
関節リウマチで日常生活に支障が出ている方やそのご家族から「障害年金は受給できますか?」というご相談を数多くいただきます。結論から申し上げると、リウマチは障害年金の対象疾患であり、症状や日常生活への影響の程度によって受給できる可能性があります。本記事では、リウマチにおける障害年金の認定基準、申請時の重要ポイント、実際の受給事例まで、障害年金申請代行を専門とする社会保険労務士が詳しく解説します。適切な準備と手続きを行うことで、経済的な支援を受けられる可能性が高まります。
リウマチで障害年金は受給できるのか?
「自分のリウマチの症状でも障害年金がもらえるのだろうか」という不安を抱えている方は少なくありません。まずは、リウマチが障害年金の対象となるのか、どのような状態であれば受給できるのかについて、基本的な情報を確認していきましょう。
リウマチは障害年金の対象疾患です
関節リウマチは、障害年金における「肢体の障害」として認定の対象となる疾患です。障害年金制度では、病名そのものではなく、その病気によって日常生活や労働にどの程度の支障が出ているかが重要な判断基準となります。
リウマチは進行性の疾患であり、関節の痛みや腫れ、変形などによって、歩行や手指の動作に制限が生じることがあります。こうした症状が一定の基準を満たす場合、障害年金を受給できる可能性があります。
実際に、日本年金機構の障害認定基準においても、関節リウマチは明確に対象疾患として位置づけられており、多くの方が受給されています。
実際にリウマチで障害年金を受給している人は多い
リウマチで障害年金を受給されている方は決して少なくありません。厚生労働省の統計によれば、肢体の障害による障害年金受給者の中には、関節リウマチを含む関節疾患の方が一定数含まれています。
受給されている方の症状は様々です。例えば、以下のような状態の方が実際に認定を受けています。
- 両手の関節が変形し、日常的な家事動作(料理、洗濯、掃除など)に著しい制限がある方
- 膝や股関節の障害により、長時間の立位や歩行が困難な方
- 朝のこわばりが強く、起床後の身支度に長時間かかる方
- 複数の関節に症状があり、日常生活全般に介助が必要な方
重要なのは、リウマチと診断されていることだけでなく、その症状によって実際の生活にどのような支障が出ているかという点です。医学的な検査数値だけでなく、日常生活動作の制限が総合的に評価されます。
働きながらでも障害年金は受給できる
「仕事をしていると障害年金はもらえない」という誤解をされている方が非常に多いのですが、これは事実ではありません。障害年金は、働いているかどうかではなく、障害の程度によって判断されます。
実際に、パートやアルバイト、場合によっては正社員として勤務しながら障害年金を受給されている方もいらっしゃいます。特に障害厚生年金の3級は、「労働に著しい制限を受ける状態」が認定基準となっており、就労している方でも受給できる可能性があります。
ただし、就労状況は障害の程度を判断する際の参考情報の一つとして考慮されます。例えば、以下のような場合は就労していても受給できる可能性があります。
- 勤務時間や業務内容に大幅な配慮を受けている
- 短時間勤務やデスクワーク中心など、限定的な働き方をしている
- 職場での支援や配慮があって初めて勤務できている
- 頻繁な欠勤や休職を繰り返している
むしろ、こうした「配慮を受けながら働いている」という状況を適切に伝えることが、障害の実態を示す重要な情報となります。働いていることを理由に申請を諦める必要はありませんので、まずは専門家に相談することをおすすめします。
障害年金の基本的な仕組みと受給要件
障害年金の申請を検討する前に、まずは制度の基本的な仕組みを理解しておくことが大切です。障害年金には種類があり、受給するためには満たすべき要件があります。ここでは、リウマチで障害年金を受給するために知っておくべき基礎知識を解説します。
障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」がある
障害年金には、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。どちらを受給できるかは、初診日(初めて医師の診察を受けた日)にどの年金制度に加入していたかによって決まります。
障害基礎年金は、初診日に国民年金に加入していた方が対象となります。具体的には、自営業の方、学生、専業主婦(主夫)、無職の方などが該当します。障害基礎年金には1級と2級があり、3級はありません。
障害厚生年金は、初診日に厚生年金に加入していた方、つまり会社員や公務員として働いていた方が対象となります。障害厚生年金には1級、2級、3級があり、さらに障害手当金という一時金の制度もあります。
障害厚生年金を受給する場合、1級または2級に該当すれば、障害厚生年金に加えて障害基礎年金も同時に受給できるため、受給額が多くなります。一方、3級の場合は障害厚生年金のみの受給となります。
障害年金を受給するための3つの要件
障害年金を受給するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。リウマチで申請を検討されている方は、まずこれらの要件を確認しましょう。
①初診日要件:初めて医師の診察を受けた日が重要
初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日のことです。リウマチの場合、「関節の痛みや腫れで初めて医療機関を受診した日」が初診日となります。
初診日は障害年金において最も重要な日付です。なぜなら、この日にどの年金制度に加入していたかによって、受給できる年金の種類や金額が変わるからです。また、この日を基準に保険料納付要件や障害認定日が決まります。
初診日を証明するためには、原則として医療機関が発行する「受診状況等証明書」が必要です。しかし、初診の病院がすでに廃院していたり、カルテの保存期間(通常5年)を過ぎている場合もあります。そのような場合でも、診察券や領収書、お薬手帳などの資料で証明できることがありますので、諦めずに探してみることが大切です。
②保険料納付要件:年金保険料を一定期間納めている
初診日の前日時点で、一定期間以上の年金保険料を納付している必要があります。具体的には、以下のいずれかを満たす必要があります。
原則的な要件は、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上の期間について保険料を納付(または免除)していることです。
特例的な要件として、初診日が令和8年4月1日前にあり、かつ初診日に65歳未満の場合は、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの1年間に保険料の未納がなければ要件を満たします。
学生納付特例や納付猶予の期間も、納付要件を満たす期間として認められます。ただし、保険料を全く納めていない未納期間は、この要件を満たさない原因となりますので注意が必要です。
もし保険料納付要件を満たしているか不安な場合は、年金事務所で「納付記録」を確認することができます。
③障害状態要件:一定の障害の状態にある
障害認定日(初診日から1年6ヶ月を経過した日、または1年6ヶ月以内に症状が固定した日)において、障害等級(1級、2級、または3級)に該当する障害の状態にあることが必要です。
リウマチの場合、関節の可動域制限、筋力低下、日常生活動作の制限の程度などが総合的に評価されます。具体的な認定基準については、次の章で詳しく解説します。
なお、障害認定日に障害等級に該当していなくても、その後症状が悪化して該当するようになった場合は、「事後重症請求」という方法で申請することも可能です。
リウマチの障害認定基準とは?何級に該当する?
