障害年金の更新通知が届いて、不安な気持ちになっていませんか。「このまま年金がもらえなくなったらどうしよう」「症状をどう伝えればいいのか分からない」「診断書の内容で本当に大丈夫だろうか」。統合失調症で障害年金を受給されている方の多くが、更新時期に同じような不安を抱えています。
更新時、こんな不安を感じていませんか?
- ☑ 日本年金機構から更新の通知が届いて焦っている
- ☑ 症状が少し良くなったように感じるが、支給停止されないか心配
- ☑ 働いているので「回復した」と判断されるのではないか不安
- ☑ 医師に日常生活の困難さをうまく伝えられていない
- ☑ 診断書の内容をどうチェックすればいいか分からない
- ☑ 提出期限が迫っているが、何から手をつければいいのか
この記事では、神戸で障害年金申請を専門にサポートする社会保険労務士が、統合失調症の障害年金更新について、支給停止を防ぐための具体的な準備と対策をお伝えします。更新手続きの流れから診断書のチェックポイント、医師への症状の伝え方まで、実践的な内容を分かりやすく解説していきます。
諦めずに、安心して更新を迎えられるよう、一緒に準備を進めていきましょう。
障害年金の更新制度とは|有期認定と永久認定の違い
障害年金の受給が決定すると、多くの方は定期的な更新手続きが必要になります。まずは、更新制度の基本的な仕組みを理解しておきましょう。
有期認定と永久認定
障害年金には「有期認定」と「永久認定」の2つの認定方法があります。有期認定とは、一定期間ごとに障害の状態を確認する必要がある認定方法です。一方、永久認定は症状が固定しており今後改善の見込みがないと判断された場合に適用され、更新手続きが不要になります。
統合失調症を含む精神疾患の場合、症状の変動や治療による改善の可能性が考えられるため、ほとんどのケースで有期認定となります。有期認定の期間は通常1年から5年の範囲で設定され、精神疾患では1年から2年という比較的短い期間で更新が求められることが多いです。
| 認定方法 | 更新の有無 | 対象となる傾向 |
|---|---|---|
| 有期認定 | 1〜5年ごとに必要 | 統合失調症などの精神疾患、症状の変動がある傷病 |
| 永久認定 | 不要(一生涯受給) | 症状が完全に固定し改善の見込みがない場合(精神疾患では稀) |
更新時期の確認方法
自分の更新時期は、障害年金の受給決定時に送られてくる「年金証書」または「年金決定通知書」で確認できます。書類の「次回診断書提出年月」という欄に記載されている年月が、あなたの更新月です。
更新月の3か月前になると、日本年金機構から「障害状態確認届(診断書)」が送られてきます。この診断書を医師に記入してもらい、誕生月の末日までに提出する必要があります。20歳前障害による障害基礎年金を受給している方は、毎年7月31日が提出期限となります。
診断書の提出が期限に遅れた場合、障害年金の支払いが一時停止されます。期限を過ぎて提出した場合でも、審査に通れば支給は再開されますが、再開までに1〜2か月かかることがあります。生活に支障が出ないよう、余裕を持って準備することが大切です。
更新審査の結果パターン
提出した診断書に基づいて審査が行われ、その結果は診断書提出から約3か月後に通知されます。審査結果には次のようなパターンがあります。
①等級変更なし(継続)
障害の程度に変化がないと判断され、従前の等級で引き続き受給できます。「次回診断書提出年月日のお知らせ」というハガキが届き、次回の更新時期が記載されています。
②等級変更(増額・減額)
障害の程度が軽くなった、または重くなったと判断され、等級が変更されます。「年金決定通知書・支給額変更通知書」が届き、新しい年金額が記載されています。
③支給停止
障害の程度が等級に該当しないほど軽快したと判断された場合、年金の支給が停止されます。ただし、その後症状が悪化した場合は「支給停止事由消滅届」を提出することで、支給再開を申請できます。
統合失調症の場合、症状の経過を十分に考慮して審査されることが認定基準に明記されています。罹病後数年から十数年の経過中に症状の好転を見ることもあれば、急激に増悪することもあるため、発病時からの療養及び症状の経過が重視されます。
統合失調症の障害認定基準|更新時に重視されるポイント
更新審査では、統合失調症の障害認定基準に基づいて、現在の障害の程度が評価されます。認定基準を理解しておくことで、医師に症状を正確に伝え、適切な診断書を作成してもらうことができます。
