肝硬変で「仕事を続けられるか不安」「医療費の負担が心配」という方へ。50代男性が障害年金2級を受給するまでの体験談を詳しく解説。外からは見えづらい症状と向き合いながら、新しい生活を築くまでの道のりをご紹介します。
相談者 | 50代男性(伊丹市在住) |
傷病名 | 非代償性肝硬変 |
決定した年金種類と等級 | 障害厚生年金2級 |
年額 | 約180万円 |
【相談時の生活状況】
「この前、工場で足がふらついて、あと一歩で機械に接触するところでした」。初回相談時、製造業に勤務する50代の男性は、声を震わせながらそう話されました。25年以上働いてきた工場での仕事が、非代償性肝硬変の進行により、突然続けられなくなる不安を抱えていたのです。
立ち仕事が30分も持たず、かつては何とも思わなかった作業台までの距離が、今では長い道のりに感じられるようになっていました。「自分はまだ若いのに、なぜ」という思いと闘いながらも、体調の悪化を感じ、ついに休職を決意されました。
自宅での生活も思うようにいきませんでした:
– 2階の寝室まで上がるのに、何度も休憩が必要に
– 疲労で午後からはほとんどベッドで過ごす日々
– 大切な薬の飲み忘れが増え、家族が心配
特に、腹水による腹部の膨満は深刻でした。「作業着のウエストが合わなくなって、新しい服を買いに行く元気もない」と奥様が心配そうに語るほどでした。
【申請サポートの内容】
「主人は『まだ大丈夫』と言い続けていて…」と奥様から相談を受けた際、すぐに訪問相談を提案しました。ご本人の体調に配慮し、午前中の比較的調子の良い時間帯に合わせて支援を進めることにしました。
初回の自宅訪問時、緊張された様子のご本人に、「焦る必要はありません。一つずつ一緒に確認していきましょう」と声をかけると、少しずつ表情が和らいでいきました。
医師との連携でも、きめ細かな対応を心がけました。「先生、実は階段を上がるのも一苦労で…」と診察室で言い出せなかった日常生活の困難さを、詳しく医師に伝える診断書作成の依頼書を準備しました。
支援の内容は以下の通りです:
1. 体調の良い午前中を中心とした自宅での書類作成
2. 具体的な生活状況の聞き取りと記録
3. 適切な診断書作成のための医師への依頼書作成
【受給後の生活変化】
「毎日の通院と薬代だけで、貯金が心配でした。これで少し肩の荷が下りました」。障害年金の受給が決定した時、奥様はそう話されました。治療に専念できる時間が確保でき、何より経済的な不安が軽減されたことで、ご家族全体の表情が明るくなりました。
受給から3ヶ月後、「通院に付き添う妻の負担も減り、家族で将来の話ができるようになりました」とご報告いただいた時は、社労士として大きなやりがいを感じました。
【社労士からのメッセージ】
肝硬変による障害は、外見からは見えにくく、「まだ大丈夫」と無理を重ねてしまいがちです。「年齢的にまだ早いのでは」「他の人より症状が軽いかもしれない」と、申請をためらう方も少なくありません。
しかし、日常生活での小さな変化が、実は重要なサインかもしれません。階段で息切れがする、薬の管理が難しい、仕事中にふらつく―こうした変化に気づいたら、まずはご相談ください。
これまで、多くの方々の申請をサポートしてきました。共通しているのは、「もっと早く相談すれば良かった」というお声です。大切な治療の時期を逃さないために、まずはご相談ください。ご家族の「何とかしてあげたい」というお気持ちに、私たち専門家の経験と知識で応えていきます。
あなたの生活を、そして大切な家族の時間を守るために。些細な心配事でも構いません。これまでのこと、これからのこと、ゆっくりとお話をお聞かせください。必ず、一緒に最適な方法を見つけていきましょう。