「自分の症状は何級に該当するのか」は、最も気になるポイントではないでしょうか。障害年金には等級があり、等級によって受給できる金額が変わります。ここでは、リウマチにおける具体的な障害認定基準と、どのような状態が各等級に該当するのかを詳しく解説します。
障害等級は1級・2級・3級に分かれている
障害年金の等級は、障害の程度によって1級、2級、3級に分かれています。等級が上がるほど障害の程度が重く、受給できる年金額も高くなります。
1級は、日常生活において常時介助を必要とする程度の障害状態です。他人の介助を受けなければ、身の回りのことがほとんどできない状態を指します。
2級は、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害状態です。必ずしも他人の介助は必要としないものの、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができない程度とされています。
3級は、労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害状態です。日常生活には大きな支障はないものの、仕事をする上で相当な制限がある状態を指します。なお、3級は障害厚生年金のみに存在し、障害基礎年金には3級はありません。
リウマチの場合、関節の障害は「肢体の障害」として評価されます。上肢(腕・手)、下肢(脚・足)、体幹(首・背骨など)の障害の程度や、それによる日常生活動作への影響が総合的に判断されます。
リウマチの障害認定基準(肢体の障害)
リウマチの障害認定は、日本年金機構が定める「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて行われます。関節リウマチは「肢体の障害」の項目で評価され、関節可動域、筋力、日常生活動作(ADL)の制限などが総合的に判断されます。
認定においては、単に関節の動きの範囲だけでなく、実際の生活でどれだけ困難があるかという「機能的な障害」が重視されます。例えば、医学的には可動域がある程度保たれていても、痛みや筋力低下によって実際には動かせない、使えないという状況も評価の対象となります。
1級に認定される状態
障害等級1級に認定されるのは、以下のような状態です。
両上肢の機能に著しい障害を有するもの、つまり両手がほとんど使えず、食事、排泄、入浴、着替えなど、身の回りのことのほぼすべてに介助が必要な状態が該当します。
両下肢の機能に著しい障害を有するものでは、歩行がほとんどできない、または車椅子を使用しなければ移動できず、日常生活のあらゆる場面で介助を要する状態が該当します。
リウマチの場合、全身の多数の関節に高度な障害があり、寝たきりに近い状態や、常に家族の介助なしには生活できない状態であれば、1級に該当する可能性があります。
具体的には、両手の指がほとんど動かせず、物を持つことも困難で、食事にも介助が必要、かつ両膝や股関節の障害により自力での歩行がほぼ不可能といった、複数の関節に重度の障害がある場合などが考えられます。
2級に認定される状態
障害等級2級は、リウマチの方で最も多く認定されている等級です。以下のような状態が該当します。
両上肢の機能に相当程度の障害を残すものでは、両手の指の変形や可動域制限により、日常生活動作に著しい制限がある状態です。例えば、ボタンをかける、箸を使う、ペンを持つなどの細かい動作が困難で、家事全般に支障がある場合が該当します。
両下肢の機能に相当程度の障害を残すものでは、杖や装具を使用しなければ歩行が困難、または平地でも短い距離しか歩けない、階段の昇降が著しく困難といった状態が該当します。
リウマチで2級に認定される典型的な例としては、次のような状態が挙げられます。
- 両手の複数の関節が変形し、握力がほとんどなく、包丁を使う、洗濯物を絞る、瓶の蓋を開けるなどの動作ができない
- 朝のこわばりが強く、起床後2〜3時間は身支度に時間がかかり、日常生活に著しい制限がある
- 膝や足関節の障害により、杖なしでは歩行が困難で、買い物や通院も家族の付き添いが必要
- 複数の関節に痛みと腫れがあり、家事や育児がほとんどできず、疲労感が強い
重要なのは、これらの症状によって「日常生活が著しく制限されている」という実態です。
3級に認定される状態(障害厚生年金のみ)
障害等級3級は、障害厚生年金のみに存在する等級で、「労働に著しい制限を受ける」状態が認定基準となります。
一上肢の3大関節のうち2関節の用を廃したものや、両下肢の10趾の用を廃したものなど、具体的な基準が定められていますが、リウマチの場合は「その他の障害」として総合的に判断されることが多くなります。
リウマチで3級に認定される例としては、以下のような状態が考えられます。
- 両手の指の関節に変形や可動域制限があり、細かい作業や力仕事に制限があるが、軽作業やデスクワークは可能
- 膝や足関節に障害があり、長時間の立位や歩行は困難だが、座位での作業は可能
- 複数の関節に症状があり、フルタイムでの就労は困難だが、短時間勤務や配慮された環境であれば就労可能
3級は「日常生活には大きな支障はないが、仕事をする上では相当な制限がある」という状態を想定しています。そのため、働きながら3級を受給している方も実際にいらっしゃいます。
日常生活動作(ADL)の制限が重要な判断基準
障害年金の認定では、医学的な所見だけでなく、実際の日常生活でどのような困難があるかという「日常生活動作(ADL)」の評価が非常に重要です。
ADLとは、Activities of Daily Livingの略で、食事、排泄、入浴、着替え、移動など、日常生活を送る上で必要な基本的な動作のことを指します。リウマチの診断書には、これらの動作についての詳細な記載欄があり、医師がどの程度できるか、できないかを評価します。
具体的には、以下のような項目が評価されます。
- 食事動作:箸やスプーンが使えるか、食器を持てるか
- 整容動作:顔を洗う、歯を磨く、髪をとかすことができるか
- 更衣動作:ボタンをかける、ファスナーを上げる、靴下を履けるか
- 入浴動作:浴槽をまたげるか、体を洗えるか、髪を洗えるか
- 排泄動作:トイレで用を足せるか、衣服の上げ下ろしができるか
- 移動動作:室内を歩けるか、階段の昇降ができるか、外出できるか
- 家事動作:料理、洗濯、掃除、買い物ができるか
これらの動作について「できる」「やや困難」「かなり困難」「できない」といった評価が行われ、総合的に障害の程度が判断されます。
重要なのは、「できる・できない」という白黒だけでなく、「時間がかかる」「痛みを伴う」「疲れやすい」「補助具が必要」といった状況も含めて評価されるということです。
検査数値だけでは判断されない
リウマチの診断では、血液検査(CRPやリウマチ因子など)やレントゲン、MRIなどの画像検査が行われますが、障害年金の認定においては、これらの検査数値や画像所見だけで判断されるわけではありません。
もちろん、炎症反応の数値や関節破壊の程度は重要な参考情報ですが、それ以上に「実際の生活でどれだけ困っているか」という機能的な障害が重視されます。
例えば、血液検査の数値が改善していても、関節の変形が残っていて日常生活に支障がある場合や、逆に数値は正常でも痛みや可動域制限によって生活に著しい制限がある場合なども、適切に評価されるべきです。
したがって、診断書を作成してもらう際には、検査結果だけでなく、日常生活での具体的な困難さを医師にしっかりと伝えることが非常に重要になります。
リウマチで障害年金を受給するための重要ポイント
障害年金の認定を受けるためには、単に申請書類を揃えるだけでなく、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。特にリウマチの場合、症状の伝え方や書類の準備が認定の可否を大きく左右します。ここでは、受給の可能性を高めるための重要なポイントを解説します。
初診日の証明が最も重要
障害年金申請において、初診日の証明は最も重要かつ困難なポイントの一つです。初診日が確定できなければ、どれだけ障害の程度が重くても申請自体ができません。
リウマチの場合、最初は「ちょっと関節が痛い」程度で整形外科や内科を受診し、その後専門医を紹介されて正式にリウマチと診断されるケースが多くあります。この場合、初診日は「リウマチと診断された日」ではなく、「関節の痛みや腫れで初めて医療機関を受診した日」となります。
初診日を証明するためには、原則として初診の医療機関から「受診状況等証明書」を取得する必要があります。しかし、初診から数年、場合によっては10年以上経過してから申請するケースも多く、以下のような問題が生じることがあります。
- 初診の病院が廃院している
- カルテの保存期間(法定では5年)が過ぎており、記録が残っていない
- 転居などで初診の病院がどこだったか思い出せない
このような場合でも、以下のような資料で初診日を証明できる可能性があります。
- 診察券(日付の記載があるもの)
- 領収書や診療明細書
- お薬手帳(初回の処方記録)
- 健康診断の記録
- 他の医療機関の紹介状や診療情報提供書
- 身体障害者手帳の申請時の診断書
また、これらの資料がない場合でも、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を提出し、第三者(受診に付き添った家族など)の証明や、初診日頃の状況を詳しく説明することで認められることもあります。
