人工透析開始から障害年金2級認定まで|初診日証明の壁を乗り越えて年額180万円を受給した事例

人工透析開始から障害年金2級認定まで|初診日証明の壁を乗り越えて年額180万円を受給した事例

人工透析開始から障害年金2級認定まで|初診日証明の壁を乗り越えて年額180万円を受給した事例

人工透析を始めることになった時、身体的な負担だけでなく、仕事や経済面での不安も大きいのではないでしょうか。週3回、1回4時間もの透析治療を続けながら働くことは容易ではありません。「これから先、どうやって生活していけばいいのだろう」「透析を受けながら仕事を続けられるだろうか」という不安で眠れない夜を過ごされているかもしれません。しかし、人工透析を受けている方には、障害年金という公的支援制度があります。この記事では、糖尿病性腎症により人工透析を開始した50代男性が、初診日の証明という大きな壁を乗り越えて、障害厚生年金2級を受給できた実例をご紹介します。同じような状況で悩まれている方々に、希望の光をお届けできれば幸いです。

相談者 50代男性(兵庫県在住)
傷病名 糖尿病性腎症による慢性腎不全(人工透析)
決定した年金種類と等級 障害厚生年金2級
年金額 年額約180万円、遡及額約90万円
目次

糖尿病性腎症による人工透析で障害厚生年金2級を取得したケース

人工透析を受けている方が障害年金を受給できるのか、初診日の証明が難しい場合はどうすればよいのか、具体的な事例を知りたいと思われているのではないでしょうか。ここでは実際に当事務所がサポートし、初診日証明の困難を乗り越えて障害厚生年金2級の認定を受けた方のケースをご紹介します。

患者様のプロフィールと発症状況

会社勤めをしていた50代の男性Bさんは、約15年前に健康診断で血糖値の異常を指摘され、近所の内科クリニックで糖尿病と診断されました。当初は飲み薬による治療を続けていましたが、仕事の忙しさもあり、通院が不規則になることもありました。

その後、転職や引っ越しを経て、かかりつけ医も何度か変わりました。そんな中、数年前から徐々に腎機能が低下し始め、ついに人工透析が必要な状態になってしまったのです。透析導入時、主治医から「障害年金を申請できる可能性がある」と聞き、年金事務所に相談に行ったBさん。しかし、そこで大きな壁に直面することになります。

「糖尿病で最初に受診した病院の証明書が必要です」と言われたBさんですが、15年前に初めて受診したクリニックはすでに閉院しており、カルテも残っていないことが判明したのです。

初診日証明の壁と生活への影響

Bさんの状況は以下のようなものでした:

  • 週3回、1回4時間の人工透析が必要
  • 透析の日は仕事を早退せざるを得ず、収入が減少
  • 透析後の疲労感が強く、日常生活にも支障
  • 透析のスケジュールに合わせた生活を余儀なくされる
  • 15年前の初診日を証明する書類が取得できない

「年金事務所で『初診日が証明できないと申請できません』と言われた時は、本当に途方に暮れました。透析を続けながら働くだけでも精一杯なのに、15年も前のことをどうやって証明すればいいのかわかりませんでした」とBさんは当時を振り返ります。

人工透析は週3回、各4時間程度の治療時間に加え、通院時間も含めると、週に20時間近くを透析のために費やすことになります。フルタイムでの就労は事実上困難となり、Bさんも勤務時間を大幅に減らさざるを得ませんでした。収入は以前の半分以下になり、将来への不安が募る一方でした。

障害年金申請を検討するきっかけ

Bさんが当事務所に相談に来られたのは、透析を開始してから半年が経った頃でした。年金事務所で初診日の証明ができないと言われて諦めかけていたところ、透析仲間から「社会保険労務士に相談してみたら?」とアドバイスを受けたのがきっかけでした。

「もう諦めていましたが、ダメでもともとという気持ちで相談させていただきました」とBさん。

当事務所では初回相談時に、人工透析を受けている場合は原則として障害厚生年金2級に該当すること、そして初診日の証明が困難な場合でも、様々な資料を組み合わせることで証明できる可能性があることを説明しました。

