がん(癌)でも障害年金はもらえる?受給条件と障害等級の認定基準を徹底解説

がん(癌)でも障害年金はもらえる?受給条件と障害等級の認定基準を徹底解説

目次

はじめに:がん(癌)でも障害年金は受給できる!

「がんと診断されたけれど、障害年金なんて自分には関係ないと思っていた」――そう話す方が、相談にいらっしゃる患者さんの中で非常に多くいらっしゃいます。

しかし、これは大きな誤解です。

障害年金は、手足の切断や視力・聴力の喪失といった「見た目にわかりやすい障害」だけを対象とした制度ではありません。がん(悪性新生物)も、障害年金の支給対象となる疾患に明確に位置づけられています。抗がん剤治療の副作用で日常生活もままならない状態、転移・再発によって著しく体力が低下している状態、人工肛門(ストーマ)や喉頭全摘出といった手術後の状態など、さまざまなケースで受給実績があります。

厚生労働省が定める「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」には、悪性新生物(がん)についての認定要領が明記されており、「がんそのものの症状」だけでなく「治療の副作用」「精神的な苦痛」なども総合的に審査されることが定められています。

この記事では、がん患者の方やそのご家族が知っておくべき障害年金の受給条件、等級の認定基準、申請のポイント、そして実際の受給事例まで、できる限りわかりやすく解説します。「諦めないでほしい」――これが、私が全力でお伝えしたいメッセージです。

障害年金の対象となる「がん」とは?(すべてのがんが対象)

障害年金の対象となるがんに、特定の種類や部位の制限はありません。乳がん・肺がん・大腸がん・胃がん・子宮がん・前立腺がん・血液のがん(白血病・リンパ腫など)・脳腫瘍・肝臓がん・膵臓がん――診断名を問わず、すべての悪性新生物が対象です。

ただし、「がんであること」=「障害年金が受給できる」というわけではありません。重要なのは「がんやその治療によって、日常生活や労働にどれだけの支障が生じているか」という点です。ステージIVの末期がんであっても元気に働いている方は受給が難しいケースもありますし、逆にステージIIであっても抗がん剤の副作用が極めて重篤で日常生活が著しく制限されている場合は受給できる可能性があります。

認定審査において重視されるのは、主に以下の観点です。

  • がんの原発部位・転移の有無・病期(ステージ)
  • 治療内容(手術・抗がん剤・放射線・免疫療法など)とその副作用の程度
  • 日常生活動作(食事・移動・排泄・入浴・睡眠など)への影響
  • 就労状況(就労できない状態かどうか)
  • 主治医による診断書の記載内容

これらを総合的に評価した上で、障害等級(1級・2級・3級)のいずれかに該当するかどうかが判断されます。

ステージや余命宣告は受給に直接関係する?

「余命3ヶ月と言われましたが、障害年金は申請できますか?」――このような問い合わせをいただくことがあります。

結論からいうと、ステージや余命宣告は障害年金の受給を直接決定づけるものではありません。あくまでも「現時点での障害状態が認定基準に該当しているかどうか」が審査の焦点です。

ただし、末期がんや余命宣告を受けているケースでは、「身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態」として、実務上、比較的高い等級で認定されやすい傾向はあります。

また、余命が短いと見込まれる場合でも、申請→認定→受給という流れが間に合えば、生前に年金を受け取ることができます。さらに、受給者が亡くなった場合は、未支給の年金が遺族に支払われる制度もあります(未支給年金の請求)。

「申請しても間に合わないかもしれない」と諦めず、早めに動き始めることが何より大切です。

がん患者が障害年金を受給するための「3つの条件」

障害年金を受給するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。どれか一つでも欠けると、原則として受給することができません。それぞれについて、がん患者特有の注意点とともに詳しく解説します。

1. 初診日要件(がんで初めて病院を受診した日)

初診日とは、「障害の原因となった傷病について、初めて医師(または歯科医師)の診療を受けた日」のことです。がんの場合、「がんと診断された日(確定診断日)」ではなく、「がんの症状で最初に受診した日」が初診日となります。

たとえば、咳が続いて近所のクリニックを受診し、その後大学病院に紹介されて肺がんと診断された場合、初診日は「最初にクリニックを受診した日」です。

初診日の認定が重要な理由は、初診日に加入していた年金制度(国民年金または厚生年金)によって、受給できる障害年金の種類と金額が変わるからです。

初診日の年金加入状況による障害年金の種類
初診日時点の加入状況 受給できる障害年金 対象となる障害等級
会社員・公務員(厚生年金加入) 障害厚生年金+障害基礎年金 1級・2級・3級(3級は厚生年金のみ)
自営業・フリーランス・学生(国民年金加入) 障害基礎年金 1級・2級のみ
20歳前(年金未加入) 20歳前障害基礎年金 1級・2級(所得制限あり)

がんの場合、初診日の特定で問題になりやすいのが「健康診断での指摘」です。会社の定期健康診断や人間ドックで「要精密検査」と言われ、後日病院を受診してがんと診断されたケースでは、健康診断の日ではなく医療機関を初めて受診した日が初診日となります(健康診断は診療行為ではないため)。

もう一つ注意が必要なのが、過去の受診歴との関連性です。たとえば、10年前に胃炎で受診していた医療機関と同じ機関で今回胃がんと診断された場合、初診日がどの時点になるかについては慎重な判断が必要です。この点は、社会保険労務士などの専門家に早めに相談することをお勧めします。

2. 年金保険料の納付要件(未納がないか)

