うつ病で障害者雇用でも障害年金を受給できる3つの理由

うつ病で障害者雇用でも障害年金を受給できる3つの理由




最終更新:令和8年3月|社会保険労務士監修

「障害者枠で働いているから、障害年金はどうせもらえない」——そう思い込んでいませんか。

うつ病を抱えながら、なんとか障害者雇用で仕事を続けている。でも給料は少ない。生活は苦しい。それでも「働いているから申請できない」と、受け取れるはずの年金を遠ざけてしまっている方が、神戸・兵庫でも多くいらっしゃいます。

これは誤解です。国の審査基準(精神の障害に係る等級判定ガイドライン)は、障害者雇用での就労について「1級または2級の可能性を検討する」と明記しています。つまり、障害者雇用で働いているという事実そのものが、受給可能性を高める要素として国に認められているのです。

ただし、重要な条件があります。障害者雇用であることと就労の実態が、診断書と病歴・就労状況等申立書に正確に記載されていなければ、その有利な扱いが審査に反映されません。実際、診断書の就労状況欄が空欄のまま提出され、審査員が「フルタイムで問題なく就労中」と判断してしまうケースが少なくないのです。

この記事では、うつ病で障害者雇用中の方が障害年金を受給できる理由と条件、そして申請で最も重要な「何をどう書くか」について、神戸の社労士の立場から丁寧に解説します。

📋 こんな状況の方は、この記事がお役に立てます

  • ☐ うつ病で障害者雇用枠での就労中で、障害年金の受給を考えている
  • ☐ 「働いているから無理」と思い込んでいた、または社労士に断られた
  • ☐ 障害者雇用の給与だけでは生活が苦しく、経済的な支えが必要
  • ☐ 申立書や診断書の書き方がわからず、申請を先延ばしにしている
  • ☐ 仕事中はなんとか動けても、帰宅後や休日はぐったりしている

目次

うつ病とはどんな病気か——就労への影響と障害年金の関係

「うつ病なのに働けているなら、そこまで重くないのでは」と思われることがあります。でも、その認識は多くの場合、実態とかけ離れています。うつ病という病気の特性を知ることが、障害年金を正しく理解する第一歩です。

うつ病の症状と経過——「見えにくい」苦しさ

うつ病は、脳内の神経伝達物質(セロトニン・ノルアドレナリンなど)のバランスが崩れることで生じる気分障害です。主な症状は、気分の落ち込み・意欲の著しい低下・睡眠障害・集中力の低下・倦怠感など、多岐にわたります。

そして、うつ病の最大の特徴は「良い時期と悪い時期を繰り返す」波状の経過です。診察の日はたまたま比較的動けていたとしても、それが「回復」を意味するわけではありません。日本年金機構の障害認定基準にも「現症のみによって認定することは不十分であり、症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を十分考慮する」と明記されています。

うつ病の主な症状と日常生活への影響
症状 日常生活への影響 年金審査との関連
抑うつ気分・気力低下 朝に起き上がれない。出勤準備に数時間かかる 日常生活能力の判定(適切な食事・身辺の清潔保持)に関連
就労後の著しい疲弊 帰宅後は動けず寝込む。休日は何もできない 「就労以外の場面での日常生活能力の低下」として審査で考慮
集中力・判断力の低下 複数の指示が理解できない。ミスが増える 意思疎通の困難・単純反復業務への限定として診断書に反映
睡眠障害(不眠・過眠) 夜眠れない・朝起きられない。翌日の出勤が困難 欠勤・遅刻・早退の多さとして就労状況欄に記載可能
対人関係の困難 電話対応や会議参加が困難。コミュニケーションで消耗する 職場での援助内容(会議・電話免除)として記録される

「障害者枠で働けている=軽症」ではない理由

障害者雇用の職場では、通常の一般雇用とは異なる多くの配慮が提供されています。単純・反復作業への限定、声かけやマニュアルによるサポート、休憩時間の柔軟化、在宅勤務の特別許可——これらは、うつ病の方が「なんとか働けている」のではなく、「配慮があってはじめて機能できている」状態であることを示しています。

そしてもう一つ、見落とされがちな事実があります。仕事中はなんとか動いていても、帰宅した途端に動けなくなる。休日は外出はおろか、着替えも食事の準備も難しい。この「仕事以外の場面での著しい機能低下」こそが、うつ病の実態を表しているのです。

