直腸がん|就労中でも障害年金を受給できる3つのケースと診断書の注意点

直腸がん|就労中でも障害年金を受給できる3つのケースと診断書の注意点

最終更新:令和8年4月|社会保険労務士監修

「まだ働けているから、障害年金は自分には関係ない」——そう思い込んでいませんか?

直腸がんの治療を終えて職場に復帰した、あるいは治療と就労を並行している——そんな状況でも、障害年金を受給できるケースが確かにあります。「就労中=受給不可」は、多くの方が抱える大きな誤解のひとつです。

実際、直腸がんで人工肛門(ストーマ)を造設した方は、フルタイムで働いていても原則として障害厚生年金3級に認定されます。抗がん剤の副作用が重く、勤務時間や業務内容に制限がある状態でも、3級の対象となる可能性があります。

しかし、就労中での申請には「どのように働いているか」を正確に伝えることが欠かせません。診断書の記載内容と申立書の内容が食い違えば、審査に不利に働くリスクがあります。就労の「事実」だけでなく、就労の「実態」を伝えることが、受給の可否を左右するのです。

この記事では、障害年金の申請サポートを専門とする社会保険労務士が、直腸がんで就労中でも受給できるケース、審査への影響、そして診断書記載で押さえるべき具体的なポイントを詳しく解説します。

📋 こんな状況ではないですか?(当てはまる項目を確認してください)

  • ☐ 直腸がんの手術・治療後、就労しているが「障害年金はもらえない」と思っている
  • ☐ 人工肛門(ストーマ)を造設しており、就労しながら生活している
  • ☐ 抗がん剤の副作用(倦怠感・手足のしびれなど)で勤務時間や業務内容が制限されている
  • ☐ 術後の排便障害・体力低下で、以前と同じようには働けていない
  • ☐ 職場の配慮を受けて何とか出勤しているが、無理をしている状態が続いている

※1項目でも当てはまる方は、障害年金の対象になる可能性があります。まずは制度を知ることから始めましょう。

目次

直腸がんとはどんな病気か——日常生活への影響と障害年金の関係

直腸がんは、大腸(結腸・直腸)の末端部にあたる直腸に発生する悪性腫瘍です。日本では大腸がんの中で約40%を直腸がんが占めており、とりわけ50〜60代の男性に多く見られます。罹患数は年々増加傾向にあり、現在では日本で最も多いがんのひとつとなっています。

直腸がんの主な症状と経過

直腸がんの代表的な症状は血便です。そのほかにも、便秘や下痢が繰り返される、便が細くなる、排便していないのに何度も便意をもよおす(テネスムス)、腹部の不快感・腹痛といった排便に関わる症状が特徴的です。さらに、がん細胞によるエネルギー消耗や慢性的な微量出血による貧血から、全身の倦怠感・体重減少・食欲低下が生じることもあります。

治療は手術(直腸切除術)が中心で、術後に抗がん剤療法や放射線療法を組み合わせるケースが多くあります。がんのステージ(I〜IV期)や位置によっては、人工肛門(ストーマ)の造設が必要になる場合があります。

直腸がんの主な症状と日常生活への影響
症状・後遺症 日常生活への影響 障害年金との関連
排便障害
(頻便・便漏れ)
外出・通勤が困難。トイレから離れられず業務継続が難しい 就労制限の根拠として認定基準の対象
人工肛門
(ストーマ)造設
パウチの交換・管理が必要。肉体的・精神的な負担が継続する 原則として3級に認定(就労中でも)
抗がん剤の副作用
(倦怠感・しびれ)
フルタイム勤務が困難。細かい作業や長時間の集中が難しい 副作用による労働制限が認定基準に関係
全身倦怠感・
体力低下
以前と同じ業務量をこなせない。休憩を頻繁にとらないと継続不可 「労働が制限される状態」として3級の対象
腸閉塞・再入院 突発的な入退院で就労が不安定になる。長期休職が必要なことも 病状の不安定さが認定に考慮される