初診日の特定に不安がある場合は、早めに専門家に相談し、どのような資料を探せばよいか、どのように証明すればよいかのアドバイスを受けることをおすすめします。
医師による診断書の内容が認定を左右する
障害年金の審査において、最も重視されるのが医師が作成する診断書です。診断書の記載内容によって、認定されるかどうか、何級に認定されるかが大きく左右されると言っても過言ではありません。
リウマチの場合は「肢体の障害用」の診断書を使用します。この診断書には、関節可動域、筋力、日常生活動作の制限、補助具の使用状況など、非常に詳細な記載欄があります。
しかし、多くの医師は治療の専門家であっても、障害年金の診断書作成に慣れているわけではありません。そのため、患者側から適切に情報を伝えなければ、実際の障害の程度が診断書に正確に反映されないことがあります。
診断書作成を依頼する際には、以下の点に注意しましょう。
まず、診断書作成を依頼する前に、日常生活でどのような困難があるかを整理しておくことが重要です。箇条書きのメモでも構いませんので、具体的な困難を書き出しておきましょう。
また、診察時には普段の生活での困難さを具体的に伝えることが大切です。医師の前では緊張して普段よりも動けてしまうこともありますが、「家では〇〇ができない」「朝は特に△△が辛い」といった日常の実態を正直に伝えましょう。
日常生活の困難さを具体的に伝える
診断書には日常生活動作の評価欄がありますが、医師は診察室での様子しか見ていません。そのため、患者自身が日常生活での具体的な困難を伝えなければ、実態が診断書に反映されません。
例えば、以下のような具体的な情報を伝えることが重要です。
- 「ボタンがかけられないので、ボタンのない服しか着られません」
- 「包丁を持つのが辛くて、料理ができなくなりました」
- 「朝起きてから2時間は手がこわばって、顔も洗えません」
- 「買い物に行くと膝が痛くて、途中で休憩しないと歩けません」
- 「洗濯物を干すときに腕が上がらず、家族に頼んでいます」
- 「階段が怖くて、一段ずつ手すりにつかまりながらでないと降りられません」
このように、「何ができない」「どのくらい時間がかかる」「どのような工夫や補助が必要」という具体的な情報を医師に伝えることで、診断書により正確な記載がなされます。
また、受診時にメモを持参して医師に渡すという方法も有効です。日常生活での困難を箇条書きにしたメモを診察時に渡すことで、医師も診断書作成の際に参考にできます。
症状の波がある場合の記載方法
リウマチは症状に波があることが特徴の一つです。調子の良い日と悪い日があり、天候や疲労によっても症状が変動します。このような場合、診断書にどのように記載してもらうかが重要なポイントとなります。
障害年金の認定では、「通常の状態」つまり平均的な状態が評価されます。最も調子が良い日の状態でも、最も悪い日の状態でもなく、日常的な状態を基準に判断されるということです。
したがって、診察日がたまたま調子の良い日だった場合、その日の状態だけで診断書が書かれてしまうと、実際の障害の程度が過小評価される可能性があります。
医師には以下のような情報を伝えましょう。
- 「今日は調子が良い方ですが、普段はもっと痛みが強いです」
- 「週に〇日くらいは、ほとんど動けない日があります」
- 「朝のこわばりは毎日2時間以上続きます」
- 「天気が悪い日は特に症状が悪化します」
また、症状日記をつけている場合は、それを医師に見せることも有効です。数週間から数ヶ月の記録があれば、症状の変動パターンや平均的な状態を医師が把握しやすくなります。
病歴・就労状況等申立書で詳細な状況を説明する
診断書と並んで重要な書類が「病歴・就労状況等申立書」です。これは申請者本人または家族が作成する書類で、発病から現在までの経過、治療の状況、日常生活や就労の状況などを詳しく記載します。
この申立書は、診断書では伝えきれない詳細な情報を補完する重要な役割を持っています。特にリウマチのような進行性の疾患では、どのように症状が変化してきたか、それによって生活がどう変わったかを時系列で説明することが重要です。
申立書に記載すべき主な内容は以下の通りです。
発病から受診までの経緯では、いつ頃からどのような症状が出始めたか、それがどのように悪化していったか、何がきっかけで受診したかなどを記載します。
受診から診断までの経過では、最初にどの医療機関を受診し、その後どのような検査を受け、いつリウマチと確定診断されたかを時系列で説明します。転院がある場合は、その理由や経緯も記載します。
治療の経過では、どのような治療を受けてきたか、薬の変更や副作用の有無、手術を受けた場合はその内容なども詳しく記載します。
日常生活の状況では、発病前と比べて日常生活がどう変化したかを具体的に記載します。「以前はできていた〇〇ができなくなった」という形で、障害の程度が分かるように説明しましょう。
就労状況では、発病によって仕事にどのような影響が出たか、退職や転職をした場合はその理由、現在就労している場合は勤務時間や業務内容、職場での配慮の有無などを記載します。
申立書は、障害の実態を審査する側に正しく伝えるための重要な書類です。形式的な記載ではなく、具体的なエピソードを交えながら、リウマチによってどれだけ生活が制限されているかを丁寧に説明することが大切です。
書類作成に不安がある場合は、社会保険労務士に依頼することで、認定されやすい適切な内容の申立書を作成することができます。
リウマチの障害年金申請の流れ
実際に障害年金を申請するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。必要な書類の取得から提出まで、一つひとつのステップを理解しておくことで、スムーズな申請が可能になります。ここでは、リウマチで障害年金を申請する際の具体的な流れを解説します。
ステップ1:初診日を確定する
障害年金申請の第一歩は、初診日を確定することです。前述したように、初診日は障害年金において最も重要な日付であり、これが確定しなければ申請を進めることができません。
まず、自分の記憶や手元の資料(診察券、お薬手帳、領収書など)を頼りに、リウマチの症状で初めて医療機関を受診した日がいつだったかを思い出しましょう。可能であれば、家族にも確認してもらうとよいでしょう。
初診日が特定できたら、その医療機関に連絡して、カルテが残っているかを確認します。カルテが残っていれば、次のステップで「受診状況等証明書」を取得することができます。
もし初診の医療機関が廃院していたり、カルテが残っていない場合は、初診日を証明できる他の資料を探す必要があります。この段階で不安がある場合は、年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。
ステップ2:受診状況等証明書を取得する
初診日が確定したら、初診の医療機関から「受診状況等証明書」を取得します。これは、初診日を公式に証明するための書類です。
受診状況等証明書は、初診の医療機関の窓口で依頼します。多くの医療機関では文書料(数千円程度)がかかります。発行までには1〜2週間程度かかることが一般的ですので、余裕を持って依頼しましょう。
ただし、初診の医療機関と診断書を作成してもらう医療機関が同じ場合は、受診状況等証明書は不要です。診断書に初診日の記載があれば、それで証明されます。
初診の医療機関でカルテが保存されていない場合や廃院している場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成し、2番目に受診した医療機関から受診状況等証明書を取得する必要があります。この場合、初診日を証明するための補助資料(診察券のコピーなど)もできる限り添付します。
ステップ3:診断書を医師に依頼する
診断書は、障害年金申請において最も重要な書類です。リウマチの場合は「肢体の障害用」の診断書を使用します。
診断書は、原則として「障害認定日」の状態を記載してもらう必要があります。障害認定日とは、初診日から1年6ヶ月を経過した日のことです。ただし、初診日から1年6ヶ月以上経過している現在の申請の場合は、「事後重症請求」として現在の状態を記載した診断書を提出することもできます。
診断書の用紙は、年金事務所または日本年金機構のホームページから入手できます。この用紙を持って、現在通院している医療機関(主治医)に診断書の作成を依頼します。
診断書作成を依頼する際には、以下の点に注意しましょう。
まず、診断書作成には通常2週間から1ヶ月程度かかります。医療機関によってはさらに時間がかかることもありますので、早めに依頼することが大切です。
また、診断書作成には文書料がかかります。金額は医療機関によって異なりますが、数千円から1万円程度が一般的です。
前の章で説明したように、日常生活での具体的な困難を医師に伝えることを忘れないでください。メモを持参するなどして、診断書に正確な情報が記載されるようにしましょう。
診断書が完成したら、内容を必ず確認してください。特に、日常生活動作の評価欄が実態と合っているか、記載漏れがないかなどをチェックします。もし実態と異なる記載があれば、医師に相談して修正を依頼することも可能です。
ステップ4:病歴・就労状況等申立書を作成する
診断書と並行して、「病歴・就労状況等申立書」を作成します。この申立書の用紙も、年金事務所または日本年金機構のホームページから入手できます。