障害年金を受給するためには、初診日の前日時点で一定の保険料納付実績が必要です。具体的には、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

年金保険料の納付要件
要件の種類 内容
原則要件 初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上
特例要件(令和8年3月31日まで) 初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと

「保険料を払っていない時期がある」という方でも、学生納付特例や若年者猶予、免除制度を利用していた期間は「未納」とは扱われません(ただし、納付済期間とも異なる「免除期間」として計算されます)。

また、会社員として長年勤めていた場合は、給与から天引きで保険料が支払われているため、納付要件を満たしているケースがほとんどです。不安な方は、年金事務所や市区町村の窓口で納付記録を確認してみてください。

3. 障害状態の該当要件(障害等級に該当しているか)

3つ目の要件は、「障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月後)において、障害等級1級・2級(または厚生年金の場合は3級)に該当する障害状態にあること」です。

がんの場合、認定基準では「悪性新生物」として一括りに評価されるのではなく、がんによって生じた各臓器・機能への影響(呼吸機能障害、肢体の機能障害、排泄機能障害など)に応じた認定基準が適用される場合があります。また、全身症状(倦怠感・疼痛・体重減少など)の程度も総合的に評価されます。

「障害認定日」の特例については後の章で詳述しますが、一定の手術(人工肛門の造設など)を受けた場合は、1年6ヶ月を待たずに申請できるケースもあります。

がんにおける障害等級の認定基準と目安

がんに関する障害年金の等級認定においては、厚生労働省の「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて審査が行われます。悪性新生物については、「血液・造血器その他の障害」の章に認定要領が定められており、その中で「全身状態」「局所症状」「治療の副作用」を総合的に勘案することが明記されています。

以下では、各等級の認定基準とともに、実際の日常生活がどのような状態に相当するかを具体的に説明します。

がん(悪性新生物)における障害等級の目安一覧
等級 障害の状態(認定基準の目安) 日常生活の具体的なイメージ 対象となる年金
1級 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの 他者の介助なしでは食事・排泄・移動が困難。ほぼ寝たきり状態。 障害基礎年金1級
(+障害厚生年金1級)
2級 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しく制限を受けるかまたは日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 自分のことはなんとかできるが、家事や社会活動はほぼできない。週の半分以上は横になって過ごす。 障害基礎年金2級
(+障害厚生年金2級)
3級
(厚生年金のみ)
労働が著しく制限を受けるかまたは労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 日常生活はなんとか送れるが、就労が著しく制限される。短時間・軽作業なら可能な場合も。 障害厚生年金3級のみ
(障害基礎年金なし)

障害等級1級の状態・日常生活の目安

1級に該当するのは、「他者の援助なしでは日常生活のほぼすべての動作が行えない状態」です。がんにおける1級の典型的な状態としては、以下のようなケースが挙げられます。

  • 転移が多臓器に及び、常時臥床(ほぼ寝たきり)を余儀なくされている状態
  • 疼痛・倦怠感が極めて強く、医療用麻薬(オピオイド)を使用しても日常生活が成立しない状態
  • 腫瘍や治療の影響で、食事の経管栄養・人工呼吸器・吸引が常時必要な状態
  • 化学療法の副作用(骨髄抑制・感染症・嘔吐・神経障害など)が重篤で、自力での日常生活動作が困難な状態

年金額の目安(令和6年度):

  • 障害基礎年金1級:約1,020,000円/年(月額約85,000円)+子の加算あり
  • 障害厚生年金1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金(要件を満たす場合)

障害等級2級の状態・日常生活の目安

2級は、がんの障害年金申請において最も多く認定される等級です。「自分のことはなんとかできるが、それで精一杯。社会生活・就労はほぼ不可能」という状態が目安です。

実際の相談事例をもとにしたイメージとしては、以下のような状況が該当します。

  • 抗がん剤投与後の1〜2週間は副作用(嘔吐・倦怠感・口内炎など)がひどく、ほぼ起き上がれない。投与サイクルごとに体調が著しく悪化する。
  • 倦怠感(がん性疲労)が常時あり、家事は最低限しかできない。買い物や料理は家族に頼っている。
  • 疼痛のコントロールのために医療用麻薬を使用しているが、副作用(眠気・ふらつき)で活動が著しく制限されている。
  • 放射線治療の副作用で食道狭窄が生じ、経口摂取が困難で著しく栄養状態が低下している。

年金額の目安(令和6年度):

  • 障害基礎年金2級:約816,000円/年(月額約68,000円)+子の加算あり
  • 障害厚生年金2級:報酬比例の年金額(最低保障額あり)+障害基礎年金2級

障害等級3級(厚生年金のみ)の状態・日常生活の目安

3級は、初診日に厚生年金(会社員・公務員)に加入していた方のみが対象となる等級です。初診日が国民年金加入中だった場合(自営業・フリーランスなど)は、3級相当の状態であっても障害年金は支給されません。

3級に該当する状態の目安:

  • 日常生活は概ね送れるが、フルタイム就労は体力的・医学的に困難な状態
  • がんの治療(抗がん剤・放射線・ホルモン療法など)の継続中で、副作用のために週に数日は体調不良となる
  • 人工肛門(ストーマ)を造設しているが、その他の全身状態はおおむね良好で、軽作業であれば就労可能な状態
  • 声帯を含む喉頭を全摘出しており、コミュニケーションに制限はあるが身体機能は保たれている状態

年金額の目安(令和6年度):

