がんで障害年金、初診日証明できない…諦めないで!受給への道

がんで障害年金、初診日証明できない…諦めないで!受給への道

がんの治療を続けながら、経済的な不安を抱えていませんか?抗がん剤の副作用で仕事を続けることが難しくなり、収入が途絶えてしまった。傷病手当金も終了し、貯金を切り崩す日々。そんな中で「障害年金という制度があるらしい」と知り、申請を考えたものの、こんな壁にぶつかっていませんか。

「初診日を証明する書類が必要と言われたけれど、最初に受診した病院がもう閉院している」「カルテは保存期間が過ぎて廃棄されたと言われた」「何年も前のことで、正確な日付も思い出せない」。年金事務所で「初診日の証明がないと難しい」と言われ、「もう無理なのかもしれない」と諦めかけている方もいらっしゃるかもしれません。

でも、どうか諦めないでください。

初診日が証明できなくても、障害年金を受給できる方法があります。

実は、病院が閉院していても、カルテが廃棄されていても、受給に成功している方は数多くいらっしゃいます。初診日の証明には、受診状況等証明書以外にも複数の代替手段があり、それらを適切に活用することで、受給への道が開けるのです。

私たち清水総合法務事務所は、神戸・兵庫県で「諦めない障害年金」をコンセプトに、複雑なケースにも対応してきました。初診日の証明が困難なケースでも、健康保険組合のレセプト記録や、第三者証明、複数の参考資料を組み合わせることで、多くの方の受給をサポートしてまいりました。

この記事では、がんで障害年金を申請したいけれど初診日が証明できずに困っている方に向けて、以下の内容を詳しく解説します。

  • 初診日が証明できない5つの代替手段(レセプト活用、第三者証明など)
  • がん特有の初診日問題(検診発見時、転移時の考え方)
  • 具体的な証拠収集の手順(体調が悪くても進められる方法)
  • 実際に受給できた3つの成功事例(病院閉院、カルテなしのケース)
  • 社会保険労務士による専門的サポート内容

体調が優れない中での手続きは本当に大変だと思います。でも、あなたは一人ではありません。専門家と一緒に、一歩ずつ進んでいきましょう。まずは、この記事を読んで、「こんな方法があったのか」と希望を持っていただければ幸いです。

がんで障害年金申請をお考えの方、初診日の証明でお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください。神戸の障害年金専門社労士が、あなたの状況を丁寧にお伺いし、最適な方法をご提案いたします。

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目次

がんでも障害年金は受給できる―まず知ってほしい基本

がんと障害年金の関係

「がんでも障害年金はもらえるのですか?」というご質問をよくいただきます。答えは「はい、受給できます」。

障害年金は、病気やケガによって日常生活や仕事に制限が生じた場合に支給される公的年金制度です。多くの方が誤解されているのですが、「障害」とは身体障害者手帳を持っている状態だけを指すのではありません。がんも立派な障害年金の対象疾病です。

がんによる障害年金の対象となるのは、人工肛門の造設や喉頭全摘など、目に見えて身体の機能が変化した場合だけではありません。実は、抗がん剤の副作用による倦怠感、吐き気、末梢神経障害(手足のしびれ)、貧血、体重減少なども対象となります。

つまり、「一日の大半を横になって過ごしている」「家事ができず家族のサポートが必要」「仕事に行けない、または大幅な配慮が必要」といった状態であれば、障害年金を受給できる可能性があるのです。

また、「働いていたら障害年金はもらえない」と思われている方もいらっしゃいますが、これも誤解です。症状によっては、短時間勤務や軽作業に制限されながら働いている方でも、障害年金を受給できる場合があります。

がんの場合、日本年金機構の「障害認定基準 第16節/悪性新生物による障害」に基づいて審査されます。ここでは、がんそのものによる障害だけでなく、治療の副作用として起こる全身衰弱や機能障害も認定の対象とされているのです。

[内部リンク: がんによる障害年金の認定基準については、こちらの記事もご参照ください]

こんな状態なら受給の可能性があります

では、具体的にどのような状態であれば障害年金の対象となるのでしょうか。

障害年金の認定では、「一般状態区分表」という基準が用いられます。これは日常生活への影響度を5段階(ア〜オ)に分類したもので、がんの場合にもこの基準が重要な判断材料となります。

区分 日常生活の状態 障害等級の目安
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえる 対象外
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできる(例:軽い家事、事務など) 3級
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している 2級または3級
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能 2級
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られる 1級

たとえば、以下のような状態に当てはまる方は、障害年金の受給対象となる可能性があります。

【2級程度の状態の例】

  • 抗がん剤の副作用で一日の半分以上を横になって過ごしている
  • 家事(炊事、掃除、洗濯)は家族の助けがないとできない
  • 外出は通院時のみで、それ以外はほとんど家にいる
  • 仕事は休職中、または退職せざるを得なかった
  • 入浴や着替えに時間がかかり、時に介助が必要

【3級程度の状態の例】(厚生年金加入者のみ)

  • 短時間勤務や軽作業に制限されている
  • 職場で複数の配慮(休憩時間の増加、業務内容の変更など)を受けている
  • フルタイムでの勤務は体力的に困難
  • 通勤や仕事で疲労が強く、帰宅後はすぐに横になる必要がある

ただし、これらはあくまで目安です。実際の認定では、診断書の内容、病歴・就労状況等申立書の記載、治療内容、検査結果など、総合的に判断されます。「自分は該当しないかもしれない」と思われる方でも、一度専門家に相談されることをおすすめします。

重要なのは、がんという病気が、あなたの日常生活や仕事にどれだけ影響を及ぼしているかです。体調が悪い中で我慢して頑張りすぎてしまう方も多いのですが、実際の状態をありのまま伝えることが大切です。

初診日とは?―障害年金で最も重要な「起点」

初診日の定義と重要性

障害年金の申請において、初診日は最も重要な日付です。初診日とは、「障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」のことを指します。

「初めて診療を受けた日」というと、「がんと診断された日」と思われる方が多いのですが、これは違います。たとえば、腹痛で近所のクリニックを受診し、その後検査を経て総合病院でがんと診断された場合、最初にクリニックを受診した日が初診日となります。

では、なぜ初診日がそれほど重要なのでしょうか。それは、初診日が障害年金の受給資格を左右する3つの要件すべてに関わるからです。

【初診日が決める3つのこと】

1. どの年金制度に加入していたか(初診日要件)

初診日に国民年金に加入していたのか、厚生年金に加入していたのかによって、受給できる年金の種類が決まります。

  • 国民年金加入中 → 障害基礎年金(1級・2級のみ)
  • 厚生年金加入中 → 障害厚生年金(1級・2級・3級)

厚生年金の方が対象となる障害の範囲が広く、軽度の障害でも3級として認定される可能性があります。また、年金額も厚生年金の方が高額になります。

2. 保険料の納付状況(保険料納付要件)

初診日の前日時点で、一定期間以上、年金保険料を納付していることが必要です。具体的には、以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの加入期間の3分の2以上、保険料を納付または免除されている
  • 初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がない(初診日が令和8年4月1日前で、かつ初診日に65歳未満の場合の特例)

初診日が1日違うだけで、納付要件を満たすか満たさないかが変わることもあります。

3. 障害認定日の起点(障害状態該当要件)

障害の状態を判定する日を「障害認定日」といい、原則として初診日から1年6ヶ月経過した日がこれにあたります。初診日が確定しないと、障害認定日も定まらず、申請自体ができません。

