慢性腎不全で障害年金を受給する完全ガイド|透析前でも申請可能

慢性腎不全で障害年金を受給する完全ガイド|透析前でも申請可能

「透析を始めてから収入が減り、家計が苦しい…」

「まだ透析は始めていないけれど、体がつらくて仕事が続けられそうにない…」

「障害年金を申請したいけれど、20年前の病院のカルテが残っているか不安…」

慢性腎不全で日常生活や仕事に支障が出ている方の多くが、このような不安や悩みを抱えていらっしゃいます。特に透析を導入された方は、週3回・1回4〜5時間の通院が必要となり、透析後の強い疲労感もあって、これまでと同じように働くことが困難になります。経済的な不安は日に日に大きくなるばかりです。

しかし、多くの方が知らないことがあります。慢性腎不全は障害年金の対象疾患であり、一定の要件を満たせば経済的なサポートを受けられるということです。

実は、人工透析を施行中の方は原則として障害年金2級に認定されます。また、透析を開始していない保存期の段階でも、腎機能の低下や日常生活の制限の程度によっては障害年金を受給できる可能性があります。

ただし、申請には「初診日の証明」という大きな壁があります。慢性腎不全は糖尿病や高血圧などの原因疾患から10年、20年という長い年月をかけて進行することが多く、最初に受診した医療機関のカルテが破棄されていたり、病院自体が廃院していたりするケースも少なくありません。このため、「自分には無理だ」と諦めてしまう方が非常に多いのです。

しかし、諦める必要はありません。初診日の証明が困難なケースでも、第三者証明や参考資料を活用することで申請が可能になる場合があります。当事務所では「諦めない障害年金」をコンセプトに、複雑なケースにも真摯に向き合い、数多くの方の受給をサポートしてまいりました。

この記事では、慢性腎不全で障害年金を受給するために必要な情報をすべてお伝えします。

  • 慢性腎不全の基礎知識とCKDのステージ分類
  • 障害年金の受給要件と認定基準(透析前でも申請可能な条件)
  • 最大の壁となる「初診日の証明」の具体的な方法
  • 申請手続きの流れと必要書類
  • 実際に受給された方の事例(3例)
  • よくある質問への回答

障害年金は、病気やけがで生活や仕事に支障が出た方を支える国の制度です。要件を満たしていれば、誰もが受給する権利があります。働きながらでも受給できますし、身体障害者手帳を持っていなくても申請可能です。

この記事が、経済的な不安を抱えながら日々頑張っていらっしゃるあなたの力になれれば幸いです。

※申請について不安な点やご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。神戸の障害年金専門社労士が無料でご相談をお受けします。

目次

慢性腎不全とは|症状・原因・進行段階を理解する

障害年金の申請を検討する前に、まず慢性腎不全という疾患について正しく理解しておくことが大切です。ご自身の病状を把握することで、障害年金の受給可能性や申請のタイミングを適切に判断できるようになります。

慢性腎不全の基本知識

腎臓は私たちの体の中で、非常に重要な役割を果たしている臓器です。主な働きは以下の通りです。

  • 血液中の老廃物をろ過し、尿として排出する
  • 体内の水分量や電解質のバランスを調整する
  • 血圧を調整するホルモンを分泌する
  • 赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)を分泌する
  • ビタミンDを活性化し、骨の健康を保つ

慢性腎不全(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、これらの腎臓の機能が数ヶ月から数年という長い期間をかけて徐々に低下していく病気です。一度低下した腎機能は、残念ながら元に戻ることはありません。そのため、残された腎機能をできるだけ維持し、透析導入を遅らせることが治療の目標となります。

慢性腎不全の特徴は、初期段階では自覚症状がほとんどないという点です。健康診断などで尿蛋白や血清クレアチニン値の異常を指摘されても、日常生活に支障がないため、そのまま放置してしまう方も少なくありません。しかし、自覚症状がないまま病気は確実に進行し、気づいたときには透析が必要な状態になっていることもあります。

慢性腎不全の主な原因疾患

慢性腎不全は、他の疾患が原因となって発症することがほとんどです。主な原因疾患は以下の通りです。

1. 糖尿病性腎症(最も多い原因)
糖尿病の合併症として発症します。高血糖の状態が続くことで腎臓の血管が傷つき、徐々に腎機能が低下していきます。現在、透析導入の原因疾患として最も多く、全体の約40%を占めています。糖尿病と診断されてから10〜20年程度で透析が必要になるケースが多く見られます。

2. 慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)
腎臓の糸球体という部分に炎症が起こり、長期間にわたって蛋白尿や血尿が続く病気です。IgA腎症が代表的で、健康診断での尿検査異常をきっかけに発見されることが多い疾患です。

3. 腎硬化症(高血圧性腎症)
長年の高血圧により腎臓の血管が硬くなり、腎機能が低下する病気です。高齢化に伴い、この原因による慢性腎不全が増加しています。

4. その他の原因

  • 多発性嚢胞腎(遺伝性の疾患)
  • 急速進行性腎炎
  • 腎盂腎炎
  • 膠原病(全身性エリテマトーデスなど)
  • アミロイドーシス

障害年金の申請では、これらの原因疾患で初めて医療機関を受診した日が「初診日」となる可能性があります。特に糖尿病性腎症の場合は、糖尿病の初診日が慢性腎不全の初診日として扱われることが一般的です。

CKDのステージ分類と症状

慢性腎不全は、腎機能の低下の程度によって5つのステージに分類されます。腎機能の指標として用いられるのがeGFR(推算糸球体ろ過量)という数値で、この値が低いほど腎機能が低下していることを示します。

【重要】CKDステージ分類と症状・障害年金の関係

ステージ eGFR値
(ml/分/1.73m²)
重症度 主な症状 障害年金
G1 90以上 正常または高値 自覚症状なし
尿蛋白などの異常あり
対象外
G2 60〜89 軽度低下 ほとんど自覚症状なし 対象外
G3a 45〜59 軽度〜中等度低下 軽い倦怠感、夜間頻尿 通常は対象外
G3b 30〜44 中等度〜高度低下 むくみ、疲れやすさ
食欲低下
状態により可能性あり
G4 15〜29 高度低下 強い倦怠感、息切れ
吐き気、かゆみ
透析準備期
申請可能
(3級の可能性)
G5 15未満 末期腎不全 尿毒症症状
透析導入が必要
申請可能
(透析中は2級)

※この表は一般的な目安です。障害年金の認定は、eGFR値だけでなく、血清クレアチニン値、一般状態区分、日常生活の制限の程度などを総合的に判断して行われます。

各ステージの詳細

ステージG1〜G2(初期)
この段階では自覚症状がほとんどありません。健康診断で尿蛋白や尿潜血を指摘されても、日常生活に支障がないため「様子を見ましょう」と言われることも多い時期です。しかし、この段階から適切な治療を開始することで、進行を遅らせることができます。

ステージG3a〜G3b(中期)
軽い倦怠感や夜間の頻尿、むくみなどの症状が出始めます。血圧が高くなったり、貧血が進んだりすることもあります。この段階では食事療法(塩分・蛋白質制限)や薬物治療が本格的に始まります。

ステージG4(後期・保存期)
腎機能が大きく低下し、強い倦怠感、息切れ、食欲不振、吐き気、皮膚のかゆみなどの症状が顕著になります。日常生活や仕事に明らかな支障が出始める時期です。透析導入の準備として、シャント手術(血液透析用の血管を作る手術)が行われることもあります。この段階でも、検査数値と一般状態によっては障害年金3級(厚生年金加入者のみ)に認定される可能性があります。

ステージG5(末期腎不全)
腎機能がほとんど失われ、体内に老廃物や水分が蓄積して尿毒症の症状が現れます。血液透析または腹膜透析の導入が必要となります。透析を開始した方は、原則として障害年金2級に認定されます。

透析導入後の生活実態

人工透析を開始すると、生活は大きく変わります。障害年金を検討されている多くの方が、この生活の変化による経済的・身体的負担に直面しています。

透析治療のスケジュール
血液透析の場合、週3回(月・水・金、または火・木・土)、1回あたり4〜5時間の通院が必要です。通院時間を含めると、透析のある日は半日以上が治療に費やされます。

透析後の身体症状
透析終了後は強い疲労感に襲われることが多く、そのまま帰宅して休まなければならない方がほとんどです。特に導入初期は体が透析に慣れるまで、倦怠感や血圧変動などの症状が強く出ることがあります。

食事・水分制限
透析を受けていても、厳しい食事制限と水分制限が必要です。塩分、カリウム、リン、蛋白質の摂取量を制限しなければならず、食べたいものを自由に食べることができません。水分も1日500〜800ml程度に制限され、大きなストレスとなります。

就労への影響
週3回の透析通院により、フルタイムでの就労継続が困難になる方が多くいらっしゃいます。透析日は午後から休暇を取る、または時短勤務に変更するなどの対応が必要です。また、透析後の疲労や体調不良により、仕事のパフォーマンスが低下することも避けられません。結果として、収入が減少したり、退職を余儀なくされたりするケースも少なくありません。

このような生活の変化と経済的負担を支えるために、障害年金という制度が用意されています。次のセクションでは、慢性腎不全における障害年金の認定基準について詳しく解説します。

慢性腎不全は障害年金の対象|受給要件と認定基準

慢性腎不全は、障害年金の対象疾患です。特に人工透析を施行中の方は、原則として障害年金2級に認定されます。また、透析を開始していない保存期の段階でも、一定の条件を満たせば障害年金を受給できる可能性があります。

このセクションでは、障害年金の基本的な仕組みと、慢性腎不全における具体的な認定基準について解説します。

障害年金の基礎知識

障害年金とは、病気やけがによって生活や仕事に支障が出た場合に、国から支給される公的年金です。老齢年金や遺族年金と並ぶ、国民年金・厚生年金の3つの柱の一つです。

障害年金には大きく分けて「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2種類があり、初診日にどの年金制度に加入していたかによって、受給できる年金の種類が決まります。