📋 障害者雇用で働きながら障害年金の対象になる可能性がある状況

  • ☐ 障害者雇用の配慮(単純作業・声かけ・休憩配慮など)がないと仕事を続けられない
  • ☐ 帰宅後や休日は疲れ果てて、ほとんど何もできない状態が続いている
  • ☐ 欠勤・遅刻・早退が月に複数回あり、出勤が安定していない
  • ☐ 家事・買い物・通院などの日常的な活動が一人では難しい
  • ☐ 精神障害者保健福祉手帳2〜3級を取得している

※上記はあくまで目安です。実際の認定は診断書・申立書・認定基準の総合判断によります。

うつ病と障害年金の関係——「日常生活への影響」が評価の中心

うつ病をはじめとする精神疾患の障害年金は、レントゲンや検査数値で障害の程度を測ることができません。そのため審査では「日常生活にどれだけの影響があるか」が中心的な評価軸になります。就労しているかどうかではなく、どのような状態で就労しているか、そして就労以外の場面でどんな生活を送っているかが問われるのです。

この点を理解した上で、次のセクションで障害年金の認定基準と、障害者雇用がどう扱われるのかを具体的に確認していきましょう。

うつ病の障害年金とは——障害者雇用中の方が知るべき制度の基本

障害年金は、病気やけがで日常生活や就労に著しい制限がある場合に受け取ることができる公的年金制度です。「働けない人だけのもの」というイメージがありますが、受給条件の中に「就労していないこと」は含まれていません。

障害年金を受給するための3つの要件

1

初診日要件

うつ病で初めて医療機関を受診した日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していること

2

保険料納付要件

初診日の前日において、一定期間の保険料を納めていること(または特例要件を満たすこと)

3

障害状態要件

初診日から1年6か月後の「障害認定日」、または現在の状態が、定められた障害等級(1〜3級)に該当すること

※3つの要件をすべて満たすことが必要です

障害年金には「障害基礎年金(1・2級)」と「障害厚生年金(1・2・3級)」の2種類があります。初診日に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金(会社員)に加入していた場合は障害厚生年金を請求できます。

令和7年度(2025年度)の年金額は、障害基礎年金2級で年間831,700円(月額約69,308円)、障害厚生年金3級の最低保証額で年間623,800円(月額約51,983円)です。障害者雇用の給与に加えて受け取れれば、生活の安定につながります(参照:日本年金機構)。

「うつ病は精神疾患だから基準がよくわからない」という声も多いですが、2016年(平成28年)9月から「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が運用され、審査の透明性が高まっています。次のセクションで、障害者雇用との関係を含む認定基準の詳細を見ていきましょう。

うつ病の障害年金認定基準——障害者雇用での就労が「有利に働く」仕組み

精神疾患の障害年金は、「日常生活能力の判定(7項目×4段階)」と「日常生活能力の程度(5段階)」の組み合わせを基本軸として等級が判定されます。そして、就労状況はその上に重ねる「総合評価の考慮要素」として審査されます。

等級判定ガイドラインが定める「障害者雇用」の特別扱い

厚生労働省が策定した「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(日本年金機構)には、就労状況に関して次のように明記されています。

📄 精神の障害に係る等級判定ガイドライン(抜粋・要約)

「就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型・B型)および障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討する。」

「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、仕事の種類・内容・就労状況・仕事場で受けている援助の内容・他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。」

この規定の意味は重要です。障害者雇用での就労は、審査上「福祉的な就労」として扱われます。一般雇用と同じ条件で働けているとは見なされず、配慮や援助を受けてはじめて就労が維持できている状態として評価されるのです。

さらに、次の規定も見逃せません。「就労の影響により、就労以外の場面での日常生活能力が著しく低下していることが客観的に確認できる場合は、就労の場面と就労以外の場面の両方の状況を考慮する」とも定められています。つまり「仕事中はなんとか動けても帰宅後は何もできない」という実態が、審査に正式に反映される根拠があるのです。

