白内障の障害年金 初診日が昔でも大丈夫? 20年前の記録で受給できた事例

障害年金受給事例 視覚障害
相談者40代女性(神戸市在住)
傷病名白内障術後網膜剥離
決定した年金種類と等級障害厚生年金3級・事後重症:障害厚生年金2級
年額約100万円
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相談時の状況

「仕事を続けたいけど、もう限界かもしれません…」スーパーでパート勤務をしていたBさんは、そうお話されました。20代前半で白内障を発症し、両眼の手術を受けたものの、その後も視力は徐々に低下。商品の在庫確認や値札の読み取りにも苦労する日々が続いていました。

ある朝、突然左目の視界が大きく歪み、近くの眼科を受診したBさん。「網膜剥離です。すぐに手術が必要です」と告げられ、紹介状を持って大学病院へ。緊急手術を受けましたが、その後も右目にも同様の症状が現れ、両眼の手術を余儀なくされました。

障害年金申請までの道のり

手術後のリハビリ中、病院のソーシャルワーカーから障害年金の存在を知らされたBさん。しかし「20年以上前の記録なんて、もうないでしょう」と最初は諦めかけていました。

当センターでの相談時、初診時の病院に問い合わせたところ、幸いにも電子カルテ化の際に古い記録も保存されていることが判明。さらに、その後の定期検査や手術の記録も、病院間の連携により追跡することができました。

申請支援の具体的な取り組み

Bさんの申請では、視力低下の経過を客観的に示すことが重要でした。定期的な視力検査の結果に加え、職場での具体的な困りごとの記録も重要な証拠となりました。レジ打ちの際の商品の読み取りミス、在庫確認時の困難さなど、日常業務での具体的な支障を丁寧に記録することで、視覚障害による就労困難の実態を明確に示すことができました。

特に重要だったのは、時系列での症状の変化を示すことです。初診から1年6ヶ月後の状態、網膜剥離手術後の急激な視力低下の時期、そして現在の状態。これらの記録を組み合わせることで、障害の進行過程を医学的に証明することができました。

受給決定と生活の変化

審査の結果、認定日の3級認定から、事後重症の2級への等級変更が認められました。年間約100万円の年金受給に加え、遡及分として約300万円の一時金を受け取ることができたBさん。現在は週2日のみの短時間勤務に変更し、体調と相談しながら働き続けています。

「これで無理して働かなくても、基本的な生活が送れそうです。何より、将来への不安が少し和らぎました」と、Bさんは穏やかな表情で語ってくれました。

社労士からのメッセージ

初診日が古いケースでも、諦める必要はありません。大きな病院での手術歴がある場合や、定期的な通院を続けている場合は、思いがけず記録が残っていることがあります。また、最近では電子カルテ化の際に古い記録も保存されているケースが増えています。

視覚障害による生活の困難は、周囲から理解されにくい面があります。しかし、適切な記録と証拠があれば、障害年金の受給は十分に可能です。不安なことがありましたら、まずは専門家に相談することをお勧めします。一緒に可能性を探っていきましょう。

障害年金のご相談は兵庫障害年金安心サポートセンターへ
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