相談者 | 40代男性(西宮市在住) |
傷病名 | 若年性パーキンソン病 |
決定した年金種類と等級 | 障害厚生年金級2級 |
年額 | 約200万円(配偶者加算含む) |
最初の一歩を踏み出すまで
「まだ大丈夫かな…」
「障害年金を申請するのは早すぎるかも…」
相談に来られた40代のAさんは、そんな思いを抱えていらっしゃいました。30代後半から感じ始めた体の違和感。でも、大切な仕事も、支えるべき家族もある。そんな中で揺れる気持ちを、私たちはじっくりとお聞きしました。
病気との向き合い方
若年性パーキンソン病と診断されてから2年。Aさんは必死に仕事を続けていらっしゃいました。
「最初は左手の震えだけでした。でも、徐々に右手にも症状が出始めて…特にパソコンの操作が辛くなってきて」
声を詰まらせながら、それでも前を向いて話してくださるAさん。投薬治療を続けながらも、確実に進行する症状に、将来への不安は募るばかり。そんな中でも、上司や同僚の理解に支えられ、仕事を続けていらっしゃいました。
障害年金の認定ポイント
パーキンソン病における障害年金の認定では、日常生活動作への影響を具体的に示すことが極めて重要です。
投薬治療による症状のコントロール状態が大きな判断基準となりますが、それと同時に、実際の生活での困難さを詳細に確認していきます。薬を服用することで症状が十分に抑えられている場合は、残念ながら認定の対象とはなりません。
Aさんの場合、以下のような具体的な制限について、丁寧に聞き取りを行わせていただきました:
【日常生活での困難さ】
「朝の着替えに、以前の倍以上の時間がかかるようになりました」
「ボタンの掛け外しが特に難しくなってきています」
「お箸が使いにくく、食事の時間も長くなっています」
【仕事での影響】
「パソコンのキーボード操作が遅くなり、以前の半分程度の作業量になっています」
「資料をめくる作業も難しくなってきて、データでの確認が増えました」
「会議での資料の取り扱いにも時間がかかるようになりました」
【移動時の困難】
「階段の上り下りが特に不安で、必ずつかまるようにしています」
「電車やバスの揺れで転倒しそうになることが増えました」
「雨の日の通勤は特に慎重になり、いつもより30分早く家を出るようにしています」
このように、生活の様々な場面での具体的な制限を丁寧に確認し、申請書類に反映していきました。症状による制限は、その方の生活環境や仕事内容によって大きく異なります。だからこそ、一つ一つの動作の困難さを、具体的にお聞きすることが重要なのです。
申請書類作成のポイント
特に以下の点について、詳しく記載していきました:
- 各動作の所要時間の変化
- 介助や配慮が必要となった具体的な場面
- 工夫や対策を行っている部分
- 症状の進行に伴う変化の様子
一緒に考える障害年金申請
「働きながらでも申請できるんですか?」
はい、できます。むしろ、早めの相談が将来の安心につながります。私たちは、Aさんの状況を一つ一つ丁寧にお聞きしながら、申請に向けた準備を進めていきました。
主治医の先生とも連携させていただき、日常生活での困りごとや、仕事を続けるために必要な工夫なども、具体的に記録していきました。特に以下の点は、しっかりと伝えられるようサポートさせていただきました:
- 投薬治療を続けても残る症状の実態
- 仕事や生活での具体的な制限
- 必要な介助や配慮の内容
新たな一歩を踏み出して
申請から約3ヶ月後、障害厚生年金2級の認定をいただくことができました。
「これで、少し将来への不安が和らぎました」
その言葉に、私たち社労士も心から安堵しました。
申請を悩まれている方々へ
パーキンソン病に限らず、障害や病気と向き合いながら働くことは、様々な不安や困難を伴います。でも、一人で抱え込まないでください。
私たち社会保険労務士は、あなたの気持ちに寄り添いながら、一緒に解決の道を探っていきたいと考えています。
「 働きながらの申請でも大丈夫です」
「 些細な症状や困りごとでもお話しください」
将来への不安も、一緒に考えていきましょう まずは、お気軽にご相談ください。私たちが、あなたの新しい一歩を支援させていただきます。