人工透析と障害年金の関係性〜初診日証明の重要性

人工透析を開始した後、いつ障害年金を申請できるのか、初診日の証明が難しい場合はどうすればよいのか、多くの方が疑問を抱えています。ここでは、障害年金の専門家として、人工透析による障害と年金申請の重要なポイントを解説します。

人工透析開始時が障害認定日となる理由

人工透析を受けている方の障害年金申請には、他の傷病と異なる特別なルールがあります。それは、「人工透析を開始した日」が障害認定日となるという点です。

一般的な傷病の場合、初診日から1年6ヶ月経過した日が障害認定日となりますが、人工透析の場合は例外的に透析開始日から3ヶ月を経過した日が障害認定日とされます。これは人工透析が長期にわたって継続される治療であり、開始後の症状が比較的早期に固定することを考慮したルールです。

Bさんのケースでは、透析開始から3ヶ月が経過した時点で障害認定日となり、その時点の状態で障害年金の等級が判定されることになりました。

なぜ初診日の証明が重要なのか?

「透析を開始した日が障害認定日なら、なぜ糖尿病の初診日が必要なの?」という疑問を持たれる方も多いでしょう。実は、初診日は障害年金申請において極めて重要な意味を持ちます。

初診日が重要な理由は以下の通りです:

  • 初診日時点でどの年金制度に加入していたかによって、受給できる年金の種類が決まる(国民年金か厚生年金か)
  • 初診日の前日時点で一定期間の保険料納付要件を満たしている必要がある
  • 初診日を起点として障害認定日が決まる

Bさんのケースでは、糖尿病で初めて受診した15年前の時点では会社員として厚生年金に加入していました。この初診日が証明できれば、障害厚生年金を受給できる可能性があります。しかし、初診日が証明できないと、そもそも申請自体ができない状況でした。

「初診日(障害の原因となった傷病について、初めて医師の診療を受けた日)」の証明は、障害年金申請の最も基本的かつ重要な要件なのです。

初診日証明が困難なケースとその対応策

初診日の証明が困難になるケースは、実は珍しくありません。特に以下のような場合に問題となることが多いです:

  • 初診から長期間が経過している(Bさんのように15年以上前など)
  • 初診の医療機関が閉院・廃業している
  • カルテの保存期間(5年)を超えており、記録が破棄されている
  • 複数の医療機関を転々としており、最初の受診先が不明確

このような場合でも、以下のような資料を組み合わせることで、初診日を証明できる可能性があります:

  1. 第三者証明受診当時の状況を知る第三者(家族、同僚、友人など)の証言により、初診日を推定する方法です。複数の第三者証明があれば、より信頼性が高まります。
  2. 診察券や領収書古い診察券や医療費の領収書が残っていれば、受診日の証明となります。Bさんの場合、引っ越しの際に処分してしまっていましたが、このような資料が残っていないか、ご自宅をくまなく探すことをお勧めしました。
  3. 健康保険の給付記録協会けんぽや健康保険組合には、過去の医療機関受診記録が一定期間保存されています。Bさんの場合、当時加入していた健康保険組合に照会したところ、15年前の受診記録が残っていることが判明しました。
  4. 糖尿病手帳や血糖値測定記録糖尿病の場合、糖尿病手帳に初回受診時の記載があることがあります。また、血糖値の測定記録なども参考資料となります。
  5. 職場の健康診断記録会社の定期健康診断で異常を指摘された記録があれば、その時期から医療機関を受診したと推定できます。Bさんの場合、15年前の健康診断で血糖値異常が指摘されており、その後すぐに医療機関を受診したことを証明する一助となりました。

人工透析と障害年金の等級

人工透析を受けている場合、障害年金の等級はどのように判定されるのでしょうか。実は、人工透析については明確な基準があります。

認定基準では、「人工透析療法施行中のもの」は原則として障害等級2級に該当するとされています。これは、人工透析が日常生活に著しい制限をもたらす治療であることを考慮した基準です。

障害厚生年金2級の認定基準(人工透析の場合):

