしょう。

大丈夫です。あなたの疑問は、決して特殊ではありません。そして、どんな質問でも、遠慮なく聞いていただいて構いません。

このセクションでは、脳出血後遺症の障害年金に関して、特に多く寄せられる質問に、社労士として、そして一人の人間として、真摯にお答えします。あなたの不安が、少しでも解消されることを願って。

Q1: リハビリ中でも申請できますか?

A: はい、リハビリ中でも申請できます。これは非常に重要なポイントです。

「リハビリを続けているから、まだ申請できない」と誤解されている方が多いのですが、それは間違いです。

リハビリの目的が重要

リハビリには、大きく分けて2つの目的があります。

  • 機能回復を目的としたリハビリ:麻痺した手足の機能を回復させることを目指す積極的な訓練
  • 現状維持を目的としたリハビリ:これ以上悪化しないように、現在の機能を維持するための訓練

現状維持を目的としたリハビリであれば、症状固定と認められ、申請できます。

診断書に「週2回リハビリ通院中」と記載されていても、それが現状維持のためであれば問題ありません。主治医に、リハビリの目的を明確にしてもらうことが重要です。

実例:リハビリ継続中でも認定されたケース

H2-4の事例1(Aさん)は、発症から8ヶ月の時点で、週2回のリハビリを継続していましたが、主治医が「機能回復の見込みは少ない。現状維持のためのリハビリ」と診断書に記載したことで、症状固定と認められ、障害厚生年金2級を受給できました。

リハビリを続けているから諦める必要は、全くありません。むしろ、リハビリの内容や目的を主治医と確認することが、申請への第一歩です。

Q2: 働きながらでも障害年金はもらえますか?

A: はい、働きながらでも障害年金は受給できます。これも多くの方が誤解しているポイントです。

障害年金には、就労収入による支給停止の制度はありません。老齢年金のように「一定の収入があると減額される」ということはないのです。

等級判定と就労の関係

重要なのは、「働いているかどうか」ではなく、「障害の程度が等級に該当するかどうか」です。

  • 3級の基準:「労働が著しい制限を受ける」状態。つまり、制限がありながらも働いている状態であれば、3級に該当する可能性があります。
  • 2級の基準:「日常生活が著しい制限を受ける」状態。この場合、多くは就労が困難ですが、在宅での軽作業など、極めて限定的な就労であれば、2級に該当する可能性もあります。

具体例:働きながら受給できるケース

  • フルタイムでは働けないが、週3日のパート勤務なら可能(3級の可能性)
  • 立ち仕事はできないが、座り仕事なら可能(3級の可能性)
  • 通勤が困難だが、在宅勤務なら可能(3級の可能性)
  • 複雑な業務はできないが、単純作業なら可能(3級の可能性)

「働いているから無理」と諦めないでください。制限のある就労であれば、障害年金を受給できる可能性があります。そして、障害年金と就労収入を両方受け取ることができます。

注意:失業給付との併給はできない

ただし、雇用保険の失業給付(基本手当)とは同時に受給できません。失業給付は「働く意思と能力がある」ことが前提のため、障害年金とは併給できないのです。どちらかを選択する必要があります。

Q3: 障害者手帳がないと申請できませんか?

A: いいえ、障害者手帳がなくても申請できます。障害者手帳と障害年金は、全く別の制度です。

制度の違い

項目 障害者手帳 障害年金
根拠法 身体障害者福祉法など 国民年金法、厚生年金保険法
目的 福祉サービスの利用 生活保障(金銭給付)
認定基準 各自治体が判定 日本年金機構が判定
必要性 相互に独立 相互に独立

障害者手帳を持っていなくても、障害年金を受給できます。逆に、障害者手帳を持っていても、障害年金が不支給になることもあります。それぞれ独立した制度です。

両方取得するメリット

ただし、可能であれば、両方取得することをお勧めします。

  • 障害者手帳のメリット:税の控除、公共交通機関の割引、駐車禁止除外標章、各種福祉サービスの利用
  • 障害年金のメリット:毎月の金銭給付

両方を取得することで、経済的支援と福祉サービスの両方を受けられます。

Q4: 一度不支給になったら再申請できませんか?

