「仕事でミスが多くて、何度も注意される」
「人の話を聞いているつもりなのに、内容が頭に入ってこない」
「約束を忘れてしまい、周りから信頼されなくなった」
社会に出てから、こうした困難に直面し続け、大人になってようやく発達障害(ADHD・ASD・LD)と診断された方は少なくありません。診断を受けたとき、「やっと理由がわかった」という安堵と同時に、「これからどうすればいいのか」という不安を感じたのではないでしょうか。
仕事が続かない、対人関係がうまくいかない、日常生活に支障が出ている。そんな状況でも、「働いているから障害年金は無理」「今さら申請しても遅い」と諦めていませんか?
実は、大人になって発達障害と診断された方でも、一定の条件を満たせば障害年金を受給できる可能性があります。20代・30代で診断を受けた方、働きながらも日常生活に困難を抱えている方にも、諦めずに申請準備を進めていただきたいのです。
この記事では、神戸で「諦めない障害年金」をコンセプトに活動する社会保険労務士が、大人の発達障害における障害年金の認定基準から申請準備の具体的なステップ、実際の受給事例まで、寄り添いながら詳しく解説します。
✓ こんな悩みを抱えていませんか?
職場で何度も同じミスを繰り返してしまい、上司や同僚から厳しい目で見られる
人の話を最後まで聞けず、会議や打ち合わせで的外れな発言をしてしまう
締め切りや約束を忘れてしまい、信頼を失ってしまった
就職してもすぐに辞めてしまい、転職を繰り返している
「気を付けよう」と思っても、どうしても同じパターンを繰り返してしまう
周囲から「やる気がない」「怠けている」と誤解されて、孤立感を感じる
→ 一つでも当てはまる方は、障害年金の受給可能性があります。
1. 大人の発達障害でも障害年金は受給できる?対象となる条件
発達障害とは何か
発達障害は、脳機能の発達に関係する障害で、幼少期から症状が現れますが、大人になるまで気づかれないケースも多くあります。主に以下の3つに分類されます。
ADHD(注意欠如・多動症): 不注意(集中力が続かない、忘れ物が多い)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いついたらすぐ行動してしまう)といった特性があります。
ASD(自閉スペクトラム症): コミュニケーションや対人関係の困難、特定のことへの強いこだわり、感覚過敏(音・光・触覚などへの過敏さ)などの特性があります。以前は「アスペルガー症候群」「自閉症」などと呼ばれていたものも含まれます。
LD(学習障害/限局性学習症): 全般的な知的発達に遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」など特定の能力の習得が困難な状態です。
これらの特性は、社会に出てから「仕事が続かない」「対人関係がうまくいかない」という形で表面化することが多く、20代・30代になって初めて診断を受ける方が増えています。
障害年金制度の基本
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出ている方を経済的に支援する公的年金制度です。発達障害も、この制度の対象となります。
障害年金には、障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)の2種類があり、初診日(障害の原因となった傷病で初めて医師の診療を受けた日)にどの年金制度に加入していたかによって、受給できる年金の種類が異なります。
重要なポイント: 発達障害の場合、「知的障害を伴うかどうか」で取り扱いが大きく変わります。
💡 ポイント:知的障害の有無による違い
知的障害を伴う場合: 生まれた日が初診日となり、初診日要件・保険料納付要件は不要です。
知的障害を伴わない場合: 発達障害の症状で初めて受診した日が初診日となり、初診日要件・保険料納付要件を満たす必要があります。
障害年金を受給するための3つの要件
発達障害で障害年金を受給するには、以下の3つの要件を満たす必要があります(知的障害を伴わない場合)。
1. 初診日要件
障害の原因となった傷病で初めて医師の診療を受けた日(初診日)が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であること。または、初診日が20歳前の未加入期間であること。
2. 保険料納付要件
初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること。または、初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと(初診日が令和8年4月1日前で、初診日に65歳未満の場合)。