このように、初診日はすべての起点となる極めて重要な日なのです。

がん特有の初診日の複雑さ

がんの場合、初診日の特定が他の疾患に比べて複雑になりがちです。ここでは、がん患者さんが直面しやすい3つのパターンを解説します。

【パターン1】検診→精密検査→確定診断の流れ

がんは、健康診断やがん検診で異常が見つかり、精密検査を経て確定診断に至るケースが多くあります。この場合、どの時点が初診日になるのでしょうか。

例:大腸がんのケース

  1. 会社の健康診断で便潜血反応陽性(○月○日)
  2. 近所のAクリニック(内科)で相談(△月△日)
  3. Aクリニックの紹介でB総合病院を受診(□月□日)
  4. B総合病院で大腸内視鏡検査→大腸がん診断(◇月◇日)

この場合、Aクリニックで相談した△月△日が初診日となります。「便潜血について医師に相談した」という行為が「医師の診療を受けた」に該当するためです。

ポイントは、「がんと診断された日」ではなく、「がんにつながる症状や異常について、初めて医師の診療を受けた日」が初診日になるということです。

【パターン2】他の疾患からがんに至った場合(相当因果関係)

がんの中には、他の疾患から発展するケースがあります。この場合、「相当因果関係」という考え方が重要になります。

相当因果関係とは、「前の疾病がなければ、後の疾病は起こらなかったであろう」と認められる関係のことです。相当因果関係が認められる場合、前の疾病で初めて医師の診療を受けた日が初診日となります。

相当因果関係が認められる例:

  • B型肝炎・C型肝炎 → 肝硬変 → 肝がん
  • 慢性胃炎・胃潰瘍 → 胃がん
  • 潰瘍性大腸炎 → 大腸がん

たとえば、20年前にC型肝炎と診断され治療を受けていて、今回肝がんが見つかった場合、20年前のC型肝炎の初診日が障害年金の初診日となる可能性があります。

これは、初診日によって保険料納付要件が変わる可能性があるため、非常に重要です。

【パターン3】転移・再発時の初診日

がんが他の臓器に転移した場合や、治癒後に再発した場合の初診日はどうなるのでしょうか。

原則:原発巣の初診日が継続

基本的には、転移や再発があっても、最初にがんと診断された時の初診日がそのまま継続します。

例:乳がん(5年前に手術)→ 骨転移で再発
→ 初診日は5年前の乳がん診断時

例外:社会的治癒が認められる場合

ただし、一定期間(おおむね5年程度)治療の必要がなく、社会生活を通常に送れていた場合、「社会的治癒」が認められることがあります。社会的治癒が認められれば、再発後に初めて受診した日を初診日とすることができます。

社会的治癒が認められるかどうかは、治療内容、通院頻度、日常生活の状況などを総合的に判断されます。

受診の経緯 初診日の判定
症状なし → 健診で異常 → クリニック相談 → 総合病院で診断 クリニック相談日
症状あり → クリニック受診 → 総合病院で診断 クリニック受診日
他疾患(肝炎等)治療中 → がん発見 他疾患の初診日(相当因果関係あり)
がん治療後5年以上経過 → 転移・再発 原則は最初のがん診断時(社会的治癒の検討余地あり)
複数のクリニック受診 → 確定診断 最初のクリニック受診日

このように、がんの初診日は単純ではありません。だからこそ、初診日を正確に特定し、適切に証明することが重要なのです。そして、初診日が証明できない場合には、代替手段を活用する必要があるのです。

「初診日が証明できない」―よくある5つのケース

初診日の重要性は理解できても、「実際に証明できない」という壁にぶつかる方は少なくありません。特にがんの場合、初診から時間が経過していることが多く、証明が困難になりがちです。

ここでは、がん患者さんが直面しやすい5つのケースをご紹介します。あなたの状況に当てはまるものがあるかもしれません。

ケース1: 病院が閉院・廃業している

「最初に相談した近所のクリニックが、もう閉院してしまっていました。」

個人経営のクリニックは、院長の高齢化や後継者不足により、廃業するケースが増えています。特に、初診から数年が経過している場合、この問題に直面することが多くなります。

よくある状況:

  • 「3年前に便潜血のことで相談したAクリニックが、2年前に閉院していた」
  • 「咳が続いて受診した呼吸器科クリニックが、先生の引退で廃業していた」
  • 「腹痛で診てもらった内科医院が、ビルの取り壊しで移転、その後閉院」

閉院していても、カルテが別の医療機関に引き継がれている場合や、地域の医師会で保管されている場合もあります。また、閉院した病院を引き継いだ医療機関が、受診記録をデータとして保有していることもあります。「閉院しているから無理」と諦める前に、確認する価値はあります。

ケース2: カルテの保存期間が過ぎて廃棄

「病院に問い合わせたら、『カルテの保存期間が過ぎていて廃棄済みです』と言われました。」

医師法では、カルテの保存期間は5年とされています。初診から5年以上経過している場合、多くの医療機関ではカルテが廃棄されています。

よくある状況:

  • 「6年前に受診したクリニックに連絡したら、カルテは残っていないと言われた」
  • 「大きな病院だったのに、古いカルテは処分されていた」
  • 「紙カルテから電子カルテに移行した際に、古い記録は移行されなかった」

ただし、カルテは廃棄されていても、受診者の氏名や受診日などの基本情報は、別のシステム(レセプトコンピュータや受診受付簿など)に残っている場合があります。「残っている範囲で受診状況等証明書を書いてもらえませんか」と依頼してみる価値があります。

ケース3: 複数の病院を転々として初診がどこか不明

「咳が続いて、いくつもの病院に行きました。どこが最初だったか、はっきりしないんです。」

症状がすぐに改善せず、複数の医療機関を受診するケースは珍しくありません。特に、がんの確定診断までに時間がかかった場合、どこが初診だったか不明確になることがあります。

よくある状況:

  • 「咳で3つのクリニックを受診したが、どこも『風邪』と言われた。4つ目の病院で肺がんが見つかった」
  • 「腹痛で内科→消化器科→総合病院と転院。どこが初診か分からない」
  • 「『様子を見ましょう』と言われて、不安で別の病院にも行った」

このような場合でも、2番目以降の医療機関のカルテに「他院での受診歴」が記載されていることがあります。また、複数の病院の記録を組み合わせることで、初診日を推定できる場合もあります。

ケース4: 診察券や資料を捨ててしまった

「まさか後で必要になるとは思わず、診察券を捨ててしまいました。領収書も残していません。」

これは、多くの方が後悔されることです。「ただの風邪だと思っていた」「まさかがんだとは思わなかった」という時点では、診察券や領収書を保管しておこうとは考えないものです。

よくある状況:

  • 「『風邪でしょう』と言われたクリニックの診察券、財布の整理で捨ててしまった」
  • 「当時の領収書は、確定申告後に処分していた」
  • 「引っ越しの際に、古い書類をまとめて廃棄してしまった」

診察券や領収書を捨ててしまっていても、諦める必要はありません。後述する「健康保険組合のレセプト記録」や「お薬手帳」、「第三者証明」など、他の方法で証明できる可能性があります。

自分を責めないでください。これは誰にでも起こり得ることです。大切なのは、今できることを一つずつ進めていくことです。

ケース5: 正確な日付を覚えていない

「3年くらい前の春頃に、近所のクリニックに行った記憶はあるんですが、正確な日付が思い出せません。」

数年前のことを、日付まで正確に覚えている方は稀です。特に、複数回の通院や、症状が軽かった時期のことは、記憶があいまいになりがちです。

よくある状況:

  • 「2022年の4月か5月頃だったと思うけど、確信が持てない」
  • 「桜の季節だったような気がする、でも正確には…」
  • 「子供の入学式の前後だったはず、でも何日かは覚えていない」

実は、日付が特定できなくても、「○年○月頃」という形で初診日を証明できる場合があります。また、「一定期間要件」という制度を活用すれば、具体的な日付が分からなくても申請できるケースもあります。