  • 障害厚生年金3級:報酬比例の年金額(最低保障額:約612,000円/年)。障害基礎年金は支給されない。

【重要】審査で考慮されるのは「がんそのもの」だけではない

がんの障害年金審査において、多くの方が見落としがちな重要なポイントがあります。それは、「がんそのものの診断名や病期だけで審査が決まるわけではない」という点です。

障害認定基準では、以下の要素がすべて総合的に評価されます。

① 抗がん剤・放射線治療の副作用による障害

化学療法(抗がん剤治療)の副作用は、時にがんそのものよりも日常生活への影響が大きくなることがあります。具体的には以下のような副作用が評価の対象となります。

  • 骨髄抑制:白血球・赤血球・血小板の減少による易感染性・貧血・出血傾向
  • 末梢神経障害(しびれ・痛み):手足の感覚障害、歩行困難
  • 嘔気・嘔吐:食欲不振・体重減少・栄養障害
  • 口腔粘膜炎:食事・会話の困難
  • 倦怠感(がん性疲労):全身の強いだるさ、起き上がることすらつらい状態
  • 放射線性腸炎・膀胱炎:下痢・頻尿・排便困難
  • 心毒性:一部の抗がん剤(アドリアマイシンなど)による心機能低下

② 転移・再発による体調の悪化

がんが骨に転移した場合の骨折リスクや疼痛、脳転移による高次脳機能障害・麻痺・てんかん発作、肝転移による肝機能障害、肺転移による呼吸機能障害――こうした転移・再発に伴う症状も、障害認定の重要な要素となります。特に骨転移は、「病的骨折」や「脊髄圧迫」を引き起こすことがあり、歩行障害や下肢麻痺として「肢体の機能障害」の認定基準が適用される場合があります。

③ 局所的な障害(人工肛門・膀胱全摘・喉頭全摘出など)

がんの手術によって生じた特定の機能障害は、全身状態とは別の認定基準(「排泄機能の障害」「音声・言語機能の障害」など)によって評価されます。

局所的な機能障害と適用される認定基準(例)
手術・処置の種類 適用される認定基準 想定される等級の目安
人工肛門(ストーマ)の造設 排泄機能の障害 原則3級(尿路変更術との併存等で2級以上となる場合あり)
膀胱全摘出・尿路変更術 排泄機能の障害 原則3級(人工肛門との併存で2級以上となる場合あり)
喉頭全摘出(喉頭がん等) 音声・言語機能の障害 3級(意思疎通に著しい支障→2級以上の場合あり)
乳房切除(乳がん等) 単独では障害認定されないが、副作用・全身状態で評価 全身状態による

④ 精神的な苦痛・うつ状態

がんの告知・治療・再発への恐怖による精神的苦痛は、適応障害やうつ病として診断されることもあります。こうした精神症状が認められ、精神科・心療内科を受診している場合は、精神障害の認定基準も合わせて評価される可能性があります。また、がん性疼痛による睡眠障害・意欲低下も、日常生活能力の低下として認定に影響します。数値には表れにくいこれらの症状を、いかに診断書や申立書に反映させるかが、審査の明暗を分ける重要なポイントとなります。

「日常生活能力の程度」が審査の核心

障害年金の診断書(様式第120号の7「血液・造血器・その他の障害用」)には、「日常生活能力の程度」を評価する欄があります。この欄は、以下の場面における能力を評価するものです。

日常生活能力の評価項目と等級感の目安
評価項目 1級相当の状態 2級相当の状態
食事 自力での食事摂取が不可能。経管栄養または全介助が必要。 自力で食べられるが、食事の準備(料理・盛り付け)はできない。
移動(屋内・屋外) 屋内の移動もほぼ不可能。車いす・介助が常時必要。 屋内は何とか移動できるが、屋外への一人での外出は困難。
排泄 介助がなければ排泄動作が行えない状態。 何とか自力でできるが、ストーマ管理など特別な配慮が必要。
入浴 全介助または清拭が必要。浴槽への出入りが不可能。 シャワーは何とか使えるが、浴槽での入浴は困難・危険。
更衣 自力での着替えがほぼ不可能。 時間をかければ着替えられるが、外出用の服を選ぶ余裕はない。
意思伝達 言語・筆談ともに困難。表情や動作によるコミュニケーションのみ可能。 日常会話は可能だが、長時間の会話や複雑な内容の理解が困難。
社会性(金銭管理など) 金銭管理・公共交通機関の利用が全くできない。 単純な買い物は何とかできるが、複雑な手続き・対人関係は困難。

この評価は「できる/できない」の二択ではなく、「一人でできるか」「援助があればできるか」「まったくできないか」という段階的な評価が行われます。がん患者の場合、「体調の良い日」と「体調の悪い日」で能力が大きく変動することが多いため、「悪い日の状態」を基準に評価してもらうことが重要です。

「PS(パフォーマンスステータス)」と障害等級の関係

がん医療の現場では、患者の全身状態を評価する指標として「PS(Performance Status)」が広く使われています。主に「ECOG(米国東海岸がん臨床試験グループ)スケール」が用いられ、0〜4の5段階で評価されます。

ECOGパフォーマンスステータスと障害年金等級の関係(目安)
PS ECOGの定義 日常生活の状態 障害等級の目安
0 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等にふるまえる 通常の社会生活が可能 非該当(受給困難)
1 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行可能で軽労働や座業は行える 軽い家事・デスクワークは可能 3級相当の可能性
2 歩行可能で自分の身の回りのことはすべてできるが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす 家事・就労は困難。身の回りは何とか可能 2〜3級相当の可能性
3 限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす 身の回りのことも部分的に介助が必要 2級相当の可能性
4 全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす ほぼ寝たきり。全介助が必要 1級相当の可能性