直腸がんと障害年金の関係——このポイントが「自分事化」のカギ

直腸がんは、手術が成功しても終わりではありません。術後の排便障害、抗がん剤による副作用、人工肛門の管理——こうした状態が日常生活や就労に長期にわたって影響を及ぼし続けます。「治療が終わったから大丈夫」ではなく、「治療後の状態が今の生活にどう影響しているか」が、障害年金の認定において重要な視点です。

📋 こんな状況の方は、就労中でも障害年金の対象になる可能性があります

  • ☐ 直腸がんの治療で人工肛門(ストーマ)を造設した(就労状況にかかわらず原則3級)
  • ☐ 抗がん剤の副作用で倦怠感・しびれが強く、勤務時間や業務内容を制限されている
  • ☐ 術後の後遺症で、職場から複数の配慮を受けて何とか就労を続けている
  • ☐ 発症前と比べて、仕事量が半分以下に減っている
  • ☐ 初診時または現在、厚生年金に加入している(会社員・公務員など)

※実際の認定は個別の審査によります。上記は目安です。

このように、直腸がんは症状・後遺症・副作用の多くが障害年金の認定基準に関係しています。では、具体的にどのような制度で、どの等級に該当するのか——次のセクションで基礎知識を確認しましょう。

直腸がん患者が知っておきたい障害年金の基礎知識

障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事に支障が生じた場合に支給される公的年金制度です。老後の年金とは異なり、現役世代でも受給できる制度です。直腸がんをはじめとするがんも対象疾患に含まれます。

障害年金の2種類と等級

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。初診日(直腸がんで初めて医師の診察を受けた日)に国民年金に加入していた方は障害基礎年金(1級・2級)、厚生年金に加入していた方は障害厚生年金(1〜3級)の対象となります。

就労中の方にとって重要なのが「3級」の存在です。障害基礎年金には3級がありませんが、障害厚生年金には3級があります。会社員や公務員として厚生年金に加入していた方は、3級の認定を受けることで年金を受け取ることができます。

障害年金の種類・等級・金額の目安(令和7年度)
種別 等級 状態の目安 年金額の目安
障害基礎年金
(国民年金加入者)
1級 日常生活ができない状態 年額 約102万円
2級 日常生活が著しく制限される状態 年額 約81万円
障害厚生年金
(厚生年金加入者)
1級 日常生活ができない状態 報酬比例額×1.25+障害基礎1級
2級 日常生活が著しく制限される状態 報酬比例額+障害基礎2級
3級 労働が著しく制限される状態(就労中でも対象) 報酬比例額(最低保障 約58万円)

※金額は目安です。実際の支給額は加入期間・報酬額により異なります。

受給のための3つの要件

障害年金を受給するには、①初診日要件(直腸がんで初めて医師の診察を受けた日の確認)、②保険料納付要件(初診日の前日時点で保険料を一定期間納めていること)、③障害状態要件(障害認定日に一定以上の障害状態にあること)という3つの要件をすべて満たす必要があります。これらの要件を満たしているかどうかは、専門家と一緒に確認するのが確実です。

制度の概要を理解したところで、最も重要な「認定基準」——とりわけ就労中の方がどう評価されるか——を詳しく見ていきましょう。

直腸がん×障害年金の認定基準——就労中でも審査される「3つの視点」

がん(悪性新生物)による障害年金の認定は、骨折などと異なり、数値だけで等級が決まるわけではありません。組織所見・検査結果・転移の有無・病状の経過・治療効果、そして日常生活状況と就労状況が総合的に評価されます。直腸がんの場合、以下の等級目安と認定基準が適用されます。

直腸がんの障害等級の目安と、医師に伝えるべきポイント
等級 主な状態像 診断書に記載してもらうポイント
1級 日常生活ができない状態(臥床が多い、他者の介護が必要) 一般状態区分「ほとんど終日就床が必要」、食事・排泄・移動などの具体的介助状況
2級 日常生活が著しく制限される状態(家事・外出が困難) 一般状態区分「軽労働もできない」、倦怠感・疼痛の強さと継続期間、転移の状況
3級 労働が制限を受ける状態(短時間勤務・業務内容制限あり)
人工肛門造設者は原則このカテゴリ
一般状態区分「軽作業はできる」程度、就労上の配慮内容(時短・業務制限)、副作用症状の具体的記載