障害基礎年金
初診日に国民年金に加入していた方(自営業者、専業主婦、学生など)、または20歳前や60歳以上65歳未満で年金制度に加入していなかった方が対象です。障害等級は1級と2級の2段階で、3級はありません。

障害厚生年金
初診日に厚生年金に加入していた方(会社員、公務員など)が対象です。障害等級は1級、2級、3級の3段階があり、3級に該当しない軽度の障害でも「障害手当金」という一時金を受け取れる場合があります。また、障害厚生年金を受給する方は、同時に障害基礎年金も受給できます(1級・2級の場合)。

【重要】障害等級と年間受給額の目安(令和6年度)

等級 障害基礎年金 障害厚生年金 加算
1級 102万円/年
(月額8.5万円)
報酬比例額×1.25
+障害基礎年金1級
配偶者加算:23.5万円/年
子の加算:1人目・2人目各23.5万円、3人目以降各7.8万円
2級 81.6万円/年
(月額6.8万円)
報酬比例額
+障害基礎年金2級
配偶者加算:23.5万円/年
子の加算:1人目・2人目各23.5万円、3人目以降各7.8万円
3級 なし 報酬比例額
(最低保障61.2万円/年)
なし

※報酬比例額は、厚生年金の加入期間と報酬(給与)によって異なります。平均的な会社員の場合、2級で年間約120万円前後になることが多いです。

※20歳前に初診日がある場合の障害基礎年金には、所得制限があります。

※上記の金額は令和6年度(2024年度)の数値です(昭和31年4月2日以降生まれの方)。年金額は毎年度改定されますので、最新の金額は日本年金機構のウェブサイト(https://www.nenkin.go.jp/)でご確認ください。

障害年金を受給するための3つの要件

障害年金を受給するには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

要件①:初診日要件
障害の原因となった病気やけがで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していることが必要です。

初診日は障害年金において最も重要な日付です。初診日によって、受給できる年金の種類(基礎年金か厚生年金か)、保険料納付要件の判定基準日、障害認定日などが決まります。

慢性腎不全の場合、糖尿病性腎症であれば糖尿病の初診日、IgA腎症であれば尿検査異常で受診した日など、原因疾患で最初に医療機関を受診した日が初診日となります。

要件②:保険料納付要件
初診日の前日時点で、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。

  • 初診日のある月の2ヶ月前までの公的年金加入期間のうち、3分の2以上の期間について保険料が納付または免除されていること
  • 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の2ヶ月前までの直近1年間に保険料の未納がないこと(特例)

保険料を納めていなかった期間がある場合でも、免除や猶予の手続きをしていれば納付要件を満たすことができます。ただし、納付要件を満たしていない場合は、どんなに症状が重くても障害年金を受給することはできません。

※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。

要件③:障害状態要件
障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月を経過した日)において、障害等級表に定める障害の状態にあることが必要です。

慢性腎不全の場合、後述する認定基準に基づいて、検査数値、一般状態、日常生活の制限の程度などが総合的に判断されます。

慢性腎不全の障害認定基準【最重要】

腎疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療および病状の経過、人工透析療法の実施状況、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定されます。

人工透析施行中の場合
人工透析療法を施行中の方は、原則として2級に認定されます。血液透析、腹膜透析、血液濾過のいずれの方法でも同様です。

ただし、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級(1級)に認定される場合もあります。例えば、透析による体力低下が著しく、日常生活に常時介助が必要な状態であれば1級と認定される可能性があります。

透析導入前(保存期CKD)の場合
透析を開始していない段階でも、検査数値と一般状態区分によっては障害年金を受給できる可能性があります。特にステージG4〜G5の段階で、日常生活に明らかな制限がある場合は、申請を検討する価値があります。

【重要】腎疾患の検査数値による認定基準

検査項目 軽度異常 中等度異常 高度異常
内因性クレアチニン
クリアランス
20以上30未満
ml/分
10以上20未満
ml/分
10未満
ml/分
血清クレアチニン 3以上5未満
mg/dl
5以上8未満
mg/dl
8以上
mg/dl

※これらの検査数値は変動しやすいため、腎疾患の経過中において最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて認定が行われます。

【重要】一般状態区分表

区分 一般状態の説明
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
例:軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

【重要】慢性腎不全における等級認定の目安

等級 認定基準
1級 検査成績が高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表の「オ」に該当するもの
2級 ①検査成績が中等度または高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表の「エ」または「ウ」に該当するもの
人工透析療法施行中のもの
3級 検査成績が軽度、中等度または高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表の「ウ」または「イ」に該当するもの
※厚生年金加入者のみ

※この表は国民年金・厚生年金保険障害認定基準に基づいています。

例えば、透析を開始していなくても、血清クレアチニンが5.5mg/dl(中等度異常)で、軽労働はできないが日中の50%以上は起居している状態(一般状態区分「ウ」)であれば、2級に該当する可能性があります。

また、血清クレアチニンが3.8mg/dl(軽度異常)で、軽度の症状があり肉体労働は制限を受けるが座業はできる状態(一般状態区分「イ」)であれば、3級(厚生年金加入者のみ)に該当する可能性があります。

このように、透析導入前のステージG4〜G5の段階でも、検査数値と日常生活の状況によっては障害年金を受給できる可能性があります。「透析を始めるまで待たなければならない」と思い込んでいる方も多いのですが、それは誤解です。症状が重く、仕事や日常生活に支障が出ている場合は、早めに申請を検討することをお勧めします。

障害認定日の特例【透析開始後3ヶ月】

障害年金には「障害認定日」という重要な概念があります。障害認定日とは、障害の状態を認定する基準日のことで、原則として初診日から1年6ヶ月を経過した日です。

しかし、人工透析を施行している方には特例があります。人工透析療法を初めて受けた日から起算して3ヶ月を経過した日が障害認定日となります(ただし、初診日から1年6ヶ月を超える場合を除く)。

この特例により、初診日から1年6ヶ月を待たずに障害年金を受給できる場合があります。

具体例

  • 令和5年1月10日:糖尿病で初めて受診(初診日)
  • 令和6年4月1日:人工透析開始
  • 令和6年7月1日:障害認定日(透析開始から3ヶ月後)← この時点で申請可能

この場合、本来の障害認定日(令和6年7月10日:初診日から1年6ヶ月後)を待たずに、透析開始3ヶ月後の令和6年7月1日から障害年金を受給できる可能性があります。

また、すでに透析を開始してから時間が経過している場合でも、障害認定日に遡って請求する「遡及請求」が可能です。遡及請求が認められれば、最大5年分の年金を一括で受け取ることができます。

次のセクションでは、障害年金申請における最大の壁である「初診日の証明」について、具体的な対応方法を詳しく解説します。

【最大の壁】初診日の証明方法|カルテがない場合の対応

障害年金の申請において、多くの方が最初にぶつかる大きな壁が「初診日の証明」です。特に慢性腎不全の場合、原因疾患から透析導入まで10年、20年という長い年月がかかることが多く、最初に受診した医療機関のカルテが破棄されていたり、病院自体が廃院していたりするケースが非常に多いのです。

実際、当事務所にご相談にいらっしゃる方の中にも、「カルテがないから無理だ」と一度は諦めかけた方が少なくありません。しかし、初診日の証明方法は一つではありません。このセクションでは、初診日証明の具体的な方法と、困難なケースでの対応策を詳しく解説します。

初診日とは?よくある誤解

まず、「初診日」の正しい定義を理解することが重要です。初診日について、多くの方が誤解をしています。

初診日の正しい定義
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。

よくある誤解①:「慢性腎不全と診断された日が初診日」
✕ 誤り
正しくは、慢性腎不全につながる症状や原因疾患で初めて医療機関を受診した日が初診日です。確定診断がついた日ではありません。

よくある誤解②:「透析を開始した日が初診日」
✕ 誤り
透析開始日は、あくまでも治療の一つの段階であり、初診日ではありません。原因疾患で最初に医療機関を受診した日が初診日となります。

よくある誤解③:「診断名がつかなければ初診日にならない」
✕ 誤り
診断名がつかなくても、関連する症状で医療機関を受診し、検査や治療(投薬、食事指導なども含む)を受けていれば、その日が初診日となり得ます。

よくある誤解④:「治療を受けていなければ初診日にならない」
✕ 誤り
その時点で積極的な治療を受けていなくても、症状について医師の診察を受け、何らかの医学的判断(経過観察、食事指導など)があれば、初診日となり得ます。

慢性腎不全における初診日の例

  • 糖尿病性腎症の場合:糖尿病で初めて受診した日
  • IgA腎症の場合:健康診断で尿蛋白を指摘され、医療機関を受診した日
  • 腎硬化症の場合:高血圧で初めて受診した日
  • 原因不明の場合:腎機能異常や尿検査異常で初めて受診した日

このように、初診日は「慢性腎不全」という病名がついた日ではなく、その原因となった疾患や症状で初めて医療機関を受診した日なのです。

慢性腎不全で初診日特定が難しい理由

慢性腎不全の初診日証明が困難な理由は、主に以下の点にあります。

1. 初診日から透析導入までの期間が非常に長い
糖尿病性腎症の場合、糖尿病と診断されてから透析導入まで10〜20年以上かかることも珍しくありません。腎硬化症も同様に、高血圧の治療開始から透析導入まで長期間を要します。

2. カルテの法定保存期間は5年のみ
医療機関には、カルテを最終診療日から5年間保存する義務がありますが、それを超えると破棄されてしまいます。15年前、20年前のカルテが残っている可能性は低いのが実情です。

3. 病院の廃院や移転
長い年月の間には、病院が廃院していたり、移転・統合されていたりすることもあります。特に個人クリニックの場合、院長の高齢化により廃院するケースが増えています。

4. 初期は無症状で、通院が途切れていることも
慢性腎不全の初期段階では自覚症状がほとんどなく、「経過観察」と言われて通院が途切れてしまうケースがあります。その後、別の医療機関で本格的な治療を開始することも多く、どこを初診とすべきか判断が難しくなります。