3. 障害状態要件
障害認定日(初診日から1年6か月を経過した日、または1年6か月以内に症状が固定した日)において、国が定める障害等級(1級・2級・3級)に該当する障害の状態にあること。
⚠️ ご注意ください
「働いているから障害年金はもらえない」というのは誤解です。就労の有無だけで判断されるわけではなく、日常生活の困難さや就労時の援助・配慮の内容が総合的に評価されます。
障害年金の種類と対象者
障害基礎年金(国民年金)
対象者: 初診日に国民年金に加入していた方(自営業、フリーランス、学生、無職など)
等級: 1級・2級(3級はなし)
年金額(令和7年度): 1級 年額約104万円 / 2級 年額約83万円
障害厚生年金(厚生年金)
対象者: 初診日に厚生年金に加入していた方(会社員、公務員など)
等級: 1級・2級・3級(3級は厚生年金のみ)
年金額: 障害基礎年金 + 報酬比例部分(過去の給与に応じて変動)
20歳前障害による障害基礎年金
対象者: 初診日が20歳前にあった方(年金未加入期間)
等級: 1級・2級
注意点: 本人の所得による支給制限あり
大人になって診断された場合の「初診日」の考え方
大人の発達障害で特に重要なのが「初診日」の考え方です。多くの方は、大人になってから発達障害と診断される前に、うつ病や適応障害、不安障害などで精神科や心療内科を受診しています。
原則: 発達障害の症状により、初めて医師の診療を受けた日が初診日となります。
ただし、 発達障害と診断される前に、うつ病や適応障害などの精神疾患で受診していた場合、その精神疾患での初診日が発達障害の初診日として扱われることがあります。これは、発達障害とその前に診断された精神疾患が「同一の傷病」とみなされるためです。
例えば、以下のようなケースです:
【ケース例】
25歳:職場でのストレスからうつ病と診断され、A心療内科を受診(この日が初診日となる可能性あり)
↓
27歳:転院したB精神科で心理検査を受け、ADHDと診断
↓
この場合、25歳のA心療内科受診日が初診日となる可能性が高い
初診日がいつになるかは、障害年金の受給額や受給の可否に大きく影響します。大人になって発達障害と診断された方は、過去の受診歴を丁寧に確認することが非常に重要です。
「働いていても受給できる」は本当か
「仕事をしているから障害年金はもらえない」と思い込んでいる方が多いのですが、これは誤解です。
発達障害を含む精神疾患の場合、障害の程度を示す客観的な数値(例:血液検査の数値、レントゲン画像など)がありません。そのため、就労状況も判定の要素の一つとして考慮されますが、「働いているかどうか」だけで判断されるわけではありません。
障害認定基準では、以下のように明記されています:
“就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。”
(出典:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害)
つまり、以下のような状況であれば、就労していても障害年金を受給できる可能性があります:
- 障害者雇用枠で働いている
- 職場で特別な配慮や援助を受けている(業務内容の簡略化、指示の繰り返し、定期的なフォローなど)
- 単純作業や定型業務に限定されている
- 短時間勤務や週数日の勤務にとどまっている
- 就労移行支援事業所に通所している
- 他の従業員との意思疎通が困難で、常時指導が必要
大切なのは、「どのような状態で働いているか」「日常生活にどの程度の支障があるか」を正確に伝えることです。諦めずに、ご自身の状況をしっかりと申請書類に反映させることが重要です。
2. 発達障害の障害年金認定基準:どのような状態なら受給できるのか
障害等級の基本的な考え方
発達障害での障害年金認定では、「精神の障害」の基準が適用されます。等級は症状の重い順に1級・2級・3級(3級は障害厚生年金のみ)となります。
発達障害における障害等級の認定基準
| 等級 | 障害の状態 |
|---|---|
| 1級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの |
| 2級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの |
| 3級 | 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの ※3級は障害厚生年金のみ。初診日に国民年金加入の場合は2級以上でないと支給なし |
