前立腺がんのホルモン療法を受けながら、「この先、経済的にやっていけるだろうか」という不安を感じていませんか。ホットフラッシュや全身の倦怠感、骨密度の低下による痛みなど、治療の副作用で以前のように働けなくなり、収入面での心配が増している方も多いのではないでしょうか。
実は、前立腺がんのホルモン療法による副作用で日常生活や仕事に支障が出ている場合、障害年金の対象となる可能性があります。がんそのものだけでなく、ホルモン療法の副作用による全身の衰弱や機能障害も、障害年金制度では評価の対象とされているのです。
多くの方は「がんで障害年金がもらえるとは知らなかった」「ホルモン療法の副作用が対象になるなんて思わなかった」と驚かれます。しかし、適切な申請を行えば、治療を続けながら経済的な支援を受けることができます。
この記事では、前立腺がんのホルモン療法による副作用が障害年金の対象となる理由、受給要件、申請のポイントについて、神戸の障害年金専門社会保険労務士が詳しく解説します。神戸・兵庫県で多数の申請サポート実績を持つ当事務所の知見をもとに、あなたが安心して治療に専念できるよう、具体的な情報をお伝えします。
前立腺がんホルモン療法の副作用で障害年金申請をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。神戸の障害年金専門社労士が、あなたの状況を丁寧にお伺いします。

前立腺がんのホルモン療法とは
ホルモン療法の種類と目的
前立腺がんは男性ホルモン(アンドロゲン)の影響を受けて増殖する特性があります。ホルモン療法は、この男性ホルモンの分泌や作用を抑えることで、がん細胞の増殖を抑制する治療法です。内分泌療法とも呼ばれます。
一般的に使用される薬剤には、以下のような種類があります。
LH-RHアゴニストは、脳の下垂体に働きかけて精巣からの男性ホルモン分泌を抑える注射薬です。リュープリン、ゾラデックスなどの商品名で、1ヶ月または3ヶ月ごとに皮下注射します。
GnRHアンタゴニストは、LH-RHアゴニストと同様に男性ホルモンを抑制しますが、投与初期の一時的なホルモン上昇がないという特徴があります。ゴナックスなどが該当します。
抗アンドロゲン薬は、男性ホルモンががん細胞に作用するのを阻害する飲み薬です。ステロイド系と非ステロイド系があり、カソデックス、オダインなどが使用されています。
これらの薬剤は単独で使われることもあれば、組み合わせて使用されることもあります。治療の選択は、がんの進行度や患者さんの状態によって医師が判断します。
ホルモン療法の主な副作用
ホルモン療法は前立腺がんに対して有効な治療法ですが、男性ホルモンを抑制することに伴う様々な副作用が現れることがあります。これらの副作用は個人差がありますが、日常生活に大きな影響を及ぼす場合があります。
| 副作用の種類 | 主な症状 | 日常生活への影響 |
|---|---|---|
| ホットフラッシュ | のぼせ、ほてり、急な発汗 | 睡眠障害、外出時の不快感 |
| 全身の倦怠感 | 疲れやすさ、気力の低下 | 就労継続困難、家事制限 |
| 骨密度低下 | 骨粗鬆症、骨折リスク増加 | 転倒への不安、歩行困難 |
| 性機能障害 | 勃起障害、性欲低下 | QOL低下、精神的ストレス |
| 女性化乳房 | 乳房の腫脹、乳頭痛 | 身体的不快感、心理的負担 |
| 心血管系リスク | 高血圧、心筋梗塞リスク増加 | 活動制限、通院頻度増加 |
| メタボリック症候群 | 体重増加、糖尿病リスク | 食事制限、運動制限 |
| 筋力低下 | 筋肉量減少、体力低下 | 階段昇降困難、重労働不可 |
※副作用の程度や出現時期には個人差があります。すべての方にすべての副作用が現れるわけではありません。
特に注意が必要なのは骨密度の低下です。ホルモン療法を続けると年間数パーセントずつ骨密度が低下し、骨粗鬆症のリスクが高まります。転倒による骨折は、日常生活動作を大きく制限する要因となります。
また、心血管系への影響も報告されています。ホルモン療法により心血管疾患のリスクが上昇することが報告されています。リトアニアの研究では、ホルモン療法を受けた方は心血管疾患による死亡リスクが2倍以上増加したとされています。高齢の方や既に心血管系の疾患をお持ちの方は、特に注意が必要です。
これらの副作用は治療開始後すぐに現れるものもあれば、長期間の治療によって徐々に悪化していくものもあります。「今は何とか大丈夫」と思っていても、時間の経過とともに日常生活や仕事への影響が大きくなる可能性があることを、知っておくことが大切です。
前立腺がんホルモン療法の副作用は障害年金の対象になる
がんで障害年金を受給できる3つのケース
がんによる障害は、障害年金制度において以下の3つのケースに分類されています。
1. がんそのもの(原発巣、転移巣を含む)による局所の障害
肺がんによる呼吸機能の低下、脳腫瘍による神経障害など、がんが発生した部位の機能が障害される場合です。
2. がんそのもの(原発巣、転移巣を含む)による全身の衰弱または機能の障害
がんの進行により、全身の体力が著しく低下し、日常生活に介助が必要となる場合です。
3. がんに対する治療の効果として起こる全身衰弱または機能の障害
前立腺がんのホルモン療法による副作用は、この第3のケースに該当します。抗がん剤治療や放射線治療と同様に、ホルモン療法の副作用による全身の倦怠感、骨密度低下、心血管系への影響なども、障害年金の評価対象となるのです。
ホルモン療法副作用が評価される理由
日本年金機構の障害認定基準では、がんに対する治療の副作用についても、障害年金の対象として明確に位置づけています。これは、治療そのものが必要不可欠である一方で、その副作用によって日常生活や就労に大きな制限が生じる現実を、制度として認めているということです。
