初診日のカルテがない?障害年金を諦めない証明の手順を解説

初診日のカルテがない障害年金を諦めない証明の手順を解説

「障害年金を申請したいけれど、初診の病院に問い合わせたら『カルテは5年前に破棄しました』と言われてしまった」

「当院は閉院しており、カルテも残っていません」

このような理由で、障害年金の申請を諦めようとしていませんか?

カルテが廃棄されていても、初診の医療機関が閉院していても、初診日を証明する方法はあります。

実際に、当事務所では「カルテがない」という状況から多くの方の障害年金受給をサポートしてきました。15年前のお薬手帳が認められたケースや、健康保険組合に残っていた記録で初診日が証明できたケースもあります。

この記事では、初診日のカルテがない場合の具体的な証明方法を、障害年金専門の社会保険労務士が丁寧に解説します。

この記事で分かること:

  • カルテがない場合でも初診日を証明する5つの方法
  • 代わりに使える資料の具体例と有効性
  • 第三者証明の正しい取り方
  • 実際に認定された成功事例
  • 専門家に相談すべきタイミング

諦めなくて大丈夫です。一緒に、あなたの権利を守る方法を探しましょう。

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「自分のケースはどうすればいいのか」「どんな資料を集めればいいのか」など、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

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目次

初診日のカルテがない理由:5年の保存期間という壁

なぜ初診日のカルテが残っていないのでしょうか?その背景には、法律で定められた「保存期間」があります。

医療機関のカルテ保存期間は5年

医師法第24条第2項により、医療機関はカルテ(診療録)を「診療完結日から5年間」保存する義務があります。

つまり、患者さんがその医療機関での治療を終えてから5年が経過すると、法律上はカルテを廃棄しても問題ありません。医療機関によっては、保管スペースの問題から、5年を過ぎたカルテは速やかに処分しているところも多くあります。

障害年金では5年以上前の初診日を証明する必要がある

一方、障害年金の申請では、初診日が5年以上前というケースは珍しくありません。

特に精神疾患の場合、「なんとなく調子が悪い」と感じてから実際に医療機関を受診するまでに時間がかかることがあります。また、最初は内科や心療内科以外の科を受診し、その後、精神科につながるケースも多く見られます。

このような経緯があると、「初診日」は10年前、15年前、場合によっては20年以上前になることもあるのです。

時期 カルテの状況 障害年金申請
初診~5年 ✅ カルテ保存義務あり 証明可能
5年~10年 ⚠️ 廃棄されている可能性 代替資料が必要
10年以上 ❌ ほぼ廃棄済み 複数の代替資料が必須

「5年」と「5年以上前」の矛盾を解決する制度がある

この矛盾を解決するため、厚生労働省は「カルテがない場合の初診日証明方法」を正式に認めています。

つまり、カルテがなくても初診日を証明する方法が制度として用意されているのです。諦める必要はありません。

次のセクションから、具体的な証明方法を見ていきましょう。

[内部リンク: 初診日とは?初診日が重要な理由を解説した記事へ]

標準的な初診日の証明方法:受診状況等証明書

まず、カルテが残っている場合の標準的な証明方法を確認しておきましょう。

受診状況等証明書とは

受診状況等証明書は、初診日を証明するための公式な書類です。初診の医療機関で、カルテをもとに医師が作成します。

この証明書には、以下の情報が記載されます:

  • 初診年月日
  • 傷病名
  • 受診期間
  • 治療内容
  • 転院先の情報(ある場合)

初診の医療機関=現在の医療機関なら不要

もし、初診から現在まで同じ医療機関に通院している場合は、受診状況等証明書は不要です。診断書に初診日が記載されるため、それで初診日が証明できます。

多くの人は医療機関を変わっている

しかし、実際には以下のような理由で医療機関を変わっている方が多くいます:

  • 引っ越しによる転院
  • 紹介状をもらって専門病院へ転院
  • 医師との相性が合わず転院
  • 初診の医療機関が閉院

このような場合、初診の医療機関で受診状況等証明書を取得する必要があります。

しかし、冒頭でお伝えしたように、「カルテがない」という壁にぶつかることがあります。

次のセクションでは、カルテがない場合の具体的な対処法を詳しく解説します。

カルテがない場合の5つの解決策

初診の医療機関でカルテが取得できない場合、以下の5つの方法で初診日を証明できる可能性があります。

解決策1:受診状況等証明書が添付できない申立書を作成する

まず、「受診状況等証明書が添付できない申立書」という公式な書式を使用します。これは日本年金機構が用意している書式で、なぜ受診状況等証明書が取得できないのかを説明する書類です。

この申立書には、以下の情報を記載します:

  • 初診の医療機関名・所在地
  • 受診していた時期
  • 受診状況等証明書が取得できない理由(閉院、カルテ廃棄など)
  • 自分が記憶している初診日

重要なポイント:この申立書だけでは初診日の証明として不十分です。必ず次に説明する「参考資料」を一緒に提出する必要があります。

解決策2:代わりになる資料を探して提出する

カルテに代わる「参考資料」として、以下のようなものが認められています:

資料の種類 有効性 備考
医療系資料
診察券 ⭐⭐⭐ 日付が印字されているものが望ましい
お薬手帳 ⭐⭐⭐⭐ 医療機関名・日付・処方内容が記載
医療費の領収書 ⭐⭐⭐⭐ 日付・医療機関名が明確
処方箋の控え ⭐⭐⭐⭐ 処方日・医療機関名が記載
紹介状 ⭐⭐⭐⭐⭐ 前医の情報が記載されている
健康診断結果 ⭐⭐⭐ 「要受診」の指摘がある場合
公的記録
障害者手帳 ⭐⭐⭐⭐⭐ 交付時の診断書が参考になる
労災認定書類 ⭐⭐⭐⭐⭐ 業務上の傷病の場合
交通事故証明書 ⭐⭐⭐⭐ 事故日から初診日が推定できる
健康保険記録
健康保険のレセプト(診療報酬明細書) ⭐⭐⭐⭐⭐ 非常に有効!協会けんぽ:5年保存、健康保険組合:10年保存
その他
家計簿 ⭐⭐ 医療費支出の記録がある場合
日記・手帳 ⭐⭐ 受診の記録がある場合
学校の生活記録 ⭐⭐⭐ 若い頃の発病の場合

実例:13年前の診察券が認められたケース

当事務所でサポートした事例では、「もう使わないから」と実家のタンスにしまい込んでいた13年前の診察券が見つかり、それが初診日の証明として認められました。古い資料でも、「捨てずに探す」ことが重要です。

重要ポイント:複数の資料を組み合わせる

1つの資料だけでは証明力が弱い場合でも、複数の資料を組み合わせることで初診日が認められる可能性が高まります。例えば:

  • 診察券 + 家計簿の医療費記録
  • お薬手帳 + 第三者証明(後述)
  • 健康診断結果 + レセプト開示

解決策3:2番目以降の医療機関で前医の情報を証明してもらう

初診の医療機関でカルテが取得できない場合、2番目、3番目に受診した医療機関のカルテに、前医(初診医療機関)の情報が残っていることがあります。

転院時には、前の医療機関からの紹介状や、患者さん自身が前医について説明したことがカルテに記載されているケースがあります。

重要な認定基準:

2番目以降の医療機関による受診状況等証明書に前医の情報が記載されている場合、以下の条件を満たせば、その情報だけで初診日が認められることがあります:

  • 前医の情報が記載されたのが、障害年金請求日の5年以上前である
  • 記載内容が具体的である(医療機関名、受診時期など)

もし2番目の医療機関でも証明が取れない場合は、3番目、4番目と順番に遡って調査します。どこかで医師の証明が取れるまで、諦めずに探すことが大切です。

解決策4:健康保険のレセプト(診療報酬明細書)を開示請求する

意外と見落とされがちですが、健康保険組合や協会けんぽには、レセプト(診療報酬明細書)が保存されています

レセプトの保存期間:

  • 協会けんぽ(旧政府管掌健康保険):5年間
  • 健康保険組合:10年間(組合によって異なる場合あり)

レセプトには、受診した医療機関名、受診日、病名、診療内容などが記載されています。これは非常に信頼性の高い証拠資料です。

開示請求の方法:

  1. 初診当時に加入していた健康保険を確認する(会社員なら健康保険組合名、自営業なら国民健康保険)
  2. その保険者(協会けんぽ、健康保険組合、市区町村)に連絡する
  3. レセプト開示請求の手続きについて確認する
  4. 必要書類を提出して開示を受ける

レセプトは本人または家族が開示請求できますが、手続きには時間がかかることがあります。早めに動き始めることをお勧めします。

解決策5:第三者証明を依頼する

上記の方法でも初診日が証明できない場合、「初診日に関する第三者からの申立書」(第三者証明)という方法があります。

第三者証明とは:

初診日頃にあなたが医療機関を受診していたことを知っている第三者に、そのことを証明してもらう書類です。

誰に依頼できるか:

  • ✅ 友人・知人
  • ✅ 職場の上司・同僚
  • ✅ 民生委員
  • ✅ 学校の先生・同級生
  • ✅ 近所の人
  • ❌ 3親等以内の親族(配偶者、親、子、兄弟姉妹、祖父母、おい・めい)

医療従事者の第三者証明は特別扱い:

初診時の医療機関で働いていた医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどの医療従事者による第三者証明は、医師の診断に近い証明力があるとされ、1人の証明でも認められる可能性があります。

原則は2名以上が必要:

医療従事者以外の第三者証明は、原則として2名以上の証明が必要です。ただし、以下の場合は1名でも認められることがあります:

  • 証明内容が非常に具体的で信頼性が高い
  • 20歳前に初診日がある場合(給付内容が一定のため)

第三者証明の記載内容:

第三者証明には、以下のような内容を具体的に記載してもらう必要があります:

  • いつ頃(年月)、どこの医療機関に通院していることを知ったのか
  • どのような経緯で知ったのか(本人から聞いた、一緒に病院に行った、など)
  • 当時の本人の様子(症状、困っていたこと)

「なんとなく病院に行っていたと思う」といった曖昧な内容では認められません。具体的なエピソードを交えて記載してもらうことが重要です。

状況 必要な第三者証明 認定の可能性
医療従事者による証明 1名でOK ⭐⭐⭐⭐⭐
20歳前の初診日 2名(内容が具体的なら1名でも可) ⭐⭐⭐⭐
20歳以降の初診日 2名以上+他の参考資料 ⭐⭐⭐
第三者証明のみで他の資料なし 2名以上 ⭐⭐

現実的なアドバイス:

第三者証明だけで初診日が認められるケースは少なく、他の参考資料(診察券、お薬手帳、レセプトなど)と組み合わせることで認定される可能性が高まります。「第三者証明だけに頼る」のではなく、「使える資料はすべて組み合わせる」という姿勢が大切です。

当事務所がサポートできること

初診日の証明でお困りの方に、以下のサポートを提供しています:

  • ✅ 初診日の調査・医療機関への問い合わせ代行
  • ✅ どの代替資料を集めるべきかのアドバイス
  • ✅ レセプト開示請求の手続きサポート
  • ✅ 受診状況等証明書が添付できない申立書の作成
  • ✅ 第三者証明の取得サポート(誰に依頼するべきか、どう書いてもらうか)
  • ✅ 2番目以降の医療機関への問い合わせ代行

「自分では難しい」と感じたら、お気軽にご相談ください。

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初診日証明の5ステップ実践ガイド

ここまでの内容を踏まえて、実際に初診日を証明するための手順を5つのステップで解説します。

ステップ1:初診の医療機関の現状を確認する

まず、初診の医療機関に連絡して以下を確認します:

  • ✅ 医療機関が現在も営業しているか
  • ✅ カルテが残っているか
  • ✅ 受診状況等証明書を作成してもらえるか

もし医療機関が閉院している場合は、以下を調べます:

  • 他の医療機関に統合されていないか
  • 医師が別の場所で開業していないか
  • 保健所や医師会に問い合わせる

ステップ2:手元にある資料を徹底的に探す

次に、自宅に残っている可能性のある資料をくまなく探します。

探す場所のチェックリスト:

  • □ 財布の中(診察券が入っていないか)
  • □ 薬箱・救急箱(お薬手帳、処方箋の控え)
  • □ 引き出し・タンス(古い診察券、領収書)
  • □ クローゼットの奥(古い荷物)
  • □ 実家の荷物(引っ越し前の書類)
  • □ 過去の家計簿・日記・手帳
  • □ スマートフォンの写真(領収書を撮影していないか)

「もう捨てた」と思っても、意外なところから見つかることがあります。諦めずに探してみましょう。

ステップ3:2番目以降の医療機関に問い合わせる

受診した医療機関を時系列で整理し、2番目、3番目の医療機関に連絡します。

問い合わせ内容:

  • 「前の医療機関(初診医療機関)について、カルテに情報が残っていないか」
  • 「紹介状の控えが残っていないか」
  • 「受診状況等証明書に前医の情報を記載してもらえるか」

もし2番目の医療機関でも証明が取れない場合は、3番目、4番目と順番に調査します。

ステップ4:健康保険のレセプト開示請求を検討する

初診当時に加入していた健康保険を確認し、レセプトの開示請求を行います。

開示請求先:

当時の就業状況 保険の種類 開示請求先
会社員(大企業) 健康保険組合 当時の会社の健康保険組合
会社員(中小企業) 協会けんぽ 全国健康保険協会(協会けんぽ)
自営業・無職 国民健康保険 当時住んでいた市区町村
公務員 共済組合 所属していた共済組合

レセプトの保存期間を過ぎている場合もありますが、問い合わせてみる価値はあります。

ステップ5:第三者証明を準備する(必要な場合)

上記のステップでも証明が難しい場合、第三者証明を依頼します。

第三者証明を依頼する相手の選び方:

  • 初診日頃のあなたの状況を知っている人
  • 「病院に通っている」と話したことがある人
  • 一緒に病院に行ったことがある人
  • 当時の職場の上司・同僚
  • 学生時代なら先生・同級生

まずは2名以上に依頼することを目指しましょう。

専門家に相談すべきタイミング

以下のような場合は、専門家(社会保険労務士)への相談をお勧めします:

  • ✅ 複数の医療機関を転々としていて、どこが初診か分からない
  • ✅ 初診日が20年以上前で、証明が非常に困難
  • ✅ 複数の傷病があり、初診日の関係が複雑
  • ✅ 過去に不支給になったことがある
  • ✅ 第三者証明を誰に頼めばいいか分からない

初診日の証明は障害年金申請の中で最も難しい部分です。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

初診日証明に関するよくある質問

Q1:診察券だけでは証明できませんか?

A:診察券だけでは証明力が弱いですが、他の資料と組み合わせることで認められる可能性があります。

診察券に日付が印字されていない場合や、医療機関名だけの場合は、それだけでは初診日の証明として不十分です。しかし、以下のような資料と組み合わせることで証明力が高まります:

  • 家計簿の医療費支出記録
  • お薬手帳の記録
  • 第三者証明

Q2:20年以上前の初診日でも証明できますか?

A:はい、証明できるケースがあります。実際に30年前の初診日が認められた事例もあります。

時間が経っているほど証明は難しくなりますが、以下のような資料で証明できる可能性があります:

  • 健康保険組合のレセプト(10年保存)
  • 障害者手帳申請時の診断書(市区町村に記録が残っている場合)
  • 2番目以降の医療機関のカルテ(前医情報が記載されている)
  • 第三者証明

「古すぎるから無理」と諦める前に、一度調査してみることをお勧めします。

Q3:第三者証明は何人必要ですか?