💡 ポイント:知能指数(IQ)が高くても認定される
発達障害の認定では、たとえ知能指数が高くても、対人関係や意思疎通を円滑に行うことができず、日常生活に著しい制限があれば、その点が考慮されます。「IQが高いから」「学歴があるから」という理由で諦める必要はありません。
等級判定ガイドラインの「2つの評価軸」
2016年(平成28年)9月から、精神疾患・発達障害の等級判定には「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が導入されました。これは、地域や審査医による判定のばらつきをなくし、公平な審査を実現するためのものです。
ガイドラインでは、診断書に記載される「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」という2つの評価から、おおよその等級の目安を示しています。
① 日常生活能力の判定(7つの項目)
一人暮らしを想定して、以下の7つの場面について、それぞれ4段階で評価します。
- 適切な食事: 配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることができるか
- 身辺の清潔保持: 洗面、入浴、着替え、部屋の掃除や片付けができるか
- 金銭管理と買い物: 金銭を独力で適切に管理し、計画的な買い物ができるか
- 通院と服薬: 規則的に通院や服薬を行い、病状を主治医に伝えることができるか
- 他人との意思伝達及び対人関係: 他人の話を聞く、自分の意思を伝える、集団行動ができるか
- 身辺の安全保持及び危機対応: 危険から身を守る、異常事態に適切に対応できるか
- 社会性: 銀行や公共施設の利用、社会生活に必要な手続きが一人でできるか
各項目について、以下の4段階で評価されます:
- 1点: できる
- 2点: 自発的にできるが時には援助や指導を必要とする
- 3点: 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
- 4点: 助言や指導をしてもできない若しくは行わない
② 日常生活能力の程度(5段階評価)
上記7項目も含めた、日常生活全般の制限度合いを包括的に評価します。
- (1): 精神障害を認めるが、社会生活は普通にできる
- (2): 精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要
- (3): 精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要
- (4): 精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要
- (5): 精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要
等級判定の目安
「日常生活能力の判定」の平均値と「日常生活能力の程度」の組み合わせ
| 判定平均 | 程度(5) | 程度(4) | 程度(3) | 程度(2) | 程度(1) |
|---|---|---|---|---|---|
| 3.5以上 | 1級 | 1級又は2級 | |||
| 3.0以上3.5未満 | 1級又は2級 | 2級 | 2級 | ||
| 2.5以上3.0未満 | 2級 | 2級又は3級 | |||
| 2.0以上2.5未満 | 2級 | 2級又は3級 | 3級又は非該当 | ||
| 1.5以上2.0未満 | 3級 | 3級又は非該当 | |||
| 1.5未満 | 非該当 | 非該当 |
※障害基礎年金を認定する場合、表内の「3級」は「非該当」と読み替えます
等級判定の目安だけで決まらない「総合評価」
重要なのは、上記の「目安」だけで等級が決定されるわけではないということです。診断書に記載された他の情報も含めて、総合的に判断されます。
発達障害で特に考慮されるポイント:
- 感覚過敏: 臭気、光、音、気温などへの感覚過敏があり、日常生活に制限がある
- 不適応行動: 自傷行為、他害行為、周囲に恐怖を与える行為、パニックやこだわり等の不安定な行動
- 二次障害: うつ病、不安障害などの精神疾患を併発している(この場合、両方の症状を総合的に判断)
- 療養状況: 通院頻度、服薬の種類・量、入院歴など
- 生活環境: 家族等からの援助の有無と内容、独居の理由と時期
- 就労状況: 仕事の種類・内容、職場での援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況、執着が強く臨機応変な対応が困難で常時管理・指導が必要など