精神障害の等級判定の基本
統合失調症を含む精神疾患の障害年金は、「日常生活や労働にどの程度制限があるか」という観点から等級が判定されます。具体的には、障害基礎年金では1級と2級、障害厚生年金では1級から3級までの等級があります。
| 等級 | 障害の程度 | 令和7年度の年金額(月額) |
|---|---|---|
| 1級 | 日常生活の用を弁ずることができない程度 (常時援助が必要) |
約86,600円 |
| 2級 | 日常生活が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする程度 (必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度) |
約69,300円 |
| 3級 (厚生年金のみ) |
労働が著しい制限を受けるか、労働に著しい制限を加えることを必要とする程度 (日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある程度) |
報酬比例額 (最低保障622,000円/年) |
※上記金額は障害基礎年金のみの場合です。障害厚生年金の場合は報酬比例部分が加算されます。
精神の障害に係る等級判定ガイドライン
統合失調症の等級判定では、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が活用されています。このガイドラインでは、診断書に記載される「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」に応じて、等級の目安が定められています。
日常生活能力の判定(7項目)
次の7つの項目について、それぞれ「できる」「自発的にできるがときに助言や指導を必要とする」「自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる」「助言や指導をしてもできない若しくは行わない」の4段階で評価されます。
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び対人関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
日常生活能力の程度(5段階評価)
全体的な日常生活能力の程度を、次の5段階で評価します。
- (1)精神障害を認めるが、社会生活は普通にできる
- (2)精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である
- (3)精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である
- (4)精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である
- (5)精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である
一般的に、日常生活能力の程度が(4)または(5)であれば1級相当、(3)であれば2級相当、(2)であれば3級相当とされています。ただし、これはあくまで目安であり、日常生活能力の判定の状況や就労状況、治療経過なども総合的に考慮されます。
統合失調症特有の評価ポイント
統合失調症の認定では、残遺状態の程度が特に重要視されます。残遺状態とは、急性期の症状が落ち着いた後に残る、意欲の低下・感情の鈍麻・自閉などの陰性症状を指します。
幻覚や妄想などの陽性症状が治療によって改善していても、残遺状態により日常生活や労働に制限がある場合は、障害年金の対象となります。更新時の審査でも、この残遺状態による生活上の制限が正確に伝わっているかが重要なポイントです。
認定基準には「現に仕事に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えない」と明記されています。就労していても、援助を受けながらの勤務であったり、配慮された環境での就労であったりする場合、その実態を診断書に記載してもらうことが大切です。
更新手続きの具体的な流れ|支給停止を防ぐための対策
更新手続きをスムーズに進め、支給停止を防ぐためには、計画的な準備が欠かせません。ここでは具体的な手順と、各段階での注意点をお伝えします。
日本年金機構から「障害状態確認届(診断書)」が送られてきます。同封の診断書用紙を確認し、提出期限(誕生月の末日)を把握しましょう。