申立書は、発病から現在までを3〜5年ごとに区切って、それぞれの期間の状況を記載する形式になっています。リウマチで申請する場合、以下のような内容を記載します。
発病から初診までの期間では、いつ頃からどのような症状が出始めたか、それがどのように変化したか、受診のきっかけは何だったかを記載します。
初診から診断確定までの期間では、どのような検査を受けたか、診断がつくまでの経緯、その間の症状の変化を記載します。
診断後の治療期間では、どのような治療を受けてきたか、薬の効果や副作用、症状の経過などを記載します。
現在の状況では、現在の症状、日常生活の困難さ、就労状況などを具体的に記載します。
記載のポイントは、単に事実を羅列するのではなく、リウマチによって日常生活がどのように制限されているかが分かるように、具体的なエピソードを交えて説明することです。
例えば、「家事が困難」と書くだけでなく、「包丁を持つと手が痛むため、野菜を切ることができず、家族に調理を頼んでいる。洗濯物を干す際も腕が上がらないため、低い位置に干すか家族に手伝ってもらっている」というように具体的に書くと、障害の程度がより正確に伝わります。
申立書の作成に不安がある場合は、社会保険労務士に依頼することで、認定されやすい適切な内容の申立書を作成してもらうことができます。
ステップ5:年金事務所または市区町村役場に提出する
必要な書類が揃ったら、提出先に申請書類一式を提出します。
障害基礎年金を申請する場合(初診日に国民年金加入だった場合)は、住所地の市区町村役場の国民年金課に提出します。
障害厚生年金を申請する場合(初診日に厚生年金加入だった場合)は、住所地を管轄する年金事務所に提出します。
提出する書類は、主に以下の通りです。
- 年金請求書(障害給付)
- 診断書(肢体の障害用)
- 受診状況等証明書(初診の医療機関と診断書作成医療機関が異なる場合)
- 病歴・就労状況等申立書
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 戸籍謄本または戸籍抄本、住民票
- 本人名義の預金通帳(年金の振込先)
- 印鑑
配偶者や子がいる場合は、加算の対象となるため、追加の書類(戸籍謄本、世帯全員の住民票、配偶者の収入証明など)が必要になります。
提出の際には、必ず書類のコピーを取っておくことをおすすめします。また、提出時には受付印を押してもらった控えを必ず受け取りましょう。
窓口での提出が難しい場合は、郵送での提出も可能です。ただし、書類に不備があると審査が遅れるため、できれば窓口で職員に確認してもらいながら提出する方が安心です。
社会保険労務士に依頼している場合は、社労士が代理で提出することもできます。
ステップ6:審査結果を待つ(標準審査期間は3ヶ月)
書類を提出した後は、日本年金機構での審査を待ちます。標準的な審査期間は約3ヶ月とされていますが、書類の内容や時期によっては、それ以上かかることもあります。
審査は、都道府県ごとに設置されている「障害年金センター」で行われます。提出した診断書や申立書の内容を基に、医師である認定医が障害の程度を審査し、等級を判定します。
審査中に追加の書類提出を求められることもあります。その場合は、指定された期限内に必要な書類を提出しましょう。
審査の結果は、「年金証書」(認定された場合)または「不支給決定通知書」(認定されなかった場合)が郵送で届きます。
認定された場合は、年金証書に記載された支給開始月から、指定した口座に年金が振り込まれます。通常、年金は偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の15日に、前2ヶ月分がまとめて振り込まれます。
初回の振込には、支給開始月からの遡及分がまとめて振り込まれることもあります。例えば、支給開始月が1年前だった場合、1年分がまとめて振り込まれます。
不支給となった場合でも、審査請求という不服申立ての手続きが可能です。不支給の理由を確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
リウマチの障害年金でよくある質問
リウマチで障害年金を検討されている方から、よく寄せられる質問をまとめました。申請前の不安や疑問の解消にお役立てください。ここでは、実際に多くの方が気にされているポイントについて、具体的にお答えします。
Q1:リウマチと診断されたらすぐに申請できますか?
リウマチと診断されても、すぐには障害年金を申請できません。障害年金を申請するためには、原則として「初診日から1年6ヶ月を経過していること」が必要です。
この1年6ヶ月を経過した日を「障害認定日」と呼び、この日以降に申請が可能になります。なぜ1年6ヶ月という期間が設けられているかというと、病気やケガの症状が固定し、障害の程度が判断できる状態になるまでの期間として設定されているためです。
ただし、以下のような例外的なケースもあります。
人工関節置換術を受けた場合は、手術日から障害年金の対象となります。リウマチで股関節や膝関節の人工関節置換術を受けた場合、初診日から1年6ヶ月を待たずに申請できることがあります。
また、初診日から1年6ヶ月の時点では障害の程度が軽く、その後症状が悪化した場合は、「事後重症請求」という方法で、現在の状態で申請することができます。この場合、請求した月の翌月分から年金が支給されます。
初診日から1年6ヶ月が経過していない段階でも、今後の申請に備えて、診察券や領収書などの初診日を証明できる資料を保管しておくことが大切です。
Q2:症状に波がある場合でも認定されますか?
リウマチは症状に波があることが特徴で、調子の良い日と悪い日の差が大きいことも珍しくありません。このような場合でも、障害年金の認定は可能です。
障害年金の審査では、「通常の状態」つまり平均的な日常の状態が評価されます。最も調子が良い日だけで判断されるわけではありません。
重要なのは、診断書や申立書で症状の変動があることを適切に伝えることです。例えば、以下のような記載が有効です。
- 「週に3〜4日は強い痛みで家事がほとんどできない」
- 「天候不良時や疲労時には症状が著しく悪化する」
- 「朝のこわばりは毎日2時間以上続く」
- 「月に数日は寝込むほどの症状がある」
また、症状日記をつけている場合は、それを医師に見せることで、平均的な状態を把握してもらいやすくなります。数週間から数ヶ月の記録があれば、症状の変動パターンが明確になり、診断書にもより正確な情報が反映されます。
調子の良い日があるからといって認定されないわけではありませんので、むしろ症状の変動も含めて正直に伝えることが大切です。
Q3:パートやアルバイトで働いていても受給できますか?
働いているという事実だけで障害年金が受給できないということはありません。障害年金は、就労の有無ではなく、障害の程度によって判断されます。
実際に、パートやアルバイトで働きながら障害年金を受給されている方は多くいらっしゃいます。特に障害厚生年金の3級は、「労働に著しい制限を受ける状態」が認定基準となっており、就労している方でも受給できる可能性があります。
ただし、就労状況は障害の程度を判断する際の参考情報の一つとして考慮されます。以下のような状況であれば、就労していても受給できる可能性が高くなります。
- 短時間勤務(週20時間未満など)に限定されている
- デスクワークなど、身体的負担の少ない業務に限定されている
- 職場から特別な配慮(勤務時間の調整、業務内容の制限、休憩の増加など)を受けている
- 頻繁に欠勤や早退をしている
- 通勤にも困難がある(家族の送迎が必要など)
申立書や診断書では、「働いている」という事実だけでなく、「どのような配慮を受けながら」「どのような制限の中で」働いているかを具体的に記載することが重要です。
例えば、「週3日、1日4時間のパート勤務だが、重いものは持てないため軽作業のみに従事している。朝のこわばりがあるため午後からの勤務にしてもらっている。疲れやすく、月に2〜3回は体調不良で欠勤している」というように、制限や配慮の内容を詳しく説明しましょう。
フルタイムで正社員として働いている場合でも、3級に該当する可能性はありますが、1級や2級の認定は難しくなる傾向があります。
Q4:人工関節置換術を受けた場合はどうなりますか?
リウマチで股関節や膝関節などに人工関節置換術を受けた場合、障害年金の認定において有利になることがあります。
人工関節置換術は、障害認定基準において明確な基準が設けられています。具体的には、人工関節を挿入置換した場合、その程度によって以下のように認定されます。
両側の股関節または膝関節に人工関節を挿入置換した場合は、原則として3級以上に認定されます。症状の程度によっては2級に認定されることもあります。
片側のみに人工関節を挿入置換した場合でも、他の関節の障害の程度や日常生活への影響を総合的に評価して、等級が判定されます。
また、人工関節置換術を受けた日が、初診日から1年6ヶ月以内であっても、手術日を「障害認定日」とすることができます。つまり、通常より早く障害年金を申請できる可能性があるということです。
ただし、人工関節を入れたからといって自動的に認定されるわけではありません。手術後の回復状況、他の関節の状態、日常生活動作の制限の程度などが総合的に評価されます。
人工関節置換術を予定している場合や、すでに受けている場合は、手術の記録や経過記録をしっかり保管しておくことをおすすめします。
Q5:一度不支給になったら再申請はできませんか?