うつ病の障害等級の目安と、医師への伝え方ポイント(障害者雇用の場合)
等級 主な状態像 医師に伝えるポイント(診断書の就労状況欄)
1級 日常生活のほぼ全般に常時援助が必要。就労はほぼ不可能な状態 「在宅勤務のみで、仕事中も随時支援が必要。就労以外の生活はほぼすべて援助に依存している」など
2級 障害者雇用で単純・反復作業のみ。帰宅後は日常生活もほぼ困難。欠勤が多い ①障害者雇用であること ②仕事内容(単純作業・反復作業に限定) ③援助の内容(声かけ・マニュアル・休憩配慮) ④帰宅後・休日の著しい疲弊の状況
3級 配慮のある職場でなんとか就労継続中。欠勤・早退あり。日常生活は部分的に制限 ①障害者雇用であること ②欠勤・遅刻・早退の頻度 ③特別な配慮内容 ④就労後の体調(帰宅後の疲弊・翌日への影響)

※等級の認定は個別の審査によるものです。上記はあくまで目安です。

「診断書の就労状況欄」が空欄だと起きること

ここで、多くの方が知らない落とし穴をお伝えします。障害者雇用で厚生年金に加入している場合、審査機関の日本年金機構は「この方は厚生年金加入中=フルタイムで問題なく就労できている」と判断するデフォルトの見方をします。

診断書の就労状況欄に「障害者雇用」という記載がなければ、せっかくガイドラインに「1・2級の可能性を検討する」と書かれていても、その恩恵が受けられません。実際に、診断書の就労状況欄が空欄や簡略記載のまま提出され、不支給や3級非該当になるケースが後を絶ちません。

これが、社労士が「医師への伝え方」を専門的にサポートする最大の理由です。うつ病の実態を年金審査に正確に届けるためには、医療的な知識と年金制度の両方の知見が必要なのです。

認定基準がわかったところで、次は実際の申請の流れを見ていきましょう。「書類が多くて難しそう」と感じている方こそ、知っておきたいポイントがあります。

うつ病・障害者雇用中の障害年金申請の流れ——「申立書」が合否を分ける

障害年金の申請手続きは、大きく5つのステップで進みます。精神疾患の場合は特に「どう書くか」「何を伝えるか」が受給の可否に直結します。一つひとつ確認していきましょう。

1

年金事務所で相談・受診状況等証明書の入手

初診日の医療機関に「受診状況等証明書」を依頼。カルテが廃棄されているケースでも、お薬手帳・医療費通知などで代替できる場合があります。🟢 負担ゼロ対応可

2

主治医に診断書を依頼——「伝え方」が等級を決める

診断書の「就労状況欄」に①障害者雇用であること②援助の内容③帰宅後の状態を具体的に書いてもらう必要があります。医師への依頼内容を社労士が整理してお渡しすることもできます。🟢 負担ゼロ対応可

3

病歴・就労状況等申立書の作成——受給の鍵となる書類

請求者本人が作成する唯一の書類。発症〜現在の経過・日常生活・就労実態を3〜5年区切りで記載します。ここに帰宅後・休日の状態を詳細に書くことが2級認定への最大のポイントです。⚠️ 最重要ポイント

4

その他必要書類の準備・請求書類の提出

年金手帳・戸籍・住民票・銀行口座情報など。提出先は年金事務所または市区町村窓口です。🟢 負担ゼロ対応可

5

審査・認定(提出から3〜6か月程度)

提出後は日本年金機構が審査を行い、認定通知が届きます。認定後は偶数月15日に年金が振り込まれます。

申立書で「帰宅後・休日の状態」を書くことが2級認定のポイント

病歴・就労状況等申立書は、申請者が自分の障害状態を審査機関に直接アピールできる唯一の書類です。診断書は医師が書く医学的記録ですが、申立書は「どんな日常を送っているか」を本人の言葉で伝える場所です。

障害者雇用中の方にとって、最も重要な記載内容は「就労以外の場面」です。たとえば次のような内容を具体的に書くことで、審査員に実態が伝わります。

📝 申立書に書くべき「就労以外の場面の実態」の例

  • 帰宅後はソファから動けず、夕食を用意できないことが週〇回以上ある
  • 休日は外出できず、ほぼ横になったまま過ごしている
  • 着替え・入浴・掃除が何日もできないことがある
  • 買い物に行けず、宅配やコンビニに頼っている
  • 通院日以外は外出できない週がある
  • 翌日の仕事のことが不安で眠れない夜が週〇回以上ある

