うつ病で障害年金はもらえる?認定基準と「目に見えにくい障害」の証明方法

うつ病で障害年金はもらえる 認定基準と目に見えにくい障害の証明方法

うつ病で日々の生活が辛く、仕事を続けることも難しい――そんな状況の中で、「障害年金を受給できるかもしれない」という情報を知り、このページにたどり着かれた方も多いのではないでしょうか。

うつ病は「目に見えにくい障害」です。骨折や内臓疾患のように検査数値で客観的に示すことができないため、「自分の辛さが本当に理解されるのだろうか」「認定基準を満たしているのだろうか」という不安を抱えている方がたくさんいらっしゃいます。

実際に当事務所にも、「うつ病で障害年金を受給できるとは思わなかった」「自分の症状では無理だと諦めていた」というご相談が数多く寄せられます。しかし、適切な準備と正しい理解があれば、うつ病でも障害年金を受給できる可能性は十分にあるのです。

この記事では、うつ病における障害年金の認定基準について、神戸で障害年金申請を専門にサポートしている社会保険労務士が、わかりやすく丁寧に解説していきます。

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目次

うつ病は障害年金の対象です

まず最初にお伝えしたいのは、うつ病は障害年金の支給対象となる疾患であるということです。「精神的な病気では障害年金はもらえない」と思い込んでいる方もいらっしゃいますが、それは誤解です。

うつ病は「気分(感情)障害」として障害年金の認定基準に明確に定められており、症状が一定の基準を満たせば、身体の障害と同様に障害年金を受給することができます。

うつ病の特徴は、抑うつ気分、意欲の低下、思考力・集中力の低下、不眠、食欲不振など、日常生活や仕事に大きな支障をきたす症状が持続することです。これらの症状により、家事ができない、外出が困難、人との交流が難しいといった状態が続いている場合、障害年金の受給対象となる可能性があります。

実際に、当事務所でサポートさせていただいたうつ病の方の多くが、障害基礎年金2級または障害厚生年金2級・3級の認定を受けておられます。

障害年金を受給するための3つの要件

うつ病で障害年金を受給するためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。これは他の疾患と共通する基本的な要件です。

要件1:初診日要件

障害の原因となったうつ病で初めて医療機関を受診した日(初診日)が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であること、または20歳前であることが必要です。

うつ病の場合、最初は「不眠症」や「自律神経失調症」「適応障害」などの診断名で受診されているケースが多くあります。その後、病院を変えて「うつ病」と診断されても、症状に関連性が認められれば、最初に受診した日が初診日となります。

初診日の考え方(うつ病の場合)

不眠や倦怠感で内科を受診→その後精神科でうつ病と診断された場合、内科の受診日が初診日となる可能性があります。病名が違っていても、症状の関連性が認められれば問題ありません。

要件2:保険料納付要件

初診日の前日において、次のいずれかを満たしていることが必要です。

  • 初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上の期間について保険料が納付または免除されていること
  • 初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと

20歳前に初診日がある場合は、この要件は問われません。

要件3:障害状態要件

障害認定日(原則として初診日から1年6か月を経過した日)または現在において、国が定める障害の状態に該当していることが必要です。

この「障害の状態」の基準については、次の章で詳しく解説していきます。

うつ病の障害認定基準とは

障害年金におけるうつ病の認定基準は、「気分(感情)障害」の認定基準が適用されます。等級は1級、2級、3級の3段階があり、障害の程度が重い順に1級となります。

等級 障害の状態
1級 高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
2級 気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級 気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの

注意点

3級は障害厚生年金のみに認められています。初診日に国民年金に加入していた方や、20歳前に初診日がある方は、1級または2級に該当しない場合、障害年金は支給されません。