PSはあくまで目安であり、PSが1〜2であっても化学療法のサイクルによって週単位で状態が大きく変動するケースでは、2級以上の認定がなされることがあります。

がんで障害年金を申請する際の重要なポイント・注意点

原則は「初診日から1年6ヶ月後」だが特例もある(人工肛門・喉頭全摘出など)

障害年金を申請できる「障害認定日」は、原則として初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日です。たとえば2023年4月1日が初診日であれば、2024年10月1日が障害認定日となります。

しかし、がんに関しては複数の「特例」が設けられており、1年6ヶ月を待たずに申請できるケースがあります。これはとても重要な情報です。

がんにおける障害認定日の特例一覧
特例の内容 障害認定日となる時点
人工肛門を造設した場合 造設した日から6ヶ月を経過した日(初診日から1年6ヶ月以内の場合)
尿路変更術(膀胱全摘など)を施行した場合 施行した日から6ヶ月を経過した日
喉頭全摘出の手術を行った場合 全摘出した日
在宅酸素療法を開始した場合 在宅酸素療法を開始した日
人工透析療法を開始した場合(腎臓がんの影響など) 透析開始日から3ヶ月を経過した日

たとえば、直腸がんの手術で人工肛門を造設したのが2023年6月1日であれば、2023年12月1日(造設から6ヶ月後)が障害認定日となります。仮に初診日が2022年11月1日だったとすると、原則の障害認定日(2024年5月1日)よりも約5ヶ月早く申請できることになります。このような特例の存在を知らずに「1年6ヶ月待たないと申請できない」と思い込んでいる方は多く、受給開始時期が遅れてしまうケースも見られます。手術を受けた方は、特例に該当しないかどうかを必ず確認してください。

「診断書」は実際の日常生活の困難さが伝わるように医師に依頼する

障害年金の審査において、医師が作成する「診断書(障害年金用)」は最も重要な書類です。どれほど状態が重くても、診断書に適切に記載されていなければ、審査で正しく評価されません。

がん患者の診断書で特に問題になりやすいのが、「数値に表れにくい症状の記載漏れ」です。たとえば、以下のような症状は客観的な検査値に反映されにくく、医師が特に意識しなければ診断書に記載されない場合があります。

  • がん性倦怠感(Cancer-related fatigue):著しい疲労感・だるさ
  • がん性疼痛:医療用麻薬を使用しても完全にコントロールできない痛み
  • 化学療法後の骨髄抑制による易感染性(外出できない)
  • 食欲不振・体重減少の程度
  • 不眠・抑うつ状態

診断書を医師に依頼する際は、以下の点を心がけましょう。

  1. 「日常生活にどのような支障があるか」を事前にメモにまとめて医師に渡す
    「週に何日くらい横になっているか」「家事のどの部分ができないか」「外出は月に何回か」など、具体的な内容を箇条書きにしてお渡しすると、医師も診断書に反映させやすくなります。
  2. 診断書の「日常生活能力の程度」欄の記載を確認させてもらう
    可能であれば、記載後に確認の機会をいただき、実態と大きく乖離がないかチェックすることが重要です。
  3. 副作用の症状と治療スケジュールの関係を伝える
    「抗がん剤投与から1週間は副作用で寝込んでいる」「3週間に1度のサイクルで投与しているため、常に体調が安定しない」といった情報は、「長期にわたる安静を必要とする病状」の評価に直結します。

審査を左右する「病歴・就労状況等申立書」の書き方のコツ

診断書と並んで審査において重要な書類が、「病歴・就労状況等申立書」です。これは申請者(または家族)が自分で作成する書類であり、発症から現在までの経過・治療歴・日常生活の状況・就労状況などを記載します。

申立書が審査に与える影響は大きく、「診断書には記載されていない生活の実態を審査官に伝える唯一の機会」と言っても過言ではありません。特に以下の点は、丁寧に記載することをお勧めします。

① 倦怠感・だるさの具体的な表現

「疲れやすい」「だるい」という表現は抽象的で、審査官に実態が伝わりにくいことがあります。代わりに、以下のような具体的な表現を用いましょう。

「抗がん剤投与後の5〜7日間は、トイレに行くことも難しく、食事も家族に運んでもらわなければならない状態が続く。一日のほぼ全時間をベッドで過ごしており、テレビを見ることも集中力が続かずできない状態である。」

② 痛み(疼痛)の具体的な表現

「骨転移による疼痛で、医療用麻薬を使用しているが、それでも痛みが完全にはコントロールされず、夜間に痛みで目が覚めることが週に3〜4回ある。立ち上がるときや歩行時に痛みが強まるため、移動は極力最小限にしている。」

③ 精神的苦痛の具体的な表現

「再発の告知を受けてから、眠れない夜が続いている。将来への不安が常にあり、気力がわかず、以前は好きだった趣味も全くできていない。心療内科を受診したところ適応障害と診断され、抗不安薬を処方されている。」

④ 就労できない状況の明確な記載

就労していない場合は、その理由を明確に記載します。「体調が悪いから」だけでなく、「抗がん剤投与サイクルの関係で体調が全く予測できず、就労のスケジュール管理が不可能」「医師から就労を禁止されている」「感染リスクのため外出を控えるよう指示されている」など、医学的・具体的な理由を記載することが重要です。