A:原則として2名以上ですが、1名でも認められるケースがあります。

1名でも認められる場合:

  • 医療従事者(医師、看護師、ソーシャルワーカーなど)による証明
  • 証明内容が非常に具体的で信頼性が高い
  • 20歳前に初診日がある場合

2名以上必要な場合:

  • 20歳以降に初診日がある
  • 証明者が医療従事者以外

Q4:レセプトの開示請求はどこにすればいいですか?

A:初診当時に加入していた健康保険の保険者に請求します。

開示請求先は、初診当時の就業状況によって異なります(上記のステップ4の表を参照)。

会社員だった場合、まず当時の会社に「健康保険組合名」を確認しましょう。協会けんぽの場合は、都道府県支部に問い合わせます。

Q5:健康診断の結果は使えますか?

A:はい、特に「要受診」「要精密検査」などの指摘がある場合、有効な資料になります。

健康診断で異常が指摘され、その後医療機関を受診した場合、以下のような使い方ができます:

  • 健康診断日を「一定期間の始期」として使う
  • 「この時点では発病していなかった」という証明として使う
  • 健康診断の指摘に基づいて受診した場合、健康診断日が初診日になることもある

Q6:医療機関が閉院している場合はどうすればいいですか?

A:以下の方法で調査できる可能性があります。

  1. 他の医療機関に統合されていないか確認
    保健所や医師会に問い合わせると、情報が得られることがあります。
  2. 医師が別の場所で開業していないか調査
    医師会や地域の医療機関に問い合わせてみましょう。
  3. 2番目以降の医療機関で前医情報を探す
    転院先の医療機関に、閉院した医療機関の情報が残っていることがあります。

閉院していても、諦める必要はありません。代替手段があります。

初診日証明でよくある失敗パターンと対策

実際の申請で起こりやすい失敗パターンと、その対策をご紹介します。

失敗パターン1:資料が1つしかなくて諦めてしまう

❌ 失敗例:「診察券しか見つからなかったから、証明できないと思った」

✅ 対策:1つの資料でも、他の資料と組み合わせることで証明力が高まります。診察券があるなら、それを起点に:

  • 家計簿で同時期の医療費支出を探す
  • 第三者証明を依頼する
  • 2番目の医療機関で前医情報を確認する

複数の資料を組み合わせることが成功の鍵です。

失敗パターン2:「年月日」まで特定できないと諦める

❌ 失敗例:「正確な日付が分からないから、申請できない」

✅ 対策:実は、初診日は「年月」まで特定できれば十分です。

年月が特定できれば、その月の末日を初診日として扱ってもらえます。例えば「2015年5月」と分かれば、「2015年5月31日」が初診日になります。

日付が分からないからと諦める必要はありません。

失敗パターン3:社会的治癒を見落とす

❌ 失敗例:「初診が古すぎて証明できない」と思い込んでいる

✅ 対策:社会的治癒という考え方を活用できる場合があります。

社会的治癒とは、一定期間(おおむね5年以上)治療を中断し、その間に普通に働いたり日常生活を送ったりしていた場合、再び受診した日を「新たな初診日」として扱ってもらえる制度です。

例えば:

  • 20年前に初診 → 10年前から症状が軽快して治療中断 → 5年前に再発

このような場合、5年前の受診日を初診日とできる可能性があります。

失敗パターン4:「一定期間要件」を活用していない

❌ 失敗例:「初診日がピンポイントで特定できないから無理」

✅ 対策:一定期間要件を活用すれば、ある程度の幅を持った期間内であれば初診日として認められることがあります。

例えば、以下のような資料で「一定期間の始期」と「終期」を証明できれば:

  • 始期:健康診断で「異常なし」(この時点では発病していない)
  • 終期:2番目の医療機関の受診状況等証明書(この時点では発病している)