わかりやすく言い換えると

上記の基準は専門的な表現で書かれているため、わかりにくいと感じる方も多いでしょう。簡単に言い換えると次のようになります。

1級:身の回りのことがほとんどできず、常に誰かの介助が必要な状態。食事や入浴も一人では難しく、日常生活のほぼすべてに援助が必要です。

2級:日常生活が著しく制限される状態。一人での外出が困難、家事ができない、対人関係が保てないなど、日常生活に大きな支障があります。

3級:労働が制限される状態。フルタイムの勤務が困難、職場で大きな配慮を受けている、単純作業しかできないなど、働く上で明らかな制限があります。

認定基準における重要なポイント

うつ病の認定基準には、次のような重要な考え方が示されています。

症状の経過を考慮する:うつ病は症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す特徴があります。そのため、障害認定日時点の症状だけでなく、これまでの症状の経過や頻度、日常生活への影響を総合的に判断します。

就労状況は慎重に判断する:働いているからといって、ただちに日常生活能力が高いとは判断されません。仕事の内容、就労状況、職場での援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを確認した上で、日常生活能力が判断されます。

これらの点は、後ほど詳しく解説します。

「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」とは

うつ病を含む精神障害の障害年金認定では、認定基準に加えて「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が重要な役割を果たします。このガイドラインは、認定の公平性を高めるために平成28年9月から運用されています。

ガイドラインでは、診断書に記載される「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」を数値化し、等級の目安を示しています。これにより、申請者自身もある程度の等級の見通しを持つことができるようになりました。

日常生活能力の判定(7つの項目)

診断書には、日常生活の7つの場面における能力を評価する項目があります。これは「一人暮らしをしたと仮定した場合」にできるかどうかで判定されます。

重要なポイント

現在家族と同居している方でも、「一人で生活した場合」を想定して判定します。家族の援助があってできていることは「できない」または「援助があればできる」と評価されます。

7つの評価項目は以下の通りです。

  1. 適切な食事:配膳や片付けを含めて、バランスの良い食事を適切な量で摂ることができるか
  2. 身辺の清潔保持:洗面、洗髪、入浴などの衛生保持や着替えができるか、自室の清掃や片付けができるか
  3. 金銭管理と買い物:金銭を適切に管理し、計画的な買い物ができるか
  4. 通院と服薬:規則的に通院や服薬を行い、病状を医師に伝えることができるか
  5. 他人との意思伝達及び対人関係:他人の話を聞く、自分の意思を伝える、集団行動ができるか
  6. 身辺の安全保持及び危機対応:危険から身を守る能力があるか、緊急時に適切に対応できるか
  7. 社会性:公共施設の利用や社会生活に必要な手続きが一人でできるか

それぞれの項目について、次の4段階で評価されます。

  • 1点:できる
  • 2点:自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
  • 3点:助言や指導があればできる
  • 4点:助言や指導をしてもできない若しくは行わない

この7項目の平均点が「判定平均」として、等級判定の目安となります。

日常生活能力の程度(5段階評価)

上記の7項目も含めた、日常生活全般における制限の程度を包括的に評価するのが「日常生活能力の程度」です。次の5段階で判定されます。

  1. 精神障害を認めるが、社会生活は普通にできる
  2. 精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には援助が必要である
  3. 精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である
  4. 精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である
  5. 精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である

等級の目安の見方

「判定平均」と「日常生活能力の程度」を組み合わせることで、障害等級の目安が示されます。

判定平均 程度(5) 程度(4) 程度(3) 程度(2) 程度(1)
3.5以上 1級 1級又は2級
3.0以上3.5未満 1級又は2級 2級 2級
2.5以上3.0未満 2級 2級又は3級
2.0以上2.5未満 2級 2級又は3級 3級又は非該当
1.5以上2.0未満 3級 3級又は非該当
1.5未満 非該当 非該当

例えば、判定平均が2.7で程度が(3)の場合、「2級又は3級」が目安となります。

重要な注意点

この表はあくまで「目安」です。実際の認定では、診断書の他の記載内容、病歴・就労状況等申立書の内容、療養状況、生活環境などを総合的に判断します。そのため、目安と異なる等級に認定されることもあります。