前立腺がんのホルモン療法は、多くの場合、年単位の長期にわたって継続されます。その間、副作用は累積的に悪化していく傾向があります。治療開始当初は軽度だった倦怠感が、時間の経過とともに日常生活動作を大きく制限するレベルに達することも少なくありません。
障害年金の審査では、「がんのステージ」だけで判断されるわけではありません。むしろ、治療の副作用を含めて「現在の日常生活にどの程度の支障があるか」が重視されます。このため、ホルモン療法の副作用で仕事や家事ができなくなっている状態であれば、障害年金の対象となる可能性があるのです。
障害等級の目安
障害年金では、障害の程度を1級から3級(国民年金は1級・2級のみ)に分類しています。がんの場合の等級判定には、「一般状態区分表」という基準が用いられます。
| 区分 | 一般状態 | 障害等級の目安 |
|---|---|---|
| ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等にふるまえる | 対象外 |
| イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできる | 3級 |
| ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要で、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している | 2級または3級 |
| エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能 | 2級 |
| オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られる | 1級 |
出典:日本年金機構「障害認定基準 第16節/悪性新生物による障害」
前立腺がんのホルモン療法を受けている方の場合、副作用による倦怠感で「軽労働はできるが、フルタイムの就労は困難」という状態であれば、区分「イ」または「ウ」に該当し、障害厚生年金3級の可能性があります。また、骨密度低下による骨折で歩行困難が加わった場合などは、さらに上位の等級となることもあります。
ただし、この表はあくまで目安です。実際の審査では、診断書の記載内容や病歴・就労状況等申立書の内容を総合的に判断します。「この状態だから確実にこの等級」と断定できるものではない点に注意が必要です。
障害年金の受給要件
障害年金を受給するためには、以下の3つの基本要件を満たす必要があります。
3つの基本要件
1. 初診日要件
障害の原因となった病気で初めて医師の診察を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していることが必要です。初診日にどの年金制度に加入していたかによって、受給できる障害年金の種類が決まります。
2. 保険料納付要件
初診日の前日において、次のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金加入期間のうち、3分の2以上の期間について保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(令和8年4月1日前の初診日に限る特例)
3. 障害状態該当要件
障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月経過した日)に、障害等級表に定める1級から3級(国民年金は1級・2級)の障害の状態にあることが必要です。
前立腺がんにおける初診日の考え方
初診日は障害年金申請において最も重要なポイントの一つです。初診日を誤ると、受給できるはずの年金が受け取れなくなる可能性があります。
前立腺がんの場合、初診日の考え方には注意が必要なケースがあります。
ケース1: PSA検査で異常を指摘された場合
健康診断や人間ドックでPSA値の異常を指摘され、その後、泌尿器科を受診して前立腺がんと診断された場合、原則として泌尿器科を初めて受診した日が初診日となります。健康診断そのものは初診日とはみなされません。
ケース2: 前立腺肥大症から前立腺がんへ
前立腺肥大症で治療を受けていた方が、後に前立腺がんと診断された場合、初診日の考え方が複雑になることがあります。
前立腺肥大症と前立腺がんは、医学的には異なる疾患です。しかし、前立腺肥大症の経過観察中に前立腺がんが発見された場合、両者に「相当因果関係」が認められることがあります。相当因果関係とは、「前の病気がなければ後の病気は起こらなかった、または発見されなかった」と認められる関係のことです。
相当因果関係が認められると、前立腺肥大症で最初に医師を受診した日が初診日となります。一方、相当因果関係が認められない場合は、前立腺がんと診断されて初めて受診した日が初診日となります。
この判断は個別のケースによって異なるため、受診状況等証明書を取得する際には、医師にこれまでの経過を詳しく伝えることが重要です。
ケース3: 他の臓器への転移
前立腺がんが骨やリンパ節などに転移した場合、転移先で新たに医師を受診した日ではなく、最初に前立腺がんで医師を受診した日が初診日となります。これは、転移巣も元のがんと相当因果関係が認められるためです。
初診日の証明は、医療機関が発行する「受診状況等証明書」によって行います。初診の医療機関がカルテを保存していない場合や、既に廃院している場合には、2番目以降の医療機関の証明や、診察券、お薬手帳などの資料を用いて証明することもあります。
初診日の確定に不安がある場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。