不支給の決定を受けても、再申請は可能です。また、不支給決定に納得できない場合は、不服申立て(審査請求)をすることもできます。
不服申立て(審査請求)は、不支給決定通知を受け取った日の翌日から3ヶ月以内に行う必要があります。審査請求では、新たな医学的証拠や説明を追加することで、決定が覆る可能性があります。
審査請求でも認められなかった場合は、さらに「再審査請求」という手続きもあります。
再申請は、不支給決定後に症状が悪化した場合や、新たな証拠が得られた場合に行うことができます。再申請には期限の制限はありませんが、症状が悪化してから1年以上経過してからの申請となると、その間の分は遡って受給できないため、できるだけ早めに申請することが望ましいです。
不支給となる主な理由としては、以下のようなケースがあります。
- 初診日が証明できなかった
- 保険料納付要件を満たしていなかった
- 診断書の記載が不十分で、障害の実態が正しく伝わらなかった
- 障害認定日に障害等級に該当する状態ではなかった
不支給の理由を正確に把握し、それに対する適切な対応をすることで、再申請や審査請求で認定される可能性は十分にあります。
不支給となった場合は、一人で悩まず、障害年金に詳しい社会保険労務士に相談することをおすすめします。専門家の視点から不支給の理由を分析し、適切な対応策をアドバイスしてもらえます。
Q6:障害年金を受給すると会社に知られますか?
障害年金を受給していることが、直接会社に通知されることはありません。障害年金は日本年金機構から個人に直接支給されるもので、勤務先に情報が伝わる仕組みはありません。
ただし、以下のような場合には、間接的に会社に知られる可能性があります。
年末調整の際、障害年金は非課税所得ですが、障害者控除を申請する際に会社に伝える必要が出てくる場合があります。ただし、障害者控除を受けるかどうかは任意ですので、会社に知られたくない場合は、控除を受けないという選択もできます。
健康保険の傷病手当金を受給している場合、障害年金との調整のため、会社の健康保険組合が障害年金の受給状況を確認することがあります。
給与から天引きされている厚生年金保険料については、障害年金を受給しても変わりません。障害年金を受給していても、会社員として働いている限り、通常通り厚生年金保険料を納付する必要があります。
基本的には、自分から話さない限り、会社に知られることはありませんので、安心して申請を検討してください。ただし、職場での合理的配慮を求める際などには、障害の状況を説明する必要が出てくる場合もあります。
プライバシーに関する不安がある場合は、社会保険労務士に相談することで、具体的な状況に応じたアドバイスを受けることができます。
リウマチの障害年金が不支給になる主なケース
障害年金の申請をしても、残念ながら不支給となってしまうケースがあります。不支給を避けるためには、どのような理由で認定されないのかを事前に理解しておくことが重要です。ここでは、リウマチの障害年金申請で不支給となる主な原因と、その対策について解説します。
初診日の証明ができない
障害年金申請における不支給理由の中で、最も多いのが初診日の証明ができないケースです。初診日が確定できなければ、どれだけ障害の程度が重くても、申請自体が受理されません。
初診日の証明が困難になる主な理由は以下の通りです。
カルテの保存期間を過ぎている場合、医療機関には法律上、診療録(カルテ)を5年間保存する義務がありますが、それを過ぎると破棄されてしまいます。リウマチの場合、初診から何年も経ってから申請するケースが多く、カルテが残っていないことがよくあります。
初診の医療機関が廃院している場合も、証明が困難になります。特に個人経営のクリニックなどは、院長の高齢化により廃院するケースも少なくありません。
複数の医療機関を受診している場合、どこが真の初診なのか分からなくなることがあります。例えば、最初は整形外科で「関節炎」と診断され、その後リウマチ専門医で「関節リウマチ」と確定診断された場合、整形外科の初回受診日が初診日となります。
このような事態を避けるための対策としては、以下が有効です。
まず、早めの申請準備が重要です。初診日から1年6ヶ月経過したら、できるだけ早く申請準備を始めることで、カルテが残っている可能性が高くなります。
資料の保管も大切です。診察券、領収書、お薬手帳、検査結果など、受診に関する資料はすべて保管しておきましょう。これらは初診日を証明する重要な証拠となります。
複数の証拠を準備することも有効です。カルテが残っていない場合でも、診察券、お薬手帳、家族や同僚などの第三者証明、健康診断の記録など、複数の証拠を組み合わせることで初診日が認められることがあります。
初診日の証明に不安がある場合は、早めに障害年金専門の社会保険労務士に相談することをおすすめします。専門家は、どのような資料を探せばよいか、どのように証明すればよいかについて、具体的なアドバイスをすることができます。
保険料納付要件を満たしていない
保険料納付要件を満たしていないことも、不支給となる大きな理由の一つです。障害の程度がどれだけ重くても、この要件を満たしていなければ、障害年金は受給できません。
保険料納付要件で問題となるのは、主に以下のようなケースです。
国民年金保険料の未納期間が長い場合、特に自営業の方や学生時代に国民年金に加入していた方で、保険料を納付していない期間が長いと、要件を満たさないことがあります。
20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われませんが、所得制限があり、一定以上の所得がある場合は年金額が減額または支給停止となります。
学生納付特例や納付猶予を受けていた期間は、納付要件を満たす期間として認められますが、未納のまま放置していた期間は認められません。
保険料納付要件を満たすための対策としては、以下があります。
過去の未納分を追納することができる場合があります。国民年金保険料は、原則として過去2年分まで遡って納付することができます。ただし、追納できるのは初診日の前日までですので、リウマチと診断される前であれば、未納分を納付しておくことが重要です。
納付記録を確認することも大切です。年金事務所で「ねんきん定期便」や納付記録を確認し、自分が保険料納付要件を満たしているかを事前に把握しておきましょう。
もし保険料納付要件を満たしていないことが判明した場合でも、諦める必要はありません。計算方法によっては要件を満たしている場合もありますので、専門家に相談してみることをおすすめします。
診断書の記載が不十分
診断書の記載内容が不十分で、実際の障害の程度が正しく伝わらなかったために不支給となるケースも少なくありません。
診断書の記載が不十分になる主な原因は以下の通りです。
日常生活動作の評価が実態より軽く記載されている場合、医師は診察室での様子しか見ていないため、患者が日常生活での困難を十分に伝えていないと、実際より軽度に評価されてしまうことがあります。
具体的な記載が少ない場合も問題です。「日常生活に支障あり」という抽象的な記載ではなく、「ボタンがかけられない」「包丁が使えない」「階段が降りられない」といった具体的な記載が必要です。
検査所見のみで機能的な障害が記載されていない場合、関節可動域の数値や検査データだけが記載され、それによって日常生活がどう制限されているかの記載が不足していると、障害の実態が伝わりません。
症状の変動が考慮されていない場合、たまたま診察日の調子が良く、その日の状態だけで診断書が書かれてしまうと、通常の状態が正しく評価されません。
このような事態を避けるための対策としては、以下が有効です。
診断書作成前に医師と十分にコミュニケーションをとることが最も重要です。日常生活での具体的な困難を、メモにまとめて医師に渡すなどして、確実に伝えましょう。
診断書の内容を受け取り時に確認することも大切です。記載内容が実態と異なる場合は、医師に説明して修正を依頼することもできます。
病歴・就労状況等申立書で補足することも有効です。診断書で伝えきれなかった詳細な状況を、申立書で丁寧に説明することで、障害の実態を補完できます。
診断書の記載に不安がある場合は、障害年金専門の社会保険労務士に診断書の内容をチェックしてもらうことをおすすめします。専門家の視点から、記載内容が適切かどうか、追加すべき情報がないかをアドバイスしてもらえます。
障害認定日に障害等級に該当していない
障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過した日)の時点では、まだ障害の程度が軽く、等級に該当していなかった場合も不支給となります。
リウマチは進行性の疾患であるため、初診から1年6ヶ月の時点ではまだ症状が比較的軽く、その後徐々に悪化していくケースが多くあります。このような場合、障害認定日での申請(認定日請求)では認定されないことがあります。