5. 複数の医療機関を転々としている
引っ越しや病院の都合などで、複数の医療機関を受診していることも多く、時系列を正確に思い出すことが困難な場合があります。

初診日を証明する書類と優先順位

初診日を証明する方法は、複数あります。以下の優先順位で証明を試みます。

【初診日証明の優先順位と方法】

優先度1 受診状況等証明書
初診の医療機関に作成を依頼する正式な証明書
→ カルテに基づいて作成されるため、最も確実
カルテが破棄されている、または病院が廃院している場合
優先度2 受診状況等証明書が添付できない申立書
参考資料
→ 診察券、お薬手帳、健康診断結果、医療費の領収書、紹介状など
→ 複数の参考資料を組み合わせることで証明力が高まる
参考資料も不足している場合
優先度3 第三者証明
→ 初診日頃の受診状況を知る第三者(家族以外)からの証言
→ 2名以上の証言が望ましい
参考資料と第三者証明を組み合わせる
最終手段 20歳前の初診日として請求
→ 初診日が20歳前であることが推定できる場合
→ 所得制限があるが、保険料納付要件は不要

1. 受診状況等証明書(最も確実)
初診の医療機関に作成を依頼する公式な証明書です。様式は年金事務所で入手できます(または日本年金機構のウェブサイトからダウンロード可能)。医療機関にカルテが残っていれば、この証明書を取得することで初診日を確実に証明できます。

ただし、カルテが破棄されている場合、医療機関は受診状況等証明書を作成することができません。この場合は「カルテが破棄されており証明書を作成できない」旨の文書を発行してもらいます。

2. 参考資料(受診状況等証明書が取れない場合)
カルテが破棄されている場合でも、以下のような参考資料があれば、初診日を推定できる可能性があります。

  • 診察券:受診した医療機関名と患者番号が確認できる
  • お薬手帳:処方された薬と日付が記載されている
  • 健康診断結果:血糖値や尿検査の異常が記録されている
  • 医療費の領収書:受診日と医療機関名が記載されている
  • レセプト(診療報酬明細書):加入していた健康保険組合に請求すれば取得できる場合がある
  • 紹介状(診療情報提供書):他の医療機関に紹介された際の文書
  • 身体障害者手帳の申請書類:初診日の記載がある場合がある
  • 糖尿病手帳:糖尿病の治療開始日が記録されている

これらの参考資料は、1つだけでは証明力が弱い場合でも、複数を組み合わせることで初診日を推定できる可能性が高まります。

3. 第三者証明(最も困難だが有効な方法)
参考資料も不足している場合、初診日頃の受診状況を知る第三者からの証言が有効です。

第三者証明に適した人:

  • 当時の職場の同僚、上司
  • 友人、知人
  • 民生委員、自治会の役員

第三者証明のポイント:

  • 家族以外の第三者であること(3親等以内の親族は不可)
  • 2名以上の証明が望ましい
  • 具体的なエピソードとともに証言してもらう
  • 「○年○月頃、体調不良で病院に通っていると聞いた」など、できるだけ具体的に

カルテが破棄されている場合の対応策【諦めないために】

「カルテが破棄されている」「病院が廃院している」と言われた時点で諦めてしまう方が多いのですが、実はここからが本当の勝負です。以下の手順で対応していきます。

ステップ1:複数の医療機関の受診歴を時系列で整理する
まず、これまでに受診したすべての医療機関をリストアップし、時系列で整理します。記憶があいまいでも、以下のような手がかりから思い出せることがあります。

  • 引っ越しや転職の時期
  • 子供の入学・卒業など家族のライフイベント
  • 会社の健康診断で指摘を受けた時期
  • 家族や友人との会話の記憶

ステップ2:2番目以降の医療機関で「受診状況等証明書」を取得する
最初の医療機関でカルテが破棄されている場合でも、2番目、3番目の医療機関のカルテが残っている可能性があります。2番目の医療機関で受診状況等証明書を取得し、その証明書に「前医での初診日」が記載されていれば、それを初診日として認めてもらえる場合があります。

ステップ3:参考資料を徹底的に探す
自宅に残っている以下のようなものを徹底的に探してください。

  • 古い診察券や保険証
  • お薬手帳(古いもの)
  • 過去の健康診断結果
  • 医療費の領収書やレシート
  • 家計簿や日記(医療機関受診の記録)
  • 年賀状(体調を気遣う内容があれば)

わずかな手がかりでも、複数集めることで証明力が増します。

ステップ4:加入していた健康保険組合に照会する
当時加入していた健康保険組合(協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険など)に対して、レセプト(診療報酬明細書)の開示請求を行います。レセプトには受診した医療機関名と日付が記載されているため、初診日の推定に役立ちます。

ただし、レセプトの保存期間も5年であることが多いため、必ずしも取得できるとは限りません。

ステップ5:第三者証明を準備する
当時の職場の同僚や友人で、自分が病院に通っていたことを知っている人がいないか思い出してください。

「体調が悪くて病院に行った」と話したことがある人、通院のために早退したことを知っている上司や同僚などに、証明をお願いします。証明してくれる方には、できるだけ具体的なエピソードを思い出してもらい、「初診日に関する第三者からの申立書」に記入してもらいます。

ステップ6:詳細な申立書を作成する
「受診状況等証明書が添付できない申立書」と「病歴・就労状況等申立書」に、できる限り詳細に記載します。

  • 初めて症状を自覚した時期と症状の内容
  • 初めて医療機関を受診した経緯(健康診断での指摘、家族の勧めなど)
  • その後の受診歴と治療の経過
  • なぜカルテが取得できないのか(廃院、破棄など)

これらを矛盾なく、時系列で整理して記載することが重要です。

ステップ7:社会保険労務士に相談する
初診日の証明が困難なケースでは、専門家のサポートが非常に有効です。社会保険労務士は、わずかな手がかりから初診日を推定し、年金事務所に認めてもらうための書類作成や交渉を行います。

当事務所では、「カルテがない」「病院が廃院している」というケースでも、参考資料と第三者証明を組み合わせ、詳細な申立書を作成することで、多くの方の初診日証明を実現してきました。諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。

健康診断日は原則として初診日にならない

慢性腎不全の方の中には、会社の健康診断で尿蛋白や血糖値の異常を指摘され、それがきっかけで医療機関を受診した方も多いと思います。

しかし、原則として健康診断を受けた日は初診日として取り扱われません。初診日は「治療目的で医療機関を受診した日」であり、健康診断は治療を目的としていないためです。

例外的に健康診断日が初診日と認められる場合
以下の両方を満たす場合に限り、健康診断日を初診日として認められることがあります。

  1. 初めて治療目的で医療機関を受診した日の受診状況等証明書が取得できない場合
  2. 医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合(例:血糖値が著しく高い、クレアチニン値が明らかに異常など)

この例外規定は非常に限定的ですので、基本的には健康診断後に初めて医療機関を受診した日が初診日となると考えてください。

糖尿病性腎症の場合の注意点

慢性腎不全の原因として最も多い糖尿病性腎症の場合、特有の注意点があります。

糖尿病の初診日が慢性腎不全の初診日になる
糖尿病性腎症による慢性腎不全の場合、糖尿病で初めて医療機関を受診した日が、慢性腎不全の初診日として扱われます。これは、糖尿病と糖尿病性腎症の間に「相当因果関係」が認められるためです。

認定基準には以下のように記載されています。

「糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を含む)、腎硬化症、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎に罹患し、その後、慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係があるものと認められる。」

糖尿病についても同様に、糖尿病性腎症との間に相当因果関係が認められます。たとえ糖尿病と診断されてから20年以上経過していても、その間に一度も腎症以外の疾患に罹患していなければ、糖尿病の初診日が慢性腎不全の初診日となります。

糖尿病の初診日証明のポイント
糖尿病の初診日が20年以上前の場合、その証明が困難なケースが多くあります。しかし、以下のような手がかりがあれば証明できる可能性があります。

  • 糖尿病手帳(治療開始日が記録されている)
  • 健康診断結果(血糖値異常の指摘)
  • お薬手帳(血糖降下薬やインスリンの処方記録)
  • レセプト(糖尿病の病名と受診日)
  • 人間ドックの結果

「社会的治癒」の論点
糖尿病で一度治療を受けた後、症状が安定して通院を中断し、数年後に再び治療を開始したような場合、「社会的治癒」が認められるかどうかが問題となることがあります。

社会的治癒とは、医学的には完治していなくても、症状が安定して長期間治療を受けずに通常の日常生活や就労ができていた場合に、その後再発したときを新たな初診日とする考え方です。

ただし、糖尿病の場合は社会的治癒が認められにくい傾向にあります。特に糖尿病性腎症のような合併症が発症した場合は、最初の糖尿病の初診日が初診日として扱われることが一般的です。

初診日の証明は、障害年金申請において最も重要かつ最も困難な部分です。しかし、諦める必要はありません。わずかな手がかりからでも、専門家のサポートを受けることで初診日を証明できる可能性があります。次のセクションでは、申請手続きの具体的な流れと必要書類について解説します。

慢性腎不全の障害年金申請手続き|必要書類と流れ

初診日の証明方法が理解できたら、次は実際の申請手続きについて見ていきましょう。障害年金の申請には多くの書類が必要で、手続きは複雑です。しかし、一つひとつのステップを理解し、順序立てて進めていけば、決して不可能なことではありません。

このセクションでは、申請から受給までの具体的な流れと、必要な書類について詳しく解説します。

申請から受給までの流れ

障害年金の申請から受給までは、一般的に以下の流れで進みます。

【申請から受給までの7つのステップ】

  1. STEP 1:年金事務所または年金相談センターで相談
    まずは、お住まいの地域を管轄する年金事務所または年金相談センターを訪問し、障害年金について相談します。事前に予約をしておくとスムーズです。

    • 初診日の確認
    • 保険料納付要件の確認
    • 必要書類の説明を受ける
    • 年金請求書などの書類を受け取る

    所要時間の目安:初回相談1〜2時間

  2. STEP 2:受診状況等証明書の取得
    初診の医療機関に「受診状況等証明書」の作成を依頼します。診断書を作成する医療機関が初診の医療機関と同じであれば、この書類は不要です。

    • 医療機関の窓口で依頼(用紙を持参)
    • 作成には1〜4週間程度かかることが多い
    • 作成費用:3,000円〜10,000円程度(医療機関により異なる)