A: いいえ、再申請は可能です。諦めないでください。

これは、私が最も強く伝えたいことの一つです。不支給は、終わりではありません。新たな始まりです。

再申請の方法

不支給になった場合、以下の選択肢があります。

  1. 審査請求:不支給決定から3ヶ月以内に、社会保険審査官に不服を申し立てる
  2. 再審査請求:審査請求の決定から2ヶ月以内に、社会保険審査会に申し立てる
  3. 事後重症請求での再申請:期限を過ぎても、改めて申請できる

不支給から認定された実例

H2-4の事例2(Bさん)は、まさにこのケースでした。高次脳機能障害で一度不支給になりましたが、適切な診断書(神経心理学的検査の結果を含む)を取得し、事後重症請求で再申請したところ、障害基礎年金2級に認定されました。

不支給の理由を分析し、改善すれば、結果は変わります。

不支給になった方へのメッセージ

不支給通知を受け取ったとき、絶望的な気持ちになったと思います。「やっぱり自分は認められないんだ」「努力が無駄だった」——そう思ったかもしれません。

しかし、それは違います。不支給は、「あなたが障害年金を受け取る資格がない」という意味ではありません。「今回の申請書類では、基準を満たしていると判断できなかった」というだけです。

書類を改善すれば、結果は変わります。諦めないでください。私たちが全力でサポートします。

Q5: 初診日が証明できない場合はどうすればいいですか?

A: 代替の証明方法があります。諦める前に、専門家に相談してください。

初診日の証明は、障害年金申請の最大の難関の一つです。しかし、カルテがなくても証明できる方法はあります。

代替証明の方法

  • 救急搬送記録:消防局に照会
  • 健康保険の給付記録:協会けんぽや健康保険組合に、受診歴の記録が残っている場合がある
  • 第三者証明:発症時に一緒にいた家族、同僚、友人などによる証明
  • 転院時の紹介状:リハビリ病院への転院時の紹介状に、初診日が記載されている場合がある
  • お薬手帳:初診日前後の処方記録
  • 診察券、領収書:古い診察券や医療費の領収書
  • 「受診状況等証明書が添付できない申立書」:年金事務所の様式を使用して、取得できない理由を説明

実例:初診日証明が困難でも認定されたケース

H2-4の事例3(Cさん)は、発症から2年経過後に申請し、初診の病院のカルテがすぐに出せない状況でした。しかし、救急搬送記録、転院先の病院の証明、友人による第三者証明を組み合わせることで、初診日を証明し、遡及請求に成功しました。

初診日の証明は、社労士の専門技術が最も発揮される場面です。困難なケースでも、諦めずにご相談ください。必ず解決策を見つけます。

Q6: 家族が代わりに申請できますか?

A: はい、家族が代理で申請することは可能です。

脳出血の後遺症で、本人が書類を書けない、外出が困難、高次脳機能障害で判断力が低下している——そういった状況は珍しくありません。

代理申請の方法

  1. 委任状を作成:本人が署名できる場合は、家族への委任状を作成
  2. 成年後見制度の利用:本人の判断能力が著しく低下している場合は、成年後見人を立てることを検討
  3. 代筆:本人の意思を確認しながら、家族が代わりに書類を記入することも可能(ただし、本人の署名欄は本人が署名する必要がある)

家族ができること

  • 病院に行って、受診状況等証明書を取得する
  • 診断書の作成を医師に依頼する
  • 年金事務所で相談する
  • 必要書類(住民票、戸籍謄本など)を取得する
  • 病歴・就労状況等申立書を、本人の話を聞きながら作成する

家族の方へのメッセージ

突然のご家族の発症で、介護と手続きの両方を抱え、疲れ果てていることと思います。一人で抱え込まないでください。

当事務所では、ご家族からのご相談も多く受けています。「本人が動けないので、私が代わりに相談したい」——そういったご相談、大歓迎です。ご家族の負担を、少しでも軽くするお手伝いをさせてください。

Q7: 症状が悪化した場合はどうすればいいですか?