「そんなこと書いていいのか」と思われる方もいますが、これは事実の記録です。うつ病の方が日々送っている生活の実態を、審査員がイメージできる形で記載することが、適切な等級認定につながります。

申立書の作成は、体調が悪い時期には非常に負担が大きい作業です。清水総合法務事務所では、LINEで日常生活の状況をお聞きし、申立書の下書きを代行することで、この「最も重要で最も大変な工程」の負担をゼロにするサポートをしています。

うつ病×障害者雇用での申請でつまずく3つのポイントと解決策

「申請を考えたけど難しそうで諦めた」という方が多い申請を前に立ちはだかる壁があります。それぞれの解決策と、当事務所がどう対応しているかをお伝えします。

よくある「諦めポイント」 当事務所の解決策
「働いているから無理」と言われた 障害者雇用であれば、ガイドライン上「1・2級の可能性を検討する」対象です。就労実態を正確に伝えることで受給できるケースを多く扱っています
「診断書を主治医に頼みにくい」 何をどう伝えるかの「依頼メモ」を医学的観点から作成します。障害者雇用の状況・援助内容・帰宅後の状態を医師が記載しやすい形で整理します
「申立書が書けない・書く気力がない」 LINEでの簡単なヒアリングをもとに、申立書の下書きを代行します。お薬手帳の写真を送るだけで相談をスタートできます
「初診日が昔すぎてわからない」 うつ病の初診は「頭痛・不眠で内科受診」が最初というケースが多いです。お薬手帳・医療費通知・職場の産業医記録などから初診日を特定する方法を一緒に探します
「他の社労士に断られた」 当事務所は「あきらめからの逆転」を得意とし、他事務所で断られたケースの相談も積極的にお受けしています。まず状況をお聞かせください

「申立書が書けない」はうつ病では当然のこと

集中力が低下し、思考がまとまらず、文字を書くことに膨大なエネルギーがかかる——これはうつ病の症状そのものです。申立書を「自分で書けないから申請できない」と諦めていた方が多くいますが、専門家に依頼することで、この最大のハードルを超えることができます。

清水総合法務事務所では、「調べる・考える・書く」という負担をすべて当事務所が担います。LINEで簡単な質問に答えていただくだけで、申立書の下書きを作成します。ご確認・修正のやり取りもLINEで行えますので、体調の波に合わせて無理なく進められます。

「1995年阪神・淡路大震災でカルテが失われている」ケース

神戸・兵庫にお住まいの方に特有の事情として、1995年の阪神・淡路大震災によって医療機関のカルテや記録が失われているケースがあります。30年近く前の医療記録をお持ちでなくても、初診日の特定には複数の代替方法があります。神戸の地域事情に精通した当事務所ならではの対応ができますので、ご不安な方はまずご相談ください(参照:厚生労働省の初診日証明に関する特例指針)。

うつ病×障害者雇用での障害年金受給事例——3つのストーリー

実際に、どのような経緯で受給が決まったのか。3つのパターンで見ていきましょう。いずれも実際の支援をもとに、個人が特定されないよう内容を変えた事例です。

事例1
「申立書に書いた『帰宅後の2時間』が、2級認定を引き寄せた」

プロローグ

駅のホーム。帰りの電車を待ちながら、Aさん(40代・男性)は壁にもたれかかって目を閉じていた。今日もなんとか仕事を終えた。障害者雇用枠で週4日、午前中だけの軽作業。それでも夕方になると、足が重くなって動きたくなくなる。

Aさんがうつ病を発症したのは10年前、40代を前に管理職に昇進したことがきっかけだった。責任の重さとチームのマネジメントで追い詰められ、ある朝ベッドから起き上がれなくなった。その後、休職・復職を繰り返しながら、最終的に障害者雇用に転換した。

仕事自体は続けられていた。でも、帰宅後の2時間は何もできない。ソファに横になったまま、妻が準備してくれた夕食を食べるのが精一杯。休日は外出できず、家のなかで横になるだけで終わる。「こんな生活でも、年金の対象にはならないよな」——Aさんはそう思い込んでいた。

転機は、障害者雇用の同僚から「社労士に相談した」という話を聞いたことだった。LINEで写真を送るだけで相談できると聞き、恐る恐るメッセージを送った。数日後に届いた返信には、こんな言葉があった。