    ※カルテが破棄されている場合は、前のセクションで説明した方法で対応します。

  3. STEP 3:診断書の作成依頼
    現在通院中の医療機関(透析を受けている病院など)に診断書の作成を依頼します。慢性腎不全の場合、「腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用」の診断書を使用します。

    • 診断書用紙は年金事務所で入手または日本年金機構のウェブサイトからダウンロード
    • 主治医に症状や日常生活の困難さを正確に伝える
    • 作成には2週間〜2ヶ月程度かかることが多い
    • 作成費用:5,000円〜10,000円程度(医療機関により異なる)
  4. STEP 4:病歴・就労状況等申立書の作成
    これまでの病歴、治療の経過、就労状況、日常生活の困難さなどを自分で記入する書類です。

    • 発症から現在までの経過を時系列で記載
    • 通院・入院歴を漏れなく記載
    • 日常生活や仕事でどのような支障があるか具体的に記載
  5. STEP 5:初診日に関する調査票(腎臓・膀胱の病気用)の作成
    腎疾患で障害年金を申請する場合、「初診日に関する調査票(腎臓・膀胱の病気用)」の提出が必要です。

    • 身体の不調を自覚した時期
    • 健康診断で異常を指摘された時期
    • 最初に医療機関を受診した経緯

    これらを詳細に記入します。他の書類との整合性が非常に重要です。

  6. STEP 6:必要書類を揃えて年金事務所に提出
    すべての書類が揃ったら、年金事務所に提出します。

    • 書類に不備がないか、提出前に必ず確認
    • コピーを取っておくことをお勧めします
    • 窓口で受付印を押してもらう
  7. STEP 7:審査・結果通知
    書類提出後、日本年金機構で審査が行われます。

    • 審査期間:通常3〜4ヶ月程度
    • 結果は郵送で通知されます
    • 認定された場合:年金証書が送付され、その後年金が振り込まれます(請求月の翌月分から)
    • 不支給の場合:不支給の理由が記載された通知書が送付されます

※申請から受給まで、早くても4〜5ヶ月程度かかります。書類の準備期間を含めると、6ヶ月以上かかることも珍しくありません。

必要書類一覧とチェックリスト

障害年金の申請には、以下の書類が必要です。初診日の証明方法や申請の種類によって、必要な書類が異なる場合がありますので、年金事務所で確認してください。

【必要書類チェックリスト】

年金請求書
障害基礎年金用または障害厚生年金用(初診日の加入制度による)。年金事務所で入手します。

診断書(腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用)
現在の病状について、医師に記入してもらいます。診断書は障害認定日から3ヶ月以内の現症のものが必要です。遡及請求の場合は、障害認定日当時の診断書と現在の診断書の2通が必要になります。

受診状況等証明書
初診の医療機関に作成を依頼します。診断書を作成する医療機関が初診の医療機関と同じ場合は不要です。

受診状況等証明書が添付できない申立書
初診の医療機関でカルテが破棄されているなど、受診状況等証明書が取得できない場合に提出します。

病歴・就労状況等申立書
発症から現在までの病歴、治療の経過、就労状況、日常生活状況を時系列で記入します。

初診日に関する調査票(腎臓・膀胱の病気用)
腎疾患で申請する場合に提出が必要です。

戸籍謄本または戸籍抄本
発行から6ヶ月以内のもの。

世帯全員の住民票
発行から6ヶ月以内のもの。マイナンバーを記入する場合は省略できます。

年金手帳または基礎年金番号通知書
年金番号を確認するために必要です。

預金通帳のコピー
年金の振込先口座の情報(金融機関名、支店名、口座番号、口座名義)が確認できるページ。

印鑑
認印で構いません(シャチハタは不可)。

所得証明書または課税証明書
20歳前に初診日がある場合に必要です。

該当する場合に必要な書類

子の在学証明書または学生証のコピー
18歳到達年度の末日を過ぎた子がいて、20歳未満で高校や大学に在学している場合。

配偶者の所得証明書
障害厚生年金を申請し、配偶者加算を受ける場合で、配偶者の前年の収入が850万円以上の場合。

第三者証明(初診日に関する第三者からの申立書)
初診日の証明が困難な場合。2名以上の証明が望ましい。

参考資料(診察券、お薬手帳、健康診断結果など)
初診日の証明が困難な場合。

診断書作成のポイント【非常に重要】

診断書は、障害年金の審査において最も重要な書類です。診断書の内容によって、認定されるかどうか、どの等級になるかが決まると言っても過言ではありません。

主治医に症状を正確に伝える
診断書を依頼する際には、日常生活でどのような困難があるかを主治医に正確に伝えることが重要です。医師は診察室での様子しか見ていないため、家庭での様子や透析後の疲労感の程度などは、患者さんから伝えなければ分かりません。

伝えるべき症状の例

  • 透析後の強い疲労感で、帰宅後はすぐに横にならなければならない
  • 透析のない日も倦怠感が強く、家事をするのがつらい
  • 少し動いただけで息切れがする
  • 食欲がなく、食事が進まない
  • 夜間の睡眠が浅く、日中も眠気がある
  • 足のむくみがひどく、靴が履けないことがある
  • 皮膚のかゆみで夜眠れない
  • 仕事のパフォーマンスが低下している

これらの症状を、具体的なエピソードとともに医師に伝えてください。例えば、「以前は1時間かかっていた掃除が、今は30分でも疲れてしまう」といった具体的な変化を伝えると、医師も診断書に反映しやすくなります。

診断書で特に重要な記載項目
慢性腎不全の診断書(腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用)では、以下の項目が特に重要です。

⑪ 一般状態区分表
前のセクションで説明した「ア」〜「オ」の5段階評価です。この項目が等級判定に大きく影響します。実際の生活状況と合致した区分にチェックが入っているか確認してください。

⑫ 腎疾患欄

  • 1 臨床所見 ⑴自覚症状:倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐、浮腫、息切れ、かゆみなど、具体的な自覚症状が記載されているか
  • 2 検査成績:血清クレアチニン、内因性クレアチニンクリアランス、eGFRなどの数値が正確に記載されているか
  • 3 人工透析療法の実施状況:透析の種類、頻度、1回あたりの時間、開始日が正確に記載されているか

⑯ 現症時の日常生活活動能力及び労働能力
日常生活でどのような制限があるか、仕事にどのような支障があるかが記載される欄です。ここに具体的な記載がないと、審査で不利になる可能性があります。

例:「週3回の透析通院が必要であり、透析後は強い疲労感のため活動が著しく制限される。透析のない日も倦怠感が強く、長時間の労働は困難。食事制限・水分制限により日常生活の質が低下している。」

診断書の内容を必ず確認する
診断書が完成したら、提出前に必ず内容を確認してください。以下の点をチェックします。

  • 検査数値が正確に記載されているか
  • 自覚症状が記載されているか(記載漏れはないか)
  • 一般状態区分表が実際の状態と合っているか
  • 透析の実施状況が正確か
  • 日常生活活動能力の欄に具体的な記載があるか
  • 記載漏れや矛盾した記載はないか

もし実態と異なる記載や記載漏れがあった場合は、主治医に相談して訂正または追記をお願いしてください。診断書は一度提出すると訂正が難しくなりますので、提出前の確認が非常に重要です。

事後重症請求と遡及請求の違い

障害年金の請求方法には、大きく分けて「事後重症請求」と「遡及請求(障害認定日請求)」の2種類があります。どちらで請求するかによって、受給開始時期と受給額が大きく変わります。

事後重症請求
障害認定日(初診日から1年6ヶ月後、または透析開始から3ヶ月後)には障害等級に該当しなかったが、その後症状が悪化し、現在は障害等級に該当する場合の請求方法です。

特徴:

  • 請求月の翌月分から年金が支給される
  • 過去に遡って支給されない
  • 診断書は現在の状態についてのもの1通のみでよい
  • 1ヶ月請求が遅れると、その1ヶ月分の年金を受け取れなくなる

慢性腎不全で透析を導入された方の多くは、この事後重症請求になります。透析開始から時間が経ってから申請する場合、遡及はできず、請求月の翌月からの支給となりますので、できるだけ早く申請することが重要です。

遡及請求(障害認定日請求)
障害認定日の時点で既に障害等級に該当していた場合の請求方法です。

特徴:

  • 障害認定日まで遡って年金が支給される(最大5年分)
  • 過去の年金を一時金としてまとめて受け取れる
  • 診断書が2通必要(障害認定日当時のものと、現在のもの)
  • 障害認定日から3ヶ月以内の診断書が必要なため、当時のカルテが必要

慢性腎不全の場合、透析開始から3ヶ月後が障害認定日となるため、透析開始から数年経過していても、当時のカルテが残っていれば遡及請求が可能です。遡及が認められれば、数年分の年金を一括で受け取れるため、経済的に大きな助けになります。

どちらで請求すべきか
可能であれば遡及請求を行うのが有利ですが、障害認定日当時の診断書が取得できるかどうかがポイントです。透析を開始してから5年以内であれば、カルテが残っている可能性が高いため、遡及請求を検討する価値があります。

ただし、遡及請求は審査が厳しくなる傾向にあり、当時の診断書の内容によっては認められない場合もあります。その場合でも、事後重症請求として認定されることはあります。

次のセクションでは、実際に慢性腎不全で障害年金を受給された方の事例を3つご紹介します。それぞれ異なる状況での受給事例ですので、ご自身に近いケースを参考にしてください。

【実例紹介】慢性腎不全で障害年金を受給された3つの事例

ここからは、実際に当事務所がサポートし、障害年金の受給に至った3つの事例をご紹介します。それぞれ異なる状況や課題を抱えていらっしゃいましたが、諦めずに申請した結果、受給につながりました。