A: 「額改定請求」という制度があります。等級を上げることができます。

障害年金を受給中に、症状が悪化した場合、等級の見直しを請求できます。これを「額改定請求」といいます。

額改定請求の条件

  • 前回の裁定(または前回の額改定請求)から1年以上経過していること
  • 症状が悪化し、上位の等級に該当する状態になっていること

具体例

  • 障害厚生年金3級で受給中→症状悪化で2級に該当する状態になった→額改定請求で2級に変更
  • 障害厚生年金2級で受給中→症状悪化で1級に該当する状態になった→額改定請求で1級に変更

等級が上がれば、受給額も増えます。症状が悪化して経済的にも苦しくなった時に、この制度が支えになります。

注意点

逆に、症状が改善した場合は、更新時に等級が下がる、または支給停止になる可能性もあります。しかし、それは「良くなった」ということであり、喜ぶべきことです。

Q8: 受給後も診断書の提出が必要ですか?

A: はい、多くの場合、定期的に診断書の提出(更新)が必要です。

障害年金には、「有期認定」と「永久認定」の2種類があります。

有期認定

症状の改善が見込まれる場合、1〜5年ごとに診断書を提出し、障害の状態が続いているか確認されます。これを「更新」といいます。

更新の時期になると、日本年金機構から「障害状態確認届(診断書)」が送られてきます。この診断書を主治医に作成してもらい、提出します。

永久認定

症状の改善が見込めない場合、更新なしで一生受給できます。ただし、永久認定は限られたケースです。

更新の不安

「更新で支給停止になったらどうしよう」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。

症状が変わっていなければ、等級も変わりません。更新時の診断書も、初回と同様に、日常生活の実態を正確に記載してもらうことが重要です。

もし更新時に等級が下がる、または支給停止になった場合で、納得できなければ、不服申立てができます。

Q9: 脳出血の原因となった高血圧は初診日になりますか?

A: いいえ、高血圧と脳出血の間に因果関係は認められません。初診日は脳出血で搬送された日です。

これは非常に重要なポイントで、多くの方が誤解しています。

因果関係の考え方

障害年金の制度では、高血圧は脳出血の「危険因子」ではあるが、「直接の原因」とは認められていません。そのため、高血圧で通院していた日が初診日になることはありません。

初診日は、脳出血で救急搬送された日です。

なぜこれが重要か

もし高血圧の初診日が採用されると、以下の問題が生じる可能性があります。

  • 高血圧で通院していた時期が20歳前だった場合、20歳前傷病として扱われ、所得制限がかかる
  • 高血圧の初診日時点で保険料を納めていなかった場合、保険料納付要件を満たせない

脳出血の初診日が採用されることで、あなたにとって有利になることが多いのです。

例外:一過性脳虚血発作(TIA)

ただし、一過性脳虚血発作(TIA)から脳出血に至った場合は、TIAの初診日が初診日となる可能性があります。これは医学的に脳血管疾患の連続性が認められるためです。

こうした複雑なケースは、専門家の判断が必要です。

Q10: 神戸・兵庫県内ではどこに相談すればいいですか?

A: 年金事務所、または障害年金専門の社会保険労務士に相談できます。

年金事務所での相談

神戸市内には以下の年金事務所があります。

  • 三宮金事務所(東灘区、灘区、中央区):078-332-5793
  • 須磨年金事務所(長田区、須磨区、垂水区、西区):078-731-4797
  • 兵庫年金事務所(兵庫区、北区):078-577-0294

年金事務所では、制度の説明や書類の確認をしてもらえます。ただし、診断書の内容のチェックや、申立書の作成サポートまでは行っていません。

障害年金専門の社会保険労務士への相談

より専門的なサポートを受けたい場合は、障害年金を専門に扱う社会保険労務士に相談することをお勧めします。

当事務所(清水総合法務事務所)の強み:

  • 神戸・兵庫県の地域密着:神戸市須磨区に事務所があり、地域の医療機関や年金事務所の状況を熟知
  • 障害年金専門:障害年金申請を専門に扱い、豊富な実績
  • 初回相談無料:まずは気軽に相談できる
  • オンライン対応可能:神戸・兵庫県外の方も、ZoomやLINE通話で相談可能
  • 完全成功報酬:受給できなければ費用は発生しない(着手金不要)