この期間内に初診日があったと推定できれば、その期間を通じて保険料納付要件を満たしていれば、申立てた初診日が認められます。

失敗パターン5:第三者証明の内容が不十分

❌ 失敗例:「たぶん病院に行っていたと思います」といった曖昧な内容

✅ 対策:第三者証明には、以下のような具体的な内容を記載してもらう必要があります:

  • いつ頃、どこの病院に通っていることを知ったのか
  • どのような経緯で知ったのか(本人から聞いた、一緒に病院に行った、など)
  • 当時の本人の様子(症状、困っていたこと)

「具体的なエピソードを交えて書いてもらう」ことが重要です。

失敗パターン 原因 対策
資料が1つしかない 単独では証明力が弱い 複数の資料を組み合わせる
日付が特定できない 年月日まで必要と誤解 年月まで特定できればOK
古い初診日 社会的治癒を見落とし 治療中断期間を確認
初診日の幅がある 一定期間要件を知らない 始期・終期資料を探す
第三者証明が曖昧 記載内容が不十分 具体的なエピソードを記載

障害年金の受給事例

当事務所でサポートさせていただいた方々の事例をご紹介します。カルテがない状況から、どのように初診日を証明し、障害年金の受給につながったのか、具体的にお伝えします。

※以下の事例は、実際のご相談をもとに作成した架空のケースです。
※個人情報保護のため、年齢・傷病名・金額等は一部変更しています。
※実際の認定結果は個別の状況により異なります。

事例1:第三者証明で初診日が認定されたケース(うつ病・40代女性)

【ご相談時の状況】

Aさん(40代後半・女性)は、15年前に初めて心療内科を受診し、うつ病の診断を受けました。その後、症状の波がありながらも何とかパート勤務を続けてきましたが、3年前から症状が悪化し、現在は休職中です。

配偶者と高校生のお子さんと3人暮らしで、Aさんの収入がなくなったことで家計が苦しくなり、知人から障害年金のことを聞いて相談に来られました。朝起き上がることができない日が多く、家事もほとんどできない状態が続いていました。

【申請の課題】

初診日を証明しようと、15年前に受診した心療内科に問い合わせたところ、「5年前に閉院しており、カルテは全て処分した」と言われました。区役所の相談窓口に行ったところ、「カルテがないと難しいかもしれません」と言われ、諦めかけていました。

手元には古いお薬手帳が残っていましたが、一部のページが破れており、初診日が明確に分かる記載はありませんでした。経済的な不安も大きく、「本当に受給できるのか」という不安を抱えながらのご相談でした。

【当事務所のサポート】

まず、お薬手帳を詳しく確認したところ、15年前の処方記録が一部残っており、「○○クリニック」という医療機関名と「2010年頃」という時期が推定できました。次に、当時の職場の上司と同僚に第三者証明を依頼できないか検討しました。

Aさんは当時、職場で体調不良を訴えており、上司に「心療内科に通い始めた」と報告していたことを思い出されました。幸い、その上司と同僚の方は現在も連絡が取れる状態で、快く第三者証明に協力してくださいました。

2名の第三者証明とお薬手帳、そして2番目に受診した医療機関の受診状況等証明書(前医の情報記載あり)を組み合わせて申請を行いました。

【結果】

障害厚生年金2級が認められ、年額約130万円(月額約10.8万円)の受給が決定しました。申請から認定まで約4ヶ月かかりましたが、無事に初診日が認定されました。

【ご本人からのメッセージ】

「閉院していると聞いたときは、もう無理だと思いました。でも、『第三者証明という方法がありますよ』と教えていただいて、元職場の方々にお願いすることができました。まさか古いお薬手帳が役に立つとは思っていませんでした。年金が決まったときは、家族みんなで泣いて喜びました。経済的な不安が少し軽くなって、治療に専念できます。」


事例2:転院歴が多く初診日不明だったケース(統合失調症・50代男性)