一方、就労している場合(休職・時短・軽作業など)も、「どのような配慮のもとで就労しているか」を丁寧に説明することが必要です。「上司の特別な配慮で、体調の悪い日は自由に休める環境にしてもらっている」「業務の9割を別のメンバーに引き継いでもらい、電話対応のみを担当している」といった記載が、審査において「就労しているから支障なし」という誤った判断を防ぎます。

がんで障害年金を申請する手続きの流れ

障害年金の申請は、必要書類を揃えて年金事務所または市区町村の窓口(国民年金の場合)に提出することで行います。ここでは、申請から受給決定までの全体の流れと、各ステップで必要な書類・注意点を整理します。

障害年金申請の全体フロー
ステップ 手続き内容 詳細・注意点 目安の期間
年金事務所への事前相談 初診日・加入状況・保険料納付状況を確認。「受診状況等証明書」の用紙を取得。 申請を思い立ったらすぐ
初診の医療機関で「受診状況等証明書」を取得 初診時のカルテが残っている医療機関に依頼。廃院・カルテ紛失の場合は代替手段あり。 数日〜数週間(医療機関による)
現在の主治医に「診断書」を依頼 様式第120号の7(血液・造血器・その他の障害用)が基本。障害の種類によって複数の様式が必要な場合あり。 2〜4週間(医師の作成期間)
「病歴・就労状況等申立書」の作成 発症から現在までの経過を時系列で記載。申請者本人または代理人(社労士等)が作成。 1〜2週間
年金請求書その他書類の準備 戸籍謄本・住民票・通帳のコピーなど。年金事務所でチェックリストを入手できる。 1週間程度
年金事務所・市区町村窓口への提出 書類一式を持参または郵送。受付後、審査機関(日本年金機構)に送付される。 提出日
審査・認定 日本年金機構の認定医が書類を審査。追加資料の提出を求められる場合もある。 3〜6ヶ月程度
年金証書の受領・受給開始 認定された場合、年金証書が郵送される。初回の年金は2〜3ヶ月後に振込。 審査完了後1〜2ヶ月
障害年金申請に必要な書類一覧
書類名 内容・入手先 注意点
年金請求書 年金事務所・市区町村窓口で入手 加入年金の種類によって様式が異なる
受診状況等証明書 初診の医療機関で作成してもらう 初診と現在の受診機関が同一の場合は不要
診断書(障害年金用) 現在の主治医に作成してもらう がんは主に様式第120号の7。障害内容によって複数様式が必要な場合あり
病歴・就労状況等申立書 申請者本人(または代理人)が作成 発症から現在までの経過を時系列で詳細に記載
戸籍謄本 市区町村窓口で取得 配偶者・子の加算がある場合は家族分も必要
住民票 市区町村窓口で取得 世帯全員のもの(続柄が記載されたもの)
年金手帳または基礎年金番号通知書 手元にあるもの 紛失の場合は年金事務所で再発行可能
預金通帳のコピー 本人名義の口座 金融機関名・支店名・口座番号が確認できるページ

なお、初診のカルテが廃棄されていたり医療機関が廃院している場合でも、健康保険の診療記録・お薬手帳・紹介状の控え・第三者証明などを活用することで初診日を証明できるケースがあります。「カルテがない=申請できない」ではありません。諦めずにご相談ください。

がんの種類別:障害年金申請のポイント

がんの種類によって、障害年金申請における評価のポイントや使用する診断書の様式が異なる場合があります。代表的ながんについて、申請上の特徴と注意点をまとめます。

乳がん

乳がんは日本人女性に最も多いがんであり、当事務所でも相談件数が最も多い疾患のひとつです。乳房切除手術そのものは障害年金の対象として単独では評価されにくい面がありますが、以下の状態によって受給が認められるケースが多くあります。

  • 化学療法(AC療法・TC療法・FEC療法など)の副作用:骨髄抑制・脱毛・嘔吐・倦怠感・末梢神経障害など、副作用の程度が著しい場合
  • ホルモン療法による関節痛・骨密度低下:アロマターゼ阻害薬などによる関節痛・骨折リスクで日常生活が制限される場合
  • 骨転移・脳転移:転移によって肢体の機能障害・高次脳機能障害が生じた場合
  • リンパ浮腫:術後のリンパ節郭清によって生じたリンパ浮腫が重症化し、上肢の機能障害として評価される場合

肺がん

  • 呼吸機能障害:肺の切除や腫瘍による呼吸機能の低下が生じた場合は、「呼吸器の障害」の診断書(様式第120号の4)を使用します。
  • 在宅酸素療法(HOT):在宅酸素療法を導入した場合は、導入日が特例の障害認定日となります。
  • 化学療法・免疫療法の副作用:シスプラチン・ペメトレキセドなどの副作用、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)も評価対象となります。

大腸がん・直腸がん

  • 永久ストーマ(人工肛門)の造設:原則として3級相当。ただし、ストーマに加えて著しい全身状態の悪化・化学療法の副作用・尿路変更術の併存がある場合は2級以上の認定が可能です。
  • 一時的ストーマ:閉鎖予定がある「一時的ストーマ」は、永久ストーマとは異なり、原則として障害認定の対象とはなりません。ただし全身状態が著しく悪い場合はこの限りではありません。

白血病・悪性リンパ腫などの血液がん

  • 化学療法・造血幹細胞移植後の状態:移植後の拒絶反応(GVHD:移植片対宿主病)が重篤な場合、複数臓器への影響が生じ、高い等級での認定がされるケースがあります。
  • 骨髄抑制による易感染性:白血球・好中球の著しい低下によってクリーンルームへの隔離が必要な状態は、「長期にわたる安静を必要とする病状」として評価されます。

