「周囲に理解されない」アスペルガー症候群でも障害年金2級を諦めない|認定基準と成功事例

「周囲に理解されない」アスペルガー症候群でも障害年金2級を諦めない|認定基準と成功事例

「見た目では分からない」辛さを抱えていませんか?

「話の空気が読めないと言われる」「仕事の指示が曖昧だと混乱してしまう」「人と目を合わせるのが苦痛で仕方ない」——。

アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症/ASD)を抱える方の多くが、こうした日常生活の困難を経験されています。周囲からは「見た目は普通なのに」と言われ、理解されない孤独感に苦しんでいる方も少なくありません。

成人してから診断を受けた方の中には、「大学までは何とか乗り越えられたのに、就職してから人間関係がうまくいかず、自分が周りと違うことに気づいた」という声もよく聞かれます。

こうした「見えにくい障害」による生活の困難は、障害年金の対象になります。アスペルガー症候群でも、日常生活や就労に支障がある場合、障害年金2級として年間約83万円の受給が可能です。

✓ こんな困難を感じていませんか?

☐ 人との会話で、相手の表情から気持ちを読み取るのが難しい

☐ 予定外の変更があると、強い不安やパニックを感じる

☐ 職場で同時に複数の指示を受けると、何から手をつけていいか分からなくなる

☐ 感覚過敏があり、音や光、においに敏感で疲れやすい

☐ 周囲から「空気を読んで」と言われるが、何をすればいいか分からない

☐ 一人でいると安心できるが、社会から孤立している不安も感じる

1つでも当てはまる方は、障害年金の受給対象となる可能性があります。この記事では、アスペルガー症候群での障害年金2級認定について、神戸の社会保険労務士が詳しく解説します。

本記事では、アスペルガー症候群で障害年金2級を受給するための認定基準、申請のポイント、そして実際に受給された方の詳細な事例をご紹介します。「諦めない障害年金」の視点で、あなたの申請をサポートいたします。

目次

アスペルガー症候群は障害年金の対象です

アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)とは

アスペルガー症候群は、発達障害の一種です。2013年以降、医学的には「自閉スペクトラム症(ASD)」という診断名に統合されていますが、以前の診断名である「アスペルガー症候群」も広く使われています。

障害認定基準では、発達障害を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義しています。

アスペルガー症候群の主な特徴は以下の通りです:

  • 社会的コミュニケーションの困難 – 暗黙のルールや相手の気持ちを読み取ることが苦手
  • 限定的な興味や反復的な行動 – 特定の物事へのこだわりが強い
  • 感覚過敏 – 音、光、触覚などに敏感で疲れやすい
  • 予測できない変化への不安 – 予定外の出来事に強いストレスを感じる

「知能は高いのに生活が困難」という矛盾

アスペルガー症候群の特徴の一つは、知的能力には問題がないケースが多いことです。大学を卒業し、専門的な知識を持つ方も少なくありません。

しかし、障害認定基準では、「たとえ知能指数が高くても、社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う」と明記されています。

つまり、IQ(知能指数)の高さではなく、実際の日常生活や社会生活での困難の程度が評価されるのです。

アスペルガー症候群と障害年金の基本

項目 内容
対象となる方 アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症/ASD)と診断され、日常生活や就労に支障がある方
年金の種類 初診日に国民年金加入→障害基礎年金 / 初診日に厚生年金加入→障害厚生年金
障害等級 1級・2級(障害基礎年金) / 1級・2級・3級(障害厚生年金)
2級の年金額
(令和7年度)
障害基礎年金: 年間約83万円(月額約6.9万円)
障害厚生年金: 基礎年金+報酬比例部分+配偶者加給
重要ポイント 知能指数(IQ)ではなく、日常生活能力の制限度で判定されます

成人後の診断でも申請可能です

アスペルガー症候群は、医学的には生まれつきの脳機能障害とされていますが、幼少期に診断されず、成人後に初めて診断を受けるケースも多くあります。

大学卒業後に就職し、職場での人間関係やマルチタスクの困難から退職。その後、精神科を受診して初めてアスペルガー症候群と診断される——このようなケースは珍しくありません。