ただし、この場合でも諦める必要はありません。事後重症請求という方法があります。
事後重症請求とは、障害認定日には等級に該当していなかったが、その後症状が悪化して等級に該当するようになった場合に、現在の状態で申請する方法です。この場合、請求した月の翌月分から年金が支給されます。
事後重症請求の注意点は、遡及して年金を受け取ることはできないという点です。例えば、2年前に等級に該当する状態になっていても、今日申請すれば、今日から(正確には請求月の翌月から)しか支給されません。
したがって、症状が悪化して日常生活に支障が出てきたと感じたら、できるだけ早く申請することが重要です。「もう少し様子を見よう」と先延ばしにすると、その分受給できる期間が短くなってしまいます。
また、障害認定日から1年以内に症状が悪化した場合は、障害認定日と現在の両方の診断書を提出することで、障害認定日に遡って年金を受給できる可能性があります(認定日請求と事後重症請求の併用)。
リウマチの進行状況や現在の障害の程度について、専門家に相談しながら適切なタイミングで申請することが、受給の可能性を高めるポイントとなります。
リウマチの障害年金受給事例
実際にリウマチで障害年金を受給された方の事例をご紹介します。具体的な事例を知ることで、ご自身の状況と照らし合わせ、受給の可能性を判断する参考にしていただけます。ここでは、年齢や症状、等級が異なる3つのケースをご紹介します。
事例1:40代女性・障害厚生年金2級を受給
Aさん(45歳・女性)のケース
Aさんは、42歳の時に両手の指の関節痛と腫れで整形外科を受診し、その後リウマチ専門医を紹介されて関節リウマチと診断されました。当時は会社員として事務職に就いており、厚生年金に加入していました。
初診から診断まで: 最初は単なる腱鞘炎かと思い、近所の整形外科を受診しましたが、血液検査の結果、リウマチの疑いがあるとして専門医を紹介されました。専門医での精密検査により、関節リウマチと確定診断されたのは初診から2ヶ月後のことでした。
治療の経過: 診断後、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬による治療を開始しましたが、思うような効果が得られず、症状は徐々に進行していきました。1年後には両手の指だけでなく、両膝にも痛みと腫れが出現し、歩行にも支障をきたすようになりました。
生物学的製剤への変更も行いましたが、完全に症状をコントロールすることはできず、日常生活に大きな制限が生じるようになりました。
障害の状態: 初診日から1年6ヶ月経過した障害認定日の時点で、Aさんの状態は以下の通りでした。
- 両手の指の関節が腫れて変形し、握力がほとんどない状態
- ペンを持つ、箸を使う、ボタンをかけるなどの細かい動作が困難
- 包丁を使った調理、洗濯物を絞るなどの家事動作ができない
- 両膝の痛みにより、長時間の立位や歩行が困難
- 階段の昇降には手すりが必須で、時間がかかる
- 朝のこわばりが毎日2時間以上続き、起床後すぐには動けない
- 疲労感が強く、午後には休息が必要
就労状況の変化: 症状の進行により、正社員としてのフルタイム勤務が困難になり、退職を余儀なくされました。その後、週3日、1日4時間のパート勤務に変更しましたが、それでも体調不良による欠勤が月に数回発生していました。
申請と結果: 障害認定日から3ヶ月後に、障害厚生年金の申請を行いました。診断書には、上記の日常生活動作の制限が詳細に記載され、病歴・就労状況等申立書では、発病から現在までの症状の変化、退職に至った経緯、現在の生活の困難さを具体的に説明しました。
申請から約3ヶ月後、障害厚生年金2級として認定されました。障害厚生年金2級に加えて障害基礎年金2級も併せて受給できるため、月額約13万円(配偶者加算含む)の年金を受給することができました。
さらに、障害認定日まで遡って支給されたため、初回は約40万円がまとめて振り込まれました。
Aさんのコメント: 「経済的な不安が大きかったのですが、障害年金を受給できたことで、無理をして働く必要がなくなり、体調管理に専念できるようになりました。申請は複雑で不安でしたが、専門家にサポートしてもらえて本当に良かったです。」
事例2:30代男性・障害基礎年金2級を受給
Bさん(38歳・男性)のケース
Bさんは、35歳の時に手指の関節痛で医療機関を受診し、関節リウマチと診断されました。当時は自営業(個人事業主)で、国民年金に加入していました。
初診から診断まで: Bさんは建築関係の自営業を営んでおり、仕事柄、手を酷使することが多い環境でした。最初は仕事のせいで手が痛むのだと思い、しばらく我慢していましたが、腫れがひどくなり、夜も眠れないほどの痛みが出たため、整形外科を受診しました。
血液検査とレントゲン検査の結果、関節リウマチと診断され、すぐに専門医を紹介されました。
治療の経過: 診断後、抗リウマチ薬による治療を開始しましたが、Bさんの場合は進行が比較的早く、半年後には両足首や膝にも症状が広がりました。薬の効果も十分でなく、1年後には仕事を続けることが困難な状態になりました。
生物学的製剤への変更も試みましたが、副作用のため継続できず、症状は悪化の一途をたどりました。
障害の状態: 初診日から1年6ヶ月経過した時点で、Bさんの状態は以下の通りでした。
- 両手の複数の関節が変形し、工具を握ることができない
- 重いものを持つことができず、仕事に必要な作業がほとんどできない
- 両足首と膝の痛みにより、現場での立ち仕事が不可能
- 長距離の移動には杖が必要
- 階段や段差のある現場での作業が危険なレベルで困難
- 全身の疲労感が強く、1日を通して働くことができない
就労状況の変化: 建築現場での仕事を続けることができなくなり、自営業を廃業せざるを得ませんでした。その後、軽作業のアルバイトを試みましたが、それも長続きせず、収入がほとんどない状態が続きました。
妻がパートで働いて家計を支えていましたが、小学生の子どもが2人おり、経済的に非常に厳しい状況でした。
申請と結果: 障害認定日から半年後に、障害基礎年金の申請を行いました。国民年金保険料は、学生時代の一部に未納期間がありましたが、直近1年間は納付しており、特例的な納付要件を満たしていました。
診断書には、仕事ができなくなった経緯と日常生活の制限が詳細に記載され、病歴・就労状況等申立書では、自営業を廃業せざるを得なかった状況、家族の生活への影響などを具体的に説明しました。
申請から約3ヶ月後、障害基礎年金2級として認定されました。受給額は月額約6.8万円で、障害認定日まで遡って支給されたため、初回は約80万円がまとめて振り込まれました。
Bさんのコメント: 「自営業を失い、家族を支えられなくなって本当に辛かったです。障害年金を受給できたことで、最低限の生活費の目処が立ち、精神的にも楽になりました。まだ完全ではありませんが、体調に合わせて少しずつ次のステップを考えられるようになりました。」
事例3:50代女性・パート勤務しながら障害厚生年金3級を受給
Cさん(52歳・女性)のケース
Cさんは、48歳の時に手指の痛みで医療機関を受診し、関節リウマチと診断されました。当時はスーパーマーケットのレジ係として正社員で働いており、厚生年金に加入していました。
初診から診断まで: Cさんは、最初は右手の指が少しこわばる程度でしたが、徐々に両手に広がり、レジ業務でお金を扱う際に不便を感じるようになりました。朝のこわばりも気になり始め、内科を受診したところ、リウマチの可能性を指摘され、専門医を紹介されました。
専門医での検査により、関節リウマチと確定診断されました。
治療の経過: 早期に診断がついたため、すぐに抗リウマチ薬による治療を開始しました。Cさんの場合、薬の効果が比較的良好で、炎症反応も徐々に低下していきました。
しかし、薬で炎症をコントロールできても、すでに生じていた関節の変形は元に戻らず、細かい作業や力を使う作業には制限が残りました。
障害の状態: 初診日から1年6ヶ月経過した時点では、Cさんの状態はまだ比較的軽度で、障害等級には該当しませんでした。しかし、その後も少しずつ症状が進行し、初診から3年後の時点では以下のような状態になっていました。
- 両手の指の関節に軽度の変形があり、細かい作業に支障がある
- 硬貨を扱う、小さなボタンを押すなどの動作に時間がかかる
- 重いものを持つと手が痛むため、持てる重さに制限がある
- 長時間の立ち仕事をすると膝が痛む
- 疲れやすく、フルタイムでの勤務が困難
就労状況の変化: レジ業務での細かい作業に支障が出るようになり、また長時間の立ち仕事も辛くなったため、正社員からパート勤務に変更しました。勤務時間を週5日、1日5時間に短縮し、レジ業務から品出しなどの比較的負担の少ない業務に配置転換してもらいました。