相談の流れ

  1. 初回相談(無料):お電話、メール、またはお問い合わせフォームでご連絡ください
  2. 状況のヒアリング:発症時期、後遺症の状態、初診日、保険料納付状況などを確認
  3. 受給可能性の判断:専門家の目で、受給の可能性を判断
  4. サポート内容と費用の説明:必要に応じて、申請代行のサポート内容と費用をご説明
  5. ご依頼:納得いただければ、正式にご依頼

こんな方はぜひご相談ください

  • 「自分が対象になるか分からない」という方
  • 「申請したいが、何から始めればいいか分からない」という方
  • 「一度不支給になったが、諦めきれない」という方
  • 「初診日の証明が困難」という方
  • 「高次脳機能障害で、どう申請すればいいか分からない」という方
  • 「家族の代わりに相談したい」という方

【当事務所からのメッセージ】
清水総合法務事務所は、神戸で「諦めない障害年金」をコンセプトに、障害年金申請を専門に扱う社会保険労務士事務所です。

私たちの使命は、あなたが受け取るべき障害年金を、確実に、最大額で受け取れるようにすることです。

脳出血の後遺症で苦しんでいる方、経済的な不安を抱えている方、申請に悩んでいる方——どうか一人で抱え込まないでください。

まずは無料相談から。あなたのお話を聞かせてください。
一緒に、あなたの未来を守りましょう。

📞 電話:050-7124-5884(平日9:00〜17:00)
📧 メール:mail@srkobe.com
🌐 お問い合わせフォーム:https://nenkin.srkobe.com/contact/
🏢 住所:〒654-0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台6-8-3

あなたの勇気ある一歩を、私たちは全力で支えます。

まとめ|あなたには、障害年金を受け取る権利がある

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。長い記事でしたが、最後までお付き合いいただいたということは、あなたが「諦めたくない」という強い気持ちを持っている証拠です。

その気持ちを、絶対に手放さないでください。

脳出血という突然の出来事で、あなたの人生は大きく変わりました。以前のように歩けない、仕事ができない、家族に負担をかけている——そんな現実に、どれほど苦しんできたことでしょう。

しかし、あなたは一人ではありません。そして、あなたには、障害年金を受け取る正当な権利があります。

保険料を納めてきたからこそ、困ったときに助けてもらえる——それが年金制度の本質です。遠慮する必要は一切ありません。堂々と、あなたの権利を主張してください。

この記事の重要ポイント【5つ】

この記事で解説した内容を、5つのポイントにまとめます。

  1. 脳出血後遺症は障害年金の対象|片麻痺、言語障害、高次脳機能障害、すべてが対象です
    「歩けるから無理」「軽度だから無理」——そんなことはありません。日常生活に制限があれば、受給できる可能性があります。杖で歩けても、階段が上れない、ボタンがかけられない、それは立派な障害です。
  2. 等級判定はADL(日常生活動作)で評価される|具体的な困難を正確に伝えることが重要
    診断書のADL評価18項目が、認定の鍵を握ります。「良い日」ではなく「平均的な日」の状態を、医師に正確に伝えてください。そして、病歴・就労状況等申立書で、あなたの苦しみを具体的に、魂を込めて書いてください。
  3. 脳血管障害には症状固定の特例がある|初診日から6ヶ月で申請できる可能性
    通常は1年6ヶ月待つ必要がありますが、症状固定が認められれば、6ヶ月で申請できます。リハビリ継続中でも、現状維持のためであれば問題ありません。早期に経済的支援を受けられる可能性があります。
  4. 遡及請求で過去分も受け取れる|数十万円、時には数百万円の過去分
    障害認定日まで遡って請求すれば、最大5年分の過去分を一括で受け取れます。「もっと早く知っていれば」と後悔する前に、今すぐ行動してください。1日の遅れが、受け取れる金額の減少につながります。
  5. 不支給でも諦めない|再申請で認定される可能性は十分にある
    一度不支給になっても、それは終わりではありません。診断書の内容を改善し、申立書を見直し、再挑戦すれば、結果は変わります。H2-4の事例2(Bさん)がその証明です。諦めなければ、道は開けます。