ケース 状況 チェック
ケース1 初診の病院が閉院・廃業している
ケース2 カルテの保存期間が過ぎて廃棄されている
ケース3 複数の病院を受診して、どこが初診か不明
ケース4 診察券・領収書などの資料を捨ててしまった
ケース5 正確な日付を覚えていない

これらのケースは、決して珍しいものではありません。むしろ、がんで障害年金を申請する方の多くが、このいずれか、あるいは複数の困難に直面しています。

しかし、ここからが本題です。これらのケースでも、障害年金を受給する道はあるのです。次のセクションでは、初診日を証明するための5つの代替手段を詳しく解説していきます。

諦めないで!初診日を証明する5つの代替手段

初診の医療機関で「受診状況等証明書」が取れなくても、諦める必要はありません。実は、初診日を証明する方法は他にもあるのです。

ここでご紹介する5つの代替手段を使って、実際に多くの方が障害年金の受給に成功しています。あなたの状況に合った方法が、必ず見つかるはずです。

【方法1】2番目以降の医療機関の証明を活用

初診の病院で証明が取れなくても、2番目、3番目に受診した医療機関の記録が使えます。

具体的な方法:

転院先の医療機関のカルテには、「前医での受診歴」や「紹介元の医療機関名」が記載されていることがあります。これを活用して初診日を証明するのです。

手順:

  1. 2番目に受診した医療機関に連絡する
  2. 「受診状況等証明書」の作成を依頼する
  3. 同時に「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成する(初診医療機関の分)
  4. 2番目の医療機関の証明書に、前医(初診医療機関)に関する記載があるかを確認する

重要なポイント:

証明書の下段部分を必ず確認してください。医療機関は、何をもとに証明書を書いたかを以下から選択します:

  • □ 診療録(カルテ)より記載
  • □ 受診受付簿、入院記録より記載
  • □ その他(具体的に記載)
  • □ 本人の申立てより記載

この中で、「診療録より記載」あるいは「受診受付簿より記載」にチェックが入っていることが理想です。「本人の申立てより記載」だけの場合、追加の資料が必要になることがあります。

がん特有のポイント:

がんの場合、クリニックから総合病院への紹介状が残っていることが多くあります。紹介状には以下のような情報が記載されています:

  • 前医での受診日
  • 前医での検査内容
  • 前医での診断内容
  • 紹介理由

紹介状のコピーが添付できれば、強力な証拠になります。2番目の医療機関に「紹介状が残っていませんか?コピーをいただけませんか?」と確認してみましょう。

また、総合病院の初診時の問診票には、「いつからどのような症状があるか」「他の医療機関を受診したか」といった記載があります。これがカルテに残っていれば、初診日の推定に役立ちます。

注意点:
2番目の医療機関でも証明が取れない場合は、3番目、4番目…と繰り返していきます。医師等の証明が取れる医療機関まで遡る必要があります。

【方法2】健康保険組合のレセプト(診療報酬明細書)

レセプトは、初診日証明の強力な武器です。

レセプトとは:
医療機関が健康保険組合に請求する診療報酬の明細書のことです。受診日、診療科、診療内容、処方された薬などが詳細に記載されています。

なぜ有効なのか:

  • 医療機関が作成した公的記録である
  • 受診日が正確に記載されている
  • 診療内容から初診時の状況が分かる
  • 本人の記憶に頼らない客観的証拠

請求先:
加入している健康保険の種類によって、請求先が異なります。

  • 会社員・公務員: 勤務先の健康保険組合、または協会けんぽ
  • 自営業・無職: 市区町村の国民健康保険
  • 75歳以上: 後期高齢者医療制度

請求方法:

  1. 加入している健康保険組合に電話で問い合わせる
  2. 「診療報酬明細書(レセプト)の開示請求をしたい」と伝える
  3. 必要書類(開示請求書、本人確認書類など)を確認する
  4. 郵送または窓口で手続きする
  5. 数週間〜1ヶ月程度で開示される

費用:
組合により異なりますが、1ヶ月分数百円〜千円程度が一般的です。

保存期間に注意:
レセプトの保存期間は、多くの健康保険組合で5年程度です。初診から5年以上経過している場合、記録が残っていない可能性があります。早めに請求することが重要です。

がん特有のポイント:

レセプトには、実施された検査の詳細が記載されます。たとえば:

  • 腫瘍マーカー検査
  • CT検査、MRI検査、PET検査
  • 内視鏡検査
  • 生検(組織診)

これらの検査項目から、「この時期にがんの疑いで検査を受けていた」ことが客観的に証明できます。

また、処方された薬の記録も重要です。抗がん剤の処方開始時期が分かれば、診断・治療開始の時期が推定できます。

【方法3】参考資料の組み合わせ

一つ一つの資料は弱くても、複数を組み合わせることで証拠力が高まります

活用できる資料:

① お薬手帳

  • 処方された日付と薬の内容が記載されている
  • 医療機関名も分かる
  • がんの場合、抗がん剤の処方開始時期が重要

② 診察券

  • 医療機関名と受診者氏名が記載
  • 初診日が印字されている場合もある
  • 裏面のメモ書きも証拠になる

③ 領収書

  • 受診日と医療機関名が記載
  • 診療内容(検査等)が分かる場合もある
  • 少額でも保管が重要

④ がん検診・人間ドックの結果票(重要!)

  • がん発見の契機になった検診の記録
  • 「要精密検査」の判定日が分かる
  • これが「異常を認識した時期」の証拠になる
  • 会社の健康診断の記録も同様

⑤ 紹介状のコピー

  • 患者さんの手元に残っている場合がある
  • 前医での受診状況が分かる

⑥ 検査結果報告書

  • 血液検査、画像検査の結果
  • 実施日と医療機関名が記載

⑦ 診断書のコピー

  • 生命保険や勤務先に提出した診断書のコピー
  • 発症時期や初診に関する記載がある場合も

戦略:部分的証拠の組み合わせ

たとえば:

  • 健康診断の結果票(○年4月)で「異常なし」を証明
  • がん検診の結果票(○年10月)で「要精密検査」を証明
  • 診察券(○年11月△日)で「クリニック受診」を証明

これらを組み合わせることで、「○年10月〜11月の間に初診があった」ことを証明し、「一定期間要件」を満たせる可能性があります。

家族への協力依頼も:
当時の記録は、ご本人が持っていなくても、ご家族が保管している場合があります。「捨ててしまった」と思っても、実家の引き出しや、配偶者の書類の中に残っていることがあります。

【方法4】第三者証明の活用

「第三者証明」とは、第三者(三親等以外の親族、友人、同僚など)が、「この人が○年○月頃に病院に行っていたことを知っている」と証言する制度です。

誰が第三者になれるか:

○ 証明できる人:

  • 友人、知人、隣人
  • 職場の同僚、上司
  • 民生委員
  • 医療従事者(医師、看護師、医療ソーシャルワーカー)

× 証明できない人:

  • 三親等以内の親族(配偶者、子、親、兄弟姉妹、祖父母、孫、叔父叔母、甥姪など)

証明の要件(20歳以降に初診がある場合):

第三者は、以下のいずれかの要件を満たす必要があります:

  1. 直接的に見て認識していた
    「病院に付き添った」「待合室で会った」など
  2. 初診日頃に本人または家族から聞いていた
    「○月に病院に行くと言っていた」
  3. 請求時から5年以上前に本人または家族から聞いていた
    「5年前に『病院に行っている』と聞いた」

重要:最近5年以内に聞いた話は使えません。

複数の証明が必要:
原則として、2名以上の第三者証明が必要です。ただし、医療従事者による証明の場合は、1名でも認められます。

がん特有のポイント:

がんの場合、以下のような会話の記憶が第三者証明として活用できます:

  • 「会社の健康診断で引っかかったって言ってたよね」
  • 「がん検診で要精密検査になったって聞いた」
  • 「病院で詳しい検査を受けるって言ってた」

職場の同僚は、特に有力な第三者です。休暇を取って病院に行くことを伝えていた場合、その記憶が証明になります。

医療従事者の証明は特別扱い:
初診医療機関で働いていた医師・看護師・医療事務などの医療従事者は、「直接的に受診を見ていた」ため、1名の証明だけで認められる可能性が高くなります。

【方法5】一定期間要件の活用

「具体的な初診日は特定できないけれど、○月〜△月の間に初診があったことは確実」という場合、「一定期間要件」という制度が使えます。

一定期間要件とは:

初診日が「○年○月〜○年△月の期間内」にあることを証明できれば、その期間が以下の条件を満たす場合に、本人が申し立てた初診日が認められる制度です。

条件:

  • 一定期間中、すべて同一の年金制度に加入している(ずっと厚生年金、またはずっと国民年金)
  • 一定期間中のどの時点でも、保険料納付要件を満たしている

具体例:

例えば、以下の資料で期間を特定できたとします:

  • 健康診断の記録(2022年3月):「異常なし」
  • がん検診の結果(2022年10月):「要精密検査」
  • クリニックの受診記録(2022年11月):確認済み

この場合、初診日は「2022年10月〜11月の間」と推定できます。

この期間中、ずっと厚生年金に加入していて、保険料の未納がなければ、本人が「2022年10月25日が初診日」と申し立てれば、それが認められる可能性があります。

がん特有のポイント:

がんの場合、以下のような資料で「期間」を特定しやすいです:

  • 期間の始期(この時点ではまだがんではなかった)
    • 会社の健康診断で異常なし
    • 人間ドックで異常なし
  • 期間の終期(この時点では受診していた)
    • 2番目の病院の受診状況等証明書
    • レセプトの記録

この間に初診があったことを証明するのです。

方法 取得難易度 証拠力 がん患者での活用度 費用
2番目以降の医療機関 ★★★★★ 数千円(診断書料)
レセプト ★★★★★ 数百円〜千円
参考資料の組み合わせ 易〜中 中〜高(複数組合せ) ★★★★☆ 無料〜数千円
第三者証明 中〜難 ★★★☆☆ 無料
一定期間要件 高(条件満たせば) ★★★★☆ 資料取得費用

これらの方法は、組み合わせることでさらに効果を発揮します。たとえば、「2番目の医療機関の証明」+「レセプト」+「検診結果票」+「第三者証明」を揃えれば、初診日の証明力は大幅に高まります。

「自分のケースではどの方法が使えるか分からない」「複数の方法を組み合わせたいけれど、どう進めればいいか」―そんな時は、専門家に相談することをお勧めします。

当事務所では、このような複雑なケースにも対応しています

  • 初診日の特定と証明戦略の立案
  • 医療機関への受診状況等証明書取得の代行・サポート
  • 健康保険組合へのレセプト開示請求サポート
  • 第三者証明書の作成支援(誰に、どう依頼するか)
  • 複数の参考資料の収集・整理
  • 病歴・就労状況等申立書の作成代行
  • 診断書の内容確認とアドバイス
  • 不支給決定後の審査請求・再申請

神戸・兵庫県で多数の「初診日証明が困難なケース」での受給実績があります。体調が優れない中での手続きは、専門家にお任せください。

詳しくはこちら

第三者証明を成功させる5つのポイント

第三者証明は、医療機関の記録がない場合の重要な手段です。しかし、「誰に頼めばいいか分からない」「どう書いてもらえばいいか分からない」という声も多く聞かれます。

ここでは、第三者証明を成功させるための具体的なポイントを解説します。

ポイント1: 証明書に記載すべき内容

第三者証明書には、以下の内容を記載してもらう必要があります。

必須記載事項:

  • 証明者の氏名、住所、生年月日、電話番号
  • 本人(あなた)との関係
  • 本人(あなた)の氏名、生年月日
  • 何をどのように認識していたか(具体的に)
  • それをいつ認識したか、いつ聞いたか(時期)

良い例:

「私は田中太郎さんと同じ会社で働いている同僚です。2022年10月中旬頃、田中さんが『会社のがん検診で要精密検査になった。来週、病院に行く予定だ』と話しているのを聞きました。その後、11月初旬に『先週、近所のクリニックで診てもらった。総合病院を紹介された』と話していたのを覚えています。田中さんは当時、顔色が優れず心配していました。」

この例が良い理由:

  • 具体的なエピソードがある
  • 時期が明確(10月中旬、11月初旬)
  • 「聞いた」内容が具体的
  • 当時の状況(顔色が優れない)も記載

悪い例:

「田中太郎さんは3年前に病院に行っていたと思います。」

この例が悪い理由:

  • 時期が曖昧(3年前)
  • 「思います」という推測
  • 具体的な根拠がない
  • どのように知ったかが不明

ポイント2: 誰に頼むか(優先順位)

第三者証明は、証明者の立場によって証拠力が変わります。以下の優先順位を参考にしてください。

【最優先】医療従事者

  • 初診の医療機関で働いていた医師、看護師、医療事務
  • 1名の証明で認められる可能性が高い
  • 直接受診を確認しているため証拠力が強い

【優先度高】職場関係者

  • 同じ部署の同僚
  • 直属の上司
  • 人事担当者

理由:業務上の関わりがあり、休暇や通院の話を聞いている可能性が高い

【優先度中】友人・知人

  • 頻繁に会う友人
  • 近所の知人

理由:日常的な会話の中で通院の話をしている可能性がある

【優先度中】民生委員

  • 地域の民生委員

理由:公的な立場として、地域住民の状況を把握している

ポイント3: 依頼の仕方

第三者証明を依頼する際は、以下の手順が効果的です。

ステップ1: まずは口頭で相談

いきなり書類を送りつけるのではなく、まずは「障害年金の申請で困っていて、証明をお願いできないか」と相談しましょう。

話し方の例:
「実は、がんで障害年金を申請しているんです。初診の病院が閉院してしまって証明が取れなくて困っているんです。○○さんに当時のことを証明してもらえないでしょうか。」

ステップ2: 記憶を思い出してもらう

当時の状況を具体的に話すことで、相手の記憶を喚起します。

  • 「2022年の秋頃だったと思うんですが、検診で引っかかったって話をしませんでしたか?」
  • 「あの時、○○さんに『病院に行く』って言った記憶があるんです」

ステップ3: 証明書の書式を渡す

承諾が得られたら、証明書の書式と記入例を渡します。「このような内容で書いてもらえますか」と具体的に見てもらいます。

ステップ4: 感謝を伝える

証明書を書くことは、相手にとって負担です。丁寧にお礼を伝え、関係を大切にしましょう。

ポイント4: 複数の証明を揃える

原則として、第三者証明は2名以上必要です(医療従事者は1名でも可)。

複数の証明を揃える戦略:

  • 異なる立場の人に依頼する
    例:職場の同僚1名+友人1名
  • 異なる時期の記憶を証明してもらう
    例:同僚A「検診で引っかかったと10月に聞いた」+同僚B「病院に行ったと11月に聞いた」
  • 異なる内容で補完する
    例:友人「体調が悪いと言っていた」+同僚「通院のため休暇を取ると言っていた」