それでも、重い商品の品出しは避けてもらう、疲れたら休憩を取らせてもらうなど、職場からの配慮を受けながら働いている状況でした。
申請と結果: 症状が悪化してきたことを感じ、初診から3年後に障害厚生年金の申請(事後重症請求)を行いました。
診断書には、細かい作業の制限、持てる重量の制限、長時間労働の困難さなどが記載され、病歴・就労状況等申立書では、正社員からパートへの変更を余儀なくされた経緯、現在の職場での配慮の内容などを詳しく説明しました。
申請から約3ヶ月後、障害厚生年金3級として認定されました。受給額は月額約5万円で、請求した月の翌月分から支給が開始されました。
Cさんのコメント: 「働きながら受給できるとは思っていなかったので、認定されたときは驚きました。収入が減って生活が苦しかったので、障害年金が受給できて本当に助かりました。働けるうちは働きたいと思っていますが、経済的な支えがあることで、無理をせず体調と相談しながら働けるようになりました。」
事例から学べるポイント
これらの事例から、以下のような共通点と重要なポイントが見えてきます。
- 症状の程度と等級は対応している:重度の障害ほど上位の等級に認定されています
- 初診日の年金制度が受給できる年金の種類を決める:厚生年金加入中なら障害厚生年金、国民年金加入中なら障害基礎年金
- 働いていても受給できる:特に3級は就労しながらの受給が可能
- 診断書と申立書の内容が重要:具体的な生活の困難さを詳しく伝えることが認定につながる
- 早めの申請が経済的メリットにつながる:遡及受給できる場合もある
ご自身の状況がこれらの事例に近い場合、障害年金を受給できる可能性があります。まずは専門家に相談し、受給の可能性を確認してみることをおすすめします。
リウマチの障害年金申請を社労士に依頼するメリット
障害年金の申請は、ご自身で行うことも可能ですが、手続きが複雑で専門的な知識が必要となるため、多くの方が社会保険労務士に依頼されています。ここでは、障害年金専門の社労士に依頼することで得られる具体的なメリットについて解説します。
初診日の調査と証明をサポート
初診日の証明は、障害年金申請において最も重要かつ困難なポイントです。初診の医療機関が廃院していたり、カルテの保存期間が過ぎていたりする場合、個人で対応するのは非常に難しくなります。
障害年金専門の社会保険労務士は、初診日の証明に関する豊富な経験とノウハウを持っています。具体的には、以下のようなサポートを受けることができます。
カルテが残っていない場合の対応策として、診察券、領収書、お薬手帳などの代替資料を活用した証明方法をアドバイスします。また、どのような資料が有効か、どこを探せばよいかといった具体的な指導も受けられます。
医療機関への問い合わせの代行も社労士の重要な役割です。個人で医療機関に問い合わせても、なかなか対応してもらえないことがありますが、社労士が代理人として問い合わせることで、スムーズに進むケースが多くあります。
第三者証明の取得サポートも可能です。カルテなどの客観的資料がない場合、家族や職場の同僚などの第三者による証明が有効になることがありますが、どのように証明してもらえばよいか、どのような形式で書類を作成すればよいかをアドバイスしてもらえます。
複数の医療機関を受診している場合の整理も重要です。リウマチの場合、整形外科、内科、リウマチ専門医など、複数の医療機関を受診していることが多く、どこが真の初診なのかを正確に判断する必要があります。社労士は、受診の経緯を丁寧にヒアリングし、初診日を正確に特定します。
初診日の証明ができなければ、どれだけ障害の程度が重くても申請自体ができません。社労士のサポートにより、初診日証明の成功率を大きく高めることができます。
医師との診断書作成の連携
診断書の内容は、認定の可否を左右する最も重要な要素です。しかし、多くの医師は治療の専門家であっても、障害年金の診断書作成に精通しているわけではありません。
障害年金専門の社会保険労務士は、医師との連携において以下のようなサポートを提供します。
診断書作成前の準備サポートとして、医師に伝えるべき情報を整理します。日常生活でどのような困難があるか、どのような動作ができないか、といった情報を箇条書きにまとめ、医師に正確に伝えられるようにサポートします。
医師への依頼文書の作成も重要な役割です。診断書作成を依頼する際、単に用紙を渡すだけでなく、患者の状態や日常生活の困難さをまとめた資料を添えることで、医師がより正確な診断書を作成しやすくなります。
診断書の内容チェックも専門家ならではのサービスです。完成した診断書の内容を確認し、記載に不足がないか、実態と合っているか、認定基準に照らして適切かなどを専門的な視点からチェックします。
必要に応じた医師への説明依頼も可能です。診断書の記載が不十分だと判断した場合、どのような点を追加・修正してもらうべきかを具体的に提案し、医師への説明を代行することもあります。
複数の医療機関にまたがる情報の整理も社労士の得意分野です。リウマチの場合、リウマチ専門医、整形外科医、かかりつけ医など、複数の医師から情報を集める必要があることがあります。社労士は、それぞれの医療機関から必要な情報を適切に引き出し、整理します。
医師は医療の専門家ですが、障害年金制度の専門家ではありません。社労士が橋渡し役となることで、医師の医学的知見と障害年金制度の要件を適切にマッチングさせ、認定されやすい診断書を作成することができます。
病歴・就労状況等申立書の作成代行
病歴・就労状況等申立書は、診断書では伝えきれない詳細な情報を補完する重要な書類です。しかし、どのように書けばよいか分からず、形式的な記載にとどまってしまう方が多くいらっしゃいます。
障害年金専門の社会保険労務士に依頼すると、以下のようなサポートを受けられます。
丁寧なヒアリングにより、発病から現在までの経過、症状の変化、日常生活への影響、就労状況の変化などを詳しく聞き取ります。ご本人では気づかない重要なポイントも、専門家の視点から引き出すことができます。
認定されやすい文章の作成も社労士の専門分野です。単に事実を羅列するのではなく、障害の程度が正確に伝わるよう、具体的なエピソードを交えながら、説得力のある文章を作成します。
認定基準を意識した記載により、審査する側が重視するポイントを押さえた内容にすることができます。例えば、リウマチの場合、日常生活動作のどの項目が制限されているかを具体的に記載することが重要ですが、社労士はそのような認定基準を熟知しています。
時系列の整理も重要な作業です。発病から現在までの長い経過を、適切な期間で区切り、それぞれの期間で何が起こったか、症状がどう変化したかを分かりやすく整理します。
就労状況の適切な説明も社労士の得意分野です。働いている場合、その事実が不利に働かないよう、どのような配慮を受けているか、どのような制限の中で働いているかを適切に説明します。
申立書は、ご本人の言葉で症状や生活の困難さを伝える唯一の書類です。社労士のサポートにより、審査する側に正確に実態が伝わる、質の高い申立書を作成することができます。
不支給の場合の審査請求にも対応
残念ながら不支給となった場合でも、諦める必要はありません。審査請求という不服申立ての手続きがあり、社会保険労務士はこの手続きにも対応しています。
不支給理由の分析をまず行います。不支給決定通知には、認定されなかった理由が記載されていますが、その内容を専門的に分析し、何が問題だったのか、どうすれば認定される可能性があるのかを検討します。
追加の医学的証拠の収集も重要です。診断書の記載が不十分だった場合、追加の診断書や医師の意見書を取得することで、認定される可能性が高まります。社労士は、どのような追加証拠が必要か、どのように取得すればよいかをアドバイスします。
審査請求書の作成は、法的な知識と専門的な文章力が必要な作業です。なぜ不支給決定が不当であるか、どのような点を再度審査してほしいかを、根拠を示しながら論理的に説明する必要があります。社労士は、説得力のある審査請求書を作成します。
再審査請求への対応も可能です。審査請求でも認められなかった場合、さらに再審査請求という手続きがあります。社労士は、この段階でもサポートを継続します。
再申請のタイミングの判断も社労士の重要な役割です。審査請求ではなく、症状が悪化した時点で再申請する方が有利な場合もあります。どちらの方法が適切かを、専門的な視点から判断してもらえます。
不支給となっても、適切な対応により認定される可能性は十分にあります。社労士のサポートにより、諦めずに再チャレンジすることができます。
認定率が大幅に向上する
最も重要なメリットは、障害年金専門の社会保険労務士に依頼することで、認定率が大幅に向上するという点です。