  • 「日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」の障害であること
  • 人工透析療法を継続して受けている状態
  • 週2〜3回、各4時間程度の透析治療を受けている

Bさんの場合も、週3回の人工透析を継続して受けており、障害厚生年金2級の認定基準に該当しました。

ただし、腎移植を受けて透析離脱した場合や、透析の頻度が著しく少ない場合などは、等級が変更される可能性もあります。また、他の合併症(糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害など)がある場合は、それらを総合的に評価して等級が決定されることもあります。

【申請プロセス】初診日証明の困難を乗り越えた専門家サポートの実際

初診日の証明が困難な場合、どのようにして申請を進めればよいのでしょうか。Bさんのケースを通じて、専門家のサポートによる具体的な申請プロセスをご紹介します。

初回相談から初診日証明資料の収集まで

当事務所にBさんが相談に来られた際、まず詳しく状況をお聞きしました。

初回相談で確認した内容:

  • 糖尿病の発症時期と最初に受診した医療機関
  • その後の治療経過と転院の履歴
  • 人工透析開始の時期と現在の透析状況
  • 初診日証明のために現在持っている資料
  • 当時の生活状況や就労状況

Bさんの場合、初診の医療機関は閉院していましたが、以下の手がかりがありました:

  • 15年前の健康診断で血糖値異常を指摘された記録が会社に残っていた
  • 健康診断後、すぐに近所のクリニックを受診したことを覚えている
  • 当時の妻が受診に付き添っていた
  • その後、数年間は同じクリニックに通っていた

これらの情報を基に、当事務所では以下のような初診日証明の戦略を立てました:

  1. 健康保険組合に照会して、15年前の受診記録を取得
  2. 会社から健康診断の結果票を取得
  3. 奥様に第三者証明を作成していただく
  4. 当時の上司や同僚にも第三者証明を依頼
  5. 2番目に通院した医療機関の受診状況証明書を取得

健康保険組合への照会が決め手に

Bさんのケースで最も重要だったのは、健康保険組合への照会でした。当時加入していた健康保険組合に「医療機関等への受診状況に係る調査について」という照会を行ったところ、15年前の○月に内科クリニックを受診した記録が見つかったのです。

「まさか15年も前の記録が残っているとは思いませんでした。これが見つかった時は本当に嬉しかったです」とBさん。

健康保険組合の記録に加えて、以下の資料も揃えました:

  • 健康診断結果票(血糖値異常の指摘を確認)
  • 奥様による第三者証明(初診時に付き添ったことの証明)
  • 2番目の医療機関の受診状況証明書(閉院した1番目の医療機関の後に受診したことを証明)

これらの資料を組み合わせることで、15年前の初診日を合理的に証明することができました。

医師の診断書取得とポイント

初診日の証明ができたら、次は現在の主治医に診断書を作成していただく段階です。人工透析の場合、診断書は「腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用」の様式を使用します。

Bさんの場合、透析を受けているクリニックの主治医に依頼しました。診断書を依頼する際のポイント:

  • 人工透析の開始日を正確に記載してもらう
  • 現在の透析の頻度(週○回、各○時間)を明記してもらう
  • 糖尿病の治療経過も記載してもらう
  • 日常生活の制限について具体的に記載してもらう

人工透析を受けている場合、診断書の記載は比較的シンプルです。透析を継続して受けているという事実が最も重要な情報となるからです。ただし、他の合併症がある場合は、それらについても詳しく記載してもらう必要があります。

病歴・就労状況等申立書の作成

Bさんのケースでは、15年間の糖尿病治療の経過を詳しく記載する必要がありました。申立書には以下のような内容を記載しました:

  • 15年前の健康診断で血糖値異常を指摘された経緯
  • 初診のクリニックでの治療内容と期間
  • 転院の理由と経過
  • 腎機能低下の経緯
  • 人工透析導入に至るまでの経過
  • 透析開始後の日常生活への影響
  • 就労状況の変化