診断書が届いたら、できるだけ早く主治医に診断書作成の依頼をしましょう。医療機関によっては作成に2週間から1か月かかることもあります。期限ギリギリにならないよう、余裕を持って予約してください。
診察の際に症状を正確に伝えられるよう、日常生活での困りごとをメモしておきましょう。良い日と悪い日の状態、服薬の状況、生活上で援助を受けていることなどを具体的に記録します。
主治医の診察時に、用意したメモをもとに症状を具体的に伝えます。「調子はどうですか」と聞かれて「大丈夫です」と答えてしまうと、実際より軽く評価される可能性があります。辛い症状や生活上の困難は遠慮せず伝えましょう。
診断書が完成したら、提出前に必ず内容を確認してください。日常生活能力の判定や程度の評価が、実際の生活状況と合っているか、具体的なエピソードが記載されているかをチェックします。
内容に納得できたら、年金事務所または年金相談センターに提出します。郵送の場合は、期限に余裕を持って発送しましょう。控えのコピーを取っておくことをお勧めします。
医師に症状を正確に伝えるコツ
更新時に支給停止となる大きな理由の一つが、「医師に症状の実態が正確に伝わっていない」ことです。統合失調症の場合、病識が乏しかったり、医師の前では症状を隠してしまったりすることもあります。
1. 症状の波を説明する
「今日の診察時は調子が良いですが、先週は幻聴がひどく外出できませんでした」など、調子の良い時と悪い時の両方を伝えます。
2. 日常生活の具体例を挙げる
「入浴が週に1回しかできない」「外出時は家族の付き添いが必要」「金銭管理は家族に任せている」など、具体的な生活状況を説明します。
3. 残遺状態の影響を強調する
「意欲が低下して家事ができない」「人と会うのが怖くて引きこもりがち」「感情が動かず、喜びを感じられない」など、陰性症状による生活への影響を伝えます。
4. 就労時の配慮や援助を説明する
働いている場合は、「短時間勤務で配慮を受けている」「ジョブコーチの支援を受けながら働いている」「体調不良で欠勤が多い」など、実態を詳しく伝えます。
5. 家族からの情報提供も活用する
可能であれば、家族に同席してもらい、客観的な生活状況を医師に伝えてもらうことも有効です。
診断書の内容チェックポイント
診断書を受け取ったら、提出前に次の点を確認しましょう。
- 日常生活能力の判定が、実際の生活状況と合っているか
- 日常生活能力の程度の評価が適切か
- 日常生活状況の欄に、具体的なエピソードが記載されているか
- 症状の経過や変動について説明されているか
- 治療内容(服薬、通院頻度、リハビリなど)が正確に記載されているか
- 就労している場合、配慮や援助の内容が記載されているか
もし実際の状況と大きく異なる記載があった場合は、医師に相談して修正をお願いすることも可能です。ただし、提出期限が迫っている場合は、まず提出を優先し、不服がある場合は審査請求という手続きもあります。
更新手続きでお困りの方へ
統合失調症の障害年金更新について、診断書の内容確認や医師への伝え方でお悩みの方は、神戸の専門家にご相談ください。「諦めない障害年金」のサポートで、安心して更新を迎えましょう。
更新の実例|同じ悩みを抱えた方々の体験談
実際の更新事例を詳しくご紹介します。それぞれ異なる状況でも、適切な対応により継続受給できた経緯を、ご本人やご家族の心情も含めてお伝えします。個人情報保護のため内容は一部変更していますが、すべて実際の事例に基づいています。
【発症から受給まで】
Aさんは25歳の時に統合失調症を発症しました。大学卒業後に就職した会社で、突然「上司が自分を監視している」という被害妄想が現れ、幻聴も頻繁に聞こえるようになりました。実家に戻り、両親の介助を受けながら治療を続け、初診日から1年6か月後に障害基礎年金2級を受給。当時は服薬と通院を続けながら、ほとんど外出できない日々でした。
【初回更新時の状況】
受給開始から2年後、初めての更新を迎えました。この2年間、薬物療法が比較的うまくいき、幻聴の頻度は減少。医師からも「症状は安定していますね」と言われていました。Aさん自身も「調子が良くなってきた」と感じており、診察でもその旨を正直に伝えました。
しかし、ここに落とし穴がありました。確かに陽性症状(幻聴・妄想)は軽減していましたが、陰性症状(意欲低下・感情の鈍麻)は継続していました。朝起きられず、入浴も週1回程度。食事の準備は母親が行い、金銭管理も任せきり。人と会うのが怖く、買い物も一人ではできません。