もし、あなたと似た状況の事例があれば、きっと希望を持っていただけるはずです。

※プライバシー保護のため、個人が特定されないよう一部内容を変更しています。

事例① 糖尿病性腎症で透析導入、初診日証明に苦労した会社員Aさん(50代男性・神戸市在住)

【Aさんの状況】

Aさんは神戸市内の製造業で働く会社員でした。15年前、会社の健康診断で血糖値の異常を指摘され、自宅近くの内科クリニックで糖尿病と診断されました。当時は「食事に気をつけて、薬を飲んでいれば大丈夫」と思い、真面目に通院していました。

しかし10年ほど経過した頃から、尿検査で蛋白が出始め、腎臓の専門医がいる病院を紹介されました。それからは糖尿病性腎症の治療を続けていましたが、徐々に腎機能が低下。クレアチニン値が7.0を超えた時点で、医師から「そろそろ透析の準備を」と告げられました。

シャント手術を経て、2ヶ月前に人工透析を開始。週3回、月・水・金の午後に通院することになり、透析日は15時に早退させてもらうようになりました。しかし透析後の疲労感は想像以上で、帰宅するとすぐに横にならなければならず、家族との会話もままなりません。

当然、収入は減少しました。時短勤務となり、月給は35万円から28万円に。ちょうど長男が私立大学に入学したばかりで、年間120万円の学費と住宅ローンの支払いに苦しむ日々が続いていました。

「このままでは家族を支えられない…」

そんな不安を抱えていたある日、透析室で隣のベッドの患者さんから「障害年金っていうのがあるんだよ」と教えてもらいました。Aさんはその日の夜、スマホで「慢性腎不全 障害年金」と検索し、当事務所のウェブサイトにたどり着きました。

【Aさんが抱えていた課題】

Aさんが最初に相談にいらっしゃった時、大きな不安を抱えていました。

  • 「15年前に糖尿病で受診した内科クリニックが、まだあるかどうか分からない」
  • 「仮に病院があっても、15年前のカルテは残っているだろうか」
  • 「まだ働いているのに、年金なんてもらっていいのか」
  • 「主治医に診断書を頼むのが気が引ける」

特に初診日の証明については、「無理かもしれない」と半ば諦めていらっしゃいました。

【当事務所の対応】

まず、Aさんの不安を一つひとつ解消していくことから始めました。

「働きながらでも障害年金は受給できます。透析を受けながら仕事を続けるのは本当に大変なことです。Aさんには受給する権利があります。」

次に、初診日の証明について調査を開始しました。Aさんが最初に受診した内科クリニックは、幸い今も営業していることが分かりました。しかし、15年前のカルテが残っているかは不明です。

私たちはAさんと一緒に、当時の記憶を丁寧に辿りました。

  • 会社の健康診断結果は残っていないか → 会社の総務部に問い合わせたところ、10年分は保管されていることが判明
  • 健康診断で指摘を受けた後、誰かに相談したか → 当時の上司に「病院に行ってくる」と伝えていた
  • 診察券やお薬手帳は残っていないか → 古いお薬手帳が自宅の引き出しから見つかった

そして、初診の内科クリニックに受診状況等証明書の作成を依頼したところ、驚いたことに、カルテは破棄されていましたが、受付台帳のデータがパソコンに残っていました。受付台帳には、Aさんの名前と初診日、「糖尿病」という病名が記録されていたのです。

クリニックの事務の方は、「通常5年で破棄するのですが、データ移行の際に古いデータも残っていたようです。運が良かったですね」とおっしゃいました。

これにより、受診状況等証明書を取得することができました。

次に、現在透析を受けている病院の主治医に診断書の作成を依頼しました。Aさんは「まだ働いているので、診断書を頼むのが申し訳ない」と躊躇していましたが、私たちは一緒に診察に同行し、医師に状況を説明しました。

「透析後の疲労がとても強く、帰宅後は何もできません。透析のない日も倦怠感があって、以前のように動けません。食事制限もつらく、家族と同じものを食べられないストレスもあります。」

Aさんが日常生活の困難さを率直に伝えると、主治医は理解を示し、丁寧に診断書を作成してくださいました。

【結果】

申請から約3ヶ月半後、障害厚生年金2級の認定通知が届きました。

Aさんが受給できることになった年金額は、年間約120万円(月額約10万円)。さらに配偶者加算が約23万円、合計で年間約143万円です。

透析導入から3ヶ月後を障害認定日として、約1年分の遡及が認められたため、最初に約140万円の一時金を受け取ることができました。

【Aさんの声】

「正直、最初は半信半疑でした。15年前のカルテなんて残っているはずがないと思っていましたから。でも、清水先生が『諦めずに一緒にやりましょう』と言ってくださって、本当に救われました。

まさか受付台帳のデータが残っているとは思いませんでした。先生がクリニックに丁寧に確認してくださったおかげです。

年金が振り込まれた時、妻と二人で泣きました。長男の学費を続けられる、住宅ローンも払える。家族に希望を持たせることができました。

透析を受けながら働くのは本当につらいですが、経済的な不安が軽くなったことで、気持ちに余裕ができました。同じように悩んでいる方がいたら、絶対に諦めないでほしいです。」

事例② IgA腎症、透析前のステージG4で認定された自営業Bさん(40代女性・明石市在住)

【Bさんの状況】

Bさんは明石市で美容室を経営する自営業者でした。8年前、健康診断で尿蛋白と血尿を指摘され、精密検査を受けた結果、IgA腎症と診断されました。扁桃腺摘出とステロイドパルス療法を受け、一時は症状が落ち着いていましたが、3年前から徐々に腎機能が低下し始めました。

最近の検査では、eGFRが22、血清クレアチニンが3.2mg/dlまで上昇。ステージG4と診断され、医師からは「このままいけば、1〜2年以内に透析が必要になるかもしれません」と告げられていました。

体の変化は明らかでした。朝起きても疲れが取れず、美容室での立ち仕事が以前のようにできません。1日4〜5時間が限界で、それ以上働くと足がパンパンにむくんで痛くなります。食欲もなく、半年で5kg体重が減りました。

お客様からは「顔色が悪いけど大丈夫?」と心配される始末。次第にお客様の予約も減り、美容室の営業は週5日から週3日に縮小せざるを得なくなりました。収入は月25万円から12万円に激減。店舗の家賃8万円を払うと、生活費がほとんど残りません。

「透析が始まったら、美容室は続けられないだろう。でも、店を畳むにも資金が必要…」

Bさんは八方塞がりの状況で、将来への不安で夜も眠れない日々を過ごしていました。

そんな時、主治医から「そろそろ透析の準備も考えましょう」と言われ、ネットで情報を探すうちに「透析 生活 お金」というキーワードで検索。障害年金という制度を初めて知りました。

しかし、調べれば調べるほど疑問が湧いてきます。
「透析を始めていないのに、年金なんてもらえるの?」

【Bさんが抱えていた課題】

Bさんが相談にいらっしゃった時、こうおっしゃいました。

「ネットで調べたら、透析を受けている人は障害年金がもらえるって書いてあったんです。でも、私はまだ透析を始めていません。主治医からは『いずれ透析が必要』と言われていますが、今はまだ保存期です。こんな状態でも申請できるんでしょうか?」

また、Bさんは国民年金の加入者(自営業)だったため、「厚生年金に入っていないと3級はないんですよね…」という不安も抱えていました。

【当事務所の対応】

私たちはまず、Bさんに現在の状況を詳しくお聞きしました。

  • eGFR 22、クレアチニン 3.2mg/dl(中等度異常)
  • 強い倦怠感で、1日4〜5時間の立ち仕事が限界
  • 足のむくみ、食欲不振、体重減少
  • 以前のように働けず、収入が半分以下に

そして、Bさんの初診日を確認しました。8年前にIgA腎症と診断された時点で、Bさんは会社員として厚生年金に加入していたことが分かりました(その後、独立して自営業に)。

「Bさん、実は初診日に厚生年金に加入していれば、厚生年金として申請できます。つまり、3級認定の可能性があるということです。」

Bさんは目を見開いて驚かれました。

次に、現在の状態が障害年金の基準に該当するかを検討しました。血清クレアチニン3.2mg/dlは「軽度異常」の範囲ですが、一般状態区分では「軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している」状態(区分ウ)に該当します。

認定基準では、「検査成績が軽度、中等度または高度異常を1つ以上示すもので、かつ、一般状態区分表のウまたはイに該当するもの」は3級に該当する可能性があります。

「透析を始めていなくても、今の状態で十分に申請できます。むしろ、早く申請した方がいいです。」

診断書の作成では、主治医に日常生活の困難さを具体的に伝えることをアドバイスしました。Bさんは次の診察で、立ち仕事の困難さ、倦怠感の強さ、営業時間を短縮せざるを得なくなった経緯などを、率直に医師に伝えました。

主治医は「Bさんの状態なら、障害年金の対象になると思います」と理解を示し、一般状態区分を「ウ」とし、日常生活活動能力の欄にも「強い倦怠感と浮腫により、長時間の立ち仕事は困難。就労時間を大幅に短縮している」と記載してくださいました。

【結果】

申請から約4ヶ月後、障害厚生年金3級の認定通知が届きました。

受給できることになった年金額は、年間約65万円(月額約5.4万円)です。

Bさんにとって、月5万円の収入増は大きな意味を持ちました。店舗の家賃を払っても生活費が確保でき、すぐに店を畳む必要がなくなったのです。

【Bさんの声】

「透析を始めていないのに障害年金がもらえるなんて、全く知りませんでした。ネットで調べても『透析=2級』という情報ばかりで、自分は対象外だと思っていました。

清水先生が『透析前でも申請できます』と言ってくださった時、本当に驚きました。しかも、初診日が会社員だった頃だから3級の可能性があると聞いて、希望が見えてきました。

月5万円という金額は、一般の方から見れば少ないかもしれません。でも、私にとっては本当に大きな助けです。店舗家賃を払っても生活できる。すぐに店を畳まなくていい。それだけで、心に余裕ができました。