複数の証明が異なる角度から初診日を裏付けることで、証拠力が高まります。

ポイント5: 避けるべきこと

× 親族に依頼する

三親等以内の親族は、第三者として認められません。配偶者、子、親、兄弟姉妹、祖父母、孫、叔父叔母、甥姪は不可です。

× 最近5年以内に聞いた話を証明してもらう

「請求時から5年以上前」に聞いていた情報でないと使えません。「去年聞いた」では証拠になりません。

× あなたが下書きした文章をそのまま書いてもらう

第三者の記憶に基づく証明でなければなりません。あなたが書いた文章を丸写ししてもらうのは避けましょう。

○ 記入例は見てもらってOK

ただし、「こういう形式で書いてほしい」という記入例を参考にしてもらうのは問題ありません。

第三者証明は、「誰もいない」と思っても、意外と見つかることがあります。「あの時、誰かに話したかな?」と思い出してみてください。職場の同僚、ランチ仲間、近所の知人…思わぬ人が覚えているかもしれません。

「誰に頼めばいいか分からない」という場合は、お気軽にご相談ください。あなたの状況をお伺いして、最適な証明者をアドバイスいたします。

証拠収集の具体的ステップ―今日からできること

初診日の証明に必要な資料の収集は、計画的に進めることが大切です。体調が優れない中での作業は大変ですが、一歩ずつ進めていきましょう。

ここでは、証拠収集を5つのステップに分けて解説します。無理のないペースで進めてください。

ステップ1: まず手元にある資料を全て集める

最初にすべきことは、今、手元にある資料を全て集めることです。

探す場所:

  • 自分の引き出し、ファイル、財布
  • 配偶者が保管している書類
  • 実家の自分の部屋、両親が保管している書類
  • 職場のロッカー、デスクの引き出し

集める資料チェックリスト:

  • □ お薬手帳
  • □ 診察券
  • □ 医療費の領収書
  • □ 健康診断の結果票
  • □ がん検診の結果票
  • □ 人間ドックの結果
  • □ 紹介状のコピー
  • □ 検査結果報告書
  • □ 診断書のコピー(保険会社や勤務先に提出したもの)
  • □ 医療費控除の確定申告書類
  • □ 保険金請求時の書類

重要:「これは関係ないかも」と思っても、まず集めてください。後で使えるかどうかは、専門家が判断します。自己判断で捨てないことが大切です。

家族にも協力を求めましょう:
「障害年金の申請で、昔の医療記録が必要なんだ。何か残ってないかな?」と家族に相談してみてください。配偶者や親が、あなたが忘れている書類を保管していることがあります。

ステップ2: 2番目以降の医療機関に連絡する

初診の医療機関で証明が取れない場合、2番目、3番目に受診した医療機関に連絡します。

電話での問い合わせ例:

「お忙しいところ恐れ入ります。○年○月頃にそちらで診察を受けた○○と申します。障害年金の申請で、受診状況等証明書という書類が必要なのですが、発行していただけますでしょうか。」

確認すべきこと:

  • 受診状況等証明書を発行できるか
  • 必要な書類(身分証明書、委任状など)
  • 費用(通常3,000円〜5,000円程度)
  • 完成までの期間(通常2〜4週間程度)

前医に関する記載を依頼:
「前に別の病院を受診していたことが、カルテに記載されていないでしょうか。もし記載があれば、証明書に含めていただけると助かります。」と伝えましょう。

紹介状の有無も確認:
「紹介状が残っていれば、コピーをいただけますでしょうか。」

初診の医療機関用の申立書も準備:
初診の医療機関で証明が取れない理由を記載する「受診状況等証明書が添付できない申立書」も、同時に作成します。

ステップ3: 健康保険組合にレセプトを請求する

レセプトは強力な証拠です。早めに請求しましょう。

加入している保険を確認:

  • 会社員・公務員 → 健康保険証を見て、保険者名を確認
  • 自営業・無職 → 市区町村の国民健康保険
  • 75歳以上 → 後期高齢者医療制度

電話での問い合わせ例:

「診療報酬明細書の開示請求をしたいのですが、手続き方法を教えていただけますでしょうか。○年○月から○年○月分のレセプトが必要です。」

確認すべきこと:

  • 開示請求に必要な書類
  • 本人確認書類(免許証のコピーなど)
  • 費用(1ヶ月分数百円〜千円程度)
  • 請求できる期間(通常5年程度)
  • 郵送での手続きは可能か
  • 完成までの期間(通常2週間〜1ヶ月程度)

体調が悪い場合:
郵送での手続きが可能な場合が多いです。「体調が優れないので、郵送で手続きしたい」と伝えましょう。

届いたレセプトの確認:

レセプトが届いたら、以下を確認してください:

  • 受診日(初診日の候補となる日付)
  • 医療機関名
  • 診療科
  • 実施された検査(腫瘍マーカー、CT、MRI、内視鏡など)
  • 処方された薬

がんに関連する検査や治療の記録があれば、重要な証拠となります。

ステップ4: 第三者証明を依頼する

証明をお願いできそうな人をリストアップします。

候補者リストの作成:

  1. 当時の状況を知っていそうな人を思い出す
  2. 誰に何を話したか、記憶を辿る
  3. 職場、友人、知人の中から候補を選ぶ

依頼の手順:

① まずは軽く声をかける
「ちょっと相談があるんだけど、今度時間ある?」

② 状況を説明する
「実は障害年金の申請で困っていて、初診日の証明が必要なんだ。○○さん、当時のこと覚えてない?」

③ 具体的な記憶を確認する
「2022年の秋頃、検診で引っかかったって話したと思うんだけど、覚えてる?」

④ 証明書の記入を依頼する
「もし覚えていてくれたら、証明書に書いてもらえないかな。書式は用意するから。」

⑤ 書式を渡し、記入してもらう
記入例も一緒に渡すと、書きやすくなります。

⑥ 完成した証明書を確認
以下の項目が記載されているか確認:

  • 証明者の氏名、住所、電話番号
  • 本人との関係
  • 何をいつ認識したか(具体的に)
  • 証明者の署名・捺印

複数の人に依頼:
可能であれば、2〜3名に依頼しましょう。複数の証明があれば、証拠力が高まります。

ステップ5: 資料を整理し、申立書を作成する

集めた資料を整理し、初診日に関する申立書(受診状況等証明書が添付できない申立書)を作成します。

資料の整理方法:

① 時系列に並べる
古い順に資料を並べます。

② 一覧表を作成する

日付 出来事 証拠資料
2022年4月5日 会社の健康診断で異常なし 健康診断結果票
2022年10月20日 がん検診で要精密検査 がん検診結果票
2022年11月8日(推定) Aクリニック初診 同僚の第三者証明、レセプト
2022年11月25日 B総合病院紹介受診 B病院の受診状況等証明書
2022年12月3日 大腸がん診断 B病院の診断書

③ 申立書を作成する

「受診状況等証明書が添付できない申立書」には、以下を記載します:

  • 初診の医療機関名
  • 初診日(推定でも可)
  • 証明が取れない理由(閉院、カルテ廃棄など)
  • 初診日を推定する根拠(検診結果、レセプト、第三者証明など)
  • 添付する参考資料の一覧

申立書の記載例:

「私は、2022年10月20日に受けたがん検診で要精密検査となり、2022年11月8日頃に○○市△△町のAクリニック(内科)を受診しました。その後、Aクリニックからの紹介でB総合病院を受診し、大腸がんと診断されました。

Aクリニックは2023年3月に閉院しており、受診状況等証明書を取得することができません。しかし、以下の資料により、初診日が2022年11月8日頃であることが証明できます。

【添付資料】
1. がん検診結果票(2022年10月20日)
2. B総合病院の受診状況等証明書(Aクリニックからの紹介と記載あり)
3. 健康保険組合のレセプト(Aクリニック受診記録)
4. 職場の同僚による第三者証明(2名)

以上により、初診日は2022年11月8日と推定されます。」

体調を考慮して作業しましょう:

  • 一度に全てやろうとしない
  • 体調の良い日に少しずつ進める
  • 家族に手伝ってもらう
  • 専門家に依頼することも検討する
ステップ 作業内容 目標期日 完了
1 手元の資料を全て集める 1週間以内
2 2番目以降の医療機関に連絡・証明書依頼 2週間以内
3 健康保険組合にレセプト請求 2週間以内
4 第三者証明を依頼(2名以上) 3週間以内
5 資料整理・申立書作成 証明書等が揃ってから

証拠収集は、一人で抱え込まず、家族の協力を得ながら進めましょう。どうしても難しい場合は、社会保険労務士に依頼することもできます。専門家に任せることで、あなたは治療に専念できます。

当事務所の「諦めない障害年金」サポート

「諦めない障害年金」というコンセプト

私たち清水総合法務事務所は、神戸・兵庫県で「諦めない障害年金」をコンセプトに、障害年金申請のサポートを行っています。

なぜ「諦めない」なのか。

それは、多くの方が「初診日が証明できない」「一度不支給になった」「制度が複雑すぎる」といった理由で、本来受給できるはずの障害年金を諦めてしまっている現状があるからです。

特にがんの患者さんは、治療による体調不良の中で複雑な手続きに向き合わなければならず、途中で諦めてしまうケースが少なくありません。

しかし、障害年金はあなたが長年納めてきた保険料に基づく正当な権利です。体調が悪い時だからこそ、経済的なサポートが必要なはずです。

「諦めない障害年金」—このコンセプトのもと、私たちは、どんなに複雑なケースでも、最後まで諦めずにサポートいたします。

初診日証明が困難なケースでの実績

当事務所では、これまで多くの「初診日の証明が困難」とされるケースをサポートしてきました。

対応してきたケース:

  • 病院の閉院・廃業
  • カルテの保存期間経過による廃棄
  • 複数の医療機関を受診して初診が不明確
  • 診察券・領収書などの資料を紛失
  • 初診日の記憶が曖昧

これらのケースでも、以下の方法を駆使して、多くの方の受給を実現してきました:

  • 健康保険組合のレセプト記録の活用
  • 2番目以降の医療機関の証明書取得
  • 複数の参考資料の組み合わせ
  • 第三者証明の取得支援
  • 一定期間要件の適用

がん特有の複雑なケースにも対応:

  • 検診発見から確定診断までの流れにおける初診日の特定
  • 総合病院への紹介状の活用
  • 相当因果関係の判断(肝炎→肝がんなど)
  • 社会的治癒の検討(再発・転移時)

複雑なケースほど、専門的な知識と経験が必要です。私たちは、あなたのケースに最適な証明方法を見つけ出します。

具体的なサポート内容

【初診日の特定と証明戦略】

  • 詳細なヒアリングによる初診日の推定
  • 複数の証明方法の中から最適な組み合わせを提案
  • 一定期間要件が使えるかの判断
  • 相当因果関係、社会的治癒の検討

【医療機関への証明書取得】

  • 受診状況等証明書の取得代行・サポート
  • 医療機関への問い合わせ文書の作成
  • 前医情報の記載依頼
  • 紹介状コピーの取得依頼

【レセプト開示請求のサポート】

  • 加入している健康保険の特定
  • 開示請求書類の作成支援
  • 取得したレセプトの分析と活用

【参考資料の収集・活用】

  • どのような資料が証拠になるかのアドバイス
  • 検診結果、健康診断記録の活用
  • 複数資料の組み合わせ戦略
  • 時系列の整理と一覧表作成

【第三者証明の取得支援】

  • 誰に依頼すべきかのアドバイス
  • 依頼の仕方、話し方のアドバイス
  • 証明書の記載内容の確認
  • 複数の証明者の選定

【受診状況等証明書が添付できない申立書の作成】

  • 初診日を証明できない理由の整理
  • 代替証拠の説明
  • 説得力のある申立書の作成

【申請書類一式の作成】

  • 病歴・就労状況等申立書の作成(日常生活の制限を強調)
  • 診断書の内容確認とアドバイス
  • 診断書の記載漏れ・不足の指摘
  • 必要に応じて医師への追加依頼のサポート

【申請後のフォロー】

  • 年金機構からの追加資料請求への対応
  • 審査状況の確認
  • 認定結果の分析

【不支給決定後の対応】

  • 不支給理由の詳細分析
  • 審査請求(不服申立)の検討・代行
  • 再申請の戦略立案

【体調に配慮した対応】

  • オンライン相談(Zoom、LINE通話)
  • 郵送でのやり取り
  • 訪問相談(兵庫県内)
  • 体調の良い時間帯に合わせた対応

神戸・兵庫県での地域密着サポート

当事務所は神戸市須磨区に拠点を置き、兵庫県全域の障害年金申請をサポートしています。

地域密着だからできること:

  • 地域の医療機関の状況に詳しい
  • 兵庫県内の健康保険組合との連携
  • 対面での相談がしやすい
  • 兵庫県内であれば訪問相談も可能

もちろん、兵庫県外の方も、オンラインや郵送でサポートいたします。全国どこからでもご相談ください。

ご相談から受給までの流れ

  1. 初回無料相談(電話・メール・オンライン)
    あなたの状況を詳しくお伺いし、受給の可能性を判断します。
  2. 契約
    サポート内容と料金をご説明し、納得いただいた上で契約します。
    [内部リンク: サポート料金の詳細はこちら]
  3. 証拠収集
    初診日の証明に必要な資料を一緒に集めます。
  4. 書類作成
    申請に必要な書類一式を作成します。
  5. 申請
    年金事務所に申請します。
  6. 結果通知
    通常3〜4ヶ月程度で結果が出ます。

あなたがすべきことは、初回相談で状況をお話しいただくことだけ。あとは私たちにお任せください。体調が優れない中での複雑な手続きは、専門家に任せて、あなたは治療に専念してください。

[ 事務所のご案内・アクセス]

実際に受給できた3つの事例

「本当に初診日が証明できなくても受給できるの?」—そう思われる方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、当事務所でサポートした実際の事例を3つご紹介します。プライバシー保護のため、一部情報は変更していますが、実際にあった事例です。

【事例1】大腸がん・病院閉院・レセプトで証明成功(50代女性・神戸市)

ご相談時の状況:

Aさん(50代女性・神戸市在住)は、医療事務として働いていましたが、3年前に大腸がん(ステージIIIb)と診断されました。手術後、FOLFOX療法という抗がん剤治療を受けましたが、副作用が強く、倦怠感、吐き気、手足のしびれに悩まされ、仕事を続けることができなくなりました。

貯金を切り崩しながら生活していましたが、経済的に限界を感じ、障害年金の申請を考えました。

初診日証明の問題点:

最初に「便に血が混じる」ことで相談したのは、自宅近くの内科クリニックでした。そこから総合病院を紹介され、大腸がんが見つかりました。

しかし、最初のクリニックは、院長の高齢化により2年前に閉院してしまっていました。Aさんは当時の診察券や領収書も、「ただの風邪の診察だと思って」処分してしまっていました。

「初診の病院が閉院していて、何も証拠がない。もう無理かもしれない」と諦めかけていました。

当事務所でのサポート内容:

詳しくお話を伺ったところ、以下の方法が使えることが分かりました。

1. 健康保険組合へのレセプト開示請求
Aさんが加入していた健康保険組合に、閉院したクリニックの受診記録(レセプト)が残っているのではないかと考え、開示請求をサポートしました。結果、クリニックの受診日と診療内容(消化器系の診察)が記録されていました。

2. 総合病院の受診状況等証明書の取得
2番目に受診した総合病院に受診状況等証明書を依頼しました。証明書には「○○クリニックからの紹介」と記載があり、さらに紹介状のコピーも取得できました。紹介状には、クリニックでの受診日と症状が記載されていました。