障害認定日とは
障害認定日は、障害の状態を定める日です。原則として、初診日から1年6ヶ月経過した日が障害認定日となります。
ただし、以下の場合には「障害認定日の特例」として、1年6ヶ月を待たずに障害認定日が到来します。
| 特例に該当する状態 | 障害認定日 |
|---|---|
| 人工肛門造設 | 造設日から6ヶ月経過した日 |
| 新膀胱造設 | 造設日 |
| 尿路変更術 | 施術日から6ヶ月経過した日 |
| 在宅酸素療法 | 開始日 |
| 喉頭全摘出 | 全摘出日 |
前立腺がんのホルモン療法の副作用そのものは、この特例に該当しません。したがって、初診日から1年6ヶ月経過後が障害認定日となります。
申請方法の選択
障害年金の申請方法には、主に2つの方法があります。
認定日請求(本来請求)
障害認定日の時点で障害等級に該当する状態にあった場合、その時点にさかのぼって年金を受給できる申請方法です。障害認定日から3ヶ月以内の診断書が必要です。
認定日請求のメリットは、遡及して年金を受給できることです。例えば、障害認定日から2年後に申請した場合、2年分の年金を遡って受け取ることができます(ただし、時効により5年を超える分は受け取れません)。
事後重症請求
障害認定日の時点では障害等級に該当しなかったが、その後、症状が悪化して障害等級に該当するようになった場合の申請方法です。または、障害認定日から時間が経過してしまい、当時の診断書を取得できない場合にも用いられます。
事後重症請求の場合、年金は申請した月の翌月分から支給されます。遡及はありません。
| 申請方法 | 要件 | 支給開始 | メリット |
|---|---|---|---|
| 認定日請求 | 障害認定日に等級該当 | 障害認定日の翌月から | 遡及受給可能(最大5年) |
| 事後重症請求 | 現在、等級に該当 | 申請月の翌月から | 診断書1枚で済む場合あり |
前立腺がんのホルモン療法を受けている方の場合、治療開始直後よりも、治療が長期化した後の方が副作用による影響が大きくなる傾向があります。そのため、事後重症請求を選択されるケースも多くあります。
ただし、障害認定日の時点で既に日常生活に大きな支障があった場合は、認定日請求を選択することで遡及受給が可能となります。どちらの方法が適しているかは、個々の状況によって異なりますので、専門家に相談して判断することをお勧めします。
障害等級の判定基準
がんの障害等級 1級・2級・3級の目安
障害年金の等級は、1級が最も重く、3級が最も軽い障害です。国民年金の障害基礎年金は1級と2級のみで、3級は厚生年金の障害厚生年金に加入していた方のみが対象となります。
| 等級 | 障害の状態 | がんの場合の目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度 | 終日就床を強いられ、常に介助が必要な状態。活動範囲がベッド周辺に限られる |
| 2級 | 日常生活が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度 | 身のまわりのことはある程度できるが、しばしば介助が必要。日中の50%以上は就床している |
| 3級 | 労働が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度 | 歩行や身のまわりのことはできるが、軽労働はできない。または就労に著しい制限がある |
これらはあくまで目安であり、実際の判定は診断書や申立書の内容を総合的に考慮して行われます。
ホルモン療法副作用による判定のポイント
前立腺がんのホルモン療法による副作用で障害年金を申請する場合、以下のポイントが審査で重視されます。
1. 全身の倦怠感の程度
「疲れやすい」という訴えだけでは、その程度が伝わりにくいものです。診断書や申立書では、具体的に「1日のうち何時間横になっているか」「以前は〇〇ができていたが、今はできない」といった形で、日常生活への影響を詳しく記載することが重要です。
2. ADL(日常生活動作)の制限度
食事、入浴、着替え、トイレ、外出など、日常生活の基本的な動作にどの程度の制限があるかが評価されます。「一人でできるが時間がかかる」「家族の見守りが必要」「介助が必要」など、具体的な状況を伝えることが大切です。
3. 就労への影響
現在働いている方の場合、「フルタイムでの勤務が困難で時短勤務に変更した」「外回りができず内勤に配置転換された」「欠勤が増えた」などの具体的な影響を記載します。既に退職している場合は、退職に至った経緯を詳しく説明します。
4. 骨密度低下・骨折の有無
ホルモン療法による骨密度低下は、前立腺がん治療に特徴的な副作用です。骨密度の数値そのものよりも、「骨折を起こした」「転倒の不安で外出が制限される」「腰痛で歩行困難」といった生活への影響が重視されます。
骨転移や骨折によって歩行困難などの肢体の障害が生じている場合は、「血液・造血器、その他の障害用」の診断書に加えて「肢体の障害用」の診断書を提出することで、併合認定により上位の等級となる可能性があります。
5. 心血管系合併症の有無
ホルモン療法により心血管系のリスクが上昇することが報告されています。高血圧、狭心症、心筋梗塞などの合併症がある場合は、その治療状況や生活への影響も評価の対象となります。
実際の審査で重視される要素
障害年金の審査は、提出された書類のみで行われる「書類審査」です。審査する認定医は申請者本人と会うことはありません。そのため、診断書や病歴・就労状況等申立書に、いかに詳しく、正確に状況を記載するかが重要です。
診断書の記載内容