特に重要だったのは、初診から透析導入までの一連の流れを論理的に説明することでした。「この傷病は糖尿病を原疾患としており、糖尿病性腎症により腎機能が低下し、最終的に人工透析が必要になった」という因果関係を明確にすることで、15年前の糖尿病初診日が今回の障害の起点であることを証明しました。

また、透析開始後の生活については以下のような具体的な記載をしました:

「週3回(月・水・金)、午後1時から5時まで人工透析を受けている。透析の日は午前中のみ勤務し、午後は透析のため早退している。透析後は疲労感が強く、帰宅後はすぐに休まなければならない。翌日も疲れが残ることが多く、以前のようなフルタイム勤務は困難な状態である。透析を受けない日も、食事や水分の制限があり、日常生活に常に制約を感じている。」

年金事務所への提出と審査

必要書類が全て揃ったら、年金事務所に提出します。Bさんのケースでは、以下の書類を提出しました:

  • 年金請求書
  • 診断書(腎疾患用)
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 受診状況等証明書(2番目の医療機関のもの)
  • 健康保険組合の受診記録
  • 健康診断結果票
  • 第三者証明(奥様)
  • その他必要書類(住民票、戸籍謄本、年金手帳など)

申請から約3ヶ月後、障害厚生年金2級の認定通知が届きました。長年の治療の苦労と、初診日証明の困難を乗り越えての認定に、Bさんは「本当に諦めなくてよかった」と涙されました。

【申請結果】障害厚生年金2級認定と受給額の詳細

申請の結果、Bさんは障害厚生年金2級と認定され、年額約180万円の年金を受給できることになりました。また、透析開始から3ヶ月経過時(障害認定日)から申請までの約6ヶ月分が遡及支給され、約90万円がまとめて支払われました。

年額約180万円の障害年金が生活にもたらす影響

Bさんは障害厚生年金2級の認定を受け、月額約15万円(年額約180万円)の年金を受け取ることになりました。

障害厚生年金2級の受給額は、加入期間や過去の給与によって変わります。Bさんの場合、長年会社員として厚生年金に加入していたため、相応の年金額となりました。

Bさんは次のように語ります:

「透析を始めてから勤務時間を減らさざるを得なくなり、収入が大幅に減少していました。月15万円の年金があることで、生活の不安が大きく軽減されました。無理に長時間働こうとして体調を崩すこともなくなり、透析と仕事を両立しながら、安定した生活を送れるようになりました。」

人工透析を受けながら働くことは、想像以上に大変です。透析の日は実質半日しか働けず、透析後の疲労も考慮すると、フルタイムでの就労は困難です。障害年金という安定した収入があることで、無理のない範囲で就労を続けることができるのです。

遡及支給約90万円の内訳

Bさんのケースでは、約90万円の遡及支給も受けることができました。これは、障害認定日(透析開始から3ヶ月経過日)から申請までの約6ヶ月分の年金です。

人工透析の場合、透析開始から3ヶ月を経過した日が障害認定日となります。この日から実際に申請するまでの期間があると、その分の年金が遡及して支払われます。

Bさんの場合:

  • 遡及期間: 約6ヶ月分
  • 遡及額: 月額15万円×6ヶ月=約90万円

「まとまったお金が入ったことで、透析通院のための車の購入や、食事制限に対応するための調理器具の購入に充てることができました」とBさん。

遡及支給を最大限に受けるためには、できるだけ早く申請することが大切です。人工透析の場合、透析開始から3ヶ月が経過したら、すぐに専門家に相談することをお勧めします。

障害厚生年金と障害基礎年金の違い

Bさんが受給したのは「障害厚生年金2級」です。ここで、障害厚生年金と障害基礎年金の違いについて説明しておきましょう。

障害年金には、大きく分けて2種類あります:

  • 障害基礎年金: 初診日に国民年金に加入していた場合
  • 障害厚生年金: 初診日に厚生年金に加入していた場合

障害厚生年金の場合、障害基礎年金に上乗せして支給されるため、受給額が高くなります。また、生計を維持する65歳未満の配偶者がいる場合には、令和7年度では年額239,300円(月額約19,942円)が配偶者加給年金として加算されます。これが、初診日の証明が重要な理由の一つです。初診日に厚生年金に加入していたことが証明できれば、より多くの年金を受給できるのです。

Bさんの場合、15年前の糖尿病初診日に会社員として厚生年金に加入していたことを証明できたため、障害厚生年金を受給できることになりました。もし初診日の証明ができず、透析開始時点を初診日とせざるを得なかった場合、その時点で国民年金加入だったなら、受給額は大きく減っていた可能性があります。

人工透析による障害年金申請でよくある質問と回答

人工透析を受けていれば必ず障害年金がもらえるの?