💡 「諦めないでほしい」理由
等級判定の目安が「非該当」や「3級又は非該当」となる範囲でも、他の要素(感覚過敏、不適応行動、二次障害、就労時の援助内容など)が考慮され、2級に認定されるケースがあります。診断書や病歴・就労状況等申立書に、日常生活の困難さを具体的に記載することが非常に重要です。
3. 障害年金の申請方法:何から始めればいいのか
申請の全体的な流れ
障害年金の申請は、多くの書類を準備する必要があり、手続きが複雑です。しかし、一つずつ確実に進めていけば、決して不可能ではありません。以下に、大まかな流れをご説明します。
障害年金申請の7ステップ
初診日の確認
過去の診察券、お薬手帳、健康保険の履歴などから、発達障害の症状で初めて受診した日を確認します。うつ病等で先に受診している場合は、その日が初診日となる可能性があります。
年金事務所で保険料納付要件の確認
お住まいの地域の年金事務所で、保険料納付要件を満たしているか確認します。納付要件を満たしていない場合、残念ながら申請できません(知的障害を伴う場合を除く)。
受診状況等証明書(初診日の証明)の取得
初診の医療機関に「受診状況等証明書」の作成を依頼します。初診の病院がカルテを保存していない場合は、2番目以降の病院で「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成します。
診断書の作成依頼
現在通院中の医師に「精神の障害用」の診断書の作成を依頼します。この診断書が最も重要な書類となります。作成には1〜2か月程度かかることが多いです。
病歴・就労状況等申立書の作成
発達障害の場合、生まれてから現在までの生育歴・症状の経過・就労状況などを詳しく記載します。これは請求者自身またはご家族が作成する重要な書類です。
その他の必要書類の準備
戸籍謄本、住民票、年金手帳、通帳のコピーなど、その他必要な書類を揃えます。
年金事務所または市区町村窓口に提出
すべての書類が揃ったら、年金事務所または市区町村の年金担当窓口に提出します。審査には通常3〜4か月程度かかります。
発達障害特有の注意点①:病歴・就労状況等申立書は「生まれたときから」
一般的な傷病の場合、病歴・就労状況等申立書は発病から現在までを記載しますが、発達障害の場合は生まれたときから現在までの経過を記載する必要があります。
これは、発達障害が幼少期からの特性であり、その特性が人生のどの段階でどのように現れ、どんな困難をもたらしてきたかを審査する必要があるためです。
記載すべき内容の例:
- 乳幼児期: 発語の遅れ、こだわりの強さ、集団行動の苦手さなど
- 小学校: 忘れ物が多い、授業に集中できない、友達とのトラブル、いじめの有無など
- 中学・高校: 学業成績、部活動、対人関係、不登校の有無など
- 高校卒業後: 進学・就職の状況、大学での適応、職場での困難など
- 発達障害の診断を受けるまで: どのような症状で、いつ、どの病院を受診したか
- 診断後の経過: 治療内容、症状の変化、就労状況、日常生活の困難など
この申立書を丁寧に作成することで、診断書だけでは伝わらない「生活の実態」を審査側に理解してもらうことができます。
⚠️ よくある失敗
「小さい頃のことは覚えていない」と簡単に書いてしまうケースがあります。しかし、ご家族に聞いたり、母子手帳や通知表を見返したりすることで、幼少期の様子を思い出すことができます。可能な限り詳しく記載することが重要です。
発達障害特有の注意点②:初診日の証明が困難なケース
大人になって発達障害と診断された方の多くは、診断を受ける前に複数の医療機関を転々としています。また、最初に受診した医療機関が廃院していたり、カルテの保存期間(通常5年)を過ぎていたりして、初診日の証明が困難なケースが少なくありません。
初診日の証明が困難な場合の対応:
- 第三者証明: 初診日当時の受診状況を知っている第三者(家族、同僚、友人など)から証明してもらう「第三者からの申立書」を提出する
- 参考資料の収集: 当時の診察券、お薬手帳、領収書、健康保険の給付記録、会社の休職証明書など、受診を裏付ける資料を可能な限り集める
- 社会的治癒の主張: 一度症状が軽快して治療を中断し、その後再発した場合、再発後の初診日を「初診日」として主張できる場合がある
初診日の証明は非常に重要ですが、複雑なケースも多いため、専門家(社会保険労務士)に相談することをお勧めします。
4. 診断書作成で押さえるべきポイント:医師に何を伝えるべきか
診断書は「最重要書類」