診断書は医師が作成しますが、医師は短い診察時間の中で患者さんの生活のすべてを把握しているわけではありません。そのため、患者さん自身が日頃の生活の困難さを医師に具体的に伝えることが大切です。
特に「その他の障害」欄には、ホルモン療法の種類、投与期間、副作用の具体的な症状、検査数値(骨密度など)、治療効果や予後などを詳細に記載してもらう必要があります。この欄が空欄に近い状態では、適切な評価を受けられない可能性があります。
病歴・就労状況等申立書
病歴・就労状況等申立書は、申請者本人が作成する書類です。発症から現在までの経過、各時期の症状、日常生活の状況、就労状況などを、時系列で詳しく記載します。
この申立書は、診断書に記載されていない情報を補足する重要な役割を果たします。「診断書には軽く書かれているが、実際にはこれだけ困難がある」ということを、具体的なエピソードを交えて説明することができます。
例えば、「疲労感のため、営業の外回りから内勤に配置転換となった。それでも午後には疲れて集中できなくなり、ミスが増えた。上司からの理解は得られたが、結局、仕事を続けることができず退職した」といった具体的な記載が有効です。
当事務所のサポート内容
前立腺がんのホルモン療法による障害年金申請は、初診日の確認、診断書の種類選択、医師とのコミュニケーション、申立書の作成など、注意すべきポイントが多くあります。当事務所では、このような複雑なケースにも対応しています。
具体的なサポート内容
- 初診日が不明確なケースの調査・証明
- 医師との診断書作成に関する連携サポート(依頼状の作成、記載ポイントのアドバイス)
- 病歴・就労状況等申立書の作成代行
- 不支給決定後の再申請・審査請求
- 神戸・兵庫県内であれば、ご自宅や医療機関への訪問相談も承ります
神戸・兵庫県で多数の申請サポート実績があります。前立腺がんのホルモン療法による副作用で日常生活に支障がある方は、諦めずにご相談ください。
障害年金で受給できる金額
2025年度の障害年金額
障害年金の金額は、加入していた年金制度や障害の等級によって異なります。2025年度(令和7年度)の障害年金額は、前年度から1.9%引き上げられました。
障害基礎年金(国民年金)
| 等級 | 年額 | 月額(目安) |
|---|---|---|
| 1級 | 1,039,625円 | 約86,635円 |
| 2級 | 831,700円 | 約69,308円 |
※昭和31年4月2日以降生まれの方の金額です
子の加算
18歳到達年度の末日までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子がいる場合、以下の加算があります。
- 1人目・2人目:各239,300円
- 3人目以降:各79,800円
障害厚生年金
障害厚生年金は、障害基礎年金に上乗せして支給されます(1級・2級の場合)。金額は、厚生年金の加入期間と加入中の報酬額によって計算される「報酬比例」部分となり、個人によって異なります。
| 等級 | 支給内容 | 最低保障額 |
|---|---|---|
| 1級 | 報酬比例の年金額 × 1.25 + 障害基礎年金1級 | なし |
| 2級 | 報酬比例の年金額 + 障害基礎年金2級 | なし |
| 3級 | 報酬比例の年金額のみ | 623,700円 |
配偶者加給年金額
障害厚生年金1級・2級を受給している方に、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合、239,300円が加算されます。
実際の受給例
具体的な家族構成をもとに、受給額の例を示します。
例1:障害厚生年金2級を受給する会社員(55歳・既婚・子ども2人)
- 障害基礎年金2級:831,700円
- 子の加算(2人):239,300円 × 2 = 478,600円
- 障害厚生年金2級(報酬比例):約600,000円(仮定)
- 配偶者加給年金額:239,300円
- 合計:年額約2,149,600円(月額約179,133円)
例2:障害厚生年金3級を受給する会社員(58歳・既婚・子なし)
- 障害厚生年金3級(報酬比例):約800,000円(仮定)
- 合計:年額約800,000円(月額約66,667円)
※障害厚生年金3級の場合、障害基礎年金は支給されません。また、配偶者加給年金もありません。
例3:障害基礎年金2級を受給する自営業者(52歳・独身)
- 障害基礎年金2級:831,700円
- 合計:年額831,700円(月額約69,308円)
これらの金額はあくまで例示です。特に障害厚生年金の報酬比例部分は、個人の加入期間や報酬額によって大きく異なります。ご自身の受給見込額を知りたい場合は、年金事務所または社会保険労務士にご相談ください。
申請に必要な診断書の選び方
がん用診断書の種類
障害年金の診断書には8種類の様式があり、障害の部位や種類によって使い分けます。がんで障害年金を申請する場合、主に以下の診断書が使用されます。
血液・造血器、その他の障害用(様式第120号の1)
前立腺がんのホルモン療法による全身の倦怠感や衰弱が主な症状の場合、この診断書を使用します。がんの種類、治療内容、副作用の状況、全身状態などを記載します。
肢体の障害用(様式第120号の3)
骨密度低下による骨折、骨転移による歩行困難、下肢のしびれや痛みなど、手足の機能に障害がある場合に使用します。関節の可動域、筋力、歩行能力などを記載します。
その他の障害用診断書
- 呼吸器疾患の障害用:肺転移による呼吸困難がある場合
- 腎疾患・肝疾患の障害用:腎臓や肝臓への転移がある場合
診断書の選択と併用
前立腺がんのホルモン療法による副作用では、「血液・造血器、その他の障害用」の診断書を使用するのが基本です。
