『ペースメーカーを装着したら障害年金は受給できる?装着後も仕事は続けられる?経済的な不安を抱える方へ。月額8.3万円の障害年金3級を受給し、パート勤務と両立しながら新しい生活を始めた50歳代女性の実例を紹介。』
相談者 | 50代女性(稲美町在住) |
傷病名 | 洞不全症候群(心臓ペースメーカー装着) |
決定した年金種類と等級 | 障害厚生年金3級 |
年額 | 約100万円 |
【静かに進行する症状】
「レジで商品を手に取った時、突然、目の前が暗くなったんです。ふらつきそうになって、思わずカウンターに手をついてしまいました。お客様に『大丈夫ですか?』と声をかけていただいて…本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」
Aさん(仮名)は、当時を振り返りながら、静かな声で話し始めました。
20年以上勤めた地元のスーパーマーケット。正社員として、月収18万円を稼ぎ、家計を支えていました。最初は軽い動悸から始まり、時々感じる目まいも「年齢的なもの」と自分に言い聞かせる日々。しかし、レジでの出来事をきっかけに、生活は大きく変わることになります。
【診断から手術まで 】
地域の内科医院での受診時、医師の表情が一変したことを、Aさんは今でも鮮明に覚えているといいます。
「心電図を見た先生の顔が強張って…『すぐに総合病院を紹介します』と言われた時、背筋が凍りました」
総合病院での精密検査で判明したのは「洞不全症候群」。心臓のペースメーカー機能を担う洞結節の働きが低下する病気でした。
【生活の変化と深まる不安】
診断後も、Aさんは必死に正社員として働き続けました。しかし、レジ打ちの立ち仕事や商品の品出しなど、これまで当たり前にできていた作業が、日に日に困難になっていきます。
「正社員を続けられなくなって、パートに転換した時は、本当に途方に暮れました。月収が8万円まで下がってしまって…住宅ローンの支払いや、就職したばかりの息子への仕送りのことを考えると、夜も眠れませんでした」
そして迎えた緊急入院。予期せぬペースメーカーの装着手術。突然の出来事に、不安は頂点に達していました。
【障害年金との出会い】
術後の生活に不安を覚え、スマートフォンを片手に必死で検索していたAさん。その時、障害年金の存在を知ります。
「最初は戸惑いました。まだ50歳代の私が障害年金?周りの目も気になって…でも、このまま生活が立ち行かなくなるのも怖くて。藁をもすがる思いで、社会保険労務士事務所に電話をしたんです」
【希望への一歩】
初回相談時、Aさんは不安な表情で状況を説明されました。詳しくお話を伺うと、障害年金の受給要件を満たす可能性が高いことが分かってきました。
ポイントとなったのは:
- 初診時に厚生年金に加入していたこと
- 保険料の納付要件を満たしていたこと
- ペースメーカー装着により、原則として3級に該当すること
「一つ一つ丁寧に説明していただき、『これなら大丈夫かもしれない』という希望が見えてきました。
【申請から審査結果まで】
必要書類の準備は慎重に進めました:
- 診断書:ペースメーカー装着の詳細な記録
- 初診日証明:保険加入時期の確認
- 就労状況等申立書:仕事内容の変化を詳しく記載
そして申請から3ヶ月後、待ちわびた結果が届きます。
【新たな生活のスタート】
障害厚生年金3級の受給が決定。基本月額約8.3万円の給付により、パート収入と合わせて毎月16万円程度の収入を確保できるようになりました。
「年金が決定した時は、思わず涙が溢れました。これで息子の仕送りも続けられる。何より、経済的な重荷が軽くなって、体調管理により集中できるようになりました。今は、新しい生活リズムにも慣れて、前を向いて歩めています」
【社労士からのメッセージ】
ペースメーカーの装着。その決断に至るまでの不安や、装着後の生活への戸惑い。そして、経済的な問題。誰もが同じような悩みを抱えておられます。
しかし、あなたは決して一人ではありません。
障害年金は、あなたの新しい生活を支えるための大切な権利です。ペースメーカーを装着されている方は、原則として障害年金3級に該当し、就労を続けながらの受給も可能です。
特に重要なのは、装着時期によって申請のタイミングが変わる点です:
- 認定日(初診から1年6ヶ月後)前の装着:すぐに申請可能
- 認定日後の装着:事後重症請求として申請
どうか一人で抱え込まないでください。些細な疑問や不安でも構いません。一緒に解決の道を探っていきましょう。
Aさんは今、こう話されています。 「あの時、思い切って相談して本当に良かった。同じように悩んでいる方がいたら、ぜひ一歩を踏み出してほしいです」 あなたの新しい生活のスタートを、私たちが全力でサポートいたします。
【個人情報の取り扱いについて】
本事例は、以下の方針に基づき掲載しております:
・依頼者様の同意のもと、情報を公開しています
・プライバシー保護の観点から、個人が特定されない形に年齢、職業、経過等の詳細を一部加工しています
・事例の本質的な部分は正確に保持しています
・記載している給付額は一例であり、加入期間や保険料納付状況等により個人差があります。
当事務所では、依頼者様の個人情報保護を最優先としつつ、障害年金の申請を検討されている方々へ、参考となる情報を提供できるよう努めています。