体調と相談しながらですが、もう少し美容室を続けていこうと思います。いずれ透析が必要になるかもしれませんが、その時はまた先生に相談させてください。

透析前でも申請できるということを、もっと多くの人に知ってほしいです。」

事例③ 腎硬化症、初診日のカルテなしでも認定された退職者Cさん(60代男性・姫路市在住)

【Cさんの状況】

Cさんは姫路市在住、元建設会社の社員でした。20年前、会社の健康診断で高血圧を指摘され、産業医の紹介で近所の内科を受診。降圧剤の服用を開始しました。

その後、15年前に別の内科クリニックに転院し、高血圧の治療を継続。10年前には腎機能の低下を指摘され、5年前に腎臓内科のある総合病院を紹介されました。

腎機能は徐々に低下し続け、1年半前、クレアチニン値が8.0を超えた時点で透析導入。週3回の血液透析を受けることになりました。透析と仕事の両立は難しく、Cさんは透析導入と同時に会社を退職しました。

現在61歳のCさん。老齢年金の受給開始まであと4年ありますが、退職金は徐々に減り、貯蓄を切り崩しながらの生活が続いていました。妻はまだ年金受給年齢に達しておらず、二人の生活は日に日に苦しくなっていました。

「このままでは老齢年金をもらう前に貯金が尽きてしまう…」

透析導入から半年ほど経った頃、透析仲間から「障害年金を申請した方がいい」とアドバイスされ、自分で年金事務所に相談に行きました。

しかし、そこで大きな壁にぶつかりました。

「20年前に最初に受診した内科クリニックは、5年前に廃院していました。カルテも何も残っていません。年金事務所の職員さんからは『初診日の証明ができないと難しいですね』と言われ、途方に暮れました。」

Cさんは一度は諦めかけましたが、「それでも何とかならないか」とインターネットで検索し、当事務所を見つけてご連絡くださいました。

【Cさんが抱えていた課題】

Cさんが抱えていた課題は、まさに初診日証明の困難さでした。

  • 20年前に受診した内科クリニックは廃院
  • カルテも受付台帳も何も残っていない
  • 2番目の内科クリニックも、すでにカルテは破棄されている
  • 一度年金事務所で「難しい」と言われたことで、心が折れかけている

「もう無理なんじゃないか…一度諦めかけました。でも、貯金が減っていくのを見ていると、やっぱり何とかしたいと思って…」

Cさんの声には、諦めと希望が入り交じっていました。

【当事務所の対応】

私たちは、Cさんに「諦めるのはまだ早いです。一緒に証明する方法を探しましょう」とお伝えしました。

まず、Cさんと一緒に20年前の記憶を丁寧に辿りました。

  • 健康診断で高血圧を指摘されたのは何年の何月頃か
  • その後、どこの病院に行ったか
  • 誰かに病院に行くことを話したか
  • 当時の診察券や薬、領収書は残っていないか

Cさんは「もう何も残っていないと思う」とおっしゃいましたが、私たちは「あきらめず、もう一度自宅を探してみてください」とお願いしました。

数日後、Cさんから連絡がありました。

「先生、見つかりました!古い健康診断の結果が、段ボール箱の奥から出てきたんです!」

Cさんが見つけたのは、20年前の会社の健康診断結果でした。そこには「血圧160/100、要精密検査」と記載されていました。さらに、18年前の健康診断結果にも「高血圧治療中」という記載がありました。

また、Cさんは当時の上司だった方に連絡を取り、「健康診断で高血圧を指摘されて、病院に通い始めたことを話した記憶がある」と証言してもらうことができました。さらに、当時の同僚にも協力をお願いし、第三者証明を2名分確保しました。

私たちは、これらの参考資料と第三者証明を組み合わせ、詳細な「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成しました。申立書には、健康診断で高血圧を指摘された経緯、産業医の勧めで近くの内科を受診したこと、その後の治療経過などを時系列で詳しく記載しました。

また、2番目の内科クリニックには「受診状況等証明書」を依頼しました。カルテは破棄されていましたが、「前医での受診歴」として「約20年前に他院で高血圧の治療を開始していた」という旨が記載されていました。

これらすべての資料を揃えて、年金事務所に申請しました。

【結果】

申請から約4ヶ月後、障害厚生年金2級の認定通知が届きました。

しかも、透析導入から3ヶ月後を障害認定日として、約1年3ヶ月分の遡及が認められました。

受給できることになった年金額は、年間約120万円。遡及分として約150万円の一時金も受け取ることができました。

【Cさんの声】

「年金事務所で『難しい』と言われた時、本当に絶望しました。20年前の病院はもうないし、カルテもない。自分にはどうしようもないと思いました。

でも、清水先生が『諦めないでください。必ず方法があります』と言ってくださって。正直、半信半疑でしたが、先生を信じてもう一度自宅を探してみました。

古い健康診断の結果が見つかった時は、『これだ!』と思いました。当時の上司や同僚にも連絡を取って、証明してもらえないかお願いしました。みんな快く引き受けてくれて、本当にありがたかったです。

認定の通知が来た時、妻と二人で泣きました。150万円の一時金が振り込まれて、それから毎月10万円の年金が入ってくる。老齢年金をもらうまでの4年間、何とか生活できます。

諦めなくて本当に良かった。清水先生に出会えて良かった。同じように悩んでいる方がいたら、絶対に諦めないでほしいです。カルテがなくても、方法はあります。」

3つの事例から学ぶこと

これら3つの事例から、いくつかの重要なポイントが見えてきます。

1. 初診日の証明は困難でも、諦めなければ道は開ける
事例①のAさんは運良く受付台帳が残っていましたが、事例③のCさんのように、カルテがなくても参考資料と第三者証明を組み合わせることで認定される可能性があります。

2. 透析前でも申請できる
事例②のBさんのように、透析導入前のステージG4でも、検査数値と一般状態によっては障害年金を受給できます。「透析を始めるまで待つ」必要はありません。

3. 働きながらでも受給できる
事例①のAさんは時短勤務ながら働き続けています。働いているからといって受給できないわけではありません。

4. 初診日の加入制度が重要
事例②のBさんは、申請時は自営業でしたが、初診日に厚生年金に加入していたため3級認定の可能性がありました。

5. 遡及請求の可能性を検討する
事例③のCさんのように、遡及が認められれば数年分の年金を一括で受け取れます。カルテが残っていれば、遡及請求を検討する価値があります。

そして最も重要なこと――「諦めない」こと

3人とも、最初は不安や疑問を抱えていました。「無理かもしれない」「自分には該当しないかもしれない」と思っていました。しかし、諦めずに申請した結果、受給につながりました。

もし、あなたが今、同じような不安を抱えているなら、どうか諦めないでください。当事務所は「諦めない障害年金」をコンセプトに、どんなに困難なケースでも、全力でサポートいたします。

よくある質問|慢性腎不全の障害年金Q&A

慢性腎不全で障害年金を検討されている方から、よくいただく質問とその回答をまとめました。ご自身の状況に当てはまる質問があれば、ぜひ参考にしてください。

Q1: 働きながらでも障害年金は受給できますか?

A: はい、働きながらでも障害年金は受給できます。

障害年金は「労働能力の喪失」ではなく、「日常生活や労働に制限がある状態」に対して支給されるものです。透析を受けながら時短勤務や軽作業で働いている方でも、障害の状態が認定基準に該当していれば受給できます。

実際、透析を受けている多くの方が、週3回の通院スケジュールに合わせて時短勤務や午後休暇を取りながら仕事を続けています。透析後の強い疲労感や体調不良により、以前と同じようには働けない状態であれば、それは立派な「労働に制限がある状態」です。

ただし、20歳前に初診日がある場合は所得制限があります(令和6年度)。

  • 扶養親族なしの場合:所得額が370万4千円を超えると年金額の2分の1が支給停止、472万1千円を超えると全額停止
  • 扶養親族1人の場合:所得額が408万4千円を超えると年金額の2分の1が支給停止、510万1千円を超えると全額停止
  • 扶養親族2人の場合:所得額が446万4千円を超えると年金額の2分の1が支給停止、548万1千円を超えると全額停止

※扶養親族の種類によって加算額が異なります(老人扶養親族や特定扶養親族など)。詳しくは日本年金機構にお問い合わせください。

※所得制限額は毎年度改定されます。最新の金額は日本年金機構のウェブサイト(https://www.nenkin.go.jp/)でご確認ください。

初診日が20歳以降の場合は、所得制限はありませんので、年収に関係なく受給できます。

Q2: 身体障害者手帳を持っていないのですが、申請できますか?

A: はい、身体障害者手帳がなくても障害年金は申請できます。

障害年金と身体障害者手帳は、全く別の制度です。

  • 障害年金:国民年金法・厚生年金保険法に基づく国の制度(管轄:日本年金機構)
  • 身体障害者手帳:身体障害者福祉法に基づく都道府県・市区町村の制度(管轄:各自治体)

それぞれ認定基準が異なるため、身体障害者手帳を持っていなくても障害年金を受給できる場合がありますし、逆に身体障害者手帳を持っていても障害年金が不支給になる場合もあります。

ちなみに、慢性腎不全で人工透析を受けている方の多くは、身体障害者手帳1級を取得しています。身体障害者手帳があると、医療費助成や税金の控除などの福祉サービスを受けられますので、まだ取得していない方は、併せて申請されることをお勧めします。

Q3: 透析を開始していないのですが、ステージG4でも申請できますか?

A: はい、透析導入前でも、検査数値と一般状態によっては申請できます。

「障害年金は透析を始めてから」と思い込んでいる方が多いのですが、これは誤解です。透析導入前のステージG4(eGFR 15〜29)の段階でも、以下の条件を満たせば障害年金の対象となります。

3級に該当する可能性がある状態(厚生年金加入者のみ)

  • 血清クレアチニンが3mg/dl以上、または内因性クレアチニンクリアランスが30ml/分未満
  • かつ、一般状態区分表の「ウ」(軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している)または「イ」(軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、座業はできる)に該当

2級に該当する可能性がある状態

  • 血清クレアチニンが5mg/dl以上、または内因性クレアチニンクリアランスが20ml/分未満
  • かつ、一般状態区分表の「エ」(日中の50%以上は就床)または「ウ」に該当

実際、当事務所でサポートした事例②のBさんのように、透析前のステージG4で障害厚生年金3級を受給された方もいらっしゃいます。

症状が重く、仕事や日常生活に明らかな支障が出ている場合は、透析を待たずに申請を検討されることをお勧めします。早く申請すれば、その分早く経済的なサポートを受けられます。

Q4: 糖尿病の合併症で網膜症や神経障害もあります。併せて認定されますか?