ただし、以下のような場合には、複数の診断書を併用することで、より正確に障害の状態を伝えることができます。
併用のメリット
例えば、ホルモン療法の副作用による倦怠感に加えて、骨密度低下による骨折で歩行困難がある場合、「血液・造血器、その他の障害用」と「肢体の障害用」の両方を提出します。
このように複数の障害がある場合、それぞれの障害を個別に評価した上で、「併合認定」という方法で最終的な等級が決定されます。併合認定により、単独の診断書では3級相当でも、併合により2級と認定される可能性があります。
ただし、複数の診断書を作成するには、それぞれの診断書作成料(1通あたり数千円から1万円程度)がかかります。また、医師にとっても負担が大きくなります。
どの診断書を使用するか、併用すべきかどうかの判断は、症状の内容や程度によって異なります。迷う場合は、年金事務所または社会保険労務士に相談することをお勧めします。
診断書作成のポイント
診断書は医師が作成しますが、患者さん自身が日頃の生活状況を医師に詳しく伝えることが重要です。
主治医とのコミュニケーション
医師は診察室での様子しか見ていません。「診察室では普通に受け答えできている」という印象と、「自宅では1日の大半を横になって過ごしている」という実態に、大きなギャップがあることも珍しくありません。
診断書を依頼する際には、以下のような点を具体的に伝えましょう。
- 1日のうち何時間くらい横になっているか
- 家事や買い物はどの程度できているか(できていないか)
- 仕事にどのような支障が出ているか
- 家族からどのような介助を受けているか
- 以前はできていたが今はできないことは何か
これらの情報をメモにまとめて、診察時に医師に渡すのも有効な方法です。
「その他の障害」欄の重要性
診断書の「その他の障害」欄には、治療内容や副作用の詳細を記載します。この欄が空欄に近いと、審査する側は状況を十分に把握できません。
- ホルモン療法の種類(薬剤名)
- 投与開始時期と投与間隔
- 主な副作用(倦怠感、骨密度低下、心血管系への影響など)
- 骨密度の検査数値
- 心血管系の検査結果
- 治療効果や今後の見通し
これらの情報を詳しく記載してもらうよう、医師にお願いすることが大切です。
診断書作成後のチェック
医師から診断書を受け取ったら、必ず内容を確認しましょう。以下のような点をチェックします。
- 日常生活の制限度が実態より軽く書かれていないか
- 「その他の障害」欄が十分に記載されているか
- 数値の記入ミスはないか
- 記入漏れの項目はないか
もし実態と異なる記載や記入不足があれば、再度医師に相談し、修正をお願いします。一度提出してしまうと、修正は困難になります。
障害年金申請の流れ
障害年金の申請は、以下のステップで進めます。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 初診日の確認 | 受診状況等証明書の取得、カルテの保存状況確認 |
| 2 | 年金事務所での相談 | 受給要件の確認、必要書類の説明 |
| 3 | 診断書の依頼 | 主治医への依頼、記載内容の確認 |
| 4 | 病歴・就労状況等申立書の作成 | 発症から現在までの経緯を詳細に記載 |
| 5 | 書類一式の提出 | 年金事務所へ提出、不備がないか確認 |
| 6 | 審査 | 通常3〜4ヶ月、結果通知を待つ |
ステップ1:初診日の確認
まず、前立腺がんで初めて医師の診察を受けた日(初診日)を確認します。この日に加入していた年金制度によって、受給できる障害年金の種類が決まります。
初診の医療機関に「受診状況等証明書」を依頼します。カルテの保存期間(通常5年)を過ぎている場合や、既に廃院している場合は、次に受診した医療機関に証明書を依頼するか、診察券やお薬手帳などの資料で証明することになります。
ステップ2:年金事務所での相談
必要書類が揃う前でも、年金事務所で相談することができます。初診日や保険料納付状況を確認し、受給要件を満たしているかを確認します。
年金事務所では、必要な書類の一覧や記入例を受け取ることができます。予約制の場合が多いので、事前に電話で確認してください。
ステップ3:診断書の依頼
主治医に診断書の作成を依頼します。診断書の用紙は年金事務所で入手できます。前立腺がんのホルモン療法の場合、通常は「血液・造血器、その他の障害用」の診断書を使用します。
診断書の作成には、通常2週間から1ヶ月程度かかります。医療機関によっては、さらに時間がかかる場合もあります。
診断書を依頼する際には、日頃の生活状況を詳しく伝えることが重要です。メモを用意して渡すのも良い方法です。
ステップ4:病歴・就労状況等申立書の作成
病歴・就労状況等申立書は、申請者本人が作成する書類です。発症から現在までの経過を、時系列で詳しく記載します。
記載する内容:
- 発症の経緯(PSA値上昇の指摘、診断に至った経緯など)
- 各時期の症状(ホルモン療法開始後の副作用の推移)
- 治療内容(薬剤名、投与間隔、治療効果)
- 日常生活の状況(各時期にどのような制限があったか)
- 就労状況(配置転換、勤務時間の短縮、休職、退職の経緯)
この申立書は、診断書では伝えきれない生活の困難さを具体的に説明する重要な書類です。「〇〇ができなくなった」という事実だけでなく、「以前は〇〇ができていたが、ホルモン療法開始後、副作用で〇〇ができなくなり、その結果〇〇に至った」という因果関係を明確に記載することが重要です。
ステップ5:書類一式の提出
以下の書類を揃えて、年金事務所に提出します。
- 年金請求書
- 診断書
- 受診状況等証明書(初診の証明)
- 病歴・就労状況等申立書