診断書には「症状は改善傾向」と記載され、日常生活能力の程度は「(2)家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要」と評価されてしまいました。実際には家庭内でも多くの援助が必要だったのですが、それが医師に十分伝わっていませんでした。
【支給停止の通知】
3か月後、「支給停止」の通知が届きました。Aさんとご家族は大きなショックを受けました。「これからどうやって生活すればいいのか」「自分の伝え方が悪かったのか」と自責の念にかられ、数日間眠れない日が続きました。
【症状の悪化と再申請の決意】
支給停止から3か月後、予期せぬ出来事が起きました。Aさんを長年支えてきた母親が体調を崩し、入院することになったのです。母親がいない生活で、Aさんは極度のストレスにさらされました。
環境の変化に対応できず、症状が急激に悪化。幻聴が再び頻繁に聞こえるようになり、「母が死んだのは自分のせいだ」という罪業妄想も出現しました。自室に引きこもり、食事もほとんど摂らなくなり、父親が見かねて通院に付き添いました。
主治医は状況を深刻に受け止め、「支給停止事由消滅届を提出しましょう」と提案してくれました。この時、Aさんの父親は当事務所にご相談くださいました。
【当事務所のサポート内容】
私たちはまず、Aさんとご家族から詳しく日常生活の状況を聞き取りました。そして、以下の資料を作成しました。
- 支給停止前後の生活状況比較表
- 1日のタイムスケジュールと家族の援助内容
- 症状の変化を時系列で整理した経過表
- 医師への情報提供書(具体的な生活状況と困りごとをまとめたもの)
診察では父親に同席していただき、客観的な生活状況を医師に伝えました。医師は「前回の診断書で、日常生活の実態が十分に反映されていなかった」ことを理解し、今回は詳細な記載をしてくださいました。
診断書には、症状の再燃だけでなく、もともと継続していた陰性症状による生活への影響、家族の援助なしでは日常生活が送れない実態が具体的に記載されました。
【Aさんの言葉】
「支給停止の通知を受けた時は、人生が終わったような気持ちでした。でも、症状が悪化して苦しかった時期に、『もう一度申請できる』と知って希望が持てました。専門家のサポートを受けて、自分の本当の状態を正確に伝えることの大切さを学びました。同じように悩んでいる方には、諦めないでほしいと伝えたいです」
【この事例から学べること】
- 陽性症状が軽減しても、陰性症状による生活への影響を正確に伝えることが重要
- 「調子が良い」という主観的な感覚だけでなく、具体的な生活状況を説明する
- 支給停止になっても、症状が悪化したら再申請できる
- 家族の協力と、専門家のサポートを活用することが有効
【Bさんの背景】
Bさんは大学2年生の時に統合失調症を発症しました。「クラスメイトが自分の悪口を言っている」という被害妄想から始まり、授業に出られなくなって休学。その後、入退院を繰り返しながら治療を続け、26歳の時に障害基礎年金2級を受給しました。
現在は実家で両親と同居。服薬を続けながら、症状は比較的安定しています。ただし、陰性症状による意欲低下や感情の鈍麻は継続しており、一人暮らしは困難な状態です。
【就労への挑戦】
受給開始から3年が経ち、Bさんは「社会とつながりたい」「何か役に立ちたい」という気持ちが芽生えました。主治医と相談の上、就労移行支援を利用することに。約1年間のトレーニングを経て、就労継続支援A型事業所での勤務を始めました。
勤務内容は軽作業(部品の検品・梱包)で、週3日、1日4時間の短時間勤務です。ジョブコーチの支援を受けながら、自分のペースで働いています。月収は約3万円ほどです。
【更新時の大きな不安】
働き始めて半年後、更新の通知が届きました。Bさんは大きな不安に襲われました。「働いているから、もう障害年金はもらえないんじゃないか」「支給停止になったら、障害年金がないと生活できない」。
実際、Bさんの生活は決して楽ではありませんでした。週3日の勤務ですが、働いた日は帰宅後すぐに疲れて横になり、夕食も食べられないことがあります。翌日は心身の疲労で起きられず、家から一歩も出られない日も。人との会話も最小限で、「疲れる」「ストレスがたまる」という感覚が常にありました。
日常生活も一人では困難です。朝は母親に起こしてもらい、食事の準備も母親が担当。服薬管理も母親が声をかけないと忘れてしまいます。金銭管理は完全に両親に任せており、通帳もキャッシュカードも持っていません。