※等級の認定は個別の審査によります。上記はあくまで目安です。

就労中の審査で重要な「3つの視点」

就労中の申請で多くの方が心配するのが、「働いていると審査で不利になるのでは?」という点です。結論から言うと、就労していること自体は受給の妨げになりません。ただし、審査では「どのように就労しているか」が厳しく見られます。

視点①:就労の「量」——出勤日数だけでなく実労働の実態
審査官は、出勤日数だけで就労状況を判断するわけではありません。「週5日出勤しているが、1日3時間しか働けない」「20分作業したら40分休むペースでしか継続できない」——こうした具体的な実態こそが、障害の状態を示す根拠になります。出勤日数の記録だけでは不十分で、一日の実際の業務量・休憩頻度・作業ペースを申立書に詳細に記載することが重要です。

視点②:就労の「質」——職場からの配慮の内容
「職場が配慮してくれているから何とか続けられている」という状況は、むしろ障害の程度を示す重要な根拠になります。短時間勤務・軽作業への変更・トイレ近くの席への配置換え・排便時間の確保といった配慮の内容を具体的に申立書に書き出すことで、「配慮なしには就労継続が困難な状態」であることを示すことができます。

視点③:就労の「安定性」——欠勤・入院の頻度
腸閉塞による緊急入院、抗がん剤投与後の倦怠感による欠勤など、就労が不安定であることも審査に考慮されます。「月に○日は体調不良で欠勤」「抗がん剤投与後の1週間は出勤が難しい」といった具体的な状況を記録・申告することが大切です。

診断書の「一般状態区分表」欄が審査の要となる理由

がんの障害年金で特に重要なのが、診断書の「一般状態区分表」欄です。この欄は、日常生活・就労の状態を5段階(ア〜オ)で評価するもので、主治医が「どの区分に当てはまるか」を選択します。

就労中で3級を目指す場合、区分「ウ:歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なことがある。軽労働はできる」が目安となりますが、この欄に適切な内容が反映されるためには、医師に症状の具体的な実態を伝えることが不可欠です。

主治医は多忙であり、診察室での数分では患者の就労実態をすべて把握できないことがほとんどです。「短時間勤務しているが抗がん剤後の1週間は動けない」「トイレ問題で外出を制限しており、業務の大半をリモートに変更してもらっている」——こうした具体的な状況をメモにまとめて診察時に渡すことで、診断書の記載精度が大きく向上します。

認定基準の全体像を把握したところで、次は実際の申請手続きの流れを確認しましょう。「複雑そう…」と感じた方も、ステップを整理すると意外とシンプルです。

直腸がんで障害年金を申請する流れ——3ステップで整理

障害年金の申請は「書類が多くて複雑」というイメージがありますが、流れを把握しておけば、どの段階で何を準備すればいいかが見えてきます。直腸がんの場合のポイントを交えながら解説します。

STEP 1:初診日と保険料納付要件の確認(約1〜2週間)

直腸がんで「最初に病院を受診した日」が初診日です。健康診断・人間ドックなどで指摘され、後日病院で診断を受けた場合は、指摘を受けた日ではなく精密検査等で初めて受診した日が初診日となります。初診日を特定したら、年金事務所で保険料納付要件を確認します。

💡 負担ゼロポイント:「過去の受診記録がわからない」場合も、手持ちのお薬手帳・領収書・診察券などで初診日を立証できることがあります。

STEP 2:診断書・書類の準備(約1〜3ヶ月)

主治医に診断書の作成を依頼します。直腸がんの場合は「内臓疾患用の診断書(様式第120号の6)」を使用します。また、「病歴・就労状況等申立書」を自分で記入します。就労中の方は、就労の実態(勤務時間・配慮内容・欠勤状況)を具体的に記載することが審査の要となります。

💡 負担ゼロポイント:医師への伝え方・診断書の内容確認・申立書の代筆は、専門家(社会保険労務士)に任せることができます。

STEP 3:年金事務所へ提出・審査待ち(約3〜6ヶ月)