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 戸籍謄本、住民票(配偶者や子がいる場合)
- 所得証明書(20歳前に初診日がある場合)
- 銀行の通帳コピー(年金の振込先)
提出前に、記入漏れや添付書類の不足がないか、しっかり確認しましょう。
ステップ6:審査・結果通知
書類を提出すると、日本年金機構で審査が行われます。通常、3〜4ヶ月程度で結果が通知されます。
審査の結果、以下のいずれかの通知が届きます。
- 支給決定:障害年金が支給されます。年金証書と支給額が記載された通知が届きます。
- 不支給決定:残念ながら障害年金は支給されません。不支給の理由が記載されています。
- 却下:受給要件(初診日要件、保険料納付要件)を満たしていないため、審査されませんでした。
不支給または却下の場合でも、「審査請求」という不服申立てをすることができます。また、症状が悪化した段階で再度申請することも可能です。
申請時の注意点
初診日証明の難しさ
初診から長期間経過している場合、カルテが廃棄されていて受診状況等証明書を取得できないことがあります。この場合、2番目以降の医療機関の証明書や、診察券、お薬手帳、領収書などの資料で初診日を推定することになります。
初診日の証明が困難なケースでは、早めに専門家に相談することをお勧めします。
診断書の記載不足に注意
医師が作成した診断書の内容が、実態より軽く記載されていることがあります。必ず内容を確認し、実態と異なる場合や記載不足がある場合は、提出前に医師に修正をお願いしてください。
申立書での生活状況の詳述
病歴・就労状況等申立書は、ご自身で作成する重要な書類です。「疲れやすい」という表現だけでなく、「午後には疲れて横にならなければ過ごせない」「以前は休日に家族と外出していたが、今は自宅で休んでいるだけ」など、具体的なエピソードを含めて記載しましょう。
前立腺がんホルモン療法による障害年金の受給事例
当事務所で実際にサポートし、障害年金の受給に結びついた事例をご紹介します。個人情報保護のため、内容を一部変更しています。
【事例1:シンプルなケース】障害厚生年金3級を受給
■ 背景
田中さん(仮名・58歳・男性)は、3年前にPSA値の上昇で前立腺がんと診断されました。診断時のステージはⅡで、手術ではなくホルモン療法を選択しました。LH-RHアゴニストの注射を3ヶ月ごとに受けています。
会社員として営業職に就いていましたが、ホルモン療法開始後、ホットフラッシュと全身の倦怠感が強く出るようになりました。外回りの営業が困難となり、内勤に配置転換してもらいましたが、それでも午後には疲れて集中できなくなることが増えました。
骨密度検査では骨粗鬆症と診断され、腰痛も出現しました。長時間の座位保持が困難で、仕事に支障が出るようになりました。
■ 困難だった点
田中さんは「がんでも障害年金がもらえる」ということを知らず、経済的な不安を抱えながら我慢していました。たまたま職場の同僚から障害年金の話を聞き、当事務所にご相談いただきました。
初診日の確認では、最初にPSA値の異常を指摘した健康診断ではなく、その後に受診した泌尿器科の初診日が正しい初診日であることを確認しました。
また、主治医に診断書を依頼する際、日常生活の困難さをどう伝えるかが課題でした。診察室では普通に受け答えできるため、医師は生活の困難さを十分に把握していない可能性がありました。
■ サポート内容
当事務所では、まず初診日の確認を行い、受診状況等証明書を取得しました。厚生年金に加入中の初診日であることが確認できたため、障害厚生年金の申請が可能でした。
診断書作成にあたっては、主治医への依頼状を作成し、ホルモン療法の副作用による日常生活の制限について、具体的な記載をお願いしました。田中さんには、普段の生活状況をメモにまとめていただき、診察時に医師に渡していただきました。
病歴・就労状況等申立書では、ホルモン療法開始前は営業の仕事をこなせていたこと、開始後に副作用が出現して配置転換に至ったこと、内勤でも支障が出ていることを、時系列で詳しく記載しました。
■ 結果
障害厚生年金3級の認定を受けることができました。年額約90万円(月額約7万5千円)の年金を受給できることになりました。
田中さんは現在も仕事を続けていますが、障害年金があることで経済的な不安が軽減し、無理をせずに体調に合わせて働けるようになったとおっしゃっています。
■ ご本人の声
「がんの治療中でも障害年金がもらえるとは知りませんでした。専門家に相談して、本当に良かったです。年金があることで、治療に専念しながら無理のない働き方ができるようになりました。」
※個人情報保護のため、内容を一部変更しています。
【事例2:複雑なケース】障害厚生年金2級を受給
■ 背景
佐藤さん(仮名・62歳・男性)は、約8年前に前立腺肥大症で泌尿器科を受診し、経過観察を受けていました。5年前にPSA値が急上昇し、生検の結果、前立腺がんと診断されました。
診断時には既に骨転移がありステージⅣで、ホルモン療法を開始しました。治療開始から3年ほどは副作用を我慢しながら仕事を続けていましたが、次第に倦怠感が強くなり、4年前に退職しました。
ホルモン療法の長期化により骨密度が著しく低下し、1年前に腰椎圧迫骨折を起こしました。それ以降、歩行が困難となり、杖が必要な状態です。また、心血管系の合併症として高血圧と狭心症も発症し、日常生活の多くの場面で妻の介助が必要となりました。
■ 困難だった点
佐藤さんのケースでは、初診日の確認が最大の課題でした。前立腺肥大症で最初に受診した日と、前立腺がんと診断された日のどちらが初診日になるのか、判断が必要でした。
