大人の発達障害で障害年金をもらう方法と注意点【社労士監修】
最終更新:令和8年5月|社会保険労務士監修
📋 こんな状況ではありませんか?
- ☐ 大人になって初めてASD(自閉スペクトラム症)やADHDと診断された
- ☐ 職場でのミスやコミュニケーションの難しさで、仕事を続けることが困難になっている
- ☐ 障害年金を申請したいが、初診日がいつなのかわからない
- ☐ 診断書をどう書いてもらえばよいか医師に伝えられない
- ☐ 「知能は普通だから年金はもらえないのでは」と思い込んでいる
朝、目覚まし時計が鳴る。起き上がれない——体は動くのに、頭の中に霞がかかったように何もできない。
「今日も仕事でミスをするかもしれない」「また怒られる」そんな不安がループして、布団から出られなくなる日が増えていませんか。
大人になってから発達障害(ASD・ADHD)と診断された方の多くが、このような毎日を何年も過ごしながら、「自分は障害年金の対象にならないだろう」と思い込んでいます。
しかし、発達障害は知能指数が高くても障害年金の対象となる場合があります。日本年金機構の認定基準には「たとえ知能指数が高くても、コミュニケーション能力の障害により日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う」と明記されています。
この記事では、大人の発達障害で障害年金を申請する具体的な方法と、申請を成功させるために押さえるべき3つの重要ポイント——①初診日の特定、②診断書の内容、③日常生活能力の評価基準——を、神戸を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士がわかりやすく解説します。
「どこに相談すればいいかわからない」「一度調べたけど情報が多すぎてわからなかった」という方も、この記事を最後まで読めば申請への道筋が見えてきます。
大人の発達障害とはどのような障害か——症状と日常生活への影響
ASD・ADHDの症状と経過
発達障害とは、脳機能の発達に関わる先天性の障害の総称です。主にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)が知られており、両方の特性を合わせ持つ方も少なくありません。
ASDの主な特性は「社会的コミュニケーションの困難」と「強いこだわり・感覚過敏」です。相手の気持ちを読み取ることが難しく、冗談や行間を読むことが苦手なため、職場での人間関係で繰り返しトラブルになるケースが多く見られます。予定外の変更に強い不安を感じたり、特定の感覚(音・光・触感など)に著しい過敏さを持つ方もいます。
ADHDの主な特性は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つです。大人のADHDでは多動性が目立たなくなる一方、不注意(書類の紛失・期日の忘れ・同じミスの繰り返し)が職場で大きな問題となります。時間管理や優先順位づけが極めて難しく、努力しても改善しない状態が続くことで、二次的にうつ病や不安障害を発症する方が多いのも特徴です。
発達障害は先天性であるため、幼少期から何らかの「生きづらさ」はあったはずです。しかし、学校生活では周囲の配慮やルーティンのある環境でなんとか適応できていた方も、就職・転職・昇進・結婚といった環境の変化で対処困難になり、30〜40代で初めて診断されるケースが急増しています。
| 症状・特性 | 日常生活への影響 | 障害年金との関連 |
|---|---|---|
| コミュニケーション困難(ASD) | 職場での報連相ができない、誤解が生じやすい、電話対応が極度に困難 | 社会的行動能力の制限として評価 |
| 強いこだわり・感覚過敏(ASD) | 業務変更に強いパニック、騒音や光で著しい疲労、外出困難 | 日常生活能力の程度(4〜5段階目)に関係 |
| 不注意・忘れ(ADHD) | 書類の紛失、期日の失念、同じミスの繰り返しで就労継続が困難 | 就労制限・反復ミスとして診断書に記載 |