前立腺がん

  • 尿失禁・排尿障害:前立腺全摘除術後の尿失禁が重篤な場合、排泄機能の障害として評価される場合があります。
  • ホルモン療法の副作用:LH-RHアゴニストやアンチアンドロゲン薬による倦怠感・骨粗鬆症・うつ状態なども評価対象となります。
  • 骨転移:前立腺がんの骨転移は頻度が高く、著しい疼痛・骨折リスクが生じた場合は肢体の機能障害として評価されます。

がんで障害年金を受給できた事例紹介

ここでは、当事務所(清水総合法務事務所)が実際にご相談をお受けし、サポートした事例をご紹介します。個人情報保護の観点から一部情報を変更していますが、事例の本質的な内容は実際のものです。

事例1:乳がんで抗がん剤治療中。副作用による就労困難で2級認定

相談者:Aさん(40代女性・会社員・厚生年金加入中)

経緯:
Aさんは健康診断の精密検査で乳がんと診断され、手術後に化学療法(アンスラサイクリン系+タキサン系の多剤併用療法)を開始しました。治療開始後、副作用が非常に強く、白血球の著しい低下による感染リスクのため外出を制限され、強烈な倦怠感・嘔吐・末梢神経障害(手足のしびれ・痛み)が続きました。育児休業から復職直後の発病で、再び休職となりました。家事は夫に全面的に依存しており、自分の入浴にも介助が必要な時期が続いていました。

申請上の課題:
主治医は検査値・病理結果については詳細に把握していましたが、日常生活の状況については把握していない部分も多くありました。また、「治療を頑張れば治るから」という雰囲気から、障害年金の診断書作成に慎重な姿勢をお持ちの先生でもありました。

サポートの内容:
Aさんから日常生活の状況について詳細なヒアリングを行い、「生活状況のまとめメモ」を作成。化学療法のプロトコル(投与サイクル・使用薬剤)と副作用の医学的な説明文書を添付し、「障害年金の診断書は患者さんが現在いかに困難な状況にあるかを正確に伝えるための書類であること」を丁寧に説明する依頼状を作成しました。申立書については、「副作用のひどい週」と「少し持ち直した週」でどのように生活が変わるかを具体的に記述。「良い日」だけでなく「悪い日」の状態こそが障害状態の実態であることを明確にしました。

結果:
障害厚生年金2級+障害基礎年金2級として認定。年間受給額は約180万円。受給開始後、Aさんから「お金の不安が少し減って、治療に集中できるようになった」というお言葉をいただきました。


事例2:大腸がんで人工肛門(ストーマ)を造設し3級認定

相談者:Bさん(50代男性・会社経営者・厚生年金加入中)

経緯:
Bさんは直腸がんと診断され、手術で直腸を切除し永久人工肛門(ストーマ)を造設しました。手術後は早期に回復し、仕事への復帰意欲も高かったため、当初は障害年金の申請を考えておられませんでした。しかし、ストーマを造設していることで、「人前での突然の排泄音や臭いへの強い不安」「長時間の外出や出張の困難」「取引先での緊張感」など、就労上のさまざまな制約が生じていました。パウチ(ストーマ袋)の交換作業に時間を要するため、早朝・夜間の業務対応も難しくなっており、仕事のスタイルを大きく変えざるを得ない状況でした。

申請上の課題:
「自分は仕事をしているから障害年金はもらえないと思っていた」というBさんの誤解を解くことから始まりました。3級は「就労が著しく制限される状態」であり、就労していても受給できるケースがあります。また、人工肛門造設の特例(造設後6ヶ月で障害認定日)を適用することで、原則の1年6ヶ月より早い申請が可能でした。

サポートの内容:
人工肛門造設による排泄機能障害の認定基準を確認し、造設後6ヶ月を経過した時点を障害認定日として申請。就労継続のために行っている具体的な配慮・制限(社員への権限委任・出張回避・取引先との会議形式の変更など)を申立書に丁寧に記載し、「一見すると働いているが、実態は著しい制限を受けながらの就労である」ことを明確にしました。

結果:
障害厚生年金3級として認定。年間受給額は約70万円(最低保障額相当)。「まさか申請できると思っていなかった。早く相談すればよかった」というお言葉をいただきました。


事例3:肺がんで在宅酸素療法を開始し2級認定(特例の障害認定日を適用)

相談者:Cさん(60代男性・元会社員・厚生年金加入)

経緯:
Cさんは定年退職後に肺がんと診断され、手術で左肺の下葉を切除しましたが、術後に呼吸機能が著しく低下し、在宅酸素療法(HOT)を導入することになりました。安静時でも息切れが強く、室内の移動でも酸素マスクが手放せない状態でした。退職後のため「国民年金の申請になるのでは」と誤解されていましたが、詳しく確認すると初診日は退職直前の在職中であり、厚生年金加入中の初診日であることが判明しました。

サポートの内容:
在宅酸素療法の導入日を確認し、特例の障害認定日として申請。診断書は呼吸器の障害用(様式第120号の4)を使用し、スパイロメトリーの数値と日常生活への影響を詳細に記載してもらうよう医師に依頼状を作成。申立書では、「室内でも5mおきに休憩が必要」「会話をすると酸素飽和度が下がり、動悸・息切れが生じる」といった具体的な状況を記載しました。

結果:
障害厚生年金2級+障害基礎年金2級として認定。年間約200万円の受給。「初診日が在職中だとわかったことで受給額が大きく変わった。調べてくれてよかった」とおっしゃっていただきました。