【更新の準備と対策】
Bさんは当事務所に相談に来られました。「働いているから支給停止になるのでは」という不安で、表情も暗く、声も小さくなっていました。
私たちは、まずBさんに「働いていること自体は支給停止の理由にならない」ことを説明しました。重要なのは「どのような環境で、どのような配慮を受けて働いているか」「日常生活にどの程度制限があるか」です。
そして、以下の準備を一緒に行いました。
1. 就労状況の整理
- 就労継続支援A型という福祉的就労である点
- 週3日、1日4時間の短時間勤務である点
- ジョブコーチの支援内容(作業の声かけ、休憩の促し、コミュニケーションのサポート)
- 体調不良による欠勤の頻度(月に2〜3回)
- 対人関係のストレスで疲弊しやすい点
- 一般就労は困難である理由
2. 日常生活状況の具体化
- 1日のスケジュールと家族の援助内容
- 勤務日と非勤務日の生活の違い
- 残遺状態(意欲低下・感情鈍麻)による影響
- 金銭管理、服薬管理の実態
3. 医師への情報提供資料作成
上記の内容を整理し、A4用紙2枚にまとめました。就労継続支援A型の事業所からも、Bさんの勤務状況と配慮内容を記載した書面を発行してもらいました。
【診察当日】
Bさんは母親と一緒に診察を受けました。用意した資料を医師に提出し、母親からも客観的な生活状況を説明してもらいました。
医師は資料をじっくり読み、「働いていることは良いことだけど、これは一般就労ではないですね。日常生活でも多くの援助が必要な状態が続いているのがわかります」と理解を示してくれました。
診断書には、次のような内容が記載されました。
- 就労継続支援A型での週3日・1日4時間の短時間勤務
- ジョブコーチの支援を受けながらの就労
- 体調不良による欠勤が月2〜3回
- 残遺状態(意欲低下・感情鈍麻)が継続
- 日常生活では家族の援助が不可欠
- 金銭管理、服薬管理は家族が行っている
- 一般就労は困難で、福祉的就労の場での配慮が必要
日常生活能力の程度は「(3)家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要」と評価されました。
【Bさんの言葉】
「更新の通知が来た時は本当に怖かったです。働いているせいで年金が止まったら、どうやって生活すればいいのかと。でも、専門家に相談して、『働いている実態』をきちんと伝えることの大切さを学びました。支援を受けながら働いていること、日常生活では家族の助けが必要なこと、そういう事実を正確に伝えれば、ちゃんと理解してもらえるんだとわかって安心しました」
【この事例から学べること】
- 「働いている=支給停止」ではない
- 福祉的就労(就労継続支援A型・B型)での勤務は、一般就労とは異なる
- 勤務時間、配慮内容、支援の実態を具体的に伝えることが重要
- 日常生活での援助の必要性も併せて説明する
- 事業所からの書面など、客観的な資料があると説得力が増す
【長年の治療歴】
Cさんは30歳の時に統合失調症を発症しました。会社員として働いていましたが、幻聴と被害妄想により仕事を続けられなくなり退職。その後、入院治療を経て、障害厚生年金2級を受給しながら、自宅で療養生活を送ってきました。
発症から25年間、同じクリニックのB医師に診てもらっていました。B医師はCさんの病状の経過をよく理解しており、診断書も適切に記載してくれていました。これまで3回の更新を経験しましたが、いずれも2級を継続できていました。
【突然の主治医交代】
4回目の更新を迎える3か月前、B医師が高齢のため引退することになりました。クリニックは後任の若い医師が引き継ぐことになりましたが、Cさんは大きな不安を感じました。
「新しい先生は、私のことを何も知らない。25年間の経過も、日常生活の困難さも、わかってもらえるだろうか。更新の診断書を書いてもらえるだろうか」
Cさんは統合失調症の陰性症状により、自分から積極的にコミュニケーションを取るのが苦手です。新しい医師に自分の状態を説明できる自信がありませんでした。
【家族の決断とサポート依頼】
Cさんの妻は夫の不安を見て、「このままでは更新がうまくいかないかもしれない」と感じ、当事務所にご相談くださいました。
「夫は新しい先生とうまく話せないと思います。でも、更新の診断書は必要です。どうすればいいでしょうか」
私たちは、新しい医師に対して、Cさんの病状の経過と現在の生活状況を正確に伝えるための資料作成をサポートすることにしました。