障害年金の初診日は、「発達障害で初めて医療機関を受診した日」となります。20歳以降に初めて受診した場合は、その日が初診日として扱われます。

💡 ポイント

初診日が20歳以降の場合、初診日から1年6ヶ月経過した「障害認定日」以降に申請できます。ただし、初診日に年金保険料の納付要件を満たしている必要があります。一方、20歳前に初診日がある場合は、納付要件は問われません。

アスペルガー症候群の障害年金2級 認定基準

等級判定の基本的な考え方

アスペルガー症候群を含む発達障害の障害年金認定では、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が用いられます。これは、2016年(平成28年)9月から運用されている基準で、全国で公平な審査が行われるよう策定されました。

等級の目安は以下の通りです:

  • 1級: 常に誰かの援助がなければ日常生活がおくれない状態
  • 2級: 日常生活に著しい制限があり、援助が必要な状態
  • 3級: 労働に著しい制限がある状態(障害厚生年金のみ)

障害年金の等級別 認定基準

等級 障害の状態(発達障害の場合)
1級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
3級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
(※障害厚生年金のみ。障害基礎年金には3級はありません)

日常生活能力の判定が重要です

障害年金の診断書では、「日常生活能力の判定」という項目があります。これは、一人暮らしを想定して、以下の7つの場面での制限度合いを評価するものです:

  1. 適切な食事摂取
  2. 身辺の清潔保持
  3. 金銭管理と買い物
  4. 通院と服薬
  5. 他人との意思疎通及び対人関係
  6. 身辺の安全保持及び危機対応
  7. 社会性(社会的手続きや公共施設の利用)

各項目は、以下の4段階で評価されます:

  • (1) できる
  • (2) 自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
  • (3) 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
  • (4) 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

日常生活能力の判定 – 具体的なチェックポイント

【5. 他人との意思疎通及び対人関係】の例

  • 相手の表情や声のトーンから感情を読み取れない
  • 曖昧な指示(「適当に」「よろしく」など)が理解できない
  • 会話のキャッチボールが続かず、一方的に話してしまう
  • 冗談や皮肉を文字通りに受け取ってしまう
  • 職場で同僚と雑談することが苦痛で避けてしまう

【3. 金銭管理と買い物】の例

  • 興味のあるものに衝動的にお金を使ってしまう
  • 家計簿をつけることができない、または続かない
  • 買い物で商品を比較検討することが苦手
  • 計画的な貯金や支出管理ができない

【6. 身辺の安全保持及び危機対応】の例

  • 予期しない出来事(電車遅延、予定変更など)でパニックになる
  • トラブルが起きた時、誰に相談していいか分からず混乱する
  • 危険を予測することが難しく、リスクある行動をとってしまう

これらの困難が複数の項目で「(3)助言があればできる」「(4)助言があってもできない」に該当する場合、障害年金2級の可能性が高くなります。

「就労している=受給できない」ではありません

「仕事をしているから障害年金はもらえない」と諦めている方がいますが、これは誤解です。

等級判定ガイドラインでは、以下のように明記されています:

「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断する」

つまり、以下のような場合は、就労中でも障害年金2級の可能性があります:

  • 障害者雇用制度による就労
  • 就労継続支援A型・B型などの福祉的就労
  • 一般企業でも、単純・反復的な業務に限定されている
  • 職場で常時の管理・指導を受けている
  • 他の従業員との意思疎通が困難で、配慮を受けている
  • 就労の影響で、就労以外の場面での日常生活能力が著しく低下している

⚠️ ご注意ください

フルタイムで一般企業に勤務し、周囲の配慮なく健常者と同様に働けている場合は、障害年金2級の認定は難しくなります。しかし、「配慮を受けながら働いている」「就労後は疲弊して何もできない」といった状況であれば、診断書や申立書にその旨を詳しく記載することが重要です。

アスペルガー症候群で障害年金を申請する流れ

申請の5つのステップ

障害年金の申請は、複雑な手続きが必要です。以下の流れで進めます。

1

初診日の確認

アスペルガー症候群(発達障害)で初めて医療機関を受診した日を特定します。診察券、お薬手帳、健康保険の受診歴などで確認できます。初診日によって受給できる年金の種類が変わるため、最も重要なステップです。