「目に見えにくい障害」をどう証明するか

うつ病で障害年金を申請する際に多くの方が抱える不安が、「自分の辛さが本当に理解してもらえるのだろうか」ということです。これは精神障害特有の課題であり、当事務所でも最も多く寄せられる相談の一つです。

診断書の内容が最も重要

障害年金の審査は書類のみで行われます。審査する担当者はあなたと直接会うことはなく、提出された診断書や申立書の内容だけで判断します。そのため、診断書にあなたの日常生活の困難さが正確に反映されていることが極めて重要です。

しかし、診断時間は限られており、医師にすべての状況を伝えることは容易ではありません。特にうつ病の方は、医師の前では無理に元気に振る舞ってしまったり、うまく症状を説明できなかったりすることがよくあります。

医師に伝えるべきこと

診断書を依頼する際には、次のような点を具体的に医師に伝えることが大切です。

日常生活での困難な場面を具体的に:

  • 朝起きられず、日中もほとんど横になっている
  • お風呂に何日も入れない
  • 食事の準備ができず、カップ麺ばかり食べている
  • 部屋が散らかっていても片付けられない
  • 通院日を忘れてしまうことがある
  • 人と会うのが怖くて外出できない

家族の援助の状況:

  • 家族が食事を作ってくれている
  • 家族が服薬を管理している
  • 家族が通院に付き添っている
  • 家族が声をかけてくれないと何もできない

就労している場合の配慮の内容:

  • 障害者雇用で働いている
  • 短時間勤務にしてもらっている
  • 単純作業のみに限定してもらっている
  • 頻繁に欠勤や早退をしている
  • 上司や同僚が常にサポートしてくれている

診断書作成時のコツ

日常生活の状況をメモにまとめて医師に渡すことをお勧めします。また、可能であればご家族に同席してもらい、客観的な状況を説明してもらうことも有効です。

病歴・就労状況等申立書で補足する

診断書は医師が作成しますが、病歴・就労状況等申立書は申請者自身(または家族)が作成します。この申立書で、診断書では伝えきれない具体的なエピソードや生活の困難さを詳しく記載することができます。

申立書では次のような内容を記載します。

  • 発病から現在までの経過
  • 通院歴と治療内容
  • 日常生活の具体的な状況
  • 就労状況と職場での配慮
  • 家族の援助の内容

「できないこと」「困っていること」を具体的に、客観的に記載することがポイントです。

働いていても障害年金は受給できるのか

「働いているから障害年金はもらえない」と思い込んでいる方が多いのですが、これは誤解です。働きながらでも障害年金を受給している方は数多くいらっしゃいます。

ただし、精神障害の場合、就労状況は審査で重要な判断要素となります。「働いている=日常生活能力がある」と単純に判断されないよう、就労の実態を正確に伝えることが重要です。

受給できる可能性が高いケース

次のような場合は、働いていても障害年金を受給できる可能性があります。

障害者雇用で働いている:障害者雇用制度を利用して働いている場合、それ自体が配慮を受けている証拠となります。診断書には必ず「障害者雇用」であることを記載してもらいましょう。

就労継続支援A型・B型事業所を利用している:福祉的就労の場合も、2級の可能性が検討されます。

短時間勤務や単純作業に限定されている:フルタイムでの勤務が困難で、短時間勤務や単純な作業のみに限定されている場合は、その旨を診断書や申立書に詳しく記載します。

頻繁に欠勤・早退・遅刻がある:体調の波があり、安定して働けない状況も重要な情報です。

職場で大きな援助を受けている:上司や同僚が常にサポートしてくれている、マニュアル化された業務しかできないなど、援助の内容を具体的に記載します。

神戸市内の就労継続支援事業所で働くAさんのケース

Aさんはうつ病で就労継続支援B型事業所に週3日通っていました。作業は単純な軽作業のみで、体調が悪い日は早退することも多い状況でした。これらの状況を診断書と申立書に詳しく記載した結果、障害基礎年金2級が認定されました。