必要書類をそろえて、最寄りの年金事務所(または街角の年金相談センター)へ提出します。審査期間は通常3〜6ヶ月程度です。審査結果は「支給決定通知」または「不支給通知」として届きます。

💡 人工肛門(ストーマ)造設の場合は、造設日から6ヶ月後が「障害認定日」となる特例があります(通常の初診日から1年6ヶ月と異なります)。この特例を活用することで、受給開始時期が早まる可能性があります。

「あなたの準備物」はたった3つ

📋 あなたが用意するもの(書類の記入・手配はサポート可)

  • 初診日に関する情報(初めて受診した病院名・受診した大まかな時期)
  • 現在の症状・就労状況のメモ(今の仕事の内容・一日の作業量・職場の配慮内容)
  • 年金手帳または基礎年金番号のわかるもの(マイナンバーカードでも可)

※診断書の取得・申立書の記入・年金事務所とのやり取りなど、残りの手続きは社会保険労務士が代行できます。

申請の流れは把握できましたか?次は、「就労中だから無理」と諦めてしまいやすいポイントを具体的に解消していきます。

「就労中は無理」と諦める前に——直腸がんで就労中でも受給できる3つのケース

「働いているから」という理由で、障害年金の申請を諦めてしまう方が少なくありません。しかし、直腸がんの場合、就労中であっても受給できるケースが明確に存在します。以下の3つを確認してください。

直腸がん|就労中でも障害年金を受給できる3つのケース
ケース 内容 認定の考え方
ケース①
人工肛門造設
直腸がんの手術で人工肛門(ストーマ)を造設した 就労状況にかかわらず原則3級に認定される。造設後6ヶ月が障害認定日(特例)
ケース②
副作用による労働制限
抗がん剤・放射線治療の副作用(倦怠感・しびれ・嘔気)で業務時間・内容に制限がある 副作用による就労制限の実態を具体的に証明できれば3級の対象。診断書の記載が鍵
ケース③
術後後遺症による制限
術後の排便障害・体力低下で職場の複数の配慮を受けながら就労している 「配慮なしには継続不可」な就労実態を申立書・診断書で示すことで3級認定の可能性

就労中の申請でよくある「諦めポイント」と当事務所の対応

「諦めポイント」と当事務所の対応
よくある諦めポイント 清水総合法務事務所の対応
「フルタイム出勤しているから無理だと思った」 出勤日数ではなく就労の実態を申立書で正確に表現。「20分作業・40分休憩」のペースを数値化して申告
「主治医に診断書を頼みにくい、書き方を知らない」 症状の実態を医師に伝えるための「伝え方メモ」を作成。診断書の記載内容を確認・不備があれば補完依頼
「一度不支給になったから諦めた」 不支給理由を分析し、額改定請求・審査請求・再請求の方針を提案。逆転実績あり
「書類が多くて体力的にこなせない」 LINEで症状の写真・メモを送るだけで相談開始。書類の記入・取り寄せはすべて代行

次は、実際に直腸がんで就労中のまま障害年金を受給した方の事例をご紹介します。制度の「自分ごと化」に、ぜひお役立てください。

直腸がんで就労中でも障害年金を受給できた3つの事例

事例1
「働いているから無理」と思っていたKさんが、人工肛門で3級認定を受けるまで

プロローグ

会議室の端の席に座ったKさん(56歳・男性)は、スマホの地図アプリを開きました。「この会場で一番近いトイレはどこか」——外出先では必ずやる習慣になっていました。直腸がんの手術から1年。ストーマ(人工肛門)を装着したまま営業職に復帰したKさんは、パウチの交換を一人でこなしながら、以前と変わらない笑顔で仕事をこなしていました。でも心の中では、いつも時間を気にしていました。

Kさんの職場への復帰を、上司も同僚も歓迎してくれました。「無理しないでくれよ」という言葉が、プレッシャーでもあり、支えでもありました。しかし、体の内側では変化が続いていました。ストーマの管理に毎日30分以上を要し、外出先でのトラブルも週に数回ある。それでも「自分は一応働けているから、障害年金なんて自分には関係ない」と思い込んでいました。