2

受診状況等証明書の取得

初診の医療機関で「受診状況等証明書」を取得します。初診の病院が廃院・カルテ廃棄の場合は、代替資料(診察券、紹介状のコピーなど)で初診日を証明します。

3

診断書の取得

主治医に「精神の障害用」の診断書を作成してもらいます。日常生活の困難を具体的に伝えることが重要です。診断書の内容が審査結果を大きく左右します。

4

病歴・就労状況等申立書の作成

発症(気づいた時期)から現在までの経過、日常生活の困難、就労状況などを詳しく記載します。発達障害の場合、幼少期からの状況も重要になります。

5

申請書類の提出

年金事務所または市区町村の窓口に、診断書、申立書、戸籍謄本、住民票、年金手帳、通帳のコピーなどの必要書類を提出します。審査には通常3〜4ヶ月かかります。

初診日証明の難しさと対策

アスペルガー症候群の場合、成人後に初めて診断されるケースが多いため、初診日の証明が課題になることがあります。

初診の医療機関が以下のような状況の場合、初診日証明に工夫が必要です:

  • 病院が廃院している
  • カルテの保存期間(5年)を過ぎて廃棄されている
  • 初診時は「適応障害」「うつ状態」などの診断で、発達障害の診断は後日だった

このような場合でも、以下の資料で初診日を証明できる可能性があります:

  • 初診時の診察券(日付の記載があるもの)
  • お薬手帳(最初の処方記録)
  • 健康保険の受診歴(協会けんぽや健保組合に照会)
  • 2番目に受診した病院の紹介状や診療情報提供書
  • 勤務先の産業医面談記録、休職証明書
  • 家族や第三者の証明(第三者証明)

💡 ポイント

初診日の証明が困難な場合、社会保険労務士に相談することで、代替資料の収集や第三者証明の作成など、適切な対策を講じることができます。初診日が確定しないと申請そのものができないため、早めの相談が重要です。

診断書作成で押さえるべきポイント

診断書が審査結果の8割を決める

障害年金は書類審査です。審査官と面談することはなく、提出した書類だけで判定されます。

その中でも、医師が作成する診断書の内容が、審査結果の約8割を占めると言われています。診断書に日常生活の困難が具体的に記載されていないと、実際には重い症状があっても不支給になる可能性があります。

医師への効果的な伝え方

多くの医師は、障害年金の診断書作成に慣れていません。特に、発達障害の場合、外来での短い診察時間では日常生活の詳細を十分に把握できないことがあります。

そのため、患者側から具体的な情報を提供することが極めて重要です。

医師に渡す「日常生活の困難メモ」の例

【対人関係・コミュニケーションの困難】

  • 職場で同僚が何気なく話しかけてきても、何と返せばいいか分からず黙ってしまう
  • 上司から「適当にやっておいて」と言われると、何をどこまですればいいか分からずパニックになる
  • 会議で発言を求められると、頭が真っ白になり何も言えなくなる
  • 相手の表情から怒っているのか、冗談なのか判断できず、誤解されることが多い

【予定変更への対応困難】

  • 前日に決めた予定が変更になると、強い不安で動けなくなる
  • 電車が遅延したとき、別のルートを考えることができず、駅で立ち尽くしてしまう
  • 急な来客や電話があると、パニックになり適切に対応できない

【感覚過敏による疲労】

  • 職場の蛍光灯の光や、エアコンの音が気になって集中できない
  • 人混みの中にいると、様々な音や匂いで具合が悪くなる
  • 週末は疲労で一日中寝ており、家事や外出ができない

【就労での配慮事項】

  • 障害者雇用で採用され、単純作業に限定されている
  • 上司から一つずつ具体的に指示をもらわないと作業できない
  • 週3日、1日4時間の勤務だが、帰宅後は疲れ果てて何もできない
  • 同僚との雑談や飲み会は全て断っており、職場で孤立している

このようなメモを箇条書きにして、診断書を依頼する際に医師に渡すことで、診断書の記載内容が大幅に改善されます。具体的なエピソードがあるほど、医師も記載しやすくなります。

診断書の重要項目

診断書で特に重要な項目は以下です:

  1. 日常生活能力の判定(7項目の評価) – 前述の通り、等級判定の目安となります
  2. 日常生活能力の程度(5段階評価) – (5)が最も重い状態です
  3. 現在の病状または状態像 – 発達障害関連症状にチェックが入っているか
  4. 日常生活状況 – 具体的な困難が詳しく記載されているか
  5. 就労状況 – 職場での配慮、援助の内容が記載されているか

診断書を受け取ったら、内容を確認しましょう。実態と大きく異なる記載がある場合、医師に修正を依頼することも可能です。

アスペルガー症候群 障害年金2級 受給事例

ここでは、実際にアスペルガー症候群で障害年金2級を受給された3つの事例をご紹介します。それぞれ異なる状況の方が、どのように申請を進め、受給に至ったかを詳しく解説します。

3つの受給事例 – 比較表

項目 事例1
Aさん(30代女性)
事例2
Bさん(40代男性)
事例3
Cさん(20代女性)
診断時期 28歳(就職後) 42歳(転職失敗後) 25歳(大学卒業後)
主な困難 職場での対人関係、マルチタスク困難 初診日証明の困難、複数回の転職 一度不支給→再申請
申請の壁 診断書の内容が不十分 初診の病院が廃院 自己申請で不支給
成功のポイント 医師への詳細な情報提供 診察券と第三者証明で初診日確定 専門家サポートで診断書改善
認定結果 障害基礎年金2級
年約83万円
障害厚生年金2級
年約120万円
障害基礎年金2級
年約83万円(再申請成功)

事例1: 職場の人間関係で限界を感じ、診断を受けたAさん(30代女性)

【基本情報】

Aさんは30代女性。大学卒業後、事務職として一般企業に就職しました。学生時代は少人数のゼミ活動が中心で、何とか卒業できましたが、職場では常に人に囲まれ、電話応対や来客対応、同僚との雑談など、苦手なことばかりでした。

【発症〜受診】

入社3年目、28歳の時、上司から「もっと周りを見て動いて」「報告・連絡・相談ができていない」と繰り返し注意されるようになりました。自分なりに努力しているつもりでしたが、何をどう改善すればいいのか分からず、徐々に出勤が辛くなっていきました。

ある日、会社で過呼吸を起こして早退。心配した同僚に勧められ、心療内科を受診したところ、「適応障害」と診断されました。しかし、薬を飲んでも改善せず、医師から専門医を紹介され、そこで初めて「アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)」と診断されました。「ずっと自分がおかしいと思っていたけれど、やっと理由が分かった」と、診断を受けて少しホッとしたそうです。

【日常の困難】

  • 電話が鳴ると緊張で手が震え、相手の要件をメモできない。終話後も内容を忘れてしまう
  • 同僚の何気ない雑談に入れず、「Aさんはいつも一人だね」と言われる
  • 上司の「これ、急ぎじゃないけど頼む」という言葉を文字通り受け取り、後回しにしたところ、「なんでまだやってないの?」と怒られた
  • 職場のランチは毎日断り、一人でコンビニのパンを食べる。帰宅後は疲れ果てて何もできず、休日は一日中寝ている

【申請の壁】

診断から1年半が経過し、障害年金の申請を決意。しかし、最初に医師に依頼した診断書は、「日常生活能力の判定」の多くが「(2)自発的にできるが時には助言が必要」となっており、実際の困難が反映されていませんでした。Aさんは診察で「仕事は何とか続けている」と伝えており、医師は「それなら大丈夫」と判断したようでした。

【転機】

社会保険労務士に相談し、日常生活の困難を具体的に書き出すことを勧められました。2週間、毎日「できなかったこと」「困ったこと」を日記形式で記録。それを基に、医師に再度説明したところ、医師も「そんなに大変だったんですね」と驚かれ、診断書の内容を見直してくれました。

【具体的対策】

  • 日常生活の困難を項目別(対人関係・金銭管理・危機対応など)に整理したメモを作成
  • 医師に「一人暮らしを想定すると、これらができません」と具体的に伝えた
  • 病歴・就労状況等申立書に、幼少期からの「周囲と違う」と感じたエピソードを詳細に記載
  • 職場の上司に、配慮を受けている内容を文書で証明してもらった