診断書への記載が重要

就労している場合、診断書には次のような情報を詳しく記載してもらう必要があります。

  • 勤務先の種類(一般企業、障害者雇用、就労継続支援など)
  • 雇用形態(正社員、パート、アルバイトなど)
  • 勤務日数と勤務時間
  • 仕事の内容(具体的に)
  • 職場での援助の内容
  • 欠勤・早退・遅刻の状況
  • 他の従業員との意思疎通の状況

これらの情報が不足していると、「普通に働いている」と判断され、不支給となる可能性が高まります。

初診日の証明が難しい場合

うつ病の障害年金申請で最も困難なケースの一つが、初診日の証明です。特に次のような状況では証明が難しくなります。

  • 初診から時間が経過しており、カルテが廃棄されている
  • 最初に受診した医療機関が閉院している
  • 複数の医療機関を転々としており、どこが初診かわからない
  • 初診時の診断名が違う(不眠症、自律神経失調症など)

しかし、初診日の証明が難しい場合でも、諦める必要はありません。当事務所では、カルテが廃棄されているケースや閉院しているケースでも、様々な方法で初診日を証明し、障害年金の受給につなげた実績が多数あります。

初診日証明の代替方法

受診状況等証明書が取得できない場合、次のような方法で初診日を証明できる可能性があります。

  • 2番目の医療機関の診療録(カルテ)に初診日の記載がある
  • お薬手帳に初診時の処方の記録がある
  • 診察券が残っている
  • 家族や知人による第三者証明
  • 当時の日記や手帳の記録

これらの資料を組み合わせることで、初診日を証明できることがあります。

兵庫県内にお住まいのBさんのケース

Bさんは15年前に初めて心療内科を受診しましたが、その医療機関は既に閉院しており、カルテもありませんでした。しかし、2番目に受診した医療機関のカルテに「〇〇クリニックからの紹介」という記載があり、紹介状のコピーも残っていたため、初診日を証明することができました。

初診日の証明は専門的な知識と経験が必要な作業です。お一人で悩まず、専門家にご相談されることをお勧めします。

神戸・兵庫県での障害年金申請サポート

清水総合法務事務所は、神戸市須磨区を拠点に、障害年金申請の専門サポートを行っている社会保険労務士事務所です。「あきらめない障害年金」をコンセプトに、複雑なケースや困難なケースにも積極的に取り組んでいます。

当事務所の特徴

精神障害の申請に強い:うつ病をはじめとする精神障害の申請実績が豊富です。診断書の内容確認から申立書の作成まで、きめ細かくサポートします。

初診日証明の困難なケースに対応:カルテが廃棄されている、医療機関が閉院しているなど、初診日証明が難しいケースでも、様々な方法で証明に取り組みます。

不支給からの再申請をサポート:一度不支給となった方の再申請もサポートしています。不支給の原因を分析し、適切な対策を講じます。

神戸・兵庫県全域に対応:神戸市内はもちろん、明石市、西宮市、姫路市など兵庫県全域の方に対応しています。

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障害年金受給事例(うつ病)

ここでは、当事務所でサポートさせていただき、実際に障害年金の受給が認められた事例を3つご紹介します。個人情報保護のため、内容を一部変更しています。

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事例1:仕事のストレスからうつ病を発症、スムーズに認定

【背景】
神戸市在住の40代男性Cさんは、職場での過重労働とパワハラによりうつ病を発症しました。抑うつ気分、意欲低下、不眠などの症状が続き、仕事を休職することになりました。家族の勧めで障害年金の申請を検討されました。