人工透析を受けている場合、原則として障害等級2級に該当しますが、「必ずもらえる」わけではありません。以下の要件を満たす必要があります:

  • 初診日に国民年金または厚生年金に加入していたこと
  • 初診日の前日時点で、一定期間の保険料納付要件を満たしていること
  • 障害認定日(透析開始から3ヶ月経過日)に障害の状態にあること

特に重要なのは保険料納付要件です。初診日の前日において、以下のいずれかを満たす必要があります:

  1. 初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上あること
  2. 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと(特例)

保険料の未納期間が長い場合、この要件を満たさず、人工透析を受けていても障害年金が受給できないケースがあります。ただし、納付要件は複雑なので、「未納があるから無理」と自己判断せず、専門家に相談することをお勧めします。

初診日が証明できない場合、絶対に申請できないの?

初診日が証明できない場合でも、諦める必要はありません。Bさんのケースのように、様々な資料を組み合わせることで証明できる可能性があります。

初診日証明に使える資料の例:

  • 健康保険の給付記録
  • お薬手帳や糖尿病手帳
  • 健康診断の結果票
  • 第三者証明(家族、同僚、友人など)
  • 閉院した医療機関の記録の写し(地域の医師会などが保管している場合がある)
  • 領収書や診察券
  • 紹介状のコピー

また、初診の医療機関が閉院していても、その後に受診した医療機関の受診状況証明書と組み合わせることで、初診日を推定できる場合があります。

「もう証明できない」と諦める前に、一度専門家に相談してみてください。思わぬ資料が初診日証明の決め手になることもあります。

透析をやめたら年金も止まるの?

腎移植によって透析を離脱した場合、障害の状態が変わるため、等級が変更されたり、支給停止となったりする可能性があります。

具体的には、障害状態確認届(診断書)の提出時に、腎移植後の状態が評価されます。腎移植が成功し、腎機能が回復している場合は、等級が下がったり、障害年金が支給停止となったりすることがあります。

ただし、腎移植後も免疫抑制剤の服用が必要であり、一定の日常生活の制限がある場合は、3級程度に該当する可能性もあります。

一方、腎移植を受けたものの拒絶反応などにより再び透析が必要になった場合は、再度2級の認定を受けることができます。

働きながら透析を受けている場合でも年金はもらえるの?

はい、もらえます。障害年金の受給要件に「働いてはいけない」という条件はありません。Bさんのように、透析を受けながら勤務時間を減らして働いている場合でも、障害年金を受給できます。

ただし、障害厚生年金3級の場合は、「労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度」という基準があるため、フルタイムで問題なく働けている場合は該当しない可能性があります。

人工透析の場合は原則2級ですので、就労の有無に関わらず受給できるケースがほとんどです。むしろ、障害年金を受給しながら、無理のない範囲で就労を続けることが、生活の安定と社会参加の両面から望ましいと言えます。

糖尿病だけでも障害年金はもらえるの?

糖尿病そのものでは、原則として障害年金の対象にはなりません。しかし、糖尿病の合併症によって障害が生じた場合は、障害年金の対象となります。

糖尿病の合併症で障害年金の対象となるもの:

  • 糖尿病性腎症による人工透析(2級)
  • 糖尿病性網膜症による視力障害(1級〜3級)
  • 糖尿病性神経障害による下肢切断など(2級〜3級)
  • 糖尿病性壊疽による切断(2級〜3級)