| 衝動性・感情調節困難(ADHD) | 突発的な言動で対人トラブル、怒りを抑えられず休職に至るケースも | 社会的適応の著しい困難として評価 |
| 二次障害(うつ・不安障害) | 長期休職・通院・日常生活ほぼ不能状態に至ることがある | 併存症を含め総合的に認定(等級が上がる可能性) |
日常生活への具体的な影響
「職場以外では普通に生活できているから、障害年金は無理だろう」——そう思っている方も多いのですが、障害年金の審査では職場での困難だけでなく、家庭での日常生活全般の状況が評価されます。
ASDの感覚過敏がある場合、スーパーに行くだけで蛍光灯の光や人の多さで強い疲弊感を感じ、買い物が1人ではできない状態になることがあります。食事の準備が「段取り」の複雑さでできない、入浴を何日もしないまま過ごしてしまう、金銭管理が壊滅的にできないといった生活上の困難が、実は障害年金の評価対象です。
ADHDの場合、「やろうとは思うが始められない」「始めても途中でやめてしまう」という特性が家事全般に影響します。洗濯物が積み上がり、請求書を放置して電気が止まりそうになる、約束の時間に間に合わないために医療機関への通院も滞る——そういった状況が、実際の審査で重視されます。
また、発達障害の方に特有の問題として、自分の状態を過小評価してしまう傾向があります。「できていない」ことを「なんとかやっている」と答えてしまい、診断書に実態よりも軽い状態が記載されてしまうケースが多く、それが不支給の大きな原因のひとつです。
発達障害と障害年金の関係——なぜ申請できるのか
発達障害は障害年金の認定対象として、「精神の障害」のカテゴリに位置づけられています。日本年金機構の認定基準では、「知能指数が高い場合でも、社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けること」に着目して認定するとされています(日本年金機構「障害認定基準」)。
つまり「知的な問題がない」「大学を出ている」「少し働けている」という状況であっても、日常生活や社会生活に著しい制限があれば、障害年金を受給できる可能性があります。このことを知らずに申請を諦めている方が多いのが現状です。
では、具体的にどのような状態が認定されるのか——次のセクションで障害年金の制度概要と認定基準を見ていきましょう。
📋 こんな状況の方は、障害年金の対象になる可能性があります
- ☐ 発達障害の診断を受け、就労が困難または休職・退職している
- ☐ 買い物・調理・金銭管理・外出など日常生活の多くで援助が必要な状態
- ☐ うつ病・不安障害などの二次障害を併発している
- ☐ 継続的な精神科・心療内科への通院が必要な状態
- ☐ 初診日に年金制度(国民年金または厚生年金)に加入していた
※上記はあくまで目安です。実際の認定は申請内容・診断書・認定基準の総合判断によります。
発達障害で障害年金を受給できる?まず知っておく3つの受給要件
障害年金を受給するためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。発達障害の場合に特に注意が必要な点を含め、わかりやすく説明します。
障害年金受給要件フローチャート
① 初診日要件:初診日に年金制度に加入していること
発達障害で初めて医療機関を受診した日(初診日)に、国民年金または厚生年金保険に加入していること。20歳前の初診日の場合は別ルールがあります。
② 保険料納付要件:一定期間、保険料を納付していること
初診日の前日時点で「初診日の属する月の前々月までの全被保険者期間の3分の2以上の期間、保険料を納付または免除されていること」が必要(特例あり)。
③ 障害状態要件:障害認定日または請求時に一定以上の障害状態であること
初診日から1年6か月が経過した日(障害認定日)、または請求時点(事後重症請求)において、障害年金の等級(1〜3級)に該当する障害状態であること。
発達障害の「初診日」は何日?