「諦めない障害年金」|私たちの誓い

清水総合法務事務所は、「諦めない障害年金」をコンセプトに掲げています。

この言葉には、2つの意味が込められています。

一つは、「あなたに諦めてほしくない」という願い。
もう一つは、「私たちも絶対に諦めない」という誓いです。

障害年金の申請は、確かに複雑です。診断書、申立書、初診日の証明——一つ一つが高いハードルに感じるかもしれません。

しかし、あなたには、それを乗り越える力があります。そして、もし一人では難しいと感じたら、私たちが一緒に乗り越えます。

これまで、数多くの脳出血後遺症の方の申請をサポートしてきました。杖をついてご来所された方、車椅子でいらした方、言葉が不自由な方、ご家族に付き添われて来られた方——お一人お一人の状況は異なりますが、共通しているのは、「諦めたくない」という強い気持ちでした。

そして、その気持ちに応えるために、私たちは全力を尽くしてきました。

診断書の内容を細かくチェックし、不足があれば医師に追記を依頼する。申立書は、何度も何度も書き直し、あなたの苦しみが伝わる最高の文章を作り上げる。初診日の証明が困難なケースでは、あらゆる手段を駆使して証拠を集める。

それが、私たちの仕事です。それが、私たちの使命です。

あなたの未来のために、今すぐ行動を

この記事を読んで、「自分にも可能性がある」と感じていただけたでしょうか。

もしそうなら、今すぐ行動してください。

「もう少し調べてから」「もう少し考えてから」——そう思う気持ちは分かります。しかし、時間は待ってくれません。カルテの保存期間は5年です。傷病手当金の期限は迫っています。今この瞬間が、最も重要な時です。

あなたがすべきことは、たった一つ。私たちに連絡することです。

電話でも、メールでも、お問い合わせフォームでも構いません。「障害年金について相談したい」——その一言で十分です。

初回相談は無料です。あなたの状況を聞かせてください。そして、私たちが「受給の可能性」を判断します。可能性があれば、具体的な進め方をご提案します。もし難しいと判断した場合でも、正直にお伝えします。

相談したからといって、必ず依頼しなければならないわけではありません。まずは話を聞いて、納得してから決めてください。

3つの相談方法|あなたに合った方法を選んでください

【1】電話で相談

📞 050-7124-5884
受付時間:平日 9:00〜17:00
「ホームページを見て、障害年金について相談したいのですが」とお伝えください。

【2】メールで相談

📧 mail@srkobe.com
24時間受付。以下の内容をお書きください。
・お名前
・ご連絡先(電話番号またはメールアドレス)
・発症時期と後遺症の内容
・ご相談内容

【3】お問い合わせフォームから相談

🌐 https://nenkin.srkobe.com/contact/
フォームに必要事項を入力して送信してください。24時間以内にご返信します。

神戸・兵庫県内の方はもちろん、遠方の方もオンライン面談(Zoom、LINE通話など)で対応可能です。ご来所が難しい方も、お気軽にご相談ください。

最後に|あなたへの心からのメッセージ

脳出血という病気は、あなたから多くのものを奪いました。健康、仕事、自由、そして自信——失ったものは計り知れません。

しかし、あなたの尊厳は、何も失われていません。
あなたの価値は、何も減っていません。
あなたの未来は、まだこれから作られます。

障害年金は、ただのお金ではありません。それは、あなたとご家族の生活を守る盾です。それは、あなたが前を向いて生きるための支えです。それは、社会があなたに「大丈夫、守りますよ」と伝えるメッセージです。

だから、遠慮しないでください。
だから、諦めないでください。
だから、今すぐ行動してください。

あなたの勇気ある一歩を、私たちは心から応援しています。
そして、その一歩を、全力で支えます。

一緒に、あなたの未来を守りましょう。
一緒に、あなたの権利を勝ち取りましょう。
一緒に、新しい人生を歩き出しましょう。

あなたからのご連絡を、心よりお待ちしています。


清水総合法務事務所

代表者:社会保険労務士 清水 良訓

📞 電話:050-7124-5884(平日9:00〜17:00)
📧 メール:mail@srkobe.com
🌐 ホームページ:https://nenkin.srkobe.com/
📝 お問い合わせフォーム:https://nenkin.srkobe.com/contact/
🏢 住所:〒654-0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台6-8-3

「諦めない障害年金」——それが私たちの誓いです

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