【結果】

障害基礎年金2級に認定され、年間約83万円の受給が決定しました。Aさんは「諦めずに申請して本当に良かった。経済的な不安が少し軽くなり、無理せず働けるようになりました」と話しています。

事例2: 初診日証明に苦労したBさん(40代男性)

【基本情報】

Bさんは40代男性。学生時代から「変わり者」と言われることが多く、友人も少なかったそうです。大学卒業後、IT企業に就職しましたが、チームでのコミュニケーションが苦手で、何度も転職を繰り返しました。

【発症〜受診】

30代半ば、5回目の転職活動中に、ハローワークの職員から「発達障害の検査を受けてみては?」と勧められ、精神科を受診。そこで初めてアスペルガー症候群と診断されました。その後、生活が困窮し、家族に勧められて障害年金の申請を検討しました。

【日常の困難】

  • 会議で「皆さんの意見は?」と聞かれると、誰に答えればいいか分からず固まってしまう
  • 「だいたいこんな感じで」という指示では何をすればいいか分からず、何度も聞き返して「しつこい」と言われる
  • 突発的な仕事の依頼があると、予定していた作業が手につかなくなり、パニックになる
  • 金銭管理が苦手で、興味のあるものに衝動買いしてしまい、生活費が不足することがある

【申請の壁】

最大の壁は、初診日の証明でした。30代半ばで初めて受診した精神科は、既に廃院しており、カルテも残っていませんでした。初診日が証明できないと、そもそも申請ができません。Bさんは途方に暮れました。

【転機】

社会保険労務士に相談したところ、「診察券は残っていませんか?」と聞かれ、自宅を探したところ、初診時の診察券が見つかりました。また、2番目に受診した病院に紹介状のコピーが残っており、それに初診日の記載がありました。さらに、当時の職場の同僚に連絡し、「Bさんが精神科を受診し始めた時期」を証明する第三者証明を書いてもらいました。

【具体的対策】

  • 初診時の診察券(日付入り)を発見し、写真に撮って保管
  • 2番目の病院から紹介状のコピーを取得(初診日の記載あり)
  • 当時の同僚から第三者証明を取得(受診時期を証明)
  • 健康保険組合に照会し、受診歴を確認
  • これらを組み合わせ、初診日を令和○年○月○日と特定

幸い、Bさんの初診日は厚生年金加入中だったため、障害厚生年金の対象となりました。

【結果】

障害厚生年金2級に認定され、年間約120万円(報酬比例部分含む)の受給が決定しました。Bさんは「初診日の証明は本当に大変でしたが、専門家のアドバイスで諦めずに資料を集められました。今は障害者雇用で週4日、短時間勤務をしながら、無理のない生活を送っています」と話しています。

事例3: 一度不支給になったが、再申請で認定されたCさん(20代女性)

【基本情報】

Cさんは20代女性。大学在学中から「周囲と合わない」と感じており、就職活動もうまくいかず、卒業後はアルバイトをしていました。25歳の時、心療内科を受診し、アスペルガー症候群と診断されました。

【発症〜受診】

学生時代、グループワークが苦痛で仕方ありませんでした。「みんなで意見を出し合って」と言われても、何を言えばいいか分からず、いつも黙っていました。就職活動では面接で緊張しすぎて言葉が出ず、何十社受けても全て不採用。「自分は社会に出られない」と絶望し、精神科を受診したところ、アスペルガー症候群と診断されました。

【日常の困難】

  • 人と目を合わせることができず、会話がすぐに途切れてしまう
  • アルバイト先で「レジが混んできたら応援に入って」と言われても、「混んできた」の基準が分からず動けない
  • 予定が変わると強い不安で動けなくなり、その日は一日中部屋にこもってしまう
  • 家族との会話も最低限で、「何を考えているか分からない」と言われる

【申請の壁】

診断から1年半後、Cさんは自分で障害年金の申請をしました。しかし、結果は不支給。理由は「日常生活能力の程度が2級に該当しない」というものでした。診断書を見返すと、「日常生活能力の判定」の多くが「(1)できる」「(2)時には助言が必要」となっており、実際の困難が反映されていませんでした。