発達障害の申請で最もつまずきやすいのが初診日の特定です。初診日とは「発達障害の症状で初めて医療機関を受診した日」ですが、以下のパターンで複雑になります。
パターン1:子どもの頃に小児科・発達外来を受診していた場合——その受診日が初診日となります。当時のカルテが残っていれば証明できますが、5〜10年で廃棄されていることも多く、証明書(受診状況等証明書)が取れないケースがあります。この場合でも、診察券・お薬手帳・障害者手帳申請時の記録などを組み合わせることで、初診日を合理的に推定・認定してもらえる場合があります。
パターン2:うつ病や不安障害で先に受診していた場合——発達障害より前に精神疾患で受診していると、その精神疾患の初診日が発達障害の初診日として扱われます。「うつ病と発達障害は別の病気」と思っていても、審査上は「同一の精神疾患の流れ」として初診日が統一されるため注意が必要です。
パターン3:20歳前に初診日がある場合——初診日が20歳前であれば、保険料納付要件は問われず「障害基礎年金」の対象となります(所得制限あり)。幼少期から発達特性を指摘されていた方は、このパターンが該当する可能性があります。
障害年金の種類と受給できる金額の目安
初診日に加入していた年金制度によって、受給できる障害年金の種類が変わります。
国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金(1級・2級)」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金(1〜3級)+障害基礎年金(1・2級の場合)」を受給できます。
令和7年度(2025年度)の年金額の目安は以下のとおりです。
| 等級 | 障害基礎年金(国民年金) | 障害厚生年金(厚生年金) |
|---|---|---|
| 1級 | 年額約103万9千円(月額約86,600円) | 報酬比例部分×1.25 + 障害基礎年金1級 |
| 2級 | 年額約83万1千円(月額約69,300円) | 報酬比例部分 + 障害基礎年金2級 |
| 3級 | なし(基礎年金は1・2級のみ) | 報酬比例部分(最低保障額:年約61万2千円) |
※令和7年度の金額。毎年度改定されます。子の加算(子1人につき年額約23万5千円)が加わる場合があります。
これだけの金額が毎年受給できることを知れば、申請する価値が十分にあることが分かります。次は認定基準と、申請の最重要ポイントである診断書について解説します。
発達障害の障害年金認定基準——等級の目安と診断書に書いてもらうべきポイント
発達障害の障害年金認定は「精神の障害」として審査されます。認定で最も重視されるのは、医師が作成する診断書(精神の障害用)の中の「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」の評価です。
等級判定の仕組み——ガイドラインをわかりやすく解説
厚生労働省が定める「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」では、診断書の「日常生活能力の判定」(7項目を4段階で評価)の平均値と「日常生活能力の程度」(5段階評価)の組み合わせで、等級の目安表(マトリクス)を決めています。
この目安表に加えて、「就労状況」「療養状況」「生活環境」「現在の病状」「病歴・就労状況等申立書の内容」を総合的に考慮して、認定医が最終的な等級を判定します。
| 等級の目安 | 主な状態像 | 医師に伝えるポイント |
|---|---|---|
| 1級 | 日常生活のほぼすべてにおいて他者の援助が必要。単身生活は不可能な状態 | 「1人では食事・入浴・着替えができない」「パニックが頻発し外出不能」「常時家族の見守りが必要」などを具体的エピソードで伝える |
| 2級 | 日常生活に著しい制限を受け、部分的に援助が必要。就労困難または制限が大きい | 「買い物・調理・金銭管理が自力では困難」「週3日以上外出できない」「声かけや介助なしには日常を維持できない」具体例を伝える |
| 3級 (厚生年金のみ) |