障害年金の審査は書類審査です。審査官は申請者と直接会うことなく、提出された書類のみで判断します。その中でも、医師が作成する診断書は最も重要な書類です。
診断書の内容が、受給の可否や等級を左右すると言っても過言ではありません。
医師は日常生活の全てを知っているわけではない
診察室で医師が見ることができるのは、限られた時間の中での患者さんの様子だけです。また、発達障害の特性として、診察室では比較的落ち着いて話ができても、実際の日常生活では大きな困難を抱えているというケースが多くあります。
そのため、患者側から積極的に日常生活の困難さを伝えることが非常に重要です。
医師に伝えるべき内容
診断書作成を依頼する際、以下のような内容をメモにまとめて医師に渡すことをお勧めします。
医師に伝えるべき日常生活の困難(チェックリスト)
□ 食事の準備・栄養管理
・同じものばかり食べてしまう ・食事の時間が不規則 ・料理ができない
□ 身辺の清潔保持
・入浴の頻度が週1回以下 ・部屋が片付けられずゴミ屋敷状態 ・洗濯物が溜まってしまう
□ 金銭管理・買い物
・衝動買いで生活費が足りなくなる ・計画的な買い物ができない ・家族に金銭管理を任せている
□ 通院・服薬
・予約を忘れてしまう ・服薬を忘れる、飲み過ぎてしまう ・家族の付き添いが必要
□ 対人関係・コミュニケーション
・相手の表情や感情が読み取れない ・会話が一方的になる ・トラブルを起こしてしまう ・孤立している
□ 危機対応・安全保持
・火の不始末をしてしまう ・詐欺に遭いやすい ・交通事故を起こしやすい
□ 社会性・公共サービスの利用
・役所での手続きが一人でできない ・銀行ATMの操作に困る ・公共交通機関の利用が難しい
□ 就労状況(働いている場合)
・障害者雇用枠で働いている ・上司の頻繁な指示・フォローが必要 ・単純作業に限定されている ・短時間勤務
□ 家族の援助
・どのような場面で、どのような援助を受けているか具体的に
診断書を受け取ったら必ず内容を確認する
診断書を受け取ったら、提出前に必ず内容を確認してください。医師も人間ですから、記入漏れや誤記があることがあります。また、実態よりも症状が軽く書かれてしまっていることもあります。
確認すべきポイント:
- 日常生活能力の判定(7項目)が、実際の生活状況と合っているか
- 日常生活能力の程度が適切に評価されているか
- 現在の病状や生活状況の記載欄に、具体的な困難が記載されているか
- 就労している場合、職場での援助内容が記載されているか
- 記入漏れや明らかな誤りがないか
もし修正が必要な箇所を見つけた場合は、医師に相談して修正を依頼してください。「一度書いてもらったものを修正してもらうのは申し訳ない」と思う必要はありません。正確な診断書を作成することは、医師の責任でもあります。
💡 家族の同席のススメ
診断書作成の依頼時には、可能であればご家族に同席してもらうことをお勧めします。本人が診察室では上手く話せても、家族からの視点で日常の困難を具体的に伝えてもらうことで、より実態に即した診断書になります。
5. 実際の受給事例:「諦めなくてよかった」3つのケース
ここでは、当事務所がサポートさせていただいた3つの事例をご紹介します。それぞれ異なる困難を抱えながらも、諦めずに申請準備を進めることで障害年金の受給につながったケースです。
💡 プライバシー保護について
以下の事例は、実際のケースを基に、個人が特定されないよう一部改変しています。
3つの事例比較
| 事例1 Aさん(20代女性) |
事例2 Bさん(30代男性) |
事例3 Cさん(20代女性) |
|
|---|---|---|---|
| 診断名 | ADHD・うつ病 | ASD(自閉スペクトラム症) | ADHD・適応障害 |
| 主な困難 | 仕事が続かない 転職を繰り返す |
対人関係の困難 感覚過敏 |
初回申請で不支給 諦めかけた |
| 申請の壁 | 初診日の証明が困難 (初診の病院が廃院) |
働いているため 受給は無理と思い込み |
診断書の内容が 実態と乖離 |
| 成功のポイント | 第三者証明の活用 詳細な病歴申立書 |
職場での援助内容を 具体的に記載 |
医師と十分に相談 診断書を再作成 |
| 認定結果 | 障害基礎年金2級 年額約83万円 |
障害厚生年金2級 年額約120万円 |
障害基礎年金2級 年額約83万円 遡及約150万円 |
【事例1】Aさん(20代女性):初診日の証明が困難だったケース
基本情報
20代後半、女性。ADHD・うつ病。転職を繰り返し、現在は就労移行支援事業所に通所中。
発症から受診まで