Cさんは「やっぱり私はダメなんだ」と諦めかけましたが、家族に「専門家に相談してみたら?」と勧められ、社会保険労務士に連絡しました。

【転機】

社労士は、診断書の内容と実際の生活状況に大きな差があることを指摘。医師は外来での様子しか見ておらず、「アルバイトができている」という事実だけで判断していたことが分かりました。

社労士のアドバイスで、Cさんは日常生活の困難を詳細にまとめたメモを作成。それを医師に見せたところ、医師も「診察室では分からないことがたくさんあるんですね」と理解を示し、診断書を一から書き直してくれました。

【具体的対策】

  • 不支給の決定から1年後、新たな診断書で再申請
  • 診断書依頼時、日常生活の困難を項目別に整理したA4用紙3枚のメモを医師に渡した
  • アルバイト先の店長に、「どのような配慮をしているか」を文書で証明してもらった(単純作業に限定、一つずつ指示、等)
  • 病歴・就労状況等申立書を、幼少期からの詳細なエピソードとともに作成
  • 「アルバイトはしているが、週2日・1日3時間が限界で、帰宅後は疲弊して何もできない」ことを明記

【結果】

再申請で障害基礎年金2級に認定され、年間約83万円の受給が決定しました。Cさんは「一度諦めかけましたが、専門家の力を借りて再申請して本当に良かった。今は経済的な不安が減り、自分のペースで生活できています」と話しています。

✅ 申請前の準備チェックリスト

初診日の確認と証明資料の収集

診察券、お薬手帳、健康保険の受診歴、紹介状のコピーなどを探す

日常生活の困難を2週間記録

できなかったこと、困ったこと、配慮を受けたことを日記形式で記録

医師への説明メモ作成

7つの日常生活能力項目ごとに、具体的な困難を箇条書きにする

就労している場合の配慮内容の整理

職場でどのような配慮を受けているか、上司や支援者に証明を依頼

幼少期からのエピソード整理

学生時代の困難、家族が気づいていたこと、療育や支援教育の有無を確認

必要書類の準備

戸籍謄本、住民票、年金手帳、通帳のコピーを用意

神戸・清水労務法務事務所の「諦めない障害年金」サポート

複雑なケースこそ、専門家の力を

清水労務法務事務所(神戸)は、「諦めない障害年金」をコンセプトに、アスペルガー症候群を含む精神障害の障害年金申請を専門的にサポートしています。

特に、以下のような「難しい」と言われるケースに強みがあります:

  • 成人後に診断を受けた方(初診日が20歳以降)
  • 初診の病院が廃院・カルテ廃棄されているケース
  • 就労中だが日常生活に大きな支障があるケース
  • 一度不支給になったが、再申請を検討している方
  • 他の社労士から「難しい」と断られた方