労働が著しく制限される状態。傷病が治っていないが、何らかの就労はできる | 「週20時間未満・短時間就労に限定」「職場に常時配慮がなければ勤務できない」「月に数回の欠勤や早退がある」等の就労実態を伝える |
※等級の認定は個別の審査によるものです。上記はあくまで目安です。
発達障害の診断書でよくある不備と対策
発達障害の申請において、診断書が原因で不支給になるケースが後を絶ちません。その最大の理由が「診断書に実態より軽い状態が記載される」という問題です。
これには2つの構造的な原因があります。
1つ目は「医師が日常生活の実態を把握していない」ことです。精神科・心療内科の診察は数分〜15分程度が一般的で、医師は「薬を飲んでいますか」「体調はどうですか」を確認するのが精一杯です。患者さんが「なんとかやっています」と答えてしまうと、医師はそれが実態だと認識して診断書に軽い評価を記載します。
2つ目は「発達障害の方特有の過小評価傾向」です。ASD・ADHDの特性として、自分の困難を客観的に表現することが難しく、「できていない」ことを「工夫すればできる」「努力すればできる」と答えてしまうケースが多くあります。この結果、診断書上の評価が実態より著しく軽くなり不支給の原因になります。
診断書に正確な状態を反映させるための具体的なアドバイス
🔬 プロが実践する「医師への伝え方」の具体例
- 「できない日の行動を時系列で書いたメモを診察に持参する」——「先週月曜日:起き上がれず15時まで布団にいた。買い物できず夕食は食べなかった」のように具体的に記録する
- 「家族・支援者から見た困りごとを別紙にまとめて医師に渡す」——本人が過小評価する傾向があるため、第三者の視点が重要
- 「「今は」ではなく「平均的な状態」を伝える」——「今日は調子が良い」という状態で受診したとき、「普段はこういう状態です」と補足する習慣をつける
- 「日常生活能力の7項目(食事・清潔・金銭管理・対人関係・社会性・通院・危機対応)について、それぞれ実態を具体的に伝える」
これらを1人で整理・準備することは、発達障害の方には特に大きな負担となります。社会保険労務士に依頼することで、「医師にどう伝えるか」のサポートから診断書のチェックまでを任せることができます。認定基準が理解できたところで、次は申請の具体的な流れを見ていきましょう。
大人の発達障害で障害年金を申請する流れ——5つのステップで解説
障害年金の申請は「複雑で難しい」という印象を持つ方が多いのですが、正しい順序で進めれば、着実に申請することができます。発達障害の申請に特有の注意点を含め、5つのステップで解説します。
初診日の特定と受診状況等証明書の取得
最初に受診した医療機関に「受診状況等証明書」を依頼します。カルテが廃棄されている場合は、2番目以降の医療機関の証明書と補足資料(診察券・お薬手帳など)を組み合わせる方法を検討します。【発達障害特有の注意点】幼少期に小児科や発達外来を受診していた記録が初診日となる可能性があります。
主治医への診断書作成依頼
診断書は「精神の障害用(様式第120号の4)」を使用します。障害認定日(初診日から1年6か月後)以降3か月以内の状態を記載してもらいます。事前に「日常生活の困りごとメモ」を作成して渡すことが、正確な診断書作成の鍵です。✅負担ゼロポイント: 社労士が依頼文の作成をサポートします
病歴・就労状況等申立書の作成
発達障害の場合、出生時から現在までの経緯を記載します。「幼稚園でのエピソード」「小学校での学習の困難」「就職後のトラブル」など、時系列で具体的に記載することが重要です。この書類は審査官が「診断書に書かれた状態が実態と合っているか」を確認するために使います。【最重要】診断書の内容と矛盾しないよう一貫性を保つことが必須です。
年金事務所・市区町村窓口への申請
必要書類(年金請求書・診断書・受診状況等証明書・病歴申立書・戸籍謄本など)を揃えて提出します。初診日が国民年金加入期間なら市区町村窓口、厚生年金加入期間なら年金事務所に提出します。✅負担ゼロポイント: 書類の記入・収集は社労士が全て代行します
審査・認定(約3〜6か月)
書類提出後、日本年金機構による書類審査が行われます。標準的な審査期間は3〜6か月程度です。認定されると認定通知書が届き、遡及受給分(最大5年)が一括で支払われます。
