抗がん剤治療をしながら働く人の受給事例|諦めずに再申請して3級認定されたケース

障害年金受給事例 がん
相談者50代男性会社員(姫路市在住)
傷病名胸腺がん(複数回再発)
決定した年金種類と等級障害厚生年金3級
年額約70万円
目次

相談時の状況

「もう諦めかけていました」そう話すのは、胸腺がんと闘いながら働き続ける50代の男性でした。

これまでに2回、自身で障害年金を申請したものの、いずれも不支給。家族を支えるため、抗がん剤治療による強い副作用に苦しみながらも、欠勤や早退を繰り返しつつ仕事を続けている状況でした。

依頼から請求までのサポート

過去の申請書類を分析したところ、一つの大きな課題が見えてきました。

がんによる障害年金の審査では、血液検査値のような明確な基準がないため、日常生活への影響を具体的に示す必要があります。しかし、これまでの診断書では、その点が十分に伝わっていませんでした。

対策として、以下のステップを実施:

  • 主治医向けの詳細な診断書記載ガイドを作成
  • がん相談支援センターのソーシャルワーカーと協力し、医師との橋渡しを実現
  • 抗がん剤治療の副作用や日常生活制限を具体的に記載した診断書を準備
  • 継続的な通院や治療が仕事に与える影響を詳述した申立書を作成

審査過程で、症状が前回より重度に記載されている理由について照会がありました。これに対し、過去の診断書が実態を十分に反映できていなかった点を説明し、現在の具体的な状況を丁寧に回答しました。

申請結果

3回目の挑戦で、障害厚生年金3級の受給が認められました。

社労士の意見・感想

このケースから見えてきた障害年金申請の重要ポイント:

  1. がんの場合、数値基準に頼れない分、生活への影響を具体的に示すことが不可欠です。特に、抗がん剤治療中の方は、副作用による日常生活への支障を詳しく説明することが重要です。
  2. 不支給歴があっても、適切な申請方法で再チャレンジする価値があります。実態が正しく伝わっていないケースが少なくありません。
  3. 医療機関のスタッフとの連携が成功の要因となります。特に、がん相談支援センターの活用は効果的です。

がんと向き合いながら就労している方は、一度専門家への相談をご検討ください。適切なサポートがあれば、受給の可能性は広がります。

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