【ご相談時の状況】

Bさん(50代前半・男性)は、約20年前から統合失調症の症状があり、これまで5つの医療機関を転々としていました。一人暮らしで、現在は就労支援施設に通所していますが、日常生活の多くの場面で支援が必要な状態です。

症状が悪化すると引きこもってしまい、通院も途切れがちだったため、「いつ、どこで初めて受診したのか」がご本人も覚えていませんでした。ご家族も遠方に住んでおり、当時の状況を詳しく知る人がいない状況でした。

【申請の課題】

最初に受診したと思われる医療機関は既に廃業しており、2番目、3番目の医療機関もカルテが残っていませんでした。4番目の医療機関でようやくカルテが見つかりましたが、前医の情報は記載されていませんでした。

ご本人の記憶も曖昧で、「20年くらい前から病院に通っている」という程度しか分かりませんでした。手元には診察券やお薬手帳などの資料も一切残っていませんでした。

【当事務所のサポート】

まず、Bさんが過去に加入していた健康保険を調査しました。20年前は会社員として働いており、協会けんぽに加入していたことが分かりました。ただし、レセプトの保存期間(5年)を過ぎており、レセプトは入手できませんでした。

次に、当時の勤務先の健康保険組合に問い合わせたところ、健康保険組合では10年分のレセプトを保存していることが判明。幸いにも、12年前までのレセプトが残っており、その中に初診と思われる医療機関名と受診記録が見つかりました。

さらに、4番目の医療機関のカルテを詳しく確認したところ、初診時の記録に「前医からの紹介状あり」という記載があり、紹介状のコピーが残っていました。その紹介状には、さらに前の医療機関名と「平成17年頃から通院」という記載がありました。

これらの資料を組み合わせ、「平成17年(2005年)○月」を初診日として申請を行いました。

【結果】

障害基礎年金2級が認められ、年額約82万円(月額約6.8万円)の受給が決定しました。さらに、遡及請求により過去5年分(約410万円)も一括で支給されました。申請から認定まで約6ヶ月かかりました。

【ご本人からのメッセージ】

「自分では何も覚えていなくて、本当に困っていました。まさか健康保険組合にレセプトが残っているとは思っていませんでした。先生が粘り強く調べてくださって、何度も医療機関に問い合わせてくださったおかげです。遡及分のお金も入って、生活が安定しました。一人では絶対に無理でした。」


事例3:自己申請で不支給から、再申請で認定されたケース(双極性障害・30代女性)

【ご相談時の状況】

Cさん(30代後半・女性)は、約10年前に初めて心療内科を受診し、当初はうつ病、後に双極性障害と診断されました。会社員として働いていましたが、症状の波が激しく、休職と復職を繰り返していました。

1年前、ご自身で障害年金の申請を行いましたが、「初診日が特定できない」という理由で不支給の決定を受けました。初診の医療機関にカルテがなく、自分で「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成して提出しましたが、参考資料が不十分だったようです。

不支給通知を受け取ったときは「やっぱり自分はダメなんだ」と深く落ち込み、諦めていましたが、友人から「専門家に相談してみたら」と勧められ、当事務所に相談に来られました。

【申請の課題】

初診の医療機関は閉院しており、前回の申請では診察券のコピーのみを提出していました。年金事務所からは「診察券だけでは初診日を特定できない」との指摘を受けていました。

Cさんは「もう一度不支給になったら立ち直れない」という不安を抱えており、「本当に認定される可能性があるのか」を何度も確認されました。

【当事務所のサポート】

前回の申請内容を詳しく確認したところ、見落とされていた資料がいくつかあることが分かりました。

まず、Cさんが会社の健康診断を受けていた時期を調査しました。初診の2年前の健康診断では「異常なし」という結果でした。これは「一定期間要件」における「始期」の資料として使えます。

次に、実家に保管されていた古い荷物を探していただいたところ、10年前の家計簿が見つかり、その中に医療費の支出記録がありました。「○月○日 病院 3,500円」という記載から、受診していた時期が推定できました。