Aさんは、小学生の頃から忘れ物が多く、授業中もぼーっとして集中できませんでした。周りからは「やる気がない」「怠けている」と言われ続け、自分でも「どうして自分はダメなんだろう」と自分を責める日々でした。
高校卒業後、事務職として就職しましたが、書類の整理ができない、ダブルブッキングをしてしまう、電話の内容を正確に伝えられない、といったミスが続きました。上司からは毎日のように注意され、「もう来なくていい」と言われたこともありました。その後も転職を繰り返し、どの職場でも同じようなミスで続きませんでした。
25歳のとき、「このままではいけない」と心療内科を受診したところ、うつ病と診断されました。しかし、抗うつ薬を飲んでも状況は改善せず、27歳で転院した病院で心理検査を受け、ADHDと診断されました。
日常の困難
- 一人暮らしだが、部屋は常に散らかっており、ゴミを出すのも忘れてしまう
- 食事は、コンビニ弁当やカップ麺ばかりで、栄養バランスが偏っている
- 公共料金の支払いを忘れ、電気やガスを止められたことが何度もある
- 約束の時間を守れず、友人との関係も疎遠になっていった
申請の壁
Aさんが障害年金の申請を考えたとき、最初の大きな壁が「初診日の証明」でした。25歳で最初に受診した心療内科が、すでに廃院してしまっていたのです。カルテも残っておらず、受診状況等証明書が取得できませんでした。
「やっぱり無理なのか」と諦めかけましたが、母親に付き添われて当事務所に相談に来られました。
転機:専門家のサポート
当事務所では、以下の対応を行いました:
- 第三者証明の活用: 母親に、Aさんが25歳で心療内科を受診したこと、その後の通院状況を知っていることを証明する「第三者からの申立書」を作成していただきました
- 参考資料の収集: 当時のお薬手帳、健康保険の給付記録を集めました
- 詳細な病歴・就労状況等申立書: 幼少期からの様子、学生時代の困難、就職してからのミスの具体例、転職の経緯などを、時系列で詳しく記載しました
具体的対策
病歴申立書の作成では、Aさんと母親に何度もヒアリングを行い、以下のような具体的なエピソードを盛り込みました:
「小学3年生のとき、遠足の日に体操着を忘れて参加できず、一人で教室に残されて泣いたこと」「高校の部活で、大事な試合の日程を間違えて欠席してしまい、仲間から責められたこと」「職場で、得意先への重要な電話内容を聞き漏らし、大きなトラブルになったこと」など、Aさんの特性が人生のあらゆる場面で困難をもたらしていたことを具体的に記載しました。
結果
申請から約3か月後、障害基礎年金2級の認定を受けることができました。年額約83万円の年金を受給しながら、就労移行支援事業所で自分に合った働き方を模索しています。
Aさんは、「初診日の証明ができないと聞いて、もう諦めるしかないと思っていました。でも、専門家に相談して本当によかった。障害年金があることで、焦らずに自分のペースで準備ができます」と話してくれました。
【事例2】Bさん(30代男性):働きながら受給できたケース
基本情報
30代前半、男性。ASD(自閉スペクトラム症)。障害者雇用枠で事務補助として勤務中。
発症から受診まで
Bさんは、子どもの頃から「空気が読めない」と言われてきました。友達の輪に入れず、一人で過ごすことが多い子どもでした。しかし、学業成績は良好で、有名大学に進学できました。
大学卒業後、一般企業に就職しましたが、職場での人間関係に悩みました。同僚の冗談が理解できず、真面目に答えてしまって「つまらないやつ」と言われる。上司の曖昧な指示が理解できず、何度も確認して「融通が利かない」と怒られる。チームでの仕事が苦痛で、毎朝会社に行くのが辛くなりました。
29歳のとき、適応障害と診断され休職。その後、心理検査を受けてASDと診断されました。
日常の困難
- 相手の表情や言葉のニュアンスが読み取れず、誤解されることが多い
- 予定外のことが起きるとパニックになり、対応できない
- 特定の音(電話の音、人の咳払いなど)に過敏で、集中が途切れてしまう
- 職場の蛍光灯の光が眩しすぎて、頭痛がする
申請の壁
Bさんは障害年金の存在は知っていましたが、「自分は働いているから対象外だろう」と思い込んでいました。また、「大学も出ているし、一般企業に就職もできた。そんな自分が障害年金をもらうなんて」という罪悪感もありました。
転機:就労移行支援事業所のスタッフからの勧め
復職を目指して就労移行支援事業所に通っていたBさんに、スタッフから障害年金の申請を勧められました。「働いていても受給できる可能性がある」と聞き、当事務所に相談に来られました。
具体的対策
診断書作成の際、主治医に以下の点を具体的に伝えました:
- 職場での配慮の内容: 障害者雇用枠であること、業務内容が定型的な入力作業に限定されていること、指示は必ず文書で行われていること、ジョブコーチによる定期的なフォローがあること
- 感覚過敏への対応: 個室での勤務が認められていること、ノイズキャンセリングイヤホンの使用が許可されていること
- コミュニケーションの困難: 他の社員とのコミュニケーションは必要最小限に抑えられていること、上司との1on1ミーティングで業務内容を確認していること
また、病歴・就労状況等申立書には、一般企業での就労時の具体的な困難(会議での発言タイミングがわからない、暗黙のルールが理解できない、飲み会の断り方がわからないなど)を詳しく記載しました。
結果
障害厚生年金2級の認定を受け、年額約120万円(障害基礎年金+報酬比例部分)を受給しています。
Bさんは、「働いているから無理だと思っていましたが、『どのように働いているか』が重要だと知りました。障害年金があることで、無理に一般就労に戻ろうと焦らず、自分に合った働き方を選択できています」と話してくれました。
【事例3】Cさん(20代女性):不支給から再申請で認定されたケース
基本情報
20代後半、女性。ADHD・適応障害。一度は不支給となったが、再申請で認定。
発症から受診まで
Cさんは、大学時代は特に問題なく過ごしましたが、就職してから急激に症状が表面化しました。デスクワークで書類を扱う仕事でしたが、ファイリングができない、期限管理ができない、メールの見落としが多いなど、毎日ミスばかりでした。
上司から「何度言ったらわかるんだ」「普通はできるだろう」と叱責され、次第にうつ状態になり、26歳で退職。その後、心療内科を受診し、ADHDと適応障害と診断されました。
初回申請での失敗
Cさんは、知人の勧めで自分で障害年金の申請を行いました。しかし、結果は不支給。理由を見ると、診断書の「日常生活能力の判定」が実態よりも高く評価されており、「日常生活能力の程度」も(2)となっていました。
実際には、一人暮らしの部屋はゴミだらけで、食事もほとんど取れておらず、母親が週に何度も訪問して家事を手伝っていたのですが、診察室では比較的落ち着いて話ができるため、医師には実態が伝わっていませんでした。
申請の壁
「やっぱり自分は対象じゃなかったんだ」と深く落ち込み、障害年金のことは諦めかけていました。しかし、母親が「一度相談だけでも」と当事務所に連れてきてくれました。
転機:診断書の見直しと医師との対話
不支給となった診断書を拝見すると、明らかに実態と乖離していることがわかりました。そこで、以下の対応を行いました:
- 日常生活の困難を詳細にまとめる: 母親へのヒアリングも含め、Cさんの日常生活の困難を具体的にA4用紙2枚にまとめました
- 母親同席での診察: 次回の診察時に母親に同席してもらい、日常生活の実態を医師に説明してもらいました
- 診断書の再作成: 医師に実態を理解していただき、診断書を再度作成していただきました
具体的対策
医師に渡したメモには、以下のような具体的な内容を記載しました:
「部屋には、3か月分の洗濯物が山積みになっている」「冷蔵庫の中には賞味期限切れの食品が大量に入っている」「お風呂は週に1回入れば良い方」「母親が週3回訪問して、掃除・洗濯・食事の準備をしている」「通院の予約を忘れることが多く、母親がリマインドしている」「一人では銀行ATMの操作ができず、母親に付き添ってもらっている」など。
結果
再作成した診断書と、詳細な病歴・就労状況等申立書を添えて再申請したところ、障害基礎年金2級に認定され、さらに遡及請求も認められ、約150万円を受け取ることができました。
Cさんは、「一度不支給になって、もう無理だと思っていました。でも、諦めずに相談して、本当によかった。診断書の内容がこんなに重要だとは知りませんでした」と涙ながらに話してくれました。
✅ 申請前の準備チェックリスト(事例から学ぶ)
初診日の確認と証明
過去の診察券、お薬手帳、健康保険の履歴で確認。証明が困難な場合は第三者証明も検討
日常生活の困難を記録
2週間程度、日常生活の困難を日記形式で記録。具体的なエピソードをメモ
医師への説明メモを準備
日常生活の困難、家族の援助内容、職場での配慮をA4用紙にまとめる
家族の同席(可能であれば)
診断書作成依頼時に家族に同席してもらい、客観的な視点から実態を伝える
診断書の内容確認
受け取った診断書は必ず内容を確認。実態と乖離していたら医師に相談
病歴申立書は生育歴から
幼少期からの様子を母子手帳や通知表も参考に詳しく記載
困難な場合は専門家に相談
初診日の証明が難しい、不支給になった等の場合は社労士に相談
6. 神戸・清水総合法務事務所の「諦めない障害年金」サポート