「あなた vs 社労士」何が変わるのか
| ポイント | 自己申請 | 社労士サポート |
|---|---|---|
| 初診日の特定 | 自分で調査・判断 | 代替証明の方法を提案 |
| 診断書の内容確認 | 不備に気づきにくい | 医師への伝え方を医学的にサポート |
| 病歴申立書の作成 | 何を書けばよいか不明 | 診断書と整合した内容で全て代筆 |
| 書類収集・提出 | 複数の窓口を自分で回る | 全て代行(郵送対応可) |
| 不支給時の対応 | 対処方法がわからない | 審査請求・再審査対応まで継続サポート |
発達障害の方は、書類作成・段取り・複数機関とのやり取りという申請プロセス全体が、まさにASD・ADHDの特性と相性が悪い作業です。体調の波がある中で書類を整理し、医師に適切に伝え、年金事務所と連絡を取り続けることは、大きな心身の負担になります。次のセクションでは、申請をあきらめてしまう代表的な障壁と、その乗り越え方を解説します。
大人の発達障害の障害年金申請でよくある「諦めポイント」と解決策
実際の相談事例を見ていると、発達障害の方が障害年金申請を諦めてしまう主な理由は、大きく3つに集約されます。それぞれの解決策と、清水総合法務事務所での実際の対応方法をお伝えします。
諦めポイント①:初診日が証明できない
「子どもの頃に小児科で相談したことはあるが、もう20年以上前で病院も変わっている」「中学生の頃に受診した記録が残っていない」——これは発達障害の申請で最も多い悩みです。
しかし、カルテが存在しないことは「初診日の証明ができない」ことと同じではありません。日本年金機構は、複数の参考資料を組み合わせることで初診日を合理的に推定・認定する制度を設けています(日本年金機構 障害認定基準)。
✅ 初診日証明の代替手段
- 2番目以降に受診した医療機関の「受診状況等証明書」+初診日を推定できる参考資料
- 精神障害者保健福祉手帳の申請時の診断書(初診日記載があるもの)
- お薬手帳(処方日・薬剤名から受診歴を推定)
- 当時の診察券・病院の領収書
- 障害者手帳の申請書類・更新時の記録
- 当時の学校の通知表・支援記録(通級・特別支援学級在籍の記録)
重要なのは「カルテがない=申請できない」ではなく、複数の手がかりをパズルのように組み合わせることで初診日を立証できる可能性があるということです。この代替証明の組み立ては、経験豊富な社会保険労務士でなければ難しい作業です。
諦めポイント②:診断書を書いてもらえない・軽く書かれてしまう
「主治医に診断書をお願いしたら『障害年金用の診断書は書いたことがない』と言われた」「書いてもらったが、実態より軽い評価で戻ってきた」——これも頻繁に起こる問題です。
発達障害の場合、医師が認定基準の「日常生活能力の7項目」と患者の実際の症状を結びつけることが難しいケースがあります。清水総合法務事務所では、「日常生活能力の各項目がなぜ困難なのか」を、その方のASD・ADHD特性と結びつけた説明資料を作成し、医師に渡す形でサポートしています。
例えば「対人関係の項目が困難な理由」を「ASDの特性による暗黙のルールへの不適応、コミュニケーションの文字通り解釈による誤解の頻発」と医学的に説明することで、医師が診断書に具体的かつ正確な内容を記載しやすくなります。
諦めポイント③:「働いているから無理」という思い込み
「パートタイムで少し働いているから障害年金はもらえないと思っていた」——この思い込みで申請を諦めている方が非常に多くいます。
障害年金の認定基準では、就労の有無・就労時間だけで等級を決めるわけではありません。「職場に特別な配慮(業務制限・声かけ・別室対応など)があって初めて就労できている」「就労後に極度の疲弊感があり、仕事以外の日常生活がほぼ維持できない」といった状態であれば、就労中でも2級・3級に認定されるケースがあります。
2024年に精神・発達障害の不支給が急増したことが報道されましたが(共同通信)、それは「適切な申請をしても通らない」のではなく、「状態の記録が不十分な申請が増えた」ことが大きな要因の一つと考えられます。適切な準備をした申請は、今でも十分に認定されています。
発達障害で障害年金を受給できた3つの事例