【準備した資料】
1. 治療経過のサマリー(時系列)
- 発症時期と初期症状
- 入院歴(回数・期間・理由)
- 服薬の変遷
- 過去25年間の症状の推移
- 過去3回の更新結果
2. 過去の診断書のコピー
B医師が記載した過去3回分の診断書をコピーし、日常生活能力の評価の推移がわかるようにしました。
3. 現在の日常生活状況の詳細
- 1日の過ごし方
- できること・できないこと
- 妻の援助内容
- 残遺状態による影響(意欲低下・感情の鈍麻・自閉傾向)
- 対人関係の困難さ
4. 医師への情報提供書
「初めての医師に診てもらう際の留意点」として、以下の内容を記載しました。
- Cさんは自分から積極的に話すのが苦手であること
- 陰性症状により感情表現が乏しいが、内面では困難を抱えていること
- 妻からの情報も参考にしていただきたいこと
- 過去の診断書との連続性を考慮していただきたいこと
【初診と診断書作成】
新しいD医師との初診には、妻も同席しました。用意した資料一式をD医師に提出し、妻からも25年間の生活状況を説明しました。
D医師は資料をじっくり読み、「詳しい情報をありがとうございます。前の先生がどのように評価されていたかもよくわかりました」と言ってくれました。そして、Cさんに対しても丁寧に質問し、現在の症状や生活状況を確認してくれました。
診断書作成の際、D医師は過去の診断書も参考にしながら、現在の状態を評価してくれました。日常生活能力の判定では、前回と同様の評価となり、継続性のある診断書が作成されました。
【Cさんの妻の言葉】
「主治医が変わると聞いた時は、本当に不安でした。夫は自分から話すのが苦手なので、新しい先生に理解してもらえるだろうかと。でも、専門家のアドバイスで資料を準備し、私も同席して説明することで、スムーズに診断書を作成していただけました。医師が変わっても、きちんと準備すれば大丈夫だとわかって安心しました」
【この事例から学べること】
- 医師が変わる場合は、事前の準備が特に重要
- 過去の診断書のコピーを持参すると、継続性のある評価を受けやすい
- 治療経過をまとめた資料があると、新しい医師も状況を把握しやすい
- 家族の同席と客観的な情報提供が有効
- 本人が話すのが苦手な場合は、家族や支援者がサポートする
【全事例から学ぶ、更新成功の共通ポイント】
1. 症状の実態を正確に伝える準備
どの事例でも、日常生活の具体的な困りごとを整理し、医師に伝えるための準備をしていました。主観的な「調子がいい/悪い」ではなく、客観的な生活状況を説明することが重要です。
2. 家族の協力と客観的な情報提供
本人だけでは伝えきれない情報を、家族が補足することで、より正確な評価を受けられました。特に病識がない場合や、陰性症状で自分から話せない場合、家族の役割は非常に大きいです。
3. 医師への資料提供
口頭での説明だけでなく、書面で情報を提供することで、医師も状況を把握しやすくなります。生活記録、治療経過のまとめ、過去の診断書のコピーなどが有効です。
4. 陰性症状の影響を強調
統合失調症では、幻聴や妄想などの陽性症状が改善しても、意欲低下や感情の鈍麻などの陰性症状は継続することが多いです。この陰性症状による日常生活への影響を具体的に伝えることが、適切な評価につながります。
5. 専門家のサポート活用
更新で不安を感じたときは、専門家に相談することで、適切な準備と対策ができます。一人で悩まず、早めにサポートを求めることが成功の鍵です。
これらの事例が、同じように更新で不安を感じている皆様の参考になれば幸いです。統合失調症の更新では、症状の変動や生活上の制限を具体的に伝えることが何より大切です。一時的に支給停止になったとしても、諦めずに適切な手続きを行うことで、再度受給できる可能性があります。
清水総合法務事務所の障害年金更新サポート
私たち清水総合法務事務所は、神戸市を拠点に「諦めない障害年金」をモットーとして、障害年金申請の専門サポートを提供しています。特に統合失調症をはじめとする精神疾患の案件では、症状の見えにくさゆえの難しさを熟知しており、多くの方の更新手続きをお手伝いしてきました。
更新サポートの特徴
1. 診断書内容の事前チェック
医師が作成した診断書を提出前に確認し、日常生活能力の評価が実態と合っているか、具体的なエピソードが記載されているかをチェックします。必要に応じて、医師への追記依頼のアドバイスも行います。
2. 医師への情報提供資料の作成