転機は、ソーシャルワーカーさんの一言でした。「Kさん、ストーマを造設されているなら、就労中でも障害年金の対象になるケースがありますよ」。Kさんは半信半疑でLINEで問い合わせをしました。

返信にはこう書かれていました。「ストーマ造設の場合、就労の有無にかかわらず、原則として障害厚生年金3級の対象になります。ぜひ一度、詳しい状況を聞かせてください」——その文章を読んだとき、Kさんは「申請してよかった」よりも先に「もっと早く知りたかった」と感じたそうです。

診断書の依頼では、Kさんが普段の生活で感じている負担——パウチ交換の手順と所要時間、外出先でのトラブルの頻度、ストーマ管理に費やす時間と精神的な消耗——を具体的なメモにまとめて主治医に渡しました。医師はそれを参考に、実態に即した診断書を作成してくれました。

エピローグ — Kさんの声

「就労中だから無理、と思い込んでいた自分が一番の壁でした。ストーマを造設していれば働いていても対象になると知って、世界が変わった気がしました。今は月々の受給額を医療費の一部に充てています。もっと早く知っていれば、と思う気持ちはありますが、今は前を向けています。」

この事例のポイント:ストーマ造設後の日常管理の実態を「具体的なメモ」にして主治医に渡すことで、実態を反映した診断書の作成につなげ、就労中での3級認定を実現した。

事例2
「出勤しているから通らない」と言われたMさんが、診断書の書き直しで逆転した話

第1幕:壁に直面

直腸がんの術後に抗がん剤療法を続けながら、短時間勤務で職場復帰したMさん(53歳・女性)。「自分で申請できるはず」と一人で年金事務所へ相談に行くと、窓口担当者からこう言われました。「抗がん剤の副作用は『一時的なもの』と見なされることが多い。出勤されているなら、認定は難しいと思いますよ」。その言葉が刺さりました。診断書を主治医に依頼したものの、記載内容は「外来通院中・加療中」という短い内容でした。結果は不支給。Mさんは「やっぱり無理だったんだ」と諦めかけました。

第2幕:転機

不支給から数ヶ月後、Mさんは職場の同僚に勧められてLINEで相談しました。「不支給の通知書と診断書の写真を送ってもらえますか」——受け取って確認した結果、問題の原因がすぐに判明しました。診断書の「一般状態区分表」の記載が実態より良好な区分になっており、副作用による就労制限の内容が一切記載されていなかったのです。「Mさん、これは診断書に実態が反映されていないことが原因です。もう一度、主治医への伝え方から一緒に整理しましょう」。具体的な作戦が立てられました。抗がん剤投与後の1週間は倦怠感が強く就労不能になること、残業は一切できず定時前に退席することが続いていること、業務の半分以上をリモートに切り替えてもらっていること——これらの実態を「医師に伝えるためのメモ」として文書化し、次の診察時に主治医へ渡しました。

第3幕:解決と成果

再申請の結果、今度は障害厚生年金3級が認定されました。決定通知が届いた日、Mさんは「信じられない」と何度もつぶやきながら電話をかけてきました。「一度不支給になって、もう諦めようと思ってました。でも、診断書がこんなに大事だとは知らなかった。先生に伝える言葉が変わっただけで、こんなに結果が変わるんですね」。その言葉が、支援の意味を改めて実感させてくれました。

この事例のポイント:「抗がん剤投与後の就労不能期間」と「業務のリモート移行による制限」を具体的に数値化して主治医に伝え、診断書の記載内容を実態に合わせることで、不支給から3級認定への逆転を実現した。

事例3
「もう3回目の入院で諦めた」Tさんが、術後後遺症で3級を受給できた理由

結果 — まず、今を知ってください

Tさん(59歳・男性)は現在、障害厚生年金3級を受給しながら週3日のパート勤務を続けています。直腸がんの術後に腸閉塞を3度繰り返し、「もう働くことも、年金申請することも、全部が無理だと思った」と振り返るTさんが、受給にたどり着いたのは「就労の実態を数字で示した」ことがきっかけでした。