30代女性 ASD——「自分には無理」から障害基礎年金2級へ
プロローグ
スマホの画面を、Mさんはベッドの中で何度もスクロールしていました。「発達障害 障害年金 もらえる」——検索するたびに出てくるのは、自分には当てはまらないような事例ばかり。「私はまだ働けているし、知能も普通だし……やっぱり無理か」。スマホを置くと、また天井を見つめる夜が始まりました。
Mさん(30代・女性)がASD(自閉スペクトラム症)と診断されたのは、3年前のことでした。IT企業でプログラマーとして働いていましたが、チームでの仕事が増えるにつれ、苦手な「暗黙の了解」に毎日消耗し、半年前から休職状態に。月に1〜2回の通院は続けていましたが、「障害年金」という言葉は遠い世界の話だと感じていました。
「知能指数が普通でも受給できる場合があります」という記事を読んで、LINE公式アカウントに相談のメッセージを送ったのは、深夜0時すぎのことでした。翌朝届いた返信には「Mさんの状況、一度詳しく聞かせてください」とありました。
ヒアリングで明らかになったのは、Mさんが「できていない」ことを「なんとかやっている」と表現する習慣でした。実態は、買い物に行けない日が週の半分以上。冷蔵庫の中身を整理することも、食事を作ることも、ほとんどできていませんでした。担当者から「この状況を医師に具体的に伝えるメモを一緒に作りましょう」と提案があり、日常生活の困りごとを時系列で整理した資料を主治医に持参しました。
「先生、これが私の普段の生活です」——診察室でそのメモを渡したとき、主治医は「こんなに大変な生活をしていたんですね。診断書に正確に書きます」と言いました。それがMさんにとって、初めて「自分の困難さ」が言葉にされた瞬間でした。
エピローグ — 本人の声
「あの夜LINEを送っていなかったら、今も『無理だ』と思ったまま過ごしていたと思います。障害年金を受け取るようになってから、治療に専念できるようになりました。」
— Mさんは障害基礎年金2級に認定。月額約69,000円を受給しながら、自分のペースで回復に取り組んでいます。
この事例のポイント: 「できていない」を「なんとかやっている」と表現するASDの傾向を把握し、日常生活の具体的な困難を整理したメモを作成して主治医に渡すことで、実態を正確に反映した診断書の作成につながりました。
40代男性 ADHD——「初診日不明」という壁を乗り越えた逆転劇
第1幕: 壁に直面
Kさん(40代・男性)が年金事務所の窓口で言われたのは「初診日の証明書がなければ受け付けられません」という言葉でした。Kさんには中学生のころに母親に連れられて訪れた精神科の記憶がありましたが、そのクリニックはすでに廃院。「もう終わりだ」と感じて、帰り道で力が抜けていきました。
第2幕: 転機
LINEで相談したKさんに、担当社労士が言ったのは「廃院=証明不能ではありません」という一言でした。「Kさん、当時のお薬手帳は残っていますか?診察券でも、お母さまの記憶でも構いません」。引き出しの奥を探すと、20年以上前の「こころのクリニック」と書かれた診察券が出てきました。さらに、当時通っていた中学校の通知表に「特別な配慮が必要」という記録もありました。「これで初診日を合理的に推定できます」——担当社労士の言葉を聞いて、Kさんは初めて深呼吸できた気がしました。初診日の証明については、「2番目に受診した病院の受診状況等証明書」と「診察券・通知表の記録」を組み合わせ、「20歳前初診による障害基礎年金」として申請する方針が固まりました。
第3幕: 解決と成果
認定通知書が届いたのは、申請から約4か月後でした。封を開けたKさんは、その場でお母さんに電話しました。「かあさん、通った」——その日のことを、Kさんは今でも鮮明に覚えています。「あのとき諦めていたら、一生受け取れなかった。廃院だからって終わりじゃなかった」
この事例のポイント: 廃院した初診医療機関の証明書が取得できない状況で、診察券・中学校の通知表・2番目の医療機関の証明書を組み合わせ、20歳前初診による障害基礎年金として初診日を合理的に推定・立証しました。
30代男性 ASD+ADHD——不支給からの再申請で2級逆転認定
結果 — まず、今を知ってください