【困難だった点】
Cさんは真面目な性格で、「働けない自分は情けない」という罪悪感を強く感じておられました。また、診察時には医師の前で無理に元気に振る舞ってしまう傾向がありました。このため、診断書に日常生活の困難さが十分に反映されない可能性がありました。

【当事務所のサポート】
Cさんとご家族から詳しく日常生活の状況をお聞きし、「できないこと」「困っていること」をまとめた資料を作成しました。この資料を医師に提出していただき、診断書作成の参考にしていただきました。また、病歴・就労状況等申立書では、発症の経緯から現在の生活状況まで、具体的なエピソードを交えて詳しく記載しました。

認定結果
障害厚生年金2級 / 年額約150万円(遡及含む)

【ご本人の声】
「自分では何から手をつけていいかわからず、申請を諦めかけていました。先生に丁寧にサポートしていただき、無事に受給できて本当に助かりました。経済的な不安が軽減され、治療に専念できるようになりました。」

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事例2:初診日証明が困難だったが、粘り強く対応して認定

【背景】
兵庫県内にお住まいの30代女性Dさんは、10年以上前から不眠や気分の落ち込みがあり、複数の医療機関を受診されていました。近年症状が悪化し、現在の主治医から障害年金の申請を勧められました。

【困難だった点】
最初に受診した心療内科は既に閉院しており、カルテも残っていませんでした。2番目の医療機関もカルテの保存期間が過ぎており、受診状況等証明書を取得できませんでした。初診日を証明できなければ、障害年金を受給できない可能性がありました。

【当事務所のサポート】
3番目に受診された医療機関のカルテを確認したところ、前医からの紹介状のコピーが残っており、そこに初診日の情報が記載されていました。また、Dさんが保管されていたお薬手帳の古い記録からも、初診時期を裏付ける情報が見つかりました。これらの資料を丁寧に整理し、初診日を証明することができました。

認定結果
障害厚生年金2級 / 年額約130万円

【ご本人の声】
「カルテがないと聞いて諦めていましたが、先生が様々な資料を調べてくださり、初診日を証明することができました。本当に『諦めない障害年金』ですね。感謝しています。」

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事例3:一度不支給となったが、再申請で2級認定

【背景】
神戸市在住の50代女性Eさんは、うつ病で数年前にご自身で障害年金を申請されましたが、不支給となっていました。その後症状が悪化し、現在は就労継続支援B型事業所に週2日通う状況になり、当事務所にご相談されました。

【困難だった点】
前回の申請では、診断書の「日常生活能力の判定」が実態よりも軽く記載されており、また病歴・就労状況等申立書でも「できること」を多く書きすぎていたことが不支給の原因と考えられました。一度不支給となると、再申請のハードルは上がります。

【当事務所のサポート】
まず、Eさんとご家族から現在の生活状況を詳しくお聞きし、前回の申請との違いを明確にしました。診断書作成にあたっては、医師に日常生活の困難さを具体的に記載したメモを提出していただきました。申立書では、症状悪化の経緯、就労継続支援B型での状況、家族の援助の内容を詳しく記載し、前回申請時からの変化を明確に示しました。

認定結果
障害基礎年金2級 / 年額約79万円

【ご本人の声】
「前回不支給だったので、もう無理だと思っていました。でも先生が『諦めないで再挑戦しましょう』と言ってくださり、勇気をもらいました。今回認定されて、本当に嬉しいです。」

※これらの事例は、実際のケースを基にしていますが、個人情報保護のため、内容を一部変更しています。金額は当時のものであり、現在の年金額とは異なる場合があります。

よくあるご質問(Q&A)

Q1. うつ病と診断されてどのくらいの期間が経過すれば障害年金を申請できますか?

原則として、初診日から1年6か月が経過した日(障害認定日)以降に申請できます。ただし、症状や日常生活の状況によっては、障害認定日より前に申請準備を始めることをお勧めします。診断書は障害認定日以降3か月以内のものが必要となります。

Q2. 障害者手帳を持っていないと障害年金は受給できませんか?