Bさんのケースは、糖尿病性腎症による人工透析ということで、障害年金の対象となりました。

また、複数の合併症がある場合(例えば、人工透析と視力障害など)は、それらを総合的に評価して等級が決定されることもあります。

まとめ:人工透析による障害年金を確実に受け取るために

人工透析を受けている方にとって、障害年金は生活を支える重要な経済的支援です。Bさんのケースでは、初診日証明という大きな壁を乗り越えて、障害厚生年金2級を取得し、年額約180万円、遡及額約90万円という経済的支援を受けることができました。

この事例が示すように、初診日の証明が困難な場合でも、適切な方法と専門的なサポートにより、受給につながる可能性は十分にあります。

Bさんのケースのポイントを振り返ると:

  • 初診から長期間経過していても、健康保険組合の記録などで初診日を証明できた
  • 複数の資料を組み合わせることで、初診日の信頼性を高めた
  • 糖尿病から透析導入までの一連の流れを論理的に説明した
  • 専門家のサポートにより、複雑な初診日証明をクリアできた
  • 結果として、障害厚生年金2級という適切な等級が認定された

人工透析による障害年金申請をご検討の方々へのアドバイスとして、以下の点が特に重要です:

1. 透析開始後、早めに相談する

人工透析開始から3ヶ月が経過したら、できるだけ早く障害年金の申請を検討してください。申請が遅れると、受け取れるはずの遡及金が減少する可能性があります。

2. 初診日証明を諦めない

初診の医療機関が閉院していても、カルテが残っていなくても、諦めないでください。健康保険の記録、健康診断の結果、第三者証明など、様々な方法で証明できる可能性があります。

3. 古い記録も大切に保管する

診察券、領収書、お薬手帳、健康診断の結果など、医療に関する記録は捨てずに保管しておくことをお勧めします。思わぬ時に初診日証明の資料として役立つことがあります。

4. 専門家に相談する

初診日の証明が困難な場合は特に、社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。長年の経験から、様々な証明方法を提案できます。

人工透析を受けながらの生活は、身体的にも精神的にも大きな負担となります。しかし、障害年金という安定した収入があれば、経済的な不安を軽減し、透析と仕事を無理なく両立できます。将来の生活設計も立てやすくなるでしょう。

当事務所では、これまで多くの人工透析のケースを手がけてきました。Bさんのように、初診日証明の困難を乗り越えて適切な等級認定を受けられるよう、一人ひとりの状況に合わせたサポートを行っています。

【無料相談実施中】あなたの障害年金申請をサポートします

人工透析を始めることになり、将来への不安を抱えていらっしゃるなら、あなたは決して一人ではありません。Bさんのケースのように、適切なサポートがあれば障害年金という形で安定した経済的支援を受けることができます。

当事務所では、障害年金の申請に関する無料相談を実施しています。あなたの状況をお聞きし、初診日証明の方法や申請戦略をご提案いたします。

専門家に相談するメリット

当事務所では、障害年金申請のプロフェッショナルとして、以下のようなサポートを提供しています:

初診日証明の徹底サポート

Bさんのケースのように、初診から長期間経過している場合や、初診の医療機関が閉院している場合でも、様々な方法で初診日を証明する方法を提案します。健康保険組合への照会、第三者証明の作成支援など、あらゆる手段を検討します。

申請書類の作成支援

審査のポイントを押さえた効果的な申請書類の作成をサポートします。特に病歴・就労状況等申立書では、発病から透析導入までの経過を論理的に説明することが重要です。

遡及請求の最大化

障害認定日からできるだけ早く申請することで、遡及額を最大化します。人工透析の場合、透析開始から3ヶ月経過日が障害認定日となりますので、そこからの遡及を確実に受けられるようサポートします。

無料相談の申し込み方法

当事務所では、障害年金に関する初回相談を無料で承っています。

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相談専用ダイヤル: 050-7124-5884
受付時間: 平日9:00〜18:00(土日祝は要予約)

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「まだ決めていない」「とりあえず話を聞いてみたい」という段階でも構いません。Bさんのように人工透析による障害厚生年金2級を取得し、年額180万円の安定した収入を確保できた事例をはじめ、様々なケースに対応してきた経験があります。

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