封筒を開けた瞬間、Tさんは声を上げました。「2級認定」——約1年前、「不支給」の通知を受け取ったあの封筒とまったく同じサイズの紙に、今度は逆の言葉が書かれていました。
実は — こんな状況でした
Tさん(30代・男性)は、ASDとADHDの両方の診断を受けていました。1年前、自分で申請した障害年金は不支給でした。通知書に添付された説明には「日常生活に著しい支障があるとは認められない」とありました。「自分で申請したのが悪かったのか、それとも自分の状態が軽いのか」——「もう無理だ。障害年金は自分には縁がないんだ」と感じていました。
逆転 — どう変わったか
清水総合法務事務所に相談したとき、担当者が最初に言ったのは「不支給通知書を見せてください。何が原因か分析します」でした。前回の申請書類を確認したところ、病歴・就労状況等申立書が「就職後に職場でトラブルがあった」という経緯の説明にとどまっており、日常生活での具体的な困難が一切記載されていませんでした。診断書も、主治医に「どのような状態を記載してほしいか」を伝えておらず、各評価項目が「できる」「ときどきできる」の評価に偏っていました。再申請では、まず「日常生活の実態記録ノート」を2週間つけてもらいました。「今日は調理できなかった」「外出でパニックになって帰ってきた」という日々の記録が、3〜4ページ分のメモになりました。そのメモを元に、主治医へ「ASDの感覚過敏がどのように家事・外出に影響しているか」を医学的に説明した依頼状を作成し、医師に渡しました。
今、伝えたいこと
「一度落ちたからって、本当に諦めないでほしい。僕は同じ状態なのに、申請の内容を変えただけで通った。」
Tさんはその後、障害厚生年金2級に認定。遡及分を含めた一括支給も受け、生活の安定を取り戻しています。
この事例のポイント: 不支給の原因を書類から分析し、ASDの感覚過敏が家事・外出に与える影響を医学的に説明した依頼状を医師に提出。病歴申立書を日常生活の具体的な困難に基づいて全面再作成することで、2級逆転認定を実現しました。
「自分のケースはどうなのか?」一度確認してみませんか
申請するかどうかはその後でOK。まず「対象になるか」だけ確認できます。
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※LINEなら24時間いつでもメッセージを送れます。返信は営業時間内に行います。
よくあるご質問——発達障害と障害年金
Q1. 大人の発達障害で障害年金はもらえますか?
はい、大人の発達障害(ASD・ADHDなど)でも障害年金を受給できる可能性があります。知能指数が高くても、コミュニケーション能力や日常生活能力に著しい制限がある場合は認定対象となります。ただし、初診日の証明・診断書の内容・保険料納付要件の3つをすべて満たす必要があります。「自分は軽いから無理だ」と判断せず、まず専門家に相談することをお勧めします。
Q2. 大人の発達障害の初診日はいつになりますか?
発達障害の初診日は「発達障害の症状で初めて医療機関を受診した日」です。幼少期に小児科や発達外来を受診していた場合はその日が初診日となります。ただし、うつ病など精神疾患で先に受診している場合は、その精神疾患の初診日が発達障害の初診日とみなされるケースがあります。初診日の判断は複雑なため、早めに社会保険労務士へ相談することをお勧めします。
Q3. 発達障害の障害年金の申請に必要な書類は何ですか?
主な必要書類は①受診状況等証明書(初診日の証明)②診断書(精神の障害用・障害認定日以降3か月以内のもの)③病歴・就労状況等申立書④年金請求書⑤戸籍謄本などの本人確認書類です。発達障害の場合は病歴申立書を出生時から詳細に記載することが特に重要です。カルテがない場合の代替書類についても、専門家にご相談ください。
Q4. 一度不支給になった後、再申請できますか?
できます。不支給通知を受けてから3か月以内に「審査請求」を行う方法と、状態が変化した段階で改めて新規申請(事後重症)を行う方法があります。不支給の原因を分析し、前回の申請の何が問題だったかを明確にしてから再申請することが重要です。事例3のように、申請内容を改善することで逆転認定となるケースは珍しくありません。
Q5. 発達障害で障害年金をもらいながら働けますか?