日常生活での困りごとや症状の変動を整理した資料を作成し、診察時に医師に提出できる形にまとめます。ご本人やご家族からの聞き取りをもとに、専門家の視点で重要なポイントを抽出します。
3. 支給停止時の対応サポート
万が一支給停止となった場合でも、審査請求や支給停止事由消滅届の提出をサポートします。統合失調症は症状の波があるため、適切なタイミングで再申請することで、受給再開できる可能性があります。
4. LINEでのこまめな相談対応
更新時期は不安が大きくなりがちです。当事務所ではLINEでの相談にも対応しており、疑問点や不安をすぐに解消できる体制を整えています。
兵庫県・神戸市での実績
当事務所は神戸市を中心に、兵庫県内の多くの方の障害年金申請をサポートしてきました。地域の医療機関との連携も深く、統合失調症の治療に理解のある医師の情報も持っています。県内であれば面談も可能ですし、遠方の方にはオンラインやお電話でのご相談も承っています。
「諦めない障害年金」の理念のもと、複雑なケースでも最後まで伴走します。更新時の不安や疑問がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
更新手続きの無料相談を受付中
診断書の内容確認、医師への伝え方のアドバイス、支給停止時の対応など、統合失調症の障害年金更新に関するお悩みをサポートします。初回相談は無料です。
統合失調症の障害年金更新|よくある質問
Q1. 更新の診断書提出が期限に間に合わなかったらどうなりますか?
A. 診断書の提出が期限に遅れると、年金の支払いが一時停止されます。ただし、期限を過ぎてから提出しても、審査に通れば支給は再開されます。再開までに1〜2か月かかりますので、生活に支障が出ないよう、できるだけ期限内に提出することをお勧めします。焦って内容の不十分な診断書を提出するよりも、きちんと内容を確認してから提出する方が重要です。
Q2. 症状が少し良くなったように感じますが、正直に伝えると支給停止になりませんか?
A. 症状の改善を隠す必要はありません。統合失調症は症状に波があることが認定基準でも理解されています。大切なのは、「調子の良い時もあるが、悪い時の状態や残遺状態による日常生活への影響」を正確に伝えることです。一時的な改善だけでなく、全体的な生活状況を医師に理解してもらいましょう。
Q3. 主治医が診断書の作成を嫌がっているようですが、どうすればいいですか?
A. 医師によっては障害年金の診断書作成に慣れていない場合があります。まずは、日常生活での具体的な困りごとをまとめた資料を用意し、医師に提供してみてください。それでも難しい場合は、障害年金に詳しい医師への転院を検討することも一つの選択肢です。当事務所では、地域の協力的な医療機関の情報提供も行っています。
Q4. 更新で等級が下がった場合、不服申し立てはできますか?
A. はい、可能です。審査結果に不服がある場合は、決定通知を受け取った日の翌日から3か月以内に「審査請求」を行うことができます。また、障害の程度が重くなったと感じる場合は、前回の診査から1年経過後に「額改定請求」を行うこともできます。
Q5. 永久認定になる可能性はありますか?
A. 統合失調症を含む精神疾患で永久認定となるケースは非常に稀です。長期間にわたり症状が固定しており、医学的に回復の見込みが全くないと判断された場合のみ、永久認定となる可能性があります。ほとんどの場合は有期認定となり、定期的な更新が必要です。
まとめ|安心して更新を迎えるために
統合失調症の障害年金更新は、確かに不安を感じる手続きかもしれません。しかし、適切な準備と対策を行うことで、多くの方が継続して受給できています。
更新手続きで最も大切なのは、症状の実態を医師に正確に伝え、それを診断書に反映してもらうことです。統合失調症は症状に波があり、残遺状態による生活への影響も見えにくい傾病です。だからこそ、日常生活での具体的な困りごとを整理し、医師に丁寧に説明する必要があります。
万が一、更新で支給停止や等級の引き下げとなった場合でも、諦める必要はありません。審査請求や再申請という道があります。症状が悪化した際には、適切なタイミングで再度申請することで、受給を再開できる可能性があります。
一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら、安心して更新を迎えてください。「諦めない障害年金」の理念のもと、私たちがあなたの更新手続きをしっかりとサポートします。