前立腺肥大症と前立腺がんは医学的には別の疾患ですが、前立腺肥大症の経過観察中にがんが発見されたという経緯から、相当因果関係が認められる可能性がありました。もし前立腺肥大症の初診日が認められれば、より長期間の遡及受給が可能となります。
また、佐藤さんは複数の障害(ホルモン療法の副作用による全身衰弱、骨折による歩行困難、心血管系合併症)を抱えており、どの診断書を使用するか、併用するかの判断が必要でした。
■ サポート内容
当事務所では、まず前立腺肥大症で初めて受診した医療機関に受診状況等証明書を依頼しました。診断書には「前立腺肥大症の経過観察中に前立腺がんが発見された」との記載があり、相当因果関係が認められる可能性が高いと判断しました。
診断書は、「血液・造血器、その他の障害用」と「肢体の障害用」の2種類を作成しました。前者ではホルモン療法の副作用による全身の衰弱と心血管系合併症を、後者では骨折による歩行困難を詳しく記載していただきました。
病歴・就労状況等申立書では、前立腺肥大症から前立腺がんに至った経緯、ホルモン療法開始後の副作用の推移、骨折に至った経緯、現在の日常生活の状況を、時系列で詳細に記載しました。妻の介助内容についても具体的に記載しました。
■ 結果
前立腺肥大症の初診日が認められ、障害厚生年金2級の認定を受けることができました。2つの診断書による併合認定が功を奏した形です。
年額約150万円(月額約12万5千円)の年金を受給でき、また、障害認定日からの遡及分として約200万円を一時金で受け取ることができました。
■ ご本人の声
「初診日がいつになるかで迷いましたが、専門家に相談して良かったです。諦めずに申請した結果、生活の不安が大きく軽減しました。妻への負担も減り、安心して治療を続けられます。」
※個人情報保護のため、内容を一部変更しています。
【事例3:不支給から再申請で成功】障害厚生年金3級を受給
■ 背景
鈴木さん(仮名・54歳・男性)は、4年前に前立腺がんと診断され、ホルモン療法を開始しました。会社員として事務職に就いていましたが、倦怠感と集中力の低下で仕事に支障が出るようになりました。
2年前に障害年金を自分で申請しましたが、不支給という結果でした。その後も症状は改善せず、むしろ悪化していると感じていましたが、「一度不支給になったからもう無理だ」と諦めていました。
当事務所のホームページを見て、「不支給でも再申請できる」ことを知り、ご相談いただきました。
■ 困難だった点
前回の申請が不支給となった理由を分析したところ、以下の問題点が見つかりました。
- 診断書の「その他の障害」欄がほとんど空欄で、ホルモン療法の副作用の詳細が記載されていなかった
- 日常生活の制限度が実態より軽く記載されていた(「ほぼ支障なし」との記載)
- 病歴・就労状況等申立書が簡略で、具体的な生活の困難さが伝わらなかった
鈴木さんは診察室では普通に受け答えでき、外見上は大きな問題がないように見えたため、医師も生活の困難さを十分に把握していませんでした。
■ サポート内容
再申請にあたり、当事務所では以下のサポートを行いました。
まず、鈴木さんの普段の生活状況を詳しくヒアリングしました。1日のタイムスケジュール、できること・できないこと、家族の介助内容などを整理しました。
診断書作成の前に、主治医への依頼状を作成しました。依頼状には、前回の診断書の問題点と、今回重点的に記載してほしい内容(ホルモン療法の種類と投与期間、副作用の詳細、日常生活への具体的な影響など)を明記しました。
鈴木さんには、普段の生活状況を詳しくまとめたメモを作成していただき、診察時に医師に渡していただきました。また、妻にも同行してもらい、家での様子を医師に説明してもらいました。
病歴・就労状況等申立書は、当事務所で作成代行しました。ホルモン療法開始前後での生活の変化、仕事への影響、現在の1日の過ごし方を、具体的なエピソードを交えて詳しく記載しました。
■ 結果
再申請の結果、障害厚生年金3級の認定を受けることができました。年額約80万円(月額約6万7千円)の年金を受給できることになりました。
鈴木さんは「諦めなくて本当に良かった。専門家のサポートがあったからこそ、再申請に成功できました」とおっしゃっています。
■ ご本人の声
「一度不支給になって諦めかけていましたが、専門家に相談して道が開けました。診断書の書き方一つで結果が変わることを実感しました。今は経済的な不安が軽減し、治療に専念できています。」
※個人情報保護のため、内容を一部変更しています。
よくある質問
Q1:前立腺がんのホルモン療法の副作用だけでも障害年金はもらえますか?
A1:はい、可能です。
がんそのものによる障害だけでなく、がん治療の副作用による全身の衰弱や機能障害も、障害年金制度では評価の対象とされています。前立腺がんのホルモン療法による倦怠感、骨密度低下、心血管系への影響などで、日常生活や就労に支障が出ている場合は、障害年金の対象となる可能性があります。
重要なのは「がんのステージ」ではなく、「副作用によって日常生活にどの程度の支障があるか」です。診断書や病歴・就労状況等申立書で、生活の困難さを具体的に伝えることが大切です。
Q2:治療中でも申請できますか?
A2:申請可能です。
障害年金は、原則として初診日から1年6ヶ月経過後(障害認定日)から申請できます。治療を続けている最中でも、障害認定日を過ぎていれば申請可能です。
「治療が終わってから」と考える必要はありません。むしろ、治療中で副作用が強く出ている時期の方が、日常生活への影響が大きいため、障害年金の対象となりやすい場合もあります。
ホルモン療法は長期間継続されることが多いため、「治療が終わるまで待つ」と、いつまでも申請できないことになってしまいます。副作用で生活に支障が出ているのであれば、治療継続中でも申請を検討してください。
Q3:働きながらでも受給できますか?