はい、働きながら受給することは可能です。障害厚生年金3級の場合は就労中でも受給できます。2級以上では就労状況が審査に影響しますが、「職場に特別な配慮があって初めて就労できている」「就労後の疲弊が大きく日常生活が維持できない」という状況であれば、就労中でも2級相当と認定されるケースがあります。
清水総合法務事務所が選ばれる3つの理由
🔬 理由1:「医師に伝わる言葉」で診断書をサポート
発達障害の診断書では、「ASDの感覚過敏が日常生活能力の7項目にどう影響するか」を医学的な観点から説明した依頼資料を作成します。医師が診断書を書きやすくなる情報を整理して渡すことで、実態に即した診断書の作成につながります。「診断書の内容が実態と違う」「医師に何を伝えればいいか分からない」という方に特に力を発揮できます。
📱 理由2:やることは「LINEで情報を送るだけ」
発達障害の方にとって、「複数の書類を集めて複数の窓口に行く」という申請プロセス自体が大きな負担です。清水総合法務事務所では、LINE公式アカウント(@273dfkjp)から日常生活の状況メモや書類の写真を送っていただくだけでサポートを開始できます。書類の記入・代筆・郵送対応まですべて代行するため、「調べる・考える・書く」という負担ゼロで申請を進められます。
🔄 理由3:一度断られても諦めない逆転実績
「他の事務所で断られた」「一度不支給になった」という方からのご相談を、清水総合法務事務所は積極的に受け付けています。不支給の原因を書類から分析し、何が問題だったかを特定してから再申請を組み立てるアプローチで、発達障害のケースでも逆転認定の実績があります。「もう無理だ」と諦める前に、一度ご相談ください。
まとめ——大人の発達障害で障害年金を受給するために
大人の発達障害(ASD・ADHD)と障害年金について、この記事でお伝えしたことをまとめます。
① 知能指数が高くても受給できる可能性がある——日本年金機構の認定基準は「知能指数にかかわらず、日常生活への制限に着目する」と明記しています。「自分は軽いから無理」という思い込みを一度取り除いて考えてみてください。
② 初診日の特定が最初の関門——カルテが存在しない場合でも、診察券・お薬手帳・障害者手帳の記録・学校の支援記録などを組み合わせることで初診日を立証できるケースがあります。「廃院だから無理」と諦めないことが大切です。
③ 診断書の質が認定を左右する——発達障害の方は自分の困難を過小評価する傾向があり、診断書に実態より軽い状態が記載されやすいです。日常生活の困りごとを具体的に記録したメモを医師に渡すことが、認定への近道です。
④ 一度不支給でも再申請できる——不支給の原因を分析し、申請内容を改善することで逆転認定されるケースは珍しくありません。諦める前に専門家に相談することをお勧めします。
「診断書が取れない」「一度断られた」方こそ、ご相談ください
発達障害(ASD・ADHD)での障害年金申請、神戸の専門家が医学的根拠に基づいてサポートします。
✅ 主治医への説明方法を医学的にサポート
✅ 複雑な書類は全て代筆・代行
✅ あきらめからの逆転実績あり
📋 相談の流れ(3ステップ)
①LINE・電話・メールで相談予約 → ②30分のヒアリング → ③方針をご提案
※オンライン相談可・30分×2回に分割可能
📅 申請のタイミングについて
障害年金には5年の時効があります。申請が遅れると、過去に遡って受け取れる期間が短くなる場合があります。「まだ申請するか決めていない」という段階でも、まず「自分のケースが対象になるか」だけ確認するところから始められます。
発達障害の特性上、電話でのお問い合わせが難しい方もいらっしゃいます。LINEでのテキスト相談をご利用ください。文字でのやり取りのみで申請完了まで対応できます。
※LINEなら24時間メッセージ送信OK。営業時間内に返信いたします。
監修・執筆者
清水総合法務事務所 代表社会保険労務士
神戸を拠点に、障害年金申請サポートを専門とする社会保険労務士。「診断書が取れない」「一度不支給になった」難件を含め、発達障害・精神疾患での多数の認定実績を持つ。医学的根拠に基づく診断書作成支援と、「調べる・考える・書く」負担ゼロの完全代行サービスを強みとし、兵庫・神戸を中心に全国対応。発達障害の方の特性を踏まえたLINEテキスト完結の相談対応も行っている。
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