統計データによれば、障害年金の認定率は全体で約60〜70%程度とされていますが、専門の社労士に依頼した場合の認定率は、事務所によっては90%以上に達することもあります。
認定率が向上する理由は、以下の通りです。
初診日の証明成功率が高いことが挙げられます。前述の通り、初診日の証明は最大の難関ですが、社労士の豊富な経験とノウハウにより、個人では困難なケースでも証明に成功する可能性が高まります。
診断書の質が向上することも重要です。社労士のサポートにより、障害の実態が正確に反映された診断書が作成されるため、認定されやすくなります。
申立書の説得力が増すことで、審査する側に障害の実態が正確に伝わり、適切な判断がなされやすくなります。
書類全体の整合性が保たれることも重要なポイントです。診断書、申立書、その他の添付書類の内容が矛盾なく整合性を持っていることで、信頼性が高まります。社労士は、書類全体を俯瞰し、整合性を確認します。
認定基準を正確に理解しているため、どのような状態であれば何級に該当するかを正確に判断し、それに合わせた適切な書類を作成することができます。
また、社労士に依頼することで、精神的な負担が大幅に軽減されるというメリットもあります。複雑な手続きや書類作成の負担から解放され、治療や療養に専念することができます。
障害年金の申請は、一生に一度あるかないかの重要な手続きです。専門家のサポートを受けることで、受給の可能性を最大限に高めることができます。
まとめ:リウマチで障害年金を受給するために
ここまで、リウマチにおける障害年金について詳しく解説してきました。最後に、リウマチで障害年金を受給するための重要なポイントをまとめます。受給への第一歩を踏み出すために、ぜひお役立てください。
リウマチは障害年金の対象疾患であり、症状や日常生活への影響の程度によって、障害年金を受給できる可能性があります。本記事でお伝えした重要なポイントを、改めて整理します。
リウマチで障害年金を受給できることを、まず理解しておきましょう。関節の痛みや変形、可動域制限により日常生活に著しい支障が出ている場合、障害等級に該当する可能性があります。働きながらでも受給できるケースもありますので、就労している方も諦める必要はありません。
受給要件を満たしているか確認することが重要です。初診日要件、保険料納付要件、障害状態要件の3つをすべて満たす必要があります。特に初診日の証明と保険料の納付状況は、早めに確認しておきましょう。
初診日の証明が最重要課題です。診察券、お薬手帳、領収書など、初診日を証明できる資料は大切に保管してください。初診の医療機関でカルテが残っていない場合でも、代替手段がありますので、専門家に相談することをおすすめします。
診断書の内容が認定を左右することを理解しておきましょう。医師に診断書を依頼する際は、日常生活での具体的な困難を詳しく伝えることが大切です。「何ができないか」「どのくらい時間がかかるか」「どのような配慮が必要か」を具体的に説明しましょう。
病歴・就労状況等申立書で詳細を補足することも重要です。発病から現在までの経過、症状の変化、生活への影響を、具体的なエピソードを交えて丁寧に説明することで、障害の実態が正確に伝わります。
症状に波があっても認定される可能性があります。リウマチは調子の良い日と悪い日があることが特徴ですが、「通常の状態」つまり平均的な日常の状態が評価されますので、症状の変動も含めて正直に伝えましょう。
認定されるための準備を適切に行うことで、受給の可能性は大きく高まります。診断書作成前の医師とのコミュニケーション、申立書の丁寧な作成、必要書類の漏れのない準備など、一つひとつのステップを丁寧に進めることが大切です。
不支給になっても諦めないことが重要です。審査請求という不服申立ての手続きや、症状が悪化した時点での再申請など、複数の選択肢があります。一度不支給となっても、適切な対応により認定される可能性は十分にあります。
リウマチによる日常生活の困難さは、ご本人やご家族にしか分からない辛さがあります。障害年金は、そうした困難を抱えながら生活している方々への、国からの重要な経済的支援制度です。
受給要件を満たしているにもかかわらず、手続きの複雑さや知識不足により受給できないのは、非常にもったいないことです。適切な準備と手続きを行うことで、本来受け取るべき支援を受けることができます。
早めの相談が受給への第一歩
障害年金の申請を検討されている方は、できるだけ早めに行動を起こすことをおすすめします。
早めの相談が有利な理由は、いくつかあります。
まず、初診日の証明がしやすくなります。時間が経つほど、カルテの保存期間が過ぎたり、医療機関が廃院したりする可能性が高まります。初診日から1年6ヶ月経過したら、できるだけ早く準備を始めることで、初診日の証明がしやすくなります。
次に、遡及受給の可能性が高まります。障害認定日での申請(認定日請求)が可能な場合、最大5年分を遡って受給できます。しかし、時間が経過すればするほど、遡及できる期間は短くなってしまいます。
また、経済的な支援を早く受けられます。症状によって収入が減少している場合、一日でも早く障害年金を受給できることが、生活の安定につながります。事後重症請求の場合、請求した月の翌月分からしか支給されないため、申請が遅れるとその分受給できる期間が短くなります。
症状が進行する前に記録を残せることも重要です。リウマチは進行性の疾患ですので、現在の状態を診断書や申立書に記録しておくことは、将来的に重要な証拠となります。
精神的な負担を早く軽減できることも見逃せません。「障害年金を受給できるだろうか」という不安を抱え続けるよりも、専門家に相談して見通しを立てることで、精神的にも楽になります。
もし、「自分の症状で受給できるか分からない」「何から始めればよいか分からない」という不安があれば、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。相談は無料で行っている事務所も多くありますので、気軽に問い合わせてみてください。
障害年金専門の社労士への無料相談をご活用ください
障害年金の申請は、専門的な知識と経験が必要な複雑な手続きです。ご自身で申請することも可能ですが、初診日の証明、診断書の内容チェック、申立書の作成など、多くのハードルがあります。
当事務所では、リウマチをはじめとする障害年金申請代行を専門としており、豊富な実績と高い認定率を誇っています。
無料相談を実施していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。無料相談では、以下のような内容をお聞きし、アドバイスさせていただきます。
- 現在の症状や日常生活の状況
- 初診日の時期と当時の年金加入状況
- 保険料の納付状況
- 受給の可能性と見込まれる等級
- 申請に必要な準備
- 今後の手続きの流れ
ご相談いただくメリットは以下の通りです。
まず、受給の可能性を正確に判断できます。現在の症状や状況をお聞きし、障害年金を受給できる可能性があるか、何級程度が見込まれるかを、専門家の視点からアドバイスします。
次に、初診日証明の方法を具体的に提案します。初診日の証明に不安がある方には、どのような資料を探せばよいか、どのような方法で証明できるかを具体的にアドバイスします。
また、診断書作成のポイントをお伝えします。医師に診断書を依頼する前に知っておくべきポイント、どのような情報を伝えればよいかを詳しくご説明します。
申請のタイミングを適切に判断します。認定日請求と事後重症請求のどちらが有利か、今すぐ申請すべきか少し待つべきかなど、最適なタイミングをアドバイスします。
費用や手続きの流れを明確に説明します。依頼した場合の費用、手続きの流れ、どのくらいの期間がかかるかなど、不安な点を丁寧にご説明します。
無料相談は、お電話、メール、対面など、ご都合に合わせた方法で実施しています。遠方の方でも、オンラインでの相談や郵送でのやり取りにより、全国対応が可能です。
リウマチによる日常生活の困難さを抱えながら、経済的な不安も重なっている方は少なくありません。障害年金は、そうした方々を支える重要な制度です。
「自分は該当するだろうか」「手続きが複雑で不安」「何から始めればよいか分からない」という方は、ぜひ一度、当事務所の無料相談をご活用ください。
あなたの状況を丁寧にお聞きし、最適な方法をご提案いたします。障害年金の受給という目標に向けて、私たち障害年金専門の社会保険労務士が、全力でサポートいたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。あなたからのご連絡を、心よりお待ちしております。
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