実は — こんな状況でした

直腸がんの手術後、Tさんは何とか職場復帰しました。しかし術後の後遺症(排便障害・倦怠感)は収まらず、月に3〜4日の欠勤が続き、就業時間中も30分に1度はトイレに立つ状態でした。腸閉塞で3度緊急入院し、そのたびに1〜2ヶ月の休職を余儀なくされました。「自分は一応働けているから、障害年金の対象じゃない」——そう思い込んで、申請すら試みていませんでした。しかし、3度目の腸閉塞の後、「もうこれ以上一人で抱えられない」とLINEで連絡してきたのがTさんとの最初の出会いでした。

逆転 — どう変わったか

申立書の作成では、Tさんが抱える就労の実態をすべて数値化しました。「月の欠勤日数:平均3〜4日」「1日のトイレ回数:10〜15回」「腸閉塞による緊急入院:3回(各1〜2ヶ月の休職)」「職場の配慮:トイレ近くの部署に異動・残業免除・取引先訪問の免除」——こうした具体的な事実の積み重ねが、「出勤しているが実態は著しく制限されている」ことを審査官に伝えました。主治医への伝え方も整理し、診断書には実態に即した一般状態区分と後遺症の具体的記載が盛り込まれました。

今、伝えたいこと

「働いているから関係ない、と思って何年も申請しなかった。でも、就労の実態を正確に伝えたら、ちゃんと認定された。もっと早く相談していればよかったと思う反面、受給が始まってから、ようやく無理をやめられた気がします。同じように我慢している方に、諦めないでほしいと伝えたいです。」

この事例のポイント:就労中であっても、欠勤日数・トイレ回数・入院回数・職場の配慮内容を具体的に数値化して申立書に記載することで、「出勤しているが実態は著しく制限されている」状態を証明し、3級認定を実現した。

「自分は就労中だけど、対象になるかどうか確認したい」

申請するかどうかはその後でOK。まず「自分のケースが3つのどれに当てはまるか」だけ確認できます。

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💬 LINE公式(@273dfkjp)で気軽に確認もOK

※LINEなら24時間いつでもメッセージを送れます。返信は営業時間内に行います。

直腸がんと障害年金についてよくある質問(FAQ)

Q1. 直腸がんで就労中でも障害年金はもらえますか?
はい、就労中でも受給できるケースがあります。特に、人工肛門(ストーマ)を造設している場合は就労状況にかかわらず原則として3級に認定されます。ストーマがない場合でも、抗がん剤の副作用による就労制限や、術後後遺症で職場の配慮を受けながら就労している場合は、3級の対象となる可能性があります。「就労中=受給不可」は誤解です。

Q2. 就労していると審査で不利になりますか?
就労していること自体が不利になるわけではありません。ただし、就労の「実態」を正確に示すことが重要です。出勤日数だけでなく、勤務時間の短縮・業務内容の制限・職場の配慮内容・欠勤の頻度などを、診断書と申立書の両方に具体的に記載することが審査の要となります。診断書と申立書の内容が食い違うと不利になるため、整合性を確認することが大切です。

Q3. 人工肛門(ストーマ)造設後、いつから申請できますか?
人工肛門を造設した場合、造設した日から起算して6ヶ月を経過した日が障害認定日となります(通常の初診日から1年6ヶ月という規定の特例)。ただし、初診日から1年6ヶ月を超える場合はその時点が認定日となります。手術後6ヶ月が経過したら、早めに申請手続きを検討することをおすすめします。

Q4. 抗がん剤治療中でも申請できますか?
はい、治療中でも申請できます。ただし、障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月後)以降に申請するのが基本です。治療中の副作用が強く就労に制限がある場合は、現在の症状の状態で申請する「事後重症請求」を行うことも可能です。

Q5. 直腸がんで障害年金3級が取れた場合、金額はどのくらいですか?
障害厚生年金3級は「報酬比例の年金額」として計算されます。最低保障額は年額約58万円(月額約4.8万円)で、加入期間や報酬額によって変わります。3級には基礎年金部分(障害基礎年金)は加算されません。正確な金額は年金事務所または社会保険労務士への相談で試算できます。