3. 第三者証明(職場の同僚2名)
Aさんが当時、職場の同僚に「便に血が混じって病院に行く」と話していたことを思い出しました。そこで、2名の同僚に第三者証明をお願いしました。2名とも、当時の会話を覚えていて、証明書を書いてくださいました。

4. 受診状況等証明書が添付できない申立書の作成
初診のクリニックで証明が取れない理由を詳しく説明し、代わりにレセプト、総合病院の証明書、紹介状、第三者証明がある旨を記載した申立書を作成しました。

5. 病歴・就労状況等申立書の作成
抗がん剤の副作用による日常生活への影響を詳しく記載しました。「一日の半分以上を横になって過ごしている」「家事は夫の助けが必要」「外出は通院時のみ」といった具体的な状況を記載しました。

結果:

申請から約3ヶ月後、障害厚生年金2級の認定を受けることができました。年額約120万円(月額約10万円)、遡及分も含めて約80万円の一時金も支給されました。

Aさんの声:
「病院が閉院していて、諦めていました。でも、レセプトや紹介状という方法があることを教えていただき、希望が見えました。体調が悪い中で、全ての手続きを代行していただいて、本当に助かりました。結果が出た時は、涙が出ました。諦めなくてよかったです。」

【事例2】肺がん・複数病院受診・一定期間要件で成功(40代男性・姫路市)

ご相談時の状況:

Bさん(40代男性・姫路市在住)は、建設現場の現場監督として働いていましたが、咳が続き、複数のクリニックを受診しました。最終的に総合病院でステージIVの肺がん(脳転移あり)と診断されました。

抗がん剤治療と放射線治療を受けていますが、体力が大幅に低下し、仕事を続けることができなくなりました。妻と子供2人を養う必要があり、経済的に困窮していました。

初診日証明の問題点:

Bさんは咳が続いて、3つのクリニックを受診しましたが、どこも「風邪」「気管支炎」と診断され、改善しませんでした。4つ目に受診した総合病院で、ようやく肺がんが見つかりました。

しかし、どのクリニックが初診だったのか、Bさん自身も記憶が曖昧でした。さらに、最初に受診したクリニックは閉院、2番目のクリニックはカルテが廃棄されていました。

「複数の病院に行ったけど、どこが最初だったか分からない。証明なんて絶対に無理だ」と絶望していました。

当事務所でのサポート内容:

1. 詳細な受診歴の聞き取りと時系列の整理
Bさんから詳しくお話を伺い、受診した医療機関と時期を整理しました。

2. 3番目のクリニックの受診状況等証明書
3番目に受診したクリニック(呼吸器科)に証明書を依頼しました。カルテに「数ヶ月前から咳が続いている」という記載がありました。

3. 総合病院の受診状況等証明書
総合病院の証明書には、3番目のクリニックからの紹介であることと、「咳の症状は半年前から」という記載がありました。

4. 健康保険組合のレセプト
Bさんの健康保険組合にレセプトを請求したところ、1番目と2番目のクリニックの受診記録が見つかりました。

5. 一定期間要件の活用
以下の資料から、初診日の期間を特定しました:

  • 会社の健康診断(2年半前):胸部X線「異常なし」
  • 1番目のクリニックの受診記録(レセプト):1年半前

つまり、初診日は「1年半前〜2年半前の間」にあることが確実です。

この期間中、Bさんはずっと同じ会社で厚生年金に加入しており、保険料の未納もありませんでした。

そこで、一定期間要件を活用し、本人が記憶する「1年半前の○月○日」を初診日として申立てました。

6. 説得力のある申立書の作成
初診日が特定の日付ではなく「期間内」であることを証明する資料を示し、一定期間要件を満たしていることを説明した申立書を作成しました。

結果:

申請から約4ヶ月後、障害厚生年金2級の認定を受けることができました。年額約150万円(月額約12.5万円)に加え、配偶者加給年金も支給されました。

Bさんの声:
「どこの病院が最初だったのか、全く覚えていませんでした。一人では絶対に無理だったと思います。一定期間要件という制度があることを教えていただき、レセプトが保険組合に残っていることも知りませんでした。複雑な手続きを全て代行していただき、本当に助かりました。妻と子供たちも安心しています。」

【事例3】乳がん・一度不支給→再申請で成功(50代女性・加古川市)

ご相談時の状況:

Cさん(50代女性・加古川市在住)は、7年前に乳がんの手術を受け、治癒したと思っていました。しかし、6年目に骨転移が見つかり、再発しました。骨転移の痛みで日常生活が困難になり、仕事を辞めざるを得ませんでした。一人暮らしのCさんは、経済的に困窮していました。

Cさんは、自分で障害年金の申請をしましたが、「初診日の証明が不十分」として不支給となりました。

初診日証明の問題点:

最初に乳がんの診断を受けた病院は、大きな医療グループに吸収合併されており、カルテがどこに保管されているか不明でした。Cさんは、合併後の病院に問い合わせましたが、「古い記録は見つからない」と言われました。

また、診断書の内容も不十分で、日常生活への影響が十分に記載されていませんでした。

「一度不支給になったら、もう無理だ」と諦めていたところ、当事務所のホームページで「諦めない障害年金」という言葉を見て、相談を決意されました。

当事務所でのサポート内容:

1. 不支給理由の詳細分析
不支給決定通知書を詳しく分析したところ、初診日の証明が不十分であることと、診断書の記載内容が不十分であることが理由でした。

「不支給理由を一つずつクリアすれば、再申請で受給できる可能性があります」と説明しました。

2. 合併先の病院での再調査
合併先の病院に再度問い合わせ、「合併前の○○病院の古いカルテが、別の保管場所にないか」と確認しました。結果、別の倉庫に古いカルテがデータとして保管されていることが分かり、受診状況等証明書を取得できました。

3. 健康診断記録の取得
Cさんが以前勤めていた会社に連絡し、乳がん診断の前年の健康診断記録を取得しました。そこには「乳房異常なし」と記載されており、「この時点ではまだ乳がんではなかった」ことの証拠となりました。

4. 第三者証明(元同僚と友人)
Cさんが当時、元同僚と友人に「しこりが見つかって病院に行く」と話していたことを思い出しました。2名に第三者証明をお願いし、協力していただきました。

5. 詳細な病歴・就労状況等申立書の作成
最初の乳がん診断から、治癒、そして再発・骨転移に至るまでの経過を詳しく記載しました。特に、骨転移の痛みと、一人暮らしで日常生活に支障がある状況を強調しました。

6. 新しい診断書の取得
前回の診断書は、日常生活への影響が十分に記載されていませんでした。そこで、医師に「骨転移の痛みで、歩行が困難」「買い物や家事に支障がある」「一人暮らしで支援がない」といった点を詳しく記載していただくようお願いしました。

結果:

再申請から約3ヶ月半後、障害厚生年金3級の認定を受けることができました。年額約60万円(月額約5万円)の支給が決定しました。

Cさんの声:
「不支給になった時は、本当にショックで、もう諦めるしかないと思っていました。でも、『諦めない障害年金』という言葉を見て、相談してみようと思いました。不支給の理由を丁寧に説明していただき、『再申請には可能性がある』と言ってもらえて、希望が湧きました。合併先の病院でカルテが見つかったことにも驚きました。第三者証明の依頼の仕方も教えていただき、本当に助かりました。再申請が認められた時は、涙が出ました。『諦めない』という言葉を信じてよかったです。」

事例から見えること

これらの事例に共通しているのは、「初診日が証明できない」という壁を、適切な方法で乗り越えたということです。

  • 病院が閉院していても → レセプト、紹介状、第三者証明で証明
  • 複数の病院を受診して不明でも → 一定期間要件の活用
  • 一度不支給になっても → 追加の証拠を揃えて再申請

「諦めない」ことで、道は開けるのです。

よくある質問

Q1: 初診日が証明できないと、絶対に障害年金は受給できないのですか?