事例4:白血病(急性骨髄性白血病)で造血幹細胞移植後に1級認定

相談者:Dさん(30代女性・会社員・厚生年金加入中)

経緯:
Dさんは急性骨髄性白血病と診断され、化学療法後に同種造血幹細胞移植(骨髄移植)を受けました。移植後、慢性GVHD(移植片対宿主病)が全身に及び、皮膚・消化管・肺・肝臓への影響が出ていました。免疫抑制剤を継続使用しながら、月の大半を入院または自宅療養で過ごしており、就労は全く不可能な状態でした。

サポートの内容:
主治医と相談の上、血液・造血器の障害の診断書を主として使用し、GVHDの各臓器への影響については診断書内の「その他の障害の状況」欄および別途の医師意見書に記載してもらいました。申立書では、GVHDの症状が時期によって変動することを丁寧に説明しつつ、「月の平均的な状態」として入院・自宅療養の日数・割合を数値で示しました。

結果:
障害厚生年金1級+障害基礎年金1級として認定。年間約300万円超の受給。「まだ30代で、まさか1級になるとは思っていなかった。治療に専念できる」とのお言葉をいただきました。


事例5:膵臓がん末期。余命宣告後でも申請→受給が間に合ったケース

相談者:Eさん(50代男性・会社員・厚生年金加入中)のご家族からの依頼

経緯:
Eさんは膵臓がんと診断され、発見時にはすでにステージIVで遠隔転移がありました。医師から「余命3〜6ヶ月」の告知を受け、抗がん剤治療を行いながら在宅療養中でした。ご本人は「自分が申請したところで間に合わない」と諦めておられましたが、奥様が「少しでも生きているうちに受け取れれば」とのお気持ちで当事務所にご相談いただきました。

サポートの内容:
初回の相談から1週間以内に診断書の依頼状を作成し、主治医に緊急対応をお願いしました。Eさんご本人への書類への署名は、体調が比較的安定している時間帯を見計らってご自宅にお伺いし、必要最小限の署名のみご本人に行っていただきました。申請書類は揃い次第、即日提出しました。

結果:
申請から約3ヶ月後に障害厚生年金1級+障害基礎年金1級として認定。Eさんはその後1ヶ月で亡くなられましたが、初回の年金振込をご本人が確認することができました。残りの未支給年金はご遺族が受け取られました。奥様から「夫が自分で働いて積み上げてきた年金を、本人が受け取ることができた。本当によかった」というお言葉をいただき、この仕事をしていてよかったと心から感じた事例です。

「間に合わないかもしれない」という状況でも、動き出すことで受給できる可能性があります。迷っている時間が、受給機会を失うことに直結してしまうことがあります。少しでも早くご相談ください。

よくある質問(FAQ):がんと障害年金

Q1. ステージIIのがんでも障害年金はもらえますか?

はい、可能性があります。障害年金の受給可否はステージ(病期)ではなく、「現在の障害状態の程度」によって決まります。ステージIIであっても、化学療法の副作用が非常に強く日常生活が著しく制限されている場合は、2級以上の認定がされることがあります。逆に、ステージIVでも元気に日常生活を送っている場合は認定が難しいこともあります。「ステージが低いから申請しても無駄」という思い込みは捨てて、まず専門家に相談することをお勧めします。

Q2. 働きながら障害年金を受給することはできますか?

はい、できます。特に3級は「就労が著しく制限される状態」であり、就労していても受給できるケースがあります。また、2級についても「特別な配慮のもとでの就労(休職・短時間・軽作業など)」であれば、必ずしも就労が受給の妨げになるわけではありません。重要なのは「どのような配慮・制限のもとで就労しているか」を申立書に具体的に記載することです。

Q3. 会社の傷病手当金と障害年金を同時に受け取ることはできますか?

原則として、傷病手当金と障害年金を同時に受給する場合、傷病手当金が調整(減額)されます。「障害年金の日額相当額>傷病手当金の日額」の場合は傷病手当金が支給停止となり、「傷病手当金の日額>障害年金の日額相当額」の場合は差額分の傷病手当金が支給されます。詳細は健康保険組合または社会保険労務士にご確認ください。

Q4. 一度不支給になった場合、再申請できますか?

はい、できます。不支給通知を受けてから3ヶ月以内であれば「審査請求」、さらに不服がある場合は「再審査請求」を行うことができます。また、時間が経過して障害状態が悪化した場合は、新たな診断書をもとに改めて請求することも可能です。「一度不支給になったから二度とダメ」ということはありません。不支給の理由を分析し、書類の内容を改善した上で再申請することで、認定に至るケースも多くあります。

Q5. 障害年金を受給すると、他の手当や給付に影響はありますか?

高額療養費制度・がん保険・生命保険の保険金・介護保険は、障害年金を受給しても原則として影響を受けません。一方、傷病手当金は上述のとおり調整される場合があります。また65歳以降は老齢年金との関係で受給形態が変わる場合があります。ご自身の状況によって最適な受給形態が異なるため、社労士にご相談の上、最も有利な選択肢を検討してください。

Q6. 診断書の作成を主治医に断られた場合はどうすればよいですか?

主治医が診断書作成を断る理由としては、業務多忙・障害年金の診断書に慣れていない・患者の状態に対して受給に消極的な見解などが挙げられます。対応策としては、断られた理由を丁寧に確認した上で再度お願いする、社労士から医師への依頼状を作成してもらう、同じ病院の別の医師に相談する、といった方法が考えられます。社労士が間に入ることで、医師側の懸念が解消されることもあります。

Q7. 社労士への依頼費用はどのくらいかかりますか?