「Aさんの状況をうかがいました。障害者雇用でのご就労と、帰宅後に何もできない状態が続いているという点、どちらも障害年金の審査で重要な意味を持ちます。まず一度、詳しくお話を聞かせてください。」

ヒアリングは30分のオンライン面談で行われた。「帰宅後の2時間、何もできない」「休日は外出できない」「家事は妻に頼りきり」——普段は言えなかった生活の実態を、初めて言葉にした。社労士はそれをもとに申立書の下書きを作成し、「この内容を医師に伝えてほしい」という依頼メモも一緒に用意してくれた。

診断書を依頼する日、Aさんは主治医に依頼メモを手渡した。「こんなに詳しく伝えたことはなかったな」と医師は言い、診断書の就労状況欄に「障害者雇用・単純作業・帰宅後は家事不可能な状態が継続」と具体的に記載してくれた。

エピローグ — 本人の声

「審査が通ったと聞いたとき、正直泣きそうになりました。ずっと『働いているから無理』と思っていたんです。でも社労士さんに『帰宅後の2時間を書きましょう』と言われて、初めて自分の生活が年金で評価されると感じた。あのLINEを送った日のことは、一生忘れないと思います。」

この事例のポイント: 申立書に「就労以外の場面(帰宅後・休日)の著しい日常生活制限」を具体的に記載し、かつ診断書の就労状況欄に「障害者雇用」と援助内容を明記したことで、障害厚生年金2級が認定されました。

事例2
「診断書の就労欄が空欄のまま3級非該当→申立書の書き直しで2級へ」

第1幕: 壁に直面

Bさん(30代・女性)は自分で障害年金の申請をしたが、結果は「3級非該当」だった。不支給通知を手に持ち、「やっぱり働いているからダメだったんだ」と思った。でも、何かがおかしいと感じた。障害者雇用で週3日・4時間だけ働いているのに、なぜ「3級にも該当しない」のか。

年金機構に問い合わせると、担当者はこう言った。「診断書の就労状況欄に特別な記載がなかったので、通常の就労として判断されました。」——気づいた。主治医に「診断書をお願いします」とだけ伝え、就労状況欄の記載内容を依頼していなかったのだ。

第2幕: 転機

Bさんは当事務所にLINEで相談を送った。「一度不支給になったけど、もう一度申請できますか」という一文だった。ヒアリングで状況を聞くと、Bさんの職場では「仕事中に声かけ係がついており、複数の指示があると混乱するため1つずつしか渡されない」という配慮を受けていた。さらに「帰宅後は会話もできないほど疲弊しており、週に2〜3日は食事も取れない」という日常があった。

社労士は主治医への依頼メモを作成した。「診断書の就労状況欄に、①障害者雇用であること、②声かけ係による常時補助が必要なこと、③複数の指示への対応困難、④帰宅後は会話もできない疲弊状態、を具体的にご記載いただけますでしょうか」——この一枚を持って受診したBさんに、医師は「こういうことを書いていいんですね、知らなかった」と言って、詳細に記載してくれた。申立書には、食事が取れない夜・家族のサポートがなければ生活できない実態を一つひとつ書き込んだ。

第3幕: 解決と成果

再申請の結果、障害基礎年金2級が認定された。通知を開けたBさんは、まず会社の同僚に電話をかけた。「通ったよ」——その一言に、相手は「よかった、本当によかった」と泣いた。Bさん自身は、「診断書に何を書いてもらうか、ということを知らなかっただけで、ずっと損していたんだ」と気づいた。

「最初の申請で断られたとき、もう終わりだと思いました。でも社労士さんに『診断書に何が書かれていたか一緒に確認しましょう』と言ってもらって、初めて理由がわかったんです。」

この事例のポイント: 診断書の就労状況欄に「障害者雇用であること・援助内容・帰宅後の状態」を具体的に記載するよう医師に依頼するメモを作成し、審査員に実態を届けることで再申請での2級認定を実現しました。

事例3
「3社の社労士に断られた後、あきらめずに相談した結果」

結果 — まず、今を知ってください

Cさん(50代・女性)は今、障害厚生年金2級を受給しながら、障害者雇用で週3日、自分のペースで仕事を続けている。「年金があるから、もし体調が悪くて休んでも、少し安心できるんです」。そのCさんが、1年前は3つの社労士事務所から「就労中の精神疾患は難しい」と断られていた。