直腸がんの障害年金申請で清水総合法務事務所が選ばれる3つの理由

清水総合法務事務所が選ばれる3つの理由

🔬 理由1:診断書に「就労の実態」を反映させる医学的翻訳

直腸がんの就労中申請で最大の壁となる「診断書の記載内容」。「一般状態区分表」欄に実態を反映させるため、抗がん剤副作用の具体的な症状・就労制限の内容・職場の配慮事項を、主治医が診断書に書きやすい形式でまとめた「医師向け伝達メモ」を作成します。「先生に何を伝えればいいかわからない」という方でも安心して依頼していただけます。

📱 理由2:LINEで症状のメモを送るだけで手続きがスタート

体力的に外出が難しい、書類を自分で記入する余裕がない——そんな方でも、LINE公式アカウント(@273dfkjp)に現在の症状や就労状況のメモを送るだけで相談を開始できます。書類の記入・取り寄せ・年金事務所とのやり取りはすべて代行。オンライン相談にも対応しています。

🔄 理由3:「就労中だから無理」と断られた案件の逆転実績

「就労しているから対象外」「一度不支給になったから難しい」——他の機関にそう言われた方からの相談を数多くお引き受けしてきました。不支給の理由を分析し、審査請求・額改定請求・再申請の方針を立てて逆転を目指します。「あきらめない障害年金」が、当事務所の理念です。

まとめ:直腸がんで就労中でも、諦める前に「対象かどうか」を確認してください

この記事で解説した内容を整理します。

直腸がんで就労中でも障害年金を受給できるケースは、①人工肛門(ストーマ)造設、②抗がん剤副作用による就労制限、③術後後遺症による著しい制限の3パターンです。いずれも、就労の事実ではなく就労の実態を正確に伝えることが審査の要となります。

診断書の「一般状態区分表」欄に実態が反映されているか、病歴・就労状況等申立書に具体的な数値(欠勤日数・勤務時間・職場の配慮内容)が記載されているか——この2点が審査の合否を大きく左右します。

厚生年金加入中に初診日がある方は3級の対象となる可能性がある一方、国民年金のみの加入者は3級の制度がないため、認定には2級以上の状態が必要となります。この違いも、申請前に確認しておくべき重要なポイントです。

📅 申請のタイミングについて知っておいてほしいこと

障害年金には「時効」があり、申請が遅れると遡及して受け取れる期間が短くなることがあります。「申請するかどうかまだ決めていない」という段階でも、まず「自分のケースが対象になるか」だけを確認することはできます。確認だけでも大丈夫ですので、ぜひ早めにご相談ください。

「まだ決めていない」「確認だけしたい」——それでも大丈夫です。相談の結果、対象にならないとわかれば、それはそれで重要な情報です。まず一歩、踏み出してみてください。

「就労中だけど、一度確認してみたい」方こそ、ご相談ください

直腸がんでの障害年金申請、神戸の専門家が就労状況・診断書の内容を含めてサポートします。

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📋 相談の流れ(3ステップ)

①LINE・電話・メールで相談予約 → ②30分のヒアリング(オンライン可)→ ③方針をご提案
※申請するかどうかはその後でOK。確認だけでも歓迎です。

📅 申請のタイミングについて
障害年金には請求時効があり、申請が遅れると過去に遡って受け取れる期間が短くなることがあります。「まだ決めていない」段階でも、対象かどうかの確認だけから始めることができます。

無料相談はこちら

💬 LINE公式(@273dfkjp)

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監修・執筆者

清水総合法務事務所 代表社会保険労務士

神戸を拠点に、障害年金申請サポートを専門とする社会保険労務士。「就労中だから無理」「一度不支給になった」難件を含め、がん・内部疾患を中心に数多くの認定実績を持つ。直腸がんをはじめとする悪性新生物での申請では、就労実態の数値化と診断書記載の医学的整理を強みとし、就労中での3級認定実績を積み重ねてきた。「調べる・考える・書く」負担ゼロの完全代行サービスで、兵庫・神戸を中心に全国対応。

社会保険労務士
障害年金専門
神戸・兵庫
がん専門

<参考・外部リンク>
厚生労働省「障害年金について」(認定基準・制度概要)
日本年金機構「障害年金」(請求手続きの詳細)
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」(疾患情報)


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