A: はい、複数の障害がある場合は「併合認定」により、等級が上がる可能性があります。

糖尿病性腎症で透析を受けている方の中には、糖尿病性網膜症による視力障害や、糖尿病性神経障害による下肢の障害を併発している方も少なくありません。

このように複数の障害がある場合、それぞれの障害を総合的に判断して等級を決定する「併合認定」という仕組みがあります。

併合認定の例

  • 慢性腎不全(透析中):単独では2級 + 糖尿病性網膜症による視力障害:単独では2級 → 併合して1級に認定される可能性
  • 慢性腎不全(透析中):単独では2級 + 糖尿病性神経障害による下肢の障害:単独では3級程度 → 2級のままだが、より確実に認定される

複数の障害がある場合は、申請時にすべての障害について診断書を提出する必要があります。慢性腎不全だけでなく、他の合併症についても主治医に相談し、必要に応じて複数の診断書(眼の障害用、肢体の障害用など)を用意してください。

併合認定により等級が上がれば、受給額も増えますので、合併症がある方は必ず申告しましょう。

Q5: 腎臓移植を受けたら、障害年金は停止されるのですか?

A: 腎臓移植を受けても、術後1年間は従前の等級が継続されます。その後は、移植腎の機能によって判断されます。

障害年金を受給している方が腎臓移植を受けた場合、臓器が生着し安定的に機能するまでの期間を考慮して、術後1年間は従前の等級(通常は2級)のまま支給が継続されます。

術後1年が経過した時点で、移植腎の機能や一般状態を診断書で確認し、障害の程度が軽減したと判断されれば支給停止となる場合があります。ただし、移植後も免疫抑制剤の服用が必要であったり、拒絶反応や合併症がある場合は、引き続き障害年金を受給できることもあります。

また、移植後に腎機能が悪化して再び透析が必要になった場合は、65歳までであれば再度障害年金を受給できる可能性があります。

Q6: 65歳を過ぎてから透析を開始しました。今からでも障害年金は申請できますか?

A: 65歳以降に透析を開始した場合、原則として事後重症請求はできませんが、障害認定日請求であれば可能な場合があります。

障害年金の事後重症請求は、65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。65歳を過ぎてから透析を開始した場合、事後重症請求はできません。

ただし、以下の条件を満たす場合は、障害認定日請求として申請できる可能性があります。

  • 初診日が65歳未満の時点であること
  • 障害認定日(初診日から1年6ヶ月後、または透析開始から3ヶ月後)が65歳未満であること
  • 障害認定日当時の診断書が取得できること

例えば、60歳で慢性腎不全の原因となった糖尿病を発症し、64歳で透析を開始、66歳の現在申請を検討しているような場合、障害認定日(透析開始から3ヶ月後)は64歳ですので、障害認定日請求として申請できます。

ただし、すでに老齢年金を受給している場合は、障害年金と老齢年金のどちらか一方を選択することになります。多くの場合、障害厚生年金の方が金額が高いため、障害年金を選択することになりますが、既に受給した老齢年金を返還する必要がある場合もありますので、慎重な検討が必要です。

Q7: 以前、自分で申請して不支給になりました。再申請はできますか?

A: はい、再申請は可能です。不支給の理由を分析し、対策を講じた上で再度申請できます。

一度不支給になったからといって、諦める必要はありません。不支給の理由は主に以下のようなものがあります。

不支給になる主な理由

  • 初診日の証明が不十分だった
  • 保険料納付要件を満たしていなかった
  • 診断書の記載内容が実態を反映していなかった
  • 病歴・就労状況等申立書の記載が不十分だった
  • 障害の程度が認定基準に達していなかった

再申請の方法

1. 審査請求・再審査請求(不服申立て)
不支給の決定に不服がある場合、決定通知を受け取った日の翌日から3ヶ月以内に「審査請求」を行うことができます。審査請求でも認められなかった場合は、さらに「再審査請求」を行うことができます。

不服申立ては、最初の申請と同じ診断書や書類で審査されるため、診断書の内容が適切であったのに不支給になった場合などに有効です。

2. 再請求(新たに申請)
診断書の内容に問題があった場合や、病状が悪化した場合は、新たに診断書を取得して再度申請することができます。再請求には期限の制限はありません。

再請求の際は、前回不支給になった理由を分析し、以下のような対策を講じることが重要です。

  • 診断書の記載内容を見直し、主治医に実態を正確に伝える
  • 病歴・就労状況等申立書をより詳細に記載する
  • 初診日の証明方法を見直し、追加の参考資料を探す
  • 複数の合併症がある場合は、すべての診断書を提出する

当事務所では、一度不支給になった方の再申請サポートも行っています。不支給の理由を詳しく分析し、認定につながる申請書類の作成をお手伝いします。

Q8: 自分で申請するのと、社会保険労務士に依頼するのはどう違いますか?

A: 社会保険労務士に依頼すると、専門的なサポートを受けられ、認定の可能性が高まります。

障害年金の申請は、ご自身で行うことも可能です。実際、透析を受けている方で初診日の証明が比較的容易な場合は、ご自身で申請して認定される方もいらっしゃいます。

しかし、以下のような場合は、社会保険労務士に依頼することで認定の可能性が大きく高まります。

社会保険労務士に依頼するメリット

1. 初診日証明の専門的なサポート
カルテが破棄されている、病院が廃院しているなど、初診日の証明が困難なケースでも、社労士は参考資料の収集方法や第三者証明の取得方法を熟知しています。わずかな手がかりからでも、初診日を証明する方法を見つけ出します。

2. 診断書内容の確認とアドバイス
診断書が完成した後、記載内容が認定基準に照らして適切かどうかを確認します。記載漏れや実態と異なる記載があれば、主治医に追記や訂正をお願いする際のアドバイスを行います。

3. 病歴・就労状況等申立書の作成サポート
この申立書は、自分で記入する書類ですが、何をどのように書けばよいか分からない方が多くいらっしゃいます。社労士は、認定につながる効果的な記載方法をアドバイスします。

4. 複雑なケースへの対応
複数の障害がある場合の併合認定、遡及請求、初診日が不明確な場合など、複雑なケースでは専門知識が必要です。社労士は、こうした複雑なケースにも対応できます。

5. 不支給時の審査請求対応
万が一不支給になった場合でも、審査請求や再審査請求の手続きを代行します。

6. 時間と労力の節約
障害年金の申請には、多くの書類の準備と、年金事務所や医療機関とのやり取りが必要です。透析を受けながら、これらの手続きをすべて自分で行うのは大きな負担です。社労士に依頼すれば、手続きの大部分を代行してもらえます。

費用について
社労士への報酬は、多くの場合「成功報酬制」です。当事務所も完全成功報酬制を採用しており、着手金や相談料は無料です。認定された場合のみ報酬をいただく仕組みですので、「依頼したのに不支給で、費用だけがかかった」という心配はありません。

どちらを選ぶべきか
初診日の証明が容易で、診断書の内容も適切、書類作成に自信がある方は、ご自身で申請されても問題ありません。

しかし、以下のような場合は、社労士への依頼を検討されることをお勧めします。

  • 初診日から10年以上経過しており、カルテがない可能性が高い
  • 複数の医療機関を受診しており、初診日がどこか分からない
  • 複数の合併症があり、併合認定を狙いたい
  • 透析前の段階で申請を検討している
  • 遡及請求を希望している
  • 一度不支給になっている
  • 透析と仕事で忙しく、手続きの時間が取れない

当事務所では、初回相談は無料です。まずはお気軽にご相談いただき、ご自身で申請するか、依頼するかをご判断ください。

次のセクションでは、当事務所の具体的なサポート内容と、ご相談から受給までの流れについてご説明します。

神戸の社労士による障害年金申請サポート|清水総合法務事務所

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。慢性腎不全での障害年金申請について、制度の仕組みから具体的な手続きまで、詳しくご理解いただけたかと思います。

最後に、当事務所のサポート内容についてご紹介させていただきます。

当事務所の強み

清水総合法務事務所は、神戸市須磨区に拠点を置く、障害年金申請を専門とする社会保険労務士事務所です。

「諦めない障害年金」

これが当事務所のコンセプトです。

障害年金の申請は、確かに複雑です。特に初診日の証明が困難なケースでは、「もう無理だ」と諦めてしまう方が非常に多いのが現実です。

しかし、私たちは「諦めない」ことを大切にしています。カルテが破棄されていても、病院が廃院していても、わずかな手がかりから初診日を証明する方法を見つけ出します。これまで数多くの「困難なケース」を解決してきた実績があります。

当事務所の3つの強み

1. 障害年金専門の社会保険労務士
代表の清水良訓は、社会保険労務士として障害年金申請を専門的に扱っています。制度の複雑な仕組みや最新の認定基準を熟知しており、一人ひとりの状況に応じた最適な申請方法をご提案します。

2. 初診日証明困難なケースの豊富な解決実績
慢性腎不全の場合、初診日から透析導入まで10年、20年という長い期間があるケースが多く、初診日の証明が最大の壁となります。当事務所では、参考資料の収集方法、第三者証明の取得サポート、詳細な申立書の作成など、初診日証明のノウハウを豊富に持っています。

事例③のCさんのように、「一度年金事務所で断られた」という方でも、諦めずに対応いたします。

3. 神戸・兵庫県を中心とした地域密着サポート
当事務所は神戸市須磨区に拠点を置き、神戸市内、兵庫県内を中心にサポートを行っています。地域の年金事務所との連携も密にしており、スムーズな申請手続きが可能です。