実は — こんな状況でした

Cさんのうつ病歴は15年に及んでいた。長年の治療で症状は波がありながらも、障害者雇用の職場でなんとか続けてきた。障害年金を調べ始めて相談した社労士からは「就労中は難しい」「精神疾患で就労中はほぼ無理」という言葉を繰り返し聞かされた。「もう無理なんだ」と思い込んで、1年間諦めていた。

再挑戦を決意したのは、主治医の一言だった。「Cさんの日常生活の状態は、年金の対象になるはずだと思うんですが」——主治医がそう言うのを聞いて、「もう一度だけ」と思った。

逆転 — どう変わったか

当事務所での相談は、最初から違った。「今の生活を教えてください」——仕事のことだけでなく、帰宅後の状態・休日の過ごし方・家事の状況・睡眠の実態を一つひとつ丁寧に聞いてもらった。Cさんの「仕事以外はほぼ何もできない」という生活の実態が、申立書の形を取り始めた。さらに、等級判定ガイドラインに基づき「障害者雇用での就労は1・2級の可能性を検討する対象」であることを、診断書の依頼とともに主治医に説明した。

今、伝えたいこと

「3か所で断られても、諦めないでください。私は正直、もう絶対無理だと思っていた。でも、『何が書かれていたか』ではなく、『何を書くべきか』をちゃんと考えてくれる専門家がいたことで、結果が変わりました。同じ状況で諦めている方がいたら、もう一度だけ相談してほしいんです。」

この事例のポイント: 3事務所に断られた後も、就労実態と日常生活の状態を精緻に整理した申立書と、障害者雇用の特別扱いを明示した診断書依頼により、障害厚生年金2級の逆転認定を実現しました。

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うつ病と障害年金・障害者雇用に関するよくある質問

Q. うつ病で障害者枠で働いていても障害年金はもらえますか?
はい、受給できる可能性があります。国の等級判定ガイドラインでは、障害者雇用での就労について「1級または2級の可能性を検討する」と明記されています。ただし、障害者雇用であることと就労実態が診断書・申立書に正確に記載されていることが必要です。「働いているから無理」という思い込みで諦める前に、状況の確認だけでもしてみることをおすすめします。
Q. 障害者雇用で働きながら障害年金を受給するには何が必要ですか?
主に3点が重要です。①診断書の就労状況欄に「障害者雇用」であることを明記してもらうこと、②受けている配慮の内容(単純作業・声かけ・休憩配慮・在宅勤務など)を具体的に記載してもらうこと、③病歴・就労状況等申立書に「仕事以外の時間(帰宅後・休日)の日常生活の実態」を詳細に記載することです。この3点が揃うことで、審査員が実態を正確に把握できます。
Q. 障害年金と障害者雇用の給与は合算できますか?
はい、原則として合算して受け取ることができます。障害年金には(20歳前の傷病による障害基礎年金を除き)所得制限がないため、障害者雇用での給与と障害年金を両方受け取ることが可能です。ただし、生活保護を受給している場合は調整が行われます。
Q. 一度不支給になっても、再申請できますか?
できます。不支給になった理由の多くは、診断書の就労状況欄の記載不足や申立書の内容が実態を反映していなかったことにあります。原因を特定して書類を整え直すことで、再申請で認定されるケースがあります。当事務所では、過去の書類を確認した上で再申請のサポートを行っています。
Q. 障害者手帳の等級と障害年金の等級は同じですか?
いいえ、まったく別の制度です。精神障害者保健福祉手帳の等級と障害年金の等級は審査基準が異なります。手帳が2〜3級であっても障害年金で1〜2級に認定されることがある一方、その逆もあります。手帳の等級だけで「年金は無理」とは判断できませんので、ぜひ確認してみてください。

清水総合法務事務所が選ばれる3つの理由

🔬 理由1: 審査員に届く「医学的翻訳」——診断書・申立書の記載内容を徹底整理

うつ病×障害者雇用の申請で最も重要なのは、診断書の「就労状況欄」に何を書かせるかと、申立書に帰宅後・休日の生活を具体的に記載することです。「障害者雇用であること」「援助の内容」「就労後の著しい疲弊」——この3点を審査員に届く形で整理することが、当事務所の最大の強みです。主治医への依頼メモも作成し、診察室での伝え方をサポートします。