当事務所は、兵庫県神戸市を拠点に、「諦めない障害年金」をコンセプトとして、障害年金申請のサポートを行っている社会保険労務士事務所です。
当事務所の特徴
1. 複雑なケースにも対応
初診日の証明が困難なケース、一度不支給になったケース、複数の精神疾患を併発しているケースなど、「難しい」と言われるケースでも、諦めずに丁寧に対応いたします。
2. 診断書作成前からサポート
医師に診断書を依頼する前の段階から、日常生活の困難の整理、医師への説明メモの作成をサポートします。診断書の内容が受給の可否を大きく左右するため、この段階でのサポートを重視しています。
3. 病歴・就労状況等申立書の作成代行
発達障害の場合、生まれてから現在までの詳細な記載が求められる病歴・就労状況等申立書。ご本人・ご家族へのヒアリングを丁寧に行い、審査側に実態が伝わる申立書を作成します。
4. 神戸市・兵庫県全域対応
神戸市を中心に、兵庫県全域のご相談に対応しています。事務所での面談はもちろん、ご事情により外出が困難な方には、オンライン相談やLINEでのやり取りにも対応しています。
サポート内容
- 初回無料相談(60分)
- 受給可能性の診断
- 初診日の特定・証明方法のアドバイス
- 診断書作成のための準備サポート(医師への説明メモ作成)
- 病歴・就労状況等申立書の作成代行
- 必要書類の収集・作成サポート
- 年金事務所への申請代行
- 不支給時の審査請求サポート
料金体系
成功報酬制を採用しており、年金が支給決定されるまで費用は一切かかりません。
成功報酬: 受給決定された場合のみ、初回振込額の一部(詳細はご相談時にご説明します)
💡 まずは無料相談から
「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいのか」など、どんな些細なことでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。ご相談は無料です。
無料相談のご案内
大人の発達障害での障害年金申請でお悩みの方、神戸の専門家にご相談ください。
📞 電話: 050-7124-5884
📧 メール: mail@srkobe.com
🕐 受付時間: 平日9:00〜18:00
※土日祝日も事前予約で対応可能です
7. よくある質問
8. まとめ:「諦めない」ことが第一歩
大人になって発達障害と診断され、日常生活や仕事に困難を抱えている方にとって、障害年金は生活を支える重要な制度です。
この記事でお伝えしたかったのは、「諦めないでほしい」ということです。
「働いているから無理」「今さら遅い」「初診日が証明できない」「一度不支給になった」──そう思って諦めてしまう前に、まずは専門家に相談してみてください。
大切なポイントのおさらい:
- 発達障害も障害年金の対象。大人になって診断された方も受給可能性がある
- 就労していても、職場での援助内容や業務の制限があれば受給できる可能性がある
- 診断書の内容が最も重要。医師に日常生活の困難を具体的に伝えることが大切
- 病歴・就労状況等申立書は、生まれてから現在までを詳しく記載する
- 初診日の証明が困難でも、第三者証明や参考資料で対応できる場合がある
- 一度不支給になっても、再申請で認定される可能性がある
申請から受給までの流れ
① 相談・受給可能性の診断
専門家に相談し、受給の可能性を確認
② 書類準備(1〜2か月)
初診日の証明、診断書作成依頼、病歴申立書作成
③ 年金事務所へ申請
すべての書類を揃えて提出
④ 審査(3〜4か月)
日本年金機構による書類審査
⑤ 受給決定・年金支給開始
認定されれば、2か月ごとに年金が振り込まれます
障害年金は、あなたの生活を支え、「自分のペースで生きていく」ための選択肢を広げてくれる制度です。
一人で悩まず、まずは一歩を踏み出してみてください。当事務所は、「諦めない障害年金」をコンセプトに、あなたの申請を全力でサポートいたします。
まずは無料相談から始めましょう
「自分は受給できるのか」「どこから手をつければいいのか」
どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。
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受付時間:平日9:00〜18:00(土日祝日も事前予約で対応可能)
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記事作成:清水総合法務事務所(社会保険労務士)
兵庫県神戸市 | 障害年金専門