対面でのご相談はもちろん、お体の状況によってはご自宅への訪問相談も承ります。また、遠方の方にはオンライン相談も対応しております。

具体的なサポート内容

当事務所では、障害年金申請のすべての過程をサポートいたします。

初回無料相談
まずは、お電話、メール、またはお問い合わせフォームからご連絡ください。初回相談は無料です。ご相談の内容をお伺いし、障害年金受給の可能性、申請方法、必要な手続きなどについて丁寧にご説明します。

受給可能性の判断
現在の病状、初診日、保険料納付状況などを総合的に判断し、受給できる可能性があるかどうかを正確に見極めます。万が一、受給が難しいと判断した場合は、その理由を正直にお伝えします。無理に依頼を勧めることはありません。

初診日の特定サポート
これまでの受診歴を丁寧にお聞きし、初診日がどこになるかを特定します。カルテが残っているか医療機関に確認し、カルテがない場合は参考資料の収集や第三者証明の取得をサポートします。

必要書類の収集代行
受診状況等証明書や診断書など、医療機関に依頼する書類の作成依頼を代行します。医療機関とのやり取りもすべてお任せください。

診断書内容の確認とアドバイス
医師が作成した診断書の内容を、認定基準に照らして詳しく確認します。記載漏れや実態と異なる記載がある場合は、主治医に追記や訂正をお願いする際のアドバイスを行います。必要に応じて、診察への同行も可能です。

病歴・就労状況等申立書の作成
障害年金の審査で重要な役割を果たす「病歴・就労状況等申立書」を、認定につながる形で作成します。発症から現在までの経過、日常生活の困難さなどを、審査する側に正確に伝わるように記載します。

年金事務所への提出代行
すべての書類が揃ったら、年金事務所への提出を代行します。書類に不備がないか最終確認を行い、確実に受理されるようサポートします。

審査期間中のフォロー
審査期間中も、年金機構からの照会や追加書類の提出が必要になった場合に迅速に対応します。

不支給時の審査請求対応
万が一不支給となった場合でも、審査請求(不服申立て)の手続きを代行します。あらゆる手段を尽くして、受給につなげるよう努力します。

ご相談から受給までの流れ

当事務所にご依頼いただいた場合の、一般的な流れをご説明します。

STEP 1:お問い合わせ
お電話、メール、またはお問い合わせフォームからご連絡ください。簡単にご状況をお聞きし、面談の日程を調整します。

📞 電話:050-7124-5884(平日9:00〜18:00)
✉ メール:mail@srkobe.com
🌐 お問い合わせフォーム:https://nenkin.srkobe.com/contact/

STEP 2:初回無料相談(対面・オンライン・訪問)
詳しくお話をお伺いし、受給の可能性、申請方法、今後の流れなどをご説明します。ご不明な点やご不安なことがあれば、何でもお聞きください。相談料は無料です。

お体の状況により、ご自宅への訪問相談も承ります。また、遠方の方やお体が不自由な方には、ZoomやLINEビデオ通話などを利用したオンライン相談も可能です。

STEP 3:受任契約
サポート内容と料金についてご説明し、ご納得いただけましたら受任契約を締結します。この時点でも、着手金や相談料は不要です。

STEP 4:書類準備・申請
当事務所が中心となって、必要書類の収集、診断書の依頼、申立書の作成などを進めます。お客様にご協力いただく部分もありますが、できる限り負担が少なくなるよう配慮いたします。

書類が揃いましたら、年金事務所に提出します。

STEP 5:審査(3〜4ヶ月)
日本年金機構で審査が行われます。この期間中も、当事務所が窓口となってフォローいたします。

STEP 6:結果通知
認定・不支給いずれの場合も、当事務所から結果をご報告します。認定された場合は、年金の受給手続きについてご説明します。不支給の場合は、審査請求を行うかどうかをご相談します。

料金について

当事務所は、完全成功報酬制を採用しています。

着手金:無料
相談料:無料
報酬:障害年金が認定された場合のみ

認定されなかった場合、報酬は一切いただきません。「依頼したけれど不支給で、費用だけがかかった」という心配はありませんので、安心してご依頼ください。

具体的な報酬額については、初回相談時に詳しくご説明いたします。お客様の状況(遡及の有無、書類の複雑さなど)によって異なりますが、明確な料金体系でご案内しますので、ご安心ください。

※報酬は、障害年金が決定し、最初の年金が振り込まれた後にお支払いいただきます。

まずはお気軽にご相談ください

「自分の場合は受給できるだろうか?」
「初診日の証明が難しそうだけど、何とかなるだろうか?」
「透析前だけど、申請できるだろうか?」

このような疑問や不安をお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。

相談したからといって、必ず依頼しなければならないわけではありません。お話をお伺いした上で、「ご自身で申請された方が良い」と判断した場合は、そのようにアドバイスします。無理に依頼を勧めることはありませんので、ご安心ください。

当事務所は「諦めない障害年金」をコンセプトに、どんなに困難なケースでも、可能性がある限り全力でサポートいたします。

一人で悩まず、まずは一度ご相談ください。あなたの不安を、希望に変えるお手伝いをさせていただきます。

清水総合法務事務所
代表:社会保険労務士 清水 良訓
所在地:〒654-0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台6-8-3
電話番号:050-7124-5884
メールアドレス:mail@srkobe.com
ホームページ:https://nenkin.srkobe.com/
お問い合わせフォーム:https://nenkin.srkobe.com/contact/

まとめ:慢性腎不全でも諦めない。障害年金はあなたを支える制度です

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。慢性腎不全で障害年金を受給するために必要な情報を、すべてお伝えしてまいりました。

最後に、重要なポイントをまとめます。

この記事の重要ポイント

  • 慢性腎不全は障害年金の対象疾患です。人工透析を施行中の方は原則として2級に認定されます。
  • 透析導入前のステージG4でも申請可能です。検査数値と一般状態によっては、透析前でも3級(厚生年金加入者)または2級に認定される可能性があります。
  • 初診日の証明が最大の壁ですが、カルテが破棄されていても、参考資料や第三者証明を活用することで証明できる場合があります。諦める必要はありません。
  • 働きながらでも受給できます。透析を受けながら時短勤務で働いている方も、障害の状態が基準に該当していれば受給できます。
  • 早期申請が重要です。事後重症請求の場合、申請月の翌月から支給されるため、1ヶ月遅れると1ヶ月分の年金を受け取れなくなります。
  • 専門家のサポートを受けることで、認定の可能性が高まります。特に初診日証明が困難な場合や、複雑なケースでは、社会保険労務士への依頼を検討してください。

慢性腎不全、特に透析を受けながらの生活は、想像以上に大変です。週3回の通院、透析後の強い疲労感、食事・水分制限、そして何より就労の困難さ。これまで当たり前にできていたことができなくなり、収入も減少する。経済的な不安は日に日に大きくなります。

しかし、あなたは一人ではありません。

障害年金は、病気やけがで生活や仕事に支障が出た方を支えるための、国の制度です。要件を満たしていれば、誰もが受給する権利があります。遠慮する必要はありません。あなたが長年納めてきた年金保険料は、まさにこのような時のためのものなのです。

「カルテがないから無理だ」
「まだ働いているから対象外だ」
「透析を始めていないから申請できない」
「手続きが複雑すぎて自分にはできない」

このような理由で、諦めてしまう方が本当に多いのです。でも、この記事を読んでいただいたあなたには、諦めてほしくありません。

カルテがなくても、証明する方法はあります。
働きながらでも、受給できます。
透析前でも、申請できる場合があります。
手続きが複雑なら、専門家がサポートします。

「諦めない障害年金」

これが、当事務所のコンセプトです。

事例①のAさんは、15年前のカルテを諦めかけていましたが、受付台帳のデータが見つかり、年間約143万円の受給につながりました。

事例②のBさんは、「透析前だから無理」と思っていましたが、実際には3級に認定され、月5万円の収入増で美容室を続けることができました。

事例③のCさんは、年金事務所で「難しい」と言われて一度は諦めましたが、健康診断結果と第三者証明で初診日を証明し、約150万円の一時金と年間約120万円の受給につながりました。

3人に共通していたのは、「諦めなかったこと」です。

あなたにも、可能性があります。まずは一歩、踏み出してみてください。

今すぐ無料相談をご利用ください

もし、この記事を読んで「自分も申請してみようかな」「でも、自分の場合はどうだろう」と思われたなら、まずはお気軽にご相談ください。

初回相談は無料です。相談したからといって、必ず依頼しなければならないわけではありません。あなたの状況をお聞きし、受給の可能性、申請方法、今後の流れなどを丁寧にご説明します。

一人で悩んでいても、答えは見つかりません。経済的な不安を抱えたまま、毎日を過ごすのはつらいことです。

まずは一度、お話を聞かせてください。あなたの不安を、希望に変えるお手伝いをさせていただきます。

お問い合わせ方法

📞 お電話でのご相談
050-7124-5884
受付時間:平日9:00〜18:00
「ホームページを見て、障害年金の相談をしたい」とお伝えください。

メールでのご相談
mail@srkobe.
お問い合わせフォーム
https://nenkin.srkobe.com/contact/
必要事項をご記入の上、送信してください。

対面相談・オンライン相談・訪問相談に対応

お体の状況やご希望に応じて、以下の方法からお選びいただけます。

  • 対面相談:事務所(神戸市須磨区)にお越しいただきます
  • オンライン相談:Zoom、LINEビデオ通話などで対応します
  • 訪問相談:ご自宅や病院など、ご指定の場所に伺います(神戸市内、兵庫県内中心)

あなたからのご連絡を、心よりお待ちしております。

慢性腎不全と向き合いながら、日々頑張っていらっしゃるあなた。透析を受けながら、あるいは透析導入を前に不安を抱えながら、毎日を過ごしていらっしゃるあなた。

あなたは決して一人ではありません。

障害年金という制度が、あなたを支えます。
そして、私たちが、あなたの申請をサポートします。

諦めないでください。
一緒に、希望への道を歩みましょう。

清水総合法務事務所
代表 社会保険労務士 清水 良訓

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