障害年金申請を専門とする事務所の多くは「成功報酬型」を採用しています。着手金は0円〜5万円程度(着手金無料の事務所も多い)、成功報酬は初回振込額の10〜15%程度が一般的です。成功報酬型の場合、受給が決定しなかった場合は費用が発生しないため、「まず相談してみる」ことにリスクはほとんどありません。当事務所も初回相談は無料で承っております。

Q8. 障害年金を受給中に状態が改善した場合はどうなりますか?

障害年金の受給者には「更新(障害状態確認届)」の制度があります。原則として1〜5年ごとに診断書を提出し、現在の障害状態が引き続き受給要件を満たしているかを審査します。状態が改善し、受給要件を下回ると判断された場合は等級の変更(降級)または支給停止となります。逆に状態が悪化した場合は「額改定請求」によって等級を上げてもらうことも可能です。

がんの障害年金申請が不安・困難な場合は専門家(社労士)へ相談を

体調がすぐれない中での複雑な手続きは大きな負担になる

障害年金の申請手続きは、健康な方であっても「複雑でわかりにくい」と感じる方が多い手続きです。必要な書類の種類が多く、記載内容の正確さが審査結果に直結します。がん患者の方にとっては、さらに困難な状況があります。

  • 体力・気力の消耗:治療・副作用・疼痛管理で精一杯の中、複雑な書類作成に時間とエネルギーを使うのは非常に負担です。
  • 制度の複雑さ:初診日の特定・年金加入状況の確認・特例の適用可否・診断書の種類の選択など、専門知識がなければ判断が難しいポイントが多数あります。
  • 医師との関係性への不安:「診断書をお願いしにくい」「何度もお願いするのが申し訳ない」という心理的障壁を感じる方も多くいらっしゃいます。
  • 申立書の記載力の問題:審査を左右する申立書を、体調の悪い中で適切に書き上げることは、経験のある方でも難しい作業です。
  • 不支給・等級不相当となるリスク:書類の不備や記載の不十分さによって、本来受給できる状態であっても不支給や低い等級での認定となる可能性があります。

専門家にすべて任せるメリット

社会保険労務士(社労士)に障害年金申請を依頼する主なメリットは以下のとおりです。

  • 初診日の特定・確認サポート:初診日がどの受診日になるかを慎重に確認し、有利な形での申請をサポートします。
  • 特例の見落とし防止:人工肛門・尿路変更術・喉頭全摘出などの特例認定日を漏れなく確認し、受給開始時期を最大化します。
  • 診断書の依頼サポート:医師への依頼状作成・生活状況メモの整理・記載内容のチェックなど、診断書が実態を正確に反映するよう支援します。
  • 申立書の作成代行:ヒアリングをもとに、審査に有利な形での申立書を作成します。数値に表れにくい症状の記載方法にも精通しています。
  • 不支給・等級不相当の場合の審査請求サポート:万が一不当な結果が出た場合も、審査請求・再審査請求の手続きをサポートします。

📞 無料相談のご案内|清水総合法務事務所

当事務所では、がんによる障害年金の無料相談を随時受け付けております。「申請できるか不安」「過去に不支給になった」「余命宣告を受けていて急いでいる」など、どんなご状況でもまずはお気軽にご連絡ください。

体調がすぐれない中でも対応できるよう、電話・メール・LINEでのご相談に対応しています。ご自宅からでもお気軽にご相談いただけます。

📞 電話 050-7124-5884
✉️ メール mail@srkobe.com
💬 LINE公式 @273dfkjp(LINEで「友だち追加」後、メッセージをお送りください)

※初回相談は無料です。相談後に申請を依頼されない場合も費用は一切かかりません。

まとめ:がんと闘いながらの生活を支えるため、障害年金制度を活用しよう

この記事では、がん(悪性新生物)と障害年金について、受給条件・認定基準・申請のポイント・実際の事例・よくある質問まで詳しく解説しました。最後に重要なポイントを整理します。

この記事のまとめ
ポイント 内容
がんは障害年金の対象 すべての悪性新生物が対象。病名・ステージに関係なく申請できる可能性がある
3つの受給要件 ①初診日要件 ②保険料納付要件 ③障害状態該当要件をすべて満たす必要がある
評価されるのはがん「だけ」ではない 副作用・転移・手術による局所障害・精神症状なども総合的に評価される
1年6ヶ月の特例あり 人工肛門・尿路変更術・喉頭全摘出・在宅酸素療法などでは早期申請が可能
診断書・申立書が命 数値に表れない症状(倦怠感・疼痛・精神的苦痛)を具体的に記載することが審査の明暗を分ける
就労していても受給できる場合がある 3級は「就労が著しく制限される状態」であり、働きながら受給できるケースがある
早めの相談が重要 余命が短い場合も含め、早期に申請を開始することで受給機会を最大化できる

がんの治療は、身体的な苦痛だけでなく、経済的な不安ももたらします。治療費・生活費・家族へのケアなど、お金の心配が重なることで治療に集中できなくなってしまうこともあります。障害年金は、そういった方々を支えるために存在する制度です。

「自分には関係ない」「申請しても無駄だろう」と諦めてしまう前に、ぜひ一度、専門家にご相談ください。当事務所は、「諦めない障害年金」を理念に、難しいケースも含めて積極的にご支援しています。がんと闘いながら生活されているすべての方の「諦めない」を、私たちは全力でサポートします。

📞 まずは無料相談から|清水総合法務事務所

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