サポート内容

1. 初診日調査と証明資料の収集

初診の病院が廃院していても、診察券、お薬手帳、健康保険の受診歴、第三者証明などを駆使して初診日を確定します。

2. 診断書作成のための医師への資料提供

医師が診断書を書きやすいよう、日常生活の困難を項目別に整理した資料を作成し、医師に提供します。

3. 病歴・就労状況等申立書の作成代行

幼少期からの詳細なエピソード、現在の困難、就労状況などを、認定基準に沿って効果的に記載します。

4. 申請書類の提出代行

年金事務所への書類提出、審査中の照会対応なども全て代行いたします。

5. 不支給・却下の場合の審査請求サポート

万が一不支給になった場合も、審査請求(不服申立)を全面的にサポートします。

安心の料金体系

当事務所では、完全成功報酬制を採用しています。障害年金が支給決定されるまで、費用は一切かかりません。

  • 初回相談料: 無料
  • 着手金: 0円
  • 成功報酬: 支給決定された場合のみ、年金額の2ヶ月分+消費税

無料相談のご案内

アスペルガー症候群での障害年金申請でお悩みの方、神戸の専門家にご相談ください。

📞 電話: 050-7124-5884

✉️ メール: mail@srkobe.com

※ご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。

アスペルガー症候群の障害年金 よくある質問

Q. IQが高くても障害年金は受給できますか?
A. はい、可能です。障害認定基準では「たとえ知能指数が高くても、社会行動やコミュニケーション能力の障害により日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う」と明記されています。IQではなく、実際の日常生活能力で判定されます。
Q. 20歳を過ぎてから初めて診断されましたが、申請できますか?
A. はい、申請できます。アスペルガー症候群の場合、成人後に初めて受診した日が初診日となります。ただし、20歳以降の初診日の場合、年金保険料の納付要件を満たしている必要があります。また、初診日から1年6ヶ月経過した「障害認定日」以降に申請可能です。
Q. 現在、パートやアルバイトをしていますが、受給できますか?
A. 就労状況によっては可能です。単純・反復的な業務に限定されている、職場で常時配慮を受けている、週数日・短時間勤務が限界、といった場合は障害年金2級の可能性があります。診断書や申立書に、職場での配慮内容や就労の影響を詳しく記載することが重要です。
Q. 初診の病院が廃院しています。どうすればいいですか?
A. 廃院している場合でも、初診日を証明する方法はあります。診察券(日付入り)、お薬手帳、健康保険の受診歴、2番目の病院の紹介状や診療情報提供書、第三者証明などを組み合わせることで初診日を確定できます。専門家に相談することをお勧めします。
Q. 一度不支給になりましたが、再申請はできますか?
A. はい、可能です。不支給から1年以上経過していれば、新たな診断書で再申請できます。また、不支給決定から3ヶ月以内であれば「審査請求」という不服申立の手続きも可能です。不支給の理由を分析し、診断書の内容を改善することで、再申請で認定されるケースは少なくありません。
Q. 障害者手帳を持っていないと申請できませんか?
A. いいえ、障害者手帳は必須ではありません。障害年金と障害者手帳は別の制度で、審査基準も異なります。手帳がなくても障害年金は申請できますし、逆に手帳を持っていても障害年金が不支給になることもあります。
Q. 申請から受給までどのくらいかかりますか?
A. 書類提出から審査結果が出るまで、通常3〜4ヶ月かかります。認定された場合、その後1〜2ヶ月で初回の振込があります。ただし、書類の不備があると審査が長引くことがあるため、慎重に準備することが重要です。

まとめ:「周囲に理解されない」辛さを、諦めずに伝える

アスペルガー症候群は、「見た目では分からない」障害です。周囲から「普通に見える」「努力が足りない」と言われ、理解されない孤独感に苦しんでいる方も多いでしょう。

しかし、日常生活や就労に支障がある場合、それは障害年金の対象です。IQの高さではなく、実際の生活の困難さが評価されます。

この記事でお伝えしたポイントをまとめます:

アスペルガー症候群 障害年金申請のポイント

1. 対象可能性の確認

✓ 日常生活の7項目で複数の困難がある
✓ 対人関係・コミュニケーションに著しい制限
✓ 就労中でも配慮を常時受けている

2. 初診日の確定

✓ 発達障害で初めて医療機関を受診した日
✓ 廃院・カルテ廃棄でも代替資料で証明可能
✓ 初診日により受給できる年金が変わる

3. 診断書の充実

✓ 日常生活の困難を2週間記録
✓ 医師に具体的なメモを渡す
✓ 職場の配慮内容を文書で証明

4. 諦めない姿勢

✓ 不支給でも再申請や審査請求が可能
✓ 複雑なケースこそ専門家に相談
✓ 「諦めない障害年金」で希望をつなぐ

障害年金2級の受給により、年間約83万円(月額約6.9万円)の経済的支援を受けることができます。これは、無理のない範囲で働く、または治療に専念するための大きな助けになります。

「自分では申請が難しい」「一度不支給になって諦めた」という方も、専門家のサポートを受けることで、認定される可能性は十分にあります。

神戸・清水労務法務事務所では、「諦めない障害年金」の理念のもと、あなたの申請を全力でサポートいたします。初回相談は無料です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

まずは無料相談から始めましょう

「諦めない障害年金」神戸の専門社労士が、あなたの状況を丁寧にお聞きします。

📞 電話: 050-7124-5884

✉️ メール: mail@srkobe.com

※完全成功報酬制。年金が支給されるまで費用は一切かかりません。

「見えにくい障害」による辛さを、一人で抱え込まないでください。
あなたの声を、制度に届けるお手伝いをさせていただきます。
諦めない障害年金で、新しい一歩を踏み出しましょう。

障害年金のご相談は兵庫障害年金安心サポートセンターへ
目次