A3:受給可能です。
障害年金を受給するために、必ずしも仕事を辞める必要はありません。働きながらでも、仕事の内容や勤務時間に制限があり、職場からの配慮を受けながら就労している場合は、障害年金の対象となる可能性があります。
例えば、以下のような場合は、障害厚生年金3級の可能性があります。
- フルタイム勤務から時短勤務に変更した
- 営業職から内勤に配置転換された
- 軽易な業務のみに従事している
- 頻繁に休憩が必要で、職場の理解と配慮を受けている
ただし、フルタイムで通常の業務を問題なくこなせている場合は、障害年金の対象とはなりません。あくまで「就労に著しい制限がある」状態であることが必要です。
Q4:初診日はいつになりますか?
A4:前立腺がんで初めて医師の診察を受けた日が初診日となります。
具体的には、以下のような日が初診日となる可能性があります。
- PSA値の異常で泌尿器科を初めて受診した日
- 健康診断で異常を指摘され、精密検査のために泌尿器科を受診した日
健康診断そのものは初診日とはみなされません。健康診断後に医療機関を受診した日が初診日となります。
ただし、前立腺肥大症で治療を受けていた方が後に前立腺がんと診断された場合は、両者の関係によって初診日が異なる可能性があります。詳しくは「前立腺がんにおける初診日の考え方」のセクションをご参照ください。
Q5:申請してから結果が出るまでどのくらいかかりますか?
A5:通常3〜4ヶ月程度かかります。
書類を年金事務所に提出してから、審査結果の通知が届くまで、通常3〜4ヶ月程度かかります。ただし、審査が混み合っている時期や、追加資料の提出を求められた場合などは、さらに時間がかかることがあります。
結果の通知が届くまでの間、審査の進捗状況を確認することはできません。気長に待つ必要があります。
Q6:不支給になった場合はどうすればいいですか?
A6:審査請求または再申請を検討します。
不支給の決定に納得できない場合は、「審査請求」という不服申立てをすることができます。審査請求は、不支給決定の通知が届いてから3ヶ月以内に行う必要があります。
審査請求では、不支給となった理由を踏まえて、新たな医学的資料や生活状況の資料を追加提出します。審査請求でも不支給となった場合は、さらに「再審査請求」をすることもできます。
また、症状が悪化した段階で、改めて「事後重症請求」として再申請することも可能です。
不支給となった場合の対応は、不支給の理由や現在の症状によって異なります。専門家に相談して、最適な方法を検討することをお勧めします。
Q7:神戸・兵庫県で相談できる専門家はいますか?
A7:当事務所は神戸・兵庫県で障害年金申請をサポートしています。
清水総合法務事務所は、神戸市須磨区にあり、障害年金申請を専門とする社会保険労務士事務所です。前立腺がんを含む、がんによる障害年金申請のサポート実績が多数あります。
初回のご相談は無料で承っております。お電話、メール、お問い合わせフォームのいずれでもご連絡いただけます。神戸・兵庫県内であれば、ご自宅や医療機関への訪問相談も可能です。
まずはお気軽にご相談ください。「諦めない障害年金」─あなたの権利を、私たちと一緒に守りましょう。
まとめと次のステップ
この記事では、前立腺がんのホルモン療法による副作用と障害年金について、詳しく解説してきました。重要なポイントを振り返りましょう。
- ホルモン療法の副作用は障害年金の対象:倦怠感、骨密度低下、心血管系リスクなどの副作用で日常生活に支障がある場合、障害年金を受給できる可能性があります
- 治療中でも申請可能:治療を続けながらでも、初診日から1年6ヶ月経過後であれば申請できます
- 初診日の確認が重要:前立腺がんで初めて医師を受診した日を正確に確認しましょう。前立腺肥大症からの移行の場合は特に注意が必要です
- 診断書と申立書が審査の鍵:医師が作成する診断書と、ご自身で作成する病歴・就労状況等申立書で、生活の困難さを具体的に伝えることが重要です
- 働きながらでも受給可能:仕事を辞める必要はありません。就労に制限がある状態であれば、受給できる可能性があります
前立腺がんのホルモン療法は、がんの進行を抑える有効な治療法です。しかし、副作用により日常生活や仕事に大きな影響が出ることも事実です。経済的な不安を抱えながら治療を続けるのは、大きなストレスとなります。
障害年金は、あなたが支払ってきた年金保険料に基づく、当然の権利です。条件を満たしていれば、遠慮なく申請してください。
ただし、障害年金の申請は複雑で、注意すべきポイントが多くあります。ご自身での申請が難しいと感じた場合は、専門家である社会保険労務士にサポートを依頼することも一つの方法です。
まずは無料相談から、一歩を踏み出しましょう
前立腺がんのホルモン療法による副作用での障害年金申請は、専門的な知識と経験が必要です。当事務所では、初回相談を無料で承っております。
お問い合わせ方法
- お電話:050-7124-5884(平日9:00〜17:00)
- メール:mail@srkobe.com(24時間受付)
- お問い合わせフォーム:こちらから(24時間受付)
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