さらに、元職場の同僚の方に第三者証明を依頼しました。その方は当時Cさんが「最近、心療内科に通い始めた」と話していたことを覚えており、具体的な時期も「○○の異動があった頃だから、2014年の秋頃」と特定してくださいました。

これらの資料(健康診断記録、診察券、家計簿、第三者証明、2番目の医療機関の受診状況等証明書)を組み合わせ、一定期間要件を活用して再申請を行いました。

【結果】

障害厚生年金2級が認められ、年額約110万円(月額約9.2万円)の受給が決定しました。前回の不支給から約1年後、再申請から認定まで約5ヶ月かかりました。

【ご本人からのメッセージ】

「不支給通知が来たときは、人生が終わったような気持ちでした。でも、『まだ方法はありますよ』と言っていただいて、もう一度挑戦する勇気が出ました。自分では気づかなかった資料がこんなにあったんですね。実家の家計簿を探すなんて思いもしませんでした。年金証書が届いたときは涙が止まりませんでした。諦めなくて本当によかったです。」


このように、初診日のカルテがない場合でも、適切な方法で証明すれば障害年金の受給につながります。

3つの事例に共通するポイント:

  • ✅ 複数の資料を組み合わせることで証明力が高まる
  • ✅ 「こんな古い資料、意味がない」と思わず、徹底的に探すことが重要
  • ✅ 第三者証明や健康保険のレセプトなど、思わぬ資料が突破口になる
  • ✅ 専門家による調査と適切な書類作成で、認定の可能性が大幅に高まる

「自分の場合はどうだろう?」「一度不支給になったけど、もう一度申請できる?」など、気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

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まとめ:カルテがなくても、諦めない

ここまで、初診日のカルテがない時の証明方法について詳しく解説してきました。改めて、この記事の重要なポイントをまとめます。

1. カルテがなくても初診日は証明できる
カルテの保存期間は5年ですが、日本年金機構は「カルテがない場合の証明方法」を正式に認めています。診察券、お薬手帳、レセプト、第三者証明など、様々な方法があります。

2. 複数の資料を組み合わせることが重要
一つの資料だけでは証明力が弱くても、複数の資料を組み合わせることで初診日が認められる可能性が高まります。「こんな古い資料、意味がない」と思わず、関連しそうなものは全て探してみましょう。

3. 初診日は「月」まで特定できれば十分
正確な日付が分からなくても、年月まで特定できれば、その月の末日を初診日として扱ってもらえます。日付が分からないからと諦める必要はありません。

4. 専門的な判断が必要な場面も多い
社会的治癒、一定期間要件、第三者証明の内容など、初診日の証明には専門的な知識が必要な場面が多くあります。「自分でやってみたけど難しい」と感じたら、遠慮なく専門家に相談しましょう。

障害年金の申請は、決して一人で抱え込む必要はありません。特に初診日の証明は、障害年金申請の中で最も複雑な部分です。当事務所では、初診日の調査から書類作成まで、全てサポートいたします。

「自分のケースはどうだろう?」「一度不支給になったけど、もう一度申請できる?」など、少しでも気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。あなたの状況を丁寧にお聞きし、最適な方法をご提案いたします。

まずは無料相談から、一歩を踏み出しましょう

障害年金の制度は複雑で、特に初診日の証明についてはご自身で判断するのが難しい部分も多くあります。当事務所では、初回相談を無料で承っております。「自分は対象になるのか」「カルテがなくても本当に申請できるのか」など、どんな疑問でもお気軽にご相談ください。

これまで多くの「カルテがない」というケースをサポートしてきた経験から、あなたの状況に最適な方法をご提案いたします。複雑なケースでも、諦めずに一緒に道を探しましょう。

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神戸市須磨区の清水総合法務事務所まで、お気軽にご相談ください。兵庫県内であれば、訪問相談も承ります。

「諦めない障害年金」 – あなたの権利を、私たちと一緒に守りましょう。


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