📱 理由2: 「調べる・考える・書く」はすべて当事務所が担当

うつ病の症状がある中での申請準備は、それ自体が大きな負担です。当事務所では、お薬手帳や医療費通知の写真をLINEで送っていただくだけで相談をスタートできます。申立書の下書き、医師への依頼メモ作成、書類の取得方法の案内まで、「調べる・考える・書く」の全工程を代行します。体調の波に合わせてLINEでやり取りできますので、無理なく進められます(LINE公式:@273dfkjp)。

🔄 理由3: 他事務所で断られた・不支給になった方の逆転実績

「就労中の精神疾患は難しい」と他事務所で断られた方、一度不支給になった方のご相談を積極的にお受けしています。不支給の理由は多くの場合、診断書・申立書の記載内容にあります。原因を特定し、書き直すことで認定される可能性があります。「あきらめない障害年金」を掲げる当事務所として、簡単には諦めません。

うつ病×障害者雇用での障害年金申請——まとめと申請のタイミングについて

この記事でお伝えしてきた内容を整理します。

うつ病で障害者雇用中の方が障害年金を受給できる理由は、国の等級判定ガイドラインが障害者雇用での就労を「1・2級の可能性を検討する対象」として明示しているからです。「働いているから無理」は誤解です。

ただし、それを審査に反映させるためには、診断書の就労状況欄への具体的な記載と、申立書への「就労以外の場面の日常生活の実態」の記述が必要です。この2点が揃わなければ、どれほど状態が重くても適切な等級に認定されないことがあります。

また、申請のタイミングについて一点お伝えします。障害年金には請求時効があり、遡って受け取れる期間は最大5年に限られます。早く申請するほど、受け取れる年金の総額が多くなる可能性があります。「まだ申請するか決めていない」という段階でも、まず「自分のケースが対象になるか」だけ確認するところから始めることができます。

📋 申請前に確認したいこと

  • ☐ うつ病で初めて医療機関を受診した「初診日」が確認できる
  • ☐ 初診日当時、国民年金または厚生年金に加入していた
  • ☐ 保険料を概ね納めていた(または免除申請をしていた)
  • ☐ 障害者雇用枠で就労中、または就労に著しい制限がある
  • ☐ 帰宅後・休日の日常生活にも支障が出ている

※上記のすべてに当てはまらなくても、受給できる場合があります。まずはご相談ください。

「まだ決めていなくてもOK。確認だけでも」——そのハードルの低さが、当事務所の相談の始め方です。LINEでお薬手帳の写真を送るだけで、状況の確認から始められます。一人で抱え込まず、まず一歩、踏み出してみてください。

「障害者枠で働いているから無理」と諦めていた方こそ、ご相談ください

うつ病×障害者雇用での障害年金申請、神戸の専門社労士が診断書・申立書の作成を全力でサポートします。

✅ 診断書の就労状況欄に書くべき内容を医師に伝える依頼メモを作成
✅ 申立書の下書きをLINEのヒアリングで代行
✅ 他事務所で断られた・不支給になったケースも積極対応

📋 相談の流れ(3ステップ)

①LINE・電話・メールで無料相談 → ②お薬手帳や状況をもとにヒアリング → ③受給可能性と申請方針をご提案
※オンライン相談可・30分×2回に分割可能

📅 申請のタイミングについて
障害年金には請求時効があり、申請が遅れると過去に遡って受け取れる期間が短くなることがあります(最大5年)。「申請するかどうかまだわからない」という段階でも、まず「自分のケースが対象になるか」だけ確認するところから始められます。

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監修・執筆者

清水総合法務事務所 代表社会保険労務士

神戸を拠点に、障害年金申請サポートを専門とする社会保険労務士。精神疾患・うつ病での就労中申請を多数手がけ、「診断書の就労状況欄に何を書かせるか」「申立書で帰宅後の実態をどう記載するか」という実務的なノウハウを強みとする。他事務所で断られたケース・不支給後の再申請も積極的に対応し、兵庫・神戸を中心に全国対応。1995年阪神・淡路大震災によるカルテ滅失ケースの対応実績もあり。

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