いいえ、障害者手帳がなくても障害年金は受給できます。障害年金と障害者手帳は全く別の制度であり、審査基準も異なります。障害者手帳を持っていなくても障害年金を受給している方は多くいらっしゃいますし、逆に障害者手帳を持っていても障害年金が受給できないケースもあります。

Q3. パートで働いていますが、障害年金は受給できますか?

パートで働いていても、障害年金を受給できる可能性はあります。重要なのは、勤務時間や勤務日数、仕事の内容、職場での配慮の状況などを診断書や申立書に正確に記載することです。短時間勤務、単純作業に限定、頻繁な欠勤、職場での大きな援助などがある場合は、その旨を詳しく伝えることが大切です。

Q4. 初診から時間が経過しており、最初の病院のカルテがありません。それでも申請できますか?

カルテがなくても申請できる可能性はあります。2番目の医療機関のカルテに初診日の情報が記載されている、お薬手帳に記録が残っている、診察券がある、家族や知人による第三者証明を取得できるなど、様々な方法で初診日を証明できる場合があります。諦めずに専門家にご相談されることをお勧めします。

Q5. 診断書の費用はどのくらいかかりますか?

診断書の作成費用は医療機関によって異なりますが、一般的には5,000円~10,000円程度です。複数枚必要な場合(障害認定日の診断書と現在の診断書など)は、その分の費用がかかります。また、受診状況等証明書の作成費用も別途必要となります(一般的には3,000円~5,000円程度)。

Q6. 申請してから結果が出るまでどのくらいかかりますか?

申請から結果が出るまで、通常3~4か月程度かかります。ただし、書類に不備がある場合や、追加資料の提出を求められた場合などは、さらに時間がかかることがあります。申請書類は慎重に準備し、不備のないようにすることが重要です。

Q7. 一度不支給になった場合、再申請はできますか?

はい、再申請は可能です。不支給の理由を分析し、適切な対策を講じることで、再申請で受給が認められるケースは多くあります。診断書の内容を見直す、申立書をより詳しく記載する、追加の医療記録を提出するなど、様々な方法があります。当事務所でも、不支給からの再申請をサポートし、受給につなげた実績が多数あります。

まとめ:うつ病の障害年金申請を成功させるために

ここまで、うつ病における障害年金の認定基準について詳しく解説してきました。最後に、申請を成功させるための重要なポイントをまとめます。

押さえるべき5つのポイント

1. うつ病は障害年金の対象疾患です
「精神的な病気では受給できない」という思い込みは誤りです。適切な準備をすれば、うつ病でも障害年金を受給できる可能性は十分にあります。

2. 診断書の内容が最も重要
審査は書類のみで行われます。医師に日常生活の困難さを具体的に伝え、診断書に正確に反映してもらうことが何より大切です。

3. 働いていても受給できる可能性がある
就労していることが、ただちに不支給の理由にはなりません。就労の実態(勤務時間、仕事内容、職場での配慮など)を正確に伝えることが重要です。

4. 初診日証明が難しくても諦めない
カルテが廃棄されている、医療機関が閉院しているなど、初診日証明が困難な場合でも、様々な方法で証明できる可能性があります。

5. 専門家のサポートを活用する
障害年金の申請は複雑で、専門的な知識が必要です。お一人で悩まず、社会保険労務士などの専門家にご相談されることをお勧めします。

「諦めない」ことの大切さ

当事務所には、「自分はうつ病だから障害年金は無理だと思っていた」「一度不支給になって諦めていた」という方が多くご相談に来られます。しかし、適切な準備と正しい知識があれば、障害年金を受給できる可能性は十分にあります。

うつ病と向き合いながら生活することは、想像以上に大変なことです。障害年金は、そのような方々の生活を支えるための制度です。「自分には無理」と諦めず、まずは専門家にご相談ください。

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