A: いいえ、そんなことはありません。

初診の医療機関で受診状況等証明書が取れない場合でも、代替手段があります。この記事でご紹介した5つの方法(2番目以降の医療機関の証明、レセプト、参考資料、第三者証明、一定期間要件)を活用することで、多くの方が受給に成功しています。

実際、当事務所でサポートした事例の多くが、初診の病院で証明が取れないケースでした。それでも、適切な証拠を揃えることで受給できています。

「証明できない」と諦める前に、まずは専門家にご相談ください。あなたのケースで使える方法が必ず見つかります。

Q2: 社会保険労務士に依頼する費用はどのくらいですか?

A: 当事務所では、明確な料金体系でサポートしております。

具体的な料金については、ケースの複雑さや必要な作業内容によって異なりますので、初回の無料相談時に詳しくご説明いたします。

多くの事務所では、成功報酬制(年金が支給決定された場合のみ報酬をいただく)を採用しており、不支給の場合は報酬が発生しないため、安心してご依頼いただけます。

[内部リンク: 料金の詳細はこちらをご覧ください]

初回相談は無料ですので、まずは費用も含めてお気軽にお問い合わせください。

Q3: 体調が悪くて外出できませんが、手続きできますか?

A: はい、もちろん可能です。

当事務所では、体調が優れない方のために、以下の方法で対応しております:

オンライン相談

  • ZoomやLINE通話で、ご自宅から相談可能
  • 画面を共有しながら、資料の確認もできます

郵送での手続き

  • 必要書類のやり取りは全て郵送で完結
  • 来所していただく必要はありません

訪問相談(兵庫県内)

  • ご自宅や病院への訪問も可能
  • 体調やご都合に合わせて柔軟に対応いたします

無理に外出していただく必要はありません。あなたの体調を最優先に、できる範囲で進めていきましょう。

Q4: レセプトの取得には、どのくらい時間がかかりますか?

A: 健康保険組合によって異なりますが、一般的には2週間〜1ヶ月程度です。

開示請求から実際にレセプトが届くまでの流れ:

  1. 開示請求書類の提出(郵送の場合、数日)
  2. 健康保険組合での処理(1〜3週間)
  3. レセプトの郵送(数日)

ただし、以下の点にご注意ください:

保存期間: 多くの健康保険組合では、レセプトの保存期間が5年程度です。初診から5年以上経過している場合、記録が残っていない可能性があります。

早めの請求が重要: レセプトは強力な証拠ですので、初診日の証明が必要だと分かったら、できるだけ早く請求することをお勧めします。

当事務所でサポートする場合、請求方法から取得後の活用まで、全てお手伝いいたします。

Q5: 第三者証明は、家族でもいいですか?

A: 残念ながら、三親等以内の親族は第三者として認められません。

証明できない親族:

  • 配偶者
  • 子、親
  • 兄弟姉妹
  • 祖父母、孫
  • 叔父・叔母、甥・姪

これは、身内だと客観性が保てないという理由からです。

証明できる方:

  • 友人、知人、隣人
  • 職場の同僚、上司
  • 民生委員
  • 医療従事者(医師、看護師など)

特に、職場の同僚や友人は、「病院に行く」という話を聞いていることが多く、有力な第三者となります。

「誰に頼めばいいか分からない」という場合は、ご相談ください。あなたの状況に応じて、最適な方をアドバイスいたします。

Q6: がんの場合、働いていると障害年金はもらえませんか?

A: いいえ、働いていても受給できる可能性があります。

障害年金は、「仕事ができるかどうか」ではなく、「日常生活や仕事にどれだけ制限があるか」で判断されます。

たとえば、以下のような状況であれば、働いていても受給できる可能性があります(特に3級の場合):

  • フルタイムから短時間勤務に変更した
  • 軽作業に配置転換してもらっている
  • 頻繁な休憩や通院のための配慮を受けている
  • 在宅勤務に切り替えた
  • 勤務時間や日数を大幅に減らした

2級以上の場合は、より重い障害状態が要求されますが、それでも「就労している=受給できない」というわけではありません。

実際の認定では、診断書の内容、病歴・就労状況等申立書の記載、治療内容などを総合的に判断します。

「働いているから無理だろう」と諦めず、まずはご相談ください。


これらの質問以外にも、疑問や不安があれば、どんな小さなことでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

障害年金の制度は複雑で、分かりにくいことも多いと思います。私たちは、そんな疑問や不安に一つ一つ丁寧にお答えし、あなたが安心して申請できるようサポートいたします。

まずは無料相談から、一歩を踏み出しましょう

ここまで、がんで障害年金を申請したいけれど初診日が証明できない場合の対処法について、詳しく解説してきました。

改めて、重要なポイントをまとめます。

初診の医療機関で受診状況等証明書が取れなくても、諦める必要はありません。初診日を証明する方法は、他にもあります:

  1. 2番目以降の医療機関の証明を活用(前医情報、紹介状)
  2. 健康保険組合のレセプト記録(強力な客観的証拠)
  3. 参考資料の組み合わせ(お薬手帳、検診結果、領収書など)
  4. 第三者証明(同僚、友人、医療従事者の証言)
  5. 一定期間要件の活用(具体的な日付が不明でも可能)

特にがんの場合、健康診断やがん検診の結果票、紹介状、検査結果報告書など、活用できる資料が多くあります。複数の証拠を組み合わせることで、証明力を高めることができます。

この記事でご紹介した3つの事例のように、病院が閉院していても、カルテが廃棄されていても、複数の病院を転々としていても、そして一度不支給になっていても、適切な方法で対処すれば受給できる可能性があります。


一人で抱え込まないでください。

がんの治療中、体調が優れない中での複雑な手続きは、本当に大変です。「自分で全部やらなければ」と無理をする必要はありません。

障害年金の申請は、社会保険労務士が代行できます。証拠収集から書類作成、申請代行まで、全てをサポートいたします。あなたは治療に専念してください。

私たち清水総合法務事務所は、「諦めない障害年金」をコンセプトに、複雑なケースでも最後まで諦めずにサポートいたします。初診日の証明が困難なケースでも、豊富な実績があります。

神戸・兵庫県の皆様に寄り添いながら、全力でお手伝いいたします。


まずは無料相談から、あなたの状況を一緒に確認しましょう

がんによる障害年金申請、初診日の証明でお困りの方は、お気軽にご相談ください。神戸の障害年金専門社労士が、あなたの状況を丁寧にお伺いし、最適な方法をご提案いたします。

初回相談は無料です。まずはお話を聞かせてください。

【お問い合わせ方法】

【事務所所在地】
清水総合法務事務所
〒654-0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台6-8-3
社会保険労務士 清水 良訓

兵庫県内であれば、ご自宅や病院への訪問相談も承ります。体調が優れない方、外出が難しい方も、どうぞご安心ください。

オンライン相談(Zoom、LINE通話)も対応しておりますので、兵庫県外の方もお気軽にご相談ください。


あなたの権利を、私たちと一緒に守りましょう。

障害年金は、あなたが長年納めてきた保険料に基づく、正当な権利です。「初診日が証明できない」という理由だけで、その権利を諦める必要はありません。

体調が悪い中での手続きは大変ですが、あなたは一人ではありません。専門家と一緒に、一歩ずつ進んでいきましょう。

「諦めない障害年金」―この言葉を信じて、まずは無料相談から、希望への一歩を踏み出してください。

私たちは、あなたが受給できるまで、最後まで諦めずにサポートいたします。

あなたからのご連絡を、心よりお待ちしております。

障害年金のご相談は兵庫